番外編 ブラック企業あふれ話。業務開始からクレーム処理までの変
今回は久しぶりの番外編です。本格的に業務が始まってから起こった出来事、気づいた出来事をオムニバス形式でつらつらと書き連ねていこうと思います。
【ケース1・ブラック企業勤めのオッサンは臭い!】
まぁ、これは当人のモラルもあるのですが……。
A社社員の年齢分布は二十代から三十代前半の”若手”と五十代前後の”ベテラン”に二極化されています。年齢層についての詳細は前回の番外編にて書いていますが、入社一月くらいで気が付いたことが臭いです。
”ベテラン勢”で臭くないのは専務と生産管理部部長(二人とも既婚者。家庭が充実してる)くらいでした。あとは、みんな臭い。良い人も、嫌な人も関係なく、臭い。
体臭は人を差別しない!
「当人だって臭くなりたくて臭いわけじゃないんだから、体臭は仕方ないじゃないか!」
と、お叱りを受けそうな書き方をしてしまいましたが、ボクが思うに、これもブラック企業に勤めているからこそ起きる悪夢の一つです。
ブラック企業に勤めていると必然的に残業が増え、そして空腹時に手が伸びる物と言えばカップラーメンです。
そして仕事のせいで休日も少なく、たまの休みは残業で
さらに老いにともない落ちていく代謝……。
さらにさらに、毎晩のようにかっ食らう寝酒!
隙を見つければ手が伸びるタバコ!
これじゃ、臭くならない方がどうかしている!
《ここで絶対に需要がないであろう、A社の体臭きつかった人トップ3の発表です。イエーイ!》
〇第三位 Q技師、I技師が同率三位!
関西弁の楽しいおっちゃんQ技師は、よくおならをブーブーしていたせいか臭い記憶があります。
そして全方位バトルシステム(誰とでも喧嘩するシステム)搭載のI技師は二日に一回しかお風呂に入らない人だったのでした。
なので、(お! 今日はI技師がお風呂に入る日だ!)ってわかるくらい体臭に振れ幅がありました。上司の体臭をチェックしてるとか、僕は嫌な部下だなぁ(笑)
とはいえ、人の臭いって不思議なもので、このお二人の事は上司として結構好きだったので、しかたないなー、くらいにしか思っていませんでいた。
〇第二位 禿上司
言わずもがなの加齢臭の吹き溜まり。数分前にこの人が歩いた道なら、犬じゃなくても嗅ぎ分けられるくらい臭い。
そして、栄えある? 第一位は!
◎第一位 社長
さすがは社長! A社のトップは伊達じゃない!
多くの従業員、そして幹部クラスの社員たちにまで
「社長が(大小関係なく)使った後のトイレは気持ち悪いから、トイレ行きたくても我慢する。我慢できないときはトイレを使った後にうがいをする」
と言わしめる変な臭い。
加齢臭でありながら、アルコール臭であり、さらに排〇物系の臭いであり……あらゆる悪臭を網羅する体臭は、A社の最先端技術で社長の体内に埋め込まれたバイオ兵器が原因なんじゃないか!?
ちなみに完全に蛇足ですが、僕はアロマテラピー検定1級なんていう何故取ったのかわからない資格を持っていることもあり、嗅覚には多少の自信があるのです(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
【ケース2・臭いと来たら、次はハゲでしょ。】
まぁ、タイトルの通り。A社はハゲ率高めです。ストレスと栄養の偏り。さらに睡眠不足。これが何十年も続けば頭皮への影響は甚大です。
さらに過去には女性社員で円形脱毛症ができた人も居たそうな。女性はマジでかわいそう。
ちなみに僕は不幸中の幸いなのか、まだ抜け毛の兆候はありません、が! A社を退職する前くらいから白髪が増え始め、今も年齢の割には白髪が多い方だと思います。
白髪やハゲは労災認定されないんですかね?
【ケース3・A社は新進気鋭のベンチャー企業。ゆえに服装は自由!(服装が自由とは言っていない)】
一応、社則には服装についてとやかく書かれていません。会社からは作業着(上着のみ。夏用と冬用がある)が支給されているのですが、着用義務はありません(着用義務がないとは言っていない)。さらに月に一度、カジュアルデーと称して私服出社を推奨する日もあります。
さて、結論を述べますと基本的に若手社員はスーツで出社、会社に来てからジャケットを脱いで作業着の上着を着ます。これ以外の服装をすると、社長が不機嫌になります。
僕も朝の机拭きの際に作業着を着ていなかったら、先輩に
「君が作業着を着ないで机拭きをしてるのが社長は不満らしいから、明日から着てもらえる?」
と声をかけられましたし。それくらいの事、直接言えよ。
三十歳を超えたあたりからチノパンでの出社が認められますが、社内規定に書かれているわけではありません。暗黙の了解。同調圧力の賜物です。
仕事で半田ごてを使うため、何度ネクタイやズボンを焦がしたことか……。
当然ながら茶髪などの染色、ピアスは言語道断。
なので学生時代は金髪で、耳たぶどころか眉にまでピアスを入れていた僕は過去を必死に隠していました(お恥ずかしながら、少々パンク・ヘビーメタルや中二病を
社長曰く
「茶髪の社員がいると、他社になめられる!」
だそうですが、なめられる原因は髪の色じゃなくて会社の業績が原因なのでは?
あと社長の愛人がカジュアルデーの時に私服できたのですが、真ん中にでかでかとショートケーキのイラストが描かれたサイズの合わないクソダサTシャツを着てきたのには新人社員一同笑いをこらえるのが大変だったことを覚えています。
【ケース4・社長の不機嫌ポイント】
・会社内に漫画本を持ってきてはいけない。
・会社内に雑誌を持ってきてはいけない。
・香水をつけてきてはいけない。
・レッグポーチ、ウエストポーチなどの体に巻くタイプのポーチを付けてはいけない。
・暖房は24度以上、冷房は28度以下にしてはいけない。結論、エアコン点ける意味ない。
・定時に帰ってはいけない。
・社長が机で仕事してるときは目線を合わせるために片膝立ち、説教の場合は正座しないといけない。
・スポーツカーに乗ってはいけない。
・よその会社の社長がベンツに乗ってるのを「下品だ」と批判するけれど、本人もベンツ欲しくて仕方がない。
・それでも楽しく仕事をしなくてはいけない。
・こんな事にも耐えられないようじゃ、社会で生きていけない。
【ケース5・お客様と呼びなさい】
お客様第一主義を掲げるA社にとって、お客様が全てです。間違ってもお客さん言ってはいけません。これはお客様がいない場所でもです。お客さんと言った日には社長がキレます。
また、お客様がA社に来訪した際は、部署に関係なく、社員は全員仕事の手を止めて椅子から立ち上がり、
「いらっしゃいませ!」(超大声!)
と挨拶しなければいけません。お客様がこちらの挨拶に引いていても関係ありません。
【ケース6・転職は人生で一度だけ許されている説の信者たち】
これはA社で働いている若手社員たちのほぼ全員が罹患している病です。昨今でも転職の回数が多いと再就職が難しいなんて噂を聞きますが、当時ですと三回も転職をしようものならイタイ人扱いされました(今もそうなのかなぁ……)。
特にA社の若手社員たちは、この病の傾向が強く出ていたため転職に踏み出すのにはかなりの覚悟が必要でした。
そして大抵のブラック企業は、この病気を”発生””感染””進化”を促進させるシステムが出来上がっています。
事ある毎にしかりつけ、「そんな事で社会人が務まるのか!」と自尊心を傷つけ、過労で判断力を鈍らせて、すっかり自信を失わせる事で病状は悪化していきます。
まるでヒモ・DV・ダメ男に貢ぎ続ける女性のようです。
「
【ケース7・社長曰く「学生の時は何度妊娠させても、親が金払って解決してくれるから、いくらヤッたっていいんだよ」】
突き抜けるほどの最悪なクソですね。薄い本に出てくるキモオヤジくらいしか言わないでしょ、こんな言葉。いやー……控えめに行って〇ねばいいのに。まぁ、これほどひどい言葉、これ以上深くは語るまい。
これは飲み会の時に社長が仰っておられた言葉です。新入社員全員が聞いていましたが、全員引いていました。
ちなみに社長、娘がいます。まぁ、とっくに家庭崩壊してるらしいですけど、それにしたって、どうなんだろうね、これ。
【ケース8・私は! 社員たちに! 愛されている!】
このように暴虐武人な
その時、社員の待遇や、何もかもが社長の機嫌で左右される社風、人格否定を含めた叱責について正そうと進言したそうです。
が、しかし! この
「それは君の勘違いだ」から始まり、
「きつい叱責もするが僕は君らの為を思って言っているんだ、実際、みんなは僕に感謝している」(誰が? 誰がアナタに感謝してるって?)
「私は社員みんなに愛されているよ」(いや、目の前にアナタを嫌って直談判してる人が居るんですが!)
当時の事を話してくれた元ヤンプログラマーGさん曰く、「話しにならないから諦めた」と言っておりました。
ちなみにGさんは僕がA社を辞める少し前に退社していて、A社のライバル企業に入社していました。
聞くところ、そのライバル企業もインフルエンザだろうが「這ってでも来い!」と言われるブラック企業だそうですが、A社で免疫が付いてしまったGさんはブラックな職場(A社よりはマシだけど)に適応していったようです。
といった感じで番外編でした!
次回からは精神疾患で体も心も使い物にならなくなり、通院、休職、そして復帰までのお話が続きます。
実は精神疾患と、その病気との付き合い方は今作の裏のテーマでして、書く事が楽しみな内容なのです。暗いお話にはならないよう書いていきますので引き続きお楽しみいただければ幸いです。
それでは今回も読んで頂き、本当にありがとうございました!
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