記憶力とイベント開始


-----イベント開始!!-----


目の前にこの表示が出ると、いつの間にか崖の上に飛ばされていた。幸い、周りにはまだ敵は居ないらしい。

すると、岩陰から「悪いな!お前には死んでもらうぜ!オラァァァ!」と言いながら凸ってくる剣士がいた。だが私は剣士の対処法を知っていた。

【瞬影陽炎!】

そう叫ぶとスキルが発動し、私に対して斬りかかってきた剣士は何も無い空くうを切っていた。

そこに私がカウンターを入れると、剣士は光に変わった。

私の剣士の対処法。それは、「攻略法その149、剣士が凸ってきたらカウンターを入れるべし!突進はいきなり攻撃キャンセルが難しい為、避ければどうってことない!」

ここで初めて攻略wikiが役に立った。

ここまで読み込む人はそう居ないため、実質私は万能になっているという事だ。


私が剣士を倒すと、すぐに弓使いと盾使いがやってきた。

「悪いなァこれも勝つためなんだよ!」と叫びながら弓使いが炎の矢を放ってきた。

私が【闇の捕食者!】と叫ぶと、私の両肩の上からなんとも言えない姿の捕食者らしき物が炎の矢と盾使いの上を通り過ぎ弓使いを喰いちぎった。

すると盾使いが「な、何だよこいつ…やべぇよ…」

と言いながら逃げていったので、捕食者が追いかけてまた喰いちぎった。

「攻略法その184と195!弓使いはAGIの高いものに弱く、盾使いは攻撃役が居ないと殆どがSTRが低い為、何も出来なくなる!」

これも攻略wikiに載っていた。しかし、弓使いと盾使いが共闘している状況は載っていなかった。

そう、彼女は載っている情報を結びつけ応用することも出来るのだ。


そして少しずつプレイヤーがカナデを倒しにやってくるが、難なく全員を返り討ちにしていた。

そうしているうちに、カナデは2位になっていた。

その様子を見ていた脱落者は、

「なんだあのプレイヤーとんでもなく強いぞ…」

「スキルの使い分けも完璧だ…」

「あんな装備見た事ない…」

「Lvを見るに初心者だろうけどあんな強い初心者初めて見た…」

「おっ!あの子って確かくじ引きの所で全部買ってた子だよな」

「ああ…俺も見た事がある…まさかあんなに強いなんて…」

「確か掲示板でも話題になってたぞ。なんかあの装備雷狼装備らしい。」

「強くね!?どうやって入手したんだろう。」

「あの子うちのギルドに欲しいな。」

「何言ってんだよ!うちのギルドだ!」

こんな事を言われているなど知らないカナデは、

終盤戦になってきた頃にアナウンスでこんな事を耳にする。

「もうそろそろ終わりになるね!だから1位、2位、3位の場所をマップに示すよ!更に!上位者を倒した人は、上位者のPに加え、100ポイントをプレゼント!早い者勝ちだよ!」


「上位の人はどこかな?えっ!?わ、私2位!?」

そう、カナデは2位だと言うことを知らずに戦っていたのだ。しかもそうやってあたふたしている内に、ぞろぞろとプレイヤーたちがカナデの周りに集まってきた。

「どけよ!俺が殺るんだよ!」

「じゃあ行ってきたら?まああなたじゃ倒せないだろうけどね。」

「なんだと!?上等だ!やってやるよ!」

そう言ってカナデに向かって鉤爪使いが攻撃をしてくる。

それをカナデが、【アサシン・フィールド!】

とスキルを発動すると、速度が緩む。

「な、何だよ!俺のAGIは108なんだぜ!?」

「あいつでもダメなのかよ…」

「くそっ!やってやるよ!」

そう言うと、周りからどんどん円形にプレイヤーが詰めてくる。

しかし、【双剣乱舞!】と言いカナデが周りのプレイヤー達をどんどん切り刻んでいく。

「ふーっ終わった終わった〜」

そう言ってカナデが慢心していると、左奥の木の上から水の魔剣が飛んできた。

「うわっ!?あぶなぁ〜」一応避けることに成功はしたが、今度は当の本人らしいプレイヤーが飛んでくる。

「フッ、これを避けるとはなかなかやるな。」

「へっへーん!そうでしょ!」

そう言うと、カナデは無い胸を張る。

「なら、これは避けられるかなァ!」

そう言った瞬間、目の前からプレイヤーが消えた。

すると後方から「青涼の断罪ブルーペナルティ!」と聞こえ槍の先端のような青色の物体が次々と飛んでくる。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」と言いながら避けていくカナデだったが、当然避けきれる訳もなく、ダメージを受けてしまう。

「えっ!?うそ…残りHP12!?」

ギリギリで耐えたカナデだったが、次の攻撃を受けると確実に死んでしまう。

例えスライムの攻撃でも。

「ほう…やるなぁ嬢ちゃん。強くなったもんだ。」

「あ、その言い方は!まさかあの時の!」

そうこの男はカナデが街で声を掛けられたあの青の鎧に白い盾の人だ。

「おっ!覚えててくれたんだな!

俺の名前はクレフ。今青龍騎士団のギルドマスターをやってるんだ。」

青龍騎士団と言うと、水属性を得意とするメンバーで構成されており、いわゆる団長のクレフは魔法剣を使う上級職の魔法剣士を職業ジョブにしている。

青龍騎士団は、FLOの中で1.2を争う強豪の大規模ギルドだ。そこのトップと言うだけあり、流石の強さだ。


「へぇークレフさんって強いんですね!」

「あ、ああ、まあな。そういう嬢ちゃんも大分強いぞ。」

「えっ本当ですか!?ありがとうございますっ!」

「じゃあこれでお話は終わりだ。またフレンドになろうな。」そう言うと、本気の一撃を入れるつもりらしく、「清流大円斬!!」と上級スキルを使用してきた。

カナデは「瞬影陽炎!」と言い、何とか避けることに成功し、裏を取ることができた。

そこで、「双剣乱舞!」でスキルを発動しクレフにダメージを与えることに成功した。

「よし!多分倒せたよね!」

そう言ったカナデだったが、まだクレフは倒れてはいなかった。

「えっ!?まだ生きてるの?」

「あァ。かなりいいダメージは貰ったがな。その分、俺も本気を出さねぇとな。」

そういったクレフは魔法剣士の能力でSTRとAGIを上昇させた。

「さぁ、第2ラウンドと行こうか。嬢ちゃん。」

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