【7話】 受け継がれる願い
【キャラクターシート】
レイン :http://www.pumpukingdom.com/ytsheet2/sw2.5/?id=0XT69v&backup=2020-06-06-09-56
イキシア :http://www.pumpukingdom.com/ytsheet2/sw2.5/?id=PAW6EC&backup=2020-06-06-10-21
ミミ・クック:http://www.pumpukingdom.com/ytsheet2/sw2.5/?id=HYWb7l&backup=2020-06-06-10-23
ユズハ :http://www.pumpukingdom.com/ytsheet2/sw2.5/?id=C6fNMv&backup=2020-06-06-10-15
【NPC】
オルソラ :http://www.pumpukingdom.com/ytsheet2/sw2.5/?id=agPt80&backup=2020-06-06-08-37
GM:さてさて本日も皆揃いました。今日で7話目です。後4話駆け抜けましょう。まずは成長報告だ!
ミミ:ミミさんはフェンサーが8になりました。終わり。
GM:しんぷる。
レイン:レインはランクがブロードソードになった、終わり。
GM:しんぷるその2。
ユズハ:セージ5Lvになりました。得た言語は魔法文明語の読文。これで人族の公用言語の読文は全部マスター。知力と精神力上がってボーナスブレイク。オルソラの4万ガメル分のお土産は<ラルヴァイネの観察鏡>(2万ガメル)を希望します。枠譲ってくれたミミさんありがとう。
ミミ:(手を振る)
イキシア:観察鏡えらーい!
GM:2万ガメル分がアイテム1つで飛んだわ!
ユズハ:弱点抜くのがきついんですよ。特にバトルソング底上げで戦ってると、弱点抜くのは辛い。また今後も発生しそうだし。
GM:PLの信頼を勝ち得ている。
イキシア:イキシアです。特に成長していません(経験点据え置き!)自分の分のお土産は全部魔晶石に変わりました。案外1万ガメル分の魔晶石って少ないね? って思っちゃったのは内緒です。終わり。
GM:少なくないよ!
イキシア:以前の魔晶石報酬がおかしかったんだよなぁ。
GM:あれは酷かったですね。いくらなんでも上振れしすぎでした。しかし次のセッションで使い切る辺り君たちは良いPLだよ。
ユズハ:ダイスの女神に弄ばれた。
GM:女神は言っている……戦わなければ生き残れないと……。
レイン:残りの1万ガメルは魔符にすることにした。月光+1を5枚、陽光+1を4枚、陽光+2を1枚。陽光+1の2枚をミミ、月光は全員に1枚ずつ配布させてください。
GM:OK。さて、前回のおさらいです。
海辺!
水着!
バーベキュー!
沈没船ダイビングツアー!
の、ほのぼの回と思いきや、人知れぬ洞窟に佇んでいた、苔むしたゴーレムと100年前の冒険者の記録。読み解けば、この謎の魔域の謎も色々と見えてきて……。
GM:そんな回でしたね。
イキシア:「ループしてるんでは?」疑惑がありました。
GM:そそそ。そしてこれが一番大事な事。引きでオルソラから手紙が届きました。そんなわけで、今回は雪原に向かってもらうところから始めるぞ。
イキシア:はーい!
<イアとお別れ>
GM:オルソラからの手紙を受け取った君たちが、雪原の北の廃墟に向かう日を迎えました。ただし、行くのはPC達4人だけです。イアについては、「蛮族が動き出すまでに急いで行って戻らなければならない。イアがいるとどうしても移動速度が落ちる」「砂漠育ちに雪原は体調を崩すかもしれない」「そもそもオルソラの呼び出しが危険でないはずがない」などの意見が出て、特に1名が全力で反対したことでしょうが、結論として村に置いていくことになりました。「同行NPCは1名だけなんだ、すまんな」ってことです。
ミミ:PCはキレているしPLは泣いている。
イキシア:あきらめるです(優しい顔で諭す)
GM:今はお船に乗って出発するところになります。
アンプレゼント:「イアさんの事は皆で面倒を見ておきますので、オルソラさんによろしくお伝えください」
レイン:「すまんがよろしく頼む。ほんと、頼むぞ。そいつ命の恩人だしもう大事な仲間だからな」
イキシア:「…………。アンプレゼント、よく見ておいてくださいです」いろんな意味で心配な顔になります。
ミミ:(むすー)
レイン:「相棒……」
ミミ:(ぷいっ)
ユズハ:「はあ…………」(ミミと争いすぎて疲れている顔)
キバオウ:「なんや、子供を取り上げられた母親みたいな態度しよってからに」
イキシア:「へそまげてると母の貫禄がなくなっちゃうですよ、ミミ」
ミミ:「そんなことないっスもーん。ふーん」
イキシア:「母は否定しなくなったですね?」
ミミ:「ふーん」
レイン:(なんでこう、分断ばかりなんだくそ。とはいえイアの体力がわからんから連れまわしすぎるのも悩ましいんだよな。あいつ意思表示が弱すぎる)
ミミ:「……イア、しゃーないっスから。いい子にしてるんスよ?」
イア:「いあー……」
アスナ:「オルソラさんによろしくね? こっちに一緒に帰ってくるの?」
イキシア:「……どうでしょうね」
レイン:「たぶん、だな。そろそろPTをそろえておきたいんだよな、俺としては」
キリト:「まぁ、しばらく離れてたしな。気持ちはわかる」
レイン:「そういう意味じゃ、今回のも複雑なんだけどな」声を潜めてキリトに寄ります。「なんかあったらマジで頼む。イアのこと。俺たちが戻るまでは……何があったとしても、『決断』はしないでくれ……」
キリト:「ああ。俺たちで気をつけとくよ」
レイン:「おう、信じてるぜ勇士様。いろいろとホントは話しておきたいこと多いんだけどな。まずは腹黒娘の回収してくるわ」
キリト:「帰ってきたらゆっくり聞くよ。でもお前らもさっさと合流して帰ってこいよ? もう、いつ蛮族が動くかわからないっぽいぜ?」
アスナ:「蛮族の軍が動き出したら、こっちも待ってられないだろうしね」
エレン:「人族側の蜂起の準備も進んでるみたいだしな」
レイン:「通話のピアスがほしいって、生まれて初めて思ったぞくそ」
ユズハ:「流石にイキシアの使い魔を置いていくわけにもいかないからな。早めに済ませて戻るしかない」
イキシア:「ビビはイキシアと一心同体なのですー」(帽子から蛇を出しながら)
ユズハ:(ビクッ)
アルミン:「そもそも、なんで雪原に呼び出されてるんです? 村に帰ってくればいいのに」
イキシア:「……オルソラは、ほら、変わり者ですから。なにかあるんでしょう」誤魔化します。
ミミ:「なに考えてるかわかんないお人っスから、そんなもんでしょ」
レイン:「腹黒は秘密体質だから腹黒なんだよ」
エレン:「なるほど腹黒」
キリト:「お前らそれでよくパーティー組んでるな……」
ユズハ:「ははは……」(目を逸らす)
GM:実際、君らの関係は冒険者と依頼人なんですが。キバオウも「冒険者のパーティなんてそんなもんや」と、とりなしてくれます。
キバオウ:「せやけど、あんまりのんびりせんと帰ってこいよ。スカボローのほうからの情報じゃ、ほんまにそろそろ蛮族が動くかもしれん。そうなったらお前らをずっと待っとくわけにもいかんからな」
アンプレゼント:「時期を見誤るわけにもいきません。皆さんは頼りになるので早めのご帰還をお願いしますね」
GM:村では蝕からの復興もぼちぼち進み、蜂起に向けた準備も着実に進んでいます。奴隷農場やスカボローへの物資搬入や訓練、蜂起準備も順調と聞いています。君たちも肌で感じているでしょう。「そろそろかな」と。
ミミ:「急いで帰ってくるっスよ! すぐ!」
レイン:「長引くと保護者がモンスターペアレンツになっちまうしな」
キリト:「じゃ、気をつけてな」
レイン:「おう、しばらく頼む」
イキシア:「いってきますです!」
イア:「いあー……」
GM:手を振って出ていく君達に、イアがついていこうとします。皆に「お留守番だよ」と止められてもいますが。
ミミ:泣いちゃいそう……。力なく手を振る。
レイン:「……マジ、早く戻ろうな」ってミミの肩ポンっとする。(……何かあったら……俺が斬らねえと、だよな……)
GM:君たちは、船に乗り込み雪原へ向かうのでありました。
<帰ってきたヒロイン~雪原の街で会いましょう~>
GM:君たちは船で旅をして、雪原の街に到着しました。港に目的の人影はありません。どうやら迎えに来てくれてはいないようです。
イキシア:「はぁーん、気が利かないお嬢様です」そういいつつも悪い顔はしていないのですが。
ユズハ:「いつものことだろう」
GM:近くの人に「オルソラを見なかったか」と尋ねると、ハルーラ神殿跡に出入りしている若い女性の神官がいる事を教えてもらえます。
ミミ:「早くいくっスー」
GM:ハルーラ神殿跡は「壁と屋根くらいは残っている」程度のぼろぼろさですが、中では数ヶ月ぶりに会う人物が祈りを捧げていました。オルソラです。
イキシア:「オルソラ! イキシアたちが来てやったですよ!!」後ろから飛びつきます。
オルソラ:「ちょ、飛びつかないでいただけますか」
イキシア:「ふふん、照れ屋さんめです」(ぐりぐり)
オルソラ:「少しは経験を積んで落ち着いた態度になるかと思っていましたが、まだまだ修行が足りないようで?」
イキシア:「つーん。イキシアはイキシアなので、これで最終形態です」
ミミ:「ご無沙汰っスー」ぽてぽてと中に入る。
ユズハ:「……久しぶりだな」
レイン:「よ、腹黒。元気そうで何より」
オルソラ:「……はぁ、お久しぶりです」
イキシア:「イキシアは別に心配してなかったですが、そこのレインが死ぬほど心配してたのでいい感じの言葉をかけてあげるといいです」
レイン:「イキシアてめえ!」
イキシア:「事実じゃないですかー」
レイン:「仲間一人敵地に残したらそりゃあ不安にもなんだろ、たく!」
ユズハ:(お、デリケートな話題をはじめるのか、の顔)
GM:君たちのやり取りに、オルソラは「やれやれ」という表情を浮かべています。
オルソラ:「蝕も生き残れたようで何よりです。今年は随分規模が大きかったと鉄華団から聞きましたよ」
レイン:「みたいだな。キリト達が大活躍してなかったら正直やばかった」
オルソラ:「おや? 勇士様には敵いませんか?」
レイン:「………………。」
イキシア:「(ほんとの意味でデリケートな話題に突っ込みますですね……)」
ミミ:「もー、あんまり虐めたらレインが泣いちゃうっスよー?」
ユズハ:「レインだって活躍していたさ。非戦闘員を守る立ち位置にあっただけで」
オルソラ:「少しくらい自省したほうが、結果として冒険者として成長できる気がしますけどね。レインさんの場合」
レイン:「ひっでえな、これでも1人前の冒険者として認められてるんだぜ、俺」
オルソラ:「では、一流目指して努力してくださいな」
レイン:「ぐぬぬ、はい、がんばります……」
ミミ:「相変わらずの応酬、いっそ安心感すら覚えるっスねー」
イキシア:ニコニコしながら見てます。なぜかお姉ちゃんぶった顔。
ユズハ:なんか気恥ずかしい気持ちで見てます。パーティ内の色恋沙汰。
レイン:苦笑気味にしてから、笑う。「ほんと元気そうでよかった。安心したよ」
オルソラ:「結構。私も色々ありましたが元気ですよ。多少は神聖魔法の腕もあがりました。あと、説法がお望みならそうおっしゃってくださいね? 鉄華団には大勢希望される方がおられましたよ? 感動のあまり泣き出す方までおられる始末で」
レイン:「……お前」
ユズハ:「……洗脳したわけではあるまいな?」
オルソラ:「神の教えを迷える子羊たちにお伝えしたまでですとも」
GM:朝まで説法コース。眠ったら(ミカが力ずくで)起こしてくれるよ!
イキシア:ミカさんも共犯ですかw
GM:オラつく鉄華団メンバーが悪いんや。オルガが「ちょっと常識と落ち着きを学ばせよう」と考える。「オルソラは神官らしいし、色々話をしてもらえばええんや!」と思いつく。「なるほど、オラついた猿共に神の教えを叩き込んで欲しいと」と、オルソラが理解する。ミカはオルガが言ってたから協力した。
イキシア:うーんこの。
レイン:基礎教育受けてないならず者にもの教える方法として間違ってはない気もするのがこう、ね……。
レイン:「人の性格ゆがめるようなことはやめろ、な」
オルソラ:「人としての常識を教えて差し上げただけですとも」
レイン:「お前は礼節を学ぼう」
オルソラ:「神殿で学びましたよ?」
レイン:「実践してくれ……いや、されても怖いか」
イキシア:「シューキョーなんて知らなくても、人としての常識は普通に分かりますです」
オルソラ:「宗教こそは神紀文明時代から続く人族の行動規範でしょうに。これだからルーンフォークは」
イキシア:「はーん。礼節、教えて差し上げましょうか?」
ミミ:「これだからシューキョーは無駄な対立ばかり生む……っス」
ユズハ:「いや、これは宗教のせいでは……」
イキシア:「先生は例外中の例外なんですよ。イキシアは知ってますです」
ユズハ:「ええ……?」
レイン:「……ま、それはおいといて本題入ろうぜ。用事済ませてお前と一緒に村に早めに戻りてえんだ。紹介したいやつもいるしな」
オルソラ:「ああ、そうでした。まぁ流石に船旅でお疲れでしょうから、今日は情報交換も兼ねてこの街でゆっくりしましょう。それなりに宿泊設備も整ってきたみたいですよ? 宿を借りにいきましょうか」
GM:本格的に生産拠点が稼働している今では、来る者皆を雪原で野宿ばかりさせとくわけにもいかないので、人が泊まれる場所は雪原の廃墟にも作られています。生産と輸送に関わる人達が定住している分の他に、船でやってくる人達のために建物自体は多めに作ってあります。オルソラは既に一つ確保しているようですね。
イキシア:少しずつ「人族の拠点」って感じになってきてますですね。
GM:はい、重要な生産拠点です。というわけで、君たちはハルーラ神殿跡を出て小屋が立ち並ぶエリアに向かった。男女別れて寝られるようにもう1つ小屋を借りたことでしょう。小屋の1つで情報交換タイムかな。
イキシア:男……女……?(唐突なアンビバレンツ)
GM:当然のように女性側に放り込まれるイキシアが見れそう。
ミミ:当たり前だよなぁ。
イキシア:自分は先生とレインさんの方に潜り込もうとするのに……。
レイン:「いくら先生が好きでもわきまえてくれ」
イキシア:「わきまえたからこっちに来てるですが???」
ユズハ:「『わきまえる』の意味をわかっているか?」
イキシア:「??????」
ミミ:「はいはい、イキシアはこっちっスよー」
イキシア:「しょうがないです。先生とレインさんは照れ屋さんなのですね……ふふ……」
レイン:「どうした、大丈夫か? 疲れてるのか?」
イキシア:「オルソラが寂しがるし、しょうがないからあっちで寝てやるです……ふふ」
ユズハ:「???」
オルソラ:「3人だと少し狭いですが、全員小柄なので問題ないでしょう」
GM:オルソラも当たり前のようにスルーしたことでしょう。荷物を置いた君たちは、再度集まり直します。改めて、情報交換タイムです。
オルソラ:「それで、そちらは帰還後何を?」
レイン:「期間途中に砂漠に漂着して……(かくかくしかじか)」
イキシア:「ミミがママになったです」
ミミ:「どやぁ」
オルソラ:「……! ラーリス神官を保護しているとか、何を考えているんです?」
GM:真顔で問い詰めてきます。
ユズハ:「それについては申し開きが出来ない」
レイン:「命の恩人無下にできねえだろ」
ミミ:「正直何が違うのか分かんないし……」
イキシア:「それを言ったらオルソラもシンカンじゃないですか! イアはシンカン! オルソラもシンカン! そこに何の違いもないでしょう」(真顔)
ユズハ:「いや、神官は神官だが……流石にそれは区別するべきなのだ」
GM:ユズハさんが難しい舵取りを迫られるポジションを強いられている。オルソラは呆れ顔を浮かべていますね。
オルソラ:「ルーンフォークが蛮族に仕える事もある理由がわかりました」
イキシア:「なにをぅ」
レイン:「教え広めてもいねえし、なにより自分の意志がどこまでかわかんねえ。……できるなら改宗してほしいとは思うが……自由意志が剥奪されてるっぽいしな」
オルソラ:「そんな怪しげで生贄捧げる儀式までする神官がですか? 皆さん三日月島に染まり過ぎでは?」
ユズハ:「存在自体が許されない存在なのは理解している。しかし、現状彼女が居なければ危ない場面も多々あったのだ。人族側の意見も割れている」
レイン:「お前の言い分ももっともなんだけどな。できたら理解してほしい。お前にも」
オルソラ:「やれやれですね……まぁ、アンプレゼントさんが受け入れているなら私がとやかくいうのは止めておきますが、寝首をかかれないようにお気をつけて。少しばかり腕が上がったからと図に乗ると、痛い目を見ますよ?」
レイン:「……図になんか乗れるか……」
イキシア:「……」
オルソラ:「まぁ、そちらで何があったかは理解しました。では私のほうはですね……」
GM:オルソラはゆっくりと語りだします。
オルソラ:「あれから私は母の痕跡が他に残されていないか探していたのですが、結果としてそれは10年前の蜂起の痕跡を調べることになりました。街中を気軽にうろつくわけにもいきませんでしたので、『10年前の生き残りに話を聞くのがてっとり速い』という事になったからです。結論から言えば、生き残りは見つかりませんでした。理由は、さきほどの話でようやくわかりましたよ。10年を越えられないんですね……」
イキシア:「……おそらく。そうですね」
オルソラ:「とは言え、正直全員が殺されたとは考えにくいとは思いますがね。でなければ今頃スカボローの人族は0だと思いますし」
レイン:「スカボローのエルフの婆さんをみると、記憶操作の可能性もあるけどな」
イキシア:「アンプレゼントも変な感じでしたしね」
オルソラ:「なるほど、記憶の操作ですか……。それはありそうですね。私も年配の方に焦点を絞って聞き込みしたんですが、皆そのエルフの老婆のようにはっきりしたことを知らなかったり、覚えていなかったりしたのです。『街は混乱していた』とは皆口を揃えて言うんですがね。……まぁその場合、『誰がどうやって何のため』にというお話があるんですが」
ユズハ:「エルフの記録を見るに、直接的な交戦によってこの状況に陥っているわけではないようだったしな」
オルソラ:「ええ。ただ、そこは考えてもわからないと思いますので一旦置いておきましょう。聞き込みで情報が得られなかった私は、過去にスカボローのレジスタンスが拠点にしていただろう場所を探しました。皆さんが見つけた洞窟のエルフの記録のような、書面の情報がないか探すためです。あまり多くの情報は得られませんでしたが、それでもいくつか手がかりはありました」
レイン:「お前、すげえな」
オルソラ:「鉄華団の協力あっての事です。ミカさんとビスケットは頼りになりますよ。それで、まぁ、その、断片的な情報から推測するにですが……」
GM:オルソラは少し言いにくそうに口ごもります。
オルソラ:「10年前の蜂起では、母が『勇士』だったようですね……」
ユズハ:「なんと……」
レイン:「マジか」
イキシア:「つまり、今のキリトと同じ立場におかーさんがいたと」
オルソラ:「おそらくは……」
イキシア:「……『勇士』って呼び方、アンプレゼント以外も使ったんですね。今のキリトもだんだんそうなってきてますけど……」
オルソラ:「どうなんでしょうね。そもそも、あの人は本当に信用できるんでしょうか」
イキシア:「……イキシアは信用してないですが」ちらっとみんなを見る。
レイン:無言でいる。
ミミ:肩をすくめる。
オルソラ:「何度も何度も偶然誰かが同じ場所に村を作って、同じような作戦を考えるなんて、ありえるんですかね……? あんな、森の果ての、山に囲まれた盆地で」
イキシア:「……。オルソラの意見に同意するのは癪ですが。その通りです。それに、もしこれが『抑圧された人族の勇士が魔王を倒す物語』の繰り返しだとしたら、アンプレゼント、なかなか怪しいところにいるですよね」
レイン:「……やめようぜ。あの人が今俺たちのために努力してくれてんのは間違いねえ。警戒はしても、疑いきるのは証拠出てからにしないか」
オルソラ:「さて? 先代の勇士が母なら、結末はおわかりでしょう。我々の寝首もかかれるかもしれないなら、一度真剣に考えたほうがいいと思いますけどね」
GM:オルソラは、珍しく腹立たし気な表情も浮かべています。
レイン:言葉が見つからない。無言になる。
ユズハ:間に入ろう。「言いたいことはわかるが、だからといって今アンプレゼントに対して今すぐどうこうできるわけはないだろう」
ミミ:「厳として警戒、が関の山っスね」
オルソラ:「……ま、それはその通りですね」
GM:そこは素直に頷きます。
オルソラ:「とは言え、全ての話の整合性を取るのに問題なのは、『時間』なんですよね。あの方若い女性ですよね。10年前なら子供ですよ? ましてや300年です」
レイン:「そこは……何らかの方法があるかもしれない。時間に関してもスカーレットポーションとかみたいに、保護されたものもあったからな」
イキシア:「あとは……『そもそも人じゃない』とか……」
オルソラ:「その場合、ありがちなのはナイトメアだろうということですが」
GM:ちらりとユズハに視線を送ります。
オルソラ:「角が、見当たりませんよねぇ。帽子もかぶってないし……」
ユズハ:「そうだな。外観ではナイトメアとは……いや、人間以外の特徴はない。本人は30歳程度の感覚でいるらしいが」
レイン:「けど、姿を変える魔法もあるし、変装もあり得るしな」
イキシア:「魔域固有の現象かもしれないです。『中に入ってる者の妄執や理想を映し出す』っていうのが魔域ですしね。それに影響されれば、肉体年齢とか外見年齢もあてにならないかもしれないです」
オルソラ:「どんな理由にせよ。立場的にあまり信用したくありませんね。私は」
レイン:「……俺も、アンプレゼントには帰ったときに日記とかをぶつけたし、気持ちはわかるけど……俺は、みんなで生きて帰りたいだけなんだけどなぁ……」
GM:レインのぼやきは聞こえたのか聞こえなかったのか、わかりませんが、オルソラは気持ちを切り替えるように一つ頷きました。
オルソラ:「まぁ、この話は一旦結構です。神託の話をしましょう」
イキシア:「ぎゅえ」(神託と聞いて、干した杏みたいな顔になる)
ミミ:「今度はなにを受信したんスかー?」
GM:二人の反応はスルーしています。
オルソラ:「あの後、私は母の魔剣だけでも回収できないかと探していました。子供の頃に見たのを覚えていますから、見れば物はわかりますしね。店も見て回りましたし、魔剣をもった蛮族が居ると聞けば鉄華団と確認に出向いたり、過去の戦闘の痕跡がある場所があると知れば見て回ったり、といろいろしたのですが。……先日、あの日のように神託を得ました。雪原の東に歩いて行く夢で、雪原の果てまで歩きとおし、廃墟と化した塔にたどり着く、というものです。そして塔の中に入り、倒れ伏す母と、床に刺さった魔剣を見ました」
レイン:「っ!」
オルソラ:「なぜ蜂起が起きたスカボローでなく雪原の塔なのかはわかりませんが、お告げである以上確認に出向くしかありません。念の為、どういった由来の塔なのか調べようとしたのですが、雪原の廃墟と違ってほとんど記録がありませんでした。唯一記載があったのは、『恐らく雪原の人族が最後に追い込まれた場所ではないか』という推測だけでした。鉄華団やキバオウさんにも聞いてみましたが、存在自体知らないようでしたね」
ユズハ:「しかし、神託ならばおそらくそれは『在る』んだろうな」
ミミ:「ますます怪しいっスね。この魔域的にも」
レイン:「いって確かめるしかねえか」
イキシア:「沈没船の次は雪原の朽ちた塔ですか。冒険者的浪漫が詰まってきてますね、最近」
レイン:「呼んでくれてありがとうな、オルソラ」
オルソラ:「いえいえ、礼には及びません。神託で、塔に入る時に皆さんもおられましたので」
GM:にっこり。
イキシア:「……今回は先に言ったから、許してやるですよ」
オルソラ:「それはどうも」
レイン:「それでもだ。すぐにいきてえのに待ってくれたからな」
イキシア:「そうそう。レインの言う通り、いろんな意味で大した進歩です」
オルソラ:「神託に従うまでです」
GM:ちょっとブスーとしてる。
イキシア:珍しくぶすーっとしてるので、にやーっとします。
レイン:「で、話は終わりか?」
オルソラ:「そうですね。明日にでも出発できればと。皆さんが、そのイアとかいう神官を連れてこなかったのは正解ですよ。そんな子は一緒にいませんでしたから」
ミミ:(むすー)
GM:こんなところで情報交換は終わりとなった。君たちは明日の出発に向けて休むことになる。
GM:翌日です。オルソラが君たちに荷物を渡してくれます。
オルソラ:「そういえば、これを渡すのを忘れてました。スカボローで手に入れた品です。手に入れた方法は随分と物騒ですが、お土産として差し上げます」
GM:というわけで、各人朝一の成長報告で申告したものを貰っておいてください。
イキシア:「オルソラの気が利いている……ですと……」
ミミ:「この眼鏡欲しかったんスよー」イラストにデータが追い付いた。
レイン:「おお、いいな相棒」
イキシア:「似合いますですね、その新しい眼鏡」
ミミ:「へへーっス」きゅぴーん
イキシア:「そして、魔晶石も……。これでまた死線がちょっと遠のいたです……」
GM:後衛の魔晶石に対する思いが重い。
ユズハ:「! ラル=ヴァイネの観察鏡じゃないか。随分高価な品だな。助かるが」
オルソラ:「お気になさらず、出どころは蛮族ですので。蛮族のほうが物資的に豊かなのはイライラさせられましたよ」
ユズハ:「確かに、こんなものがポンポン出てくるようではな……」
レイン:「ま、ゲリラだからな、俺ら。経済じゃたたかえねえわ」
オルソラ:「まぁ、渡すものも渡しましたし、そろそろ出るとしましょうか」
ミミ:「ささっとやってささっと帰るっス!」
GM:では君たちは出発した。
<雪原の果てへ>
GM:お告げに従い、東へ向かって歩いていく。相変わらずこの雪原は静かで、しんしんと雪が降り積もっており、君たちの歩く音だけが響いている。見渡す限り一面の雪景色だ。「目的地まで数日はかかるだろう」とのことで、君たちは言葉少なに歩いていく。
ダニィ:「くく……」(寒くて弱っている)
イキシア:「ダニィ、あっためたげるです」(覆いかぶさって温めている)
レイン:「俺のマント使うか?」
ダニィ:「くくぅ」(かたじけないがお願いいたしますの意)
GM:みんなでダニィをもこもこにしつつ、まるで生き物など死に絶えたような雪原を歩いていく。動物や蛮族にも出会わずに、君たちは夜を迎えた。近場から枯れ枝を拾ってきて薪にし、火を囲みながら話をする。
レイン:「雪の下の地面の中の枝とかつかいやすいぞー湿気ってねえのがみつかりやすいからな」
イキシア:「ほわー、かしこい」
ミミ:「さむさむーっスー」
ユズハ:「冷えは体力を奪うからな。出来るだけくっついて暖をとったほうがいい」
ダニィ:「きゅるるくっく」(みんなにくっついて体温をもらっている)
オルソラ:「ああしかし、この雪原は本当に気が滅入る……。静かに祈るには良いのでしょうが、廃墟といい、動物も居ない土地といい、まるで忘れられた墓地と墓標のようではないですか」
イキシア:「……辛気臭い発想するですね……」
レイン:「そう言われればたしかにそうだけどな……」
オルソラ:「そういえば、村の方には連絡がいっていたはずですが、ご存知ですか? 蛮族軍の砂漠侵攻、近いですよ」
レイン:「……感じてはいたな、みんな」
オルソラ:「スカボローのほうじゃ大々的に動いてました。鉄華団は皆、『十分に街を離れたところで蜂起する機会だ』と気炎を上げていましたが。話を聞く限り、その最中に何かが起きるはずなのですよね。……いえ、これこそ辛気臭い話でしたね。今日はもう休みましょうか。目的地までまだかかります」
ユズハ:「そうだな。今はまだ出来ることがあまりに少ない。はやく休み、早く辿り着いて情報を得よう」
ミミ:「賛成っスー。考えても結論でないなら、寝るに限る」
イキシア:「おやすみなさいしましょうです。んーむにゃむにゃ」
GM:眠り、目覚め、それを繰り返すこと数日。君たちは東へ進み続けた。オルソラの導きに従って歩くうちに、やがて目的の塔が見えてくる。塔は街の廃墟とは違い、石造りの建物だ。屋根部分には雪が降り積もり、古びて傷んではいるが、完全な形でそこに存在していた。扉は3m近くある両開きの鉄扉であり、今は固く閉ざされている。
オルソラ:「ここですね。間違いありません。皆さん準備の程は?」
ミミ:「いつでもっス」
イキシア:「誰に聞いてるですか。準備万端万全ですよ!」
ダニィ:「くっく!」
GM:君たちは両開きの扉に手をかけ、手前にひっぱる。錆びついた扉は非常に重いものの、少しずつギシギシと音を立てて開いていった。人が通れそうな隙間を作り、覗いてみるが、中は暗く、暗視持ち以外には明かりが必須のようだ。オルソラが松明の準備をする。火が灯れば、埃が積もった床と、上へと続く階段以外、なにもないホールが見えてくるだろう。
オルソラ:「神託では、このホールの中央に母が倒れていましたね」
レイン:「何かがあるようには見えないが、入ってみないことにはな。さて、鬼が出るか蛇が出るか」
GM:君たちは中に足を踏み入れる。ホールを軽く探してみるだろうが、何も見つからない。
ミミ:「なんにもなさそうっスー」
イキシア:「ダニィ、なにかわかりますですか…?」
ダニィ:「くー……」(なんもわからん)
オルソラ:「となると、上……?」
GM:オルソラは階段を見ながらそういいます。
イキシア:「いってみましょうか」
ミミ:「進むしかなさそうっス」
レイン:「隊列組んでいくぞ」
GM:君たちは階段を登る。どうやら、塔の外周に沿うように続いているようだ。塔1Fの入り口の真上に2Fの踊り場があり、目の前には扉がある。
ミミ:開けましょう。
GM:2Fの扉に手をかける。すると、それと同時に、真下から「ドーン……」と、扉の閉まる音がしました。
イキシア:「!? なななな、なんですか!?」
オルソラ:「……閉じ込められた? いえ、自然に閉まる扉だったんでしょうか?」
ミミ:「誰か入ってきたんスかね……? 確認してくるッス」
GM:ミミがこっそり偵察しに行ってみると、扉はしまっているが他に誰も居ないようだ。
ミミ:開きませんか?
GM:開くと思うか?
ミミ:そうだね!
GM:(´・ω・`)d
イキシア:「み。ミミみミミ……どうだったですか」
ミミ:「……誰もいなかったっスけど、扉が開かなくなってたっス。外から施錠されたのか、魔法的ななにかまでは不明っス」
イキシア:「ひょわ……と、閉じ込められたですー!!」
レイン:「くさび打っときゃよかったな」
オルソラ:「推定人族最後の塔に閉じ込められたのですか。あまり愉快な気分ではありませんね」
イキシア:「オルソラの! 神託! いつもこんなんばーっか!!」(キャンキャン言いながら指をさす)
オルソラ:「試練です」しれっとイキシアには返そうね。
ユズハ:「仕方がない。今は先に進むしかなさそうだな」
ミミ:「まぁ、なんとかなるっスよー」内心はビビってます。
GM:君たちは改めて2Fの扉を開ける。中は、まるで塔とは思えない様子だった。何もかものパースが狂っている。見えるものであるべき正しい形をしているものは一つもなく、どれも微妙に歪んでいる。
イキシア:「う、よ、酔いそうです……」ひょえっと言いながら近くに人にしがみつく。平衡感覚狂いそうです。
ミミ:「うへ、気持ち悪いっス……」
レイン:「……再現不備、か?」
ユズハ:「再現不備?」
イキシア:「あの白紙の本が詰まってた書庫みたいに、誰かが再現しようとしたけど失敗した、みたいなことです?」
レイン:「そうだ、ロリ先生。説明うまいな」
オルソラ:「なるほど……? にしてもこれは再現が下手すぎませんか」
ミミ:「件の書庫といい、ちょいちょい雑っスよね」
レイン:「ループの穴かも知れねえかな……とか」
イキシア:「いずれにせよ、ここに長居したくないのは事実ですね……。どんどこ先に行きましょう」
GM:MAPの説明をしますね。まず、フロアの形は円状。これはどの階でも同じだと思ってくれ。扉を開けた先には通路が伸びていて、正面には扉が見える。「構造的にはあの先が階段ではないか」と予想できる。で、2Fには4つの部屋があるようだ。通路の左右に2つずつ扉がある。
ミミ:「じゃあ端から見ていきましょうかー」
イキシア:「今回は人探しみたいなものなので、見ないわけにはいかないですね」
レイン:「脱出手段もさがさねえとだしな」
オルソラ:「どの部屋からでもいいので、一番近いところに入りましょうか」左手前の部屋を指差します。
ミミ:「おっけーっス」
GM:ガチャリとドアノブを回し、ドアを開く。そこにはやはり、パースの狂った部屋。色彩もおかしい。天井は斜めに傾き、机と椅子はサイズがあっていない。ベッドだけはやたらと経年劣化したように古く、タンスは直線であるべき場所が波打っていた。直視に耐えない光景だ。
イキシア:「ぬわわん……」(苦しみの鳴き声)
ユズハ:「……吐き気がするな」
イキシア:「ちっちゃいころ、熱出した時に見えた光景みたいです……」
ミミ:「なんかあるといいんスけど……」
GM:君たちが部屋に踏み入り、何かあるか探そうとしたところで。危機感知判定どうぞ。
レイン:(ころころ)最大18。
GM:では君たちは気づく。部屋に踏み入ったところ、部屋の天井から影が雨の雫のようにゆっくりと垂れ下がり、ぼとりと何かを部屋に落とした。
ミミ:「おっと」
イキシア:「わわわわわー!!? な、なな!?」
GM:魔物知識判定を-2でどうぞ。
ユズハ:(ころころ)あ。ピンゾロ。視覚酔いを起こしてしまっているようだ。
GM:おんw
イキシア:むむぅ、頼りの綱が。どんまいです。
GM:だがイキシアが足りているな。III406 アインフィスバエナ……のように見える何か、です。目が片方だけ大きく、遠近感が虚ろで、まるで子供の落書きのような線が走って見えます。
ミミ:ユズハさんの苦手な蛇さん……。
イキシア:現実を見たくなかったのかもしれない。
ユズハ:それか。
イキシア:「せ、先生。目がうつろです……」
ユズハ:「だ、大丈夫だ……祈ることは出来る……」(ぐるぐr)
レイン:「無理すんなよ」
イキシア:「先生、よっかかっても大丈夫ですから無理しないでくださいですよ…! 支えますです!」
ユズハ:「いや……イキシアに寄りかかると……潰す……」(身長差50cm)
イキシア:「つ、つぶれませんし!?」
ミミ:「さっさと片付けた方がよさそうっスね……!」
GM:アインフィスバエナもどきは、正気を失っているような動作とうめき声らしきものを上げながら君たちに襲いかかってくるでしょう。戦闘開始です。
GM:先制判定どうぞ。
ミミ:(ころころ)同値で取った。
GM:PC先行ー。
イキシア:無駄のない出目! では「こ、これは先生に頼られる珍しいチャンス……! がんばるですよ!」と、ライトニング。逃さずの眼鏡でどちらもターゲットです。
GM:(ころころ)片方のみ抵抗。
イキシア:(ころころ)うーん、6ゾロ出たけど抵抗された方。逆なら……! ダニィはテイルスイープ。14点16点です。
GM:7,9点。
イキシア:おしまいですうー。
レイン:(ころころ)出目3でも当たる。16点入れて9点抜け。
ミミ:そのまま減ってる方に挑発抜きで殴る。こちらも16点だ。
GM:あたーるー。死んだわ。残った方が毒霧のブレスじゃー!
前衛:(ころころ)抵抗!
GM:全員抵抗か。2d6の結果は6だ。
レイン:じゃ、こっちだな。(ころころ)よし、回った。31点。
GM:OK、それで落ちる。あっさり終わったな。
GM:君たちが突然天井から現れた謎の影のような魔物を倒すと、影はすぅっと床に溶けて消えていった。場所もあわさって、何かに化かされた気分にもなるだろう。
ミミ:「良く分かんないっスねー……」
オルソラ:「……幻獣でしたよね。今の。私、この島に来てから初めて幻獣を見たのですが……」
イキシア:「確かに、イキシアもはじめてみたです。というか人生初です」
ユズハ:「今までは魔神か蛮族か、動物ばかりだったな」
オルソラ:「この魔域には三日月湖周辺の生き物が呼び込まれているはず。であれば幻獣はどこから……?」
イキシア:「うーん……でも、本で読んだ幻獣とは微妙に違ったような気もしましたし……野生の幻獣じゃないかも……みたいな? だって、あんな影影しいやつじゃなかったはずですもん」
ミミ:「かげかげー」
オルソラ:「…………どなたか。魔剣の迷宮ってどれくらいでできるかご存知ですか?」
ユズハ:(GMを見る)
GM:剣によります!
ユズハ:「一概には言えないな」
レイン:「そうだな、翌日できてもおかしくない」
オルソラ:「なるほど。……あの、ひょっとしたらこれ、魔剣の迷宮化の途中というか、失敗しているのでは……?」
ミミ:「ほほーん? つまり?」
オルソラ:「この場にある魔剣は母の魔剣のハズですから……。魔剣の迷宮を作ろうとして、奈落の魔域の何かにひっかかってうまくいってないのでは? 再現失敗というやつです」
ミミ:「混線というか、競合しちゃってるんスね」
レイン:「魔剣はほんと不思議だからなぁ……」
イキシア:「その仮説があってるなら、つまり、この最深部とかにおかーさんの魔剣があるってことですよね?」
オルソラ:「私は魔剣の迷宮には詳しくないですが、それが自然に思えますね」
ミミ:「迷宮に誘い込まれたってことなら、扉が開かなくなったのも説明がつくっスね」
イキシア:「じゃあ、とにかくどんどん進んでけばいいわけですね! わかりやすいです」顔が明るくなる。
ユズハ:「そうだな。そうなら……奥に進んで、回収しにいかなければ」表情が若干暗くなります。迷宮化しているということは「使い手を失っている」という事実と繋がることになるので心が痛い。
オルソラ:「……そうですね」当然、オルソラは気付いている。
イキシア:「おかーさんの手がかりですし。レッツゴーです!」
ミミ:「ごーっス!」
GM:では、君たちは部屋を出た。
ユズハ:「……イキシア」
イキシア:「どしたです?」
ユズハ:「やっぱり、若干気持ち悪いから掴まっていていいか」
イキシア:「!? ほ、ほー……い、いいですよ!! どんとこいです!! いつも先生には頼ってばっかりですからね。たまにはイキシアもおとこをみせるです!」
ユズハ:「……? なんで男を見せられるんだ?」
イキシア:「え? こう……『頼れるおとこらしいところを……』って、よく言うじゃないですか?」
ユズハ「?」
イキシア「?」
GM:二人は漫才をしているようですが、2Fには部屋があと3つ残ってます。無視して3Fに向かってもよい。行きたい場所を選択してください。
ミミ:この階の探索を継続。向かいの部屋へ。
GM:誰が扉を開けるね?
ミミ:うーん。じゃあミミが。
GM:はい。ではミミが扉を開けました。すると……危機感知判定14どうぞ。
ミミ:!(ころころ)成功ッス!
GM:危うく、一歩を踏み出さずに済みました。床が、ありません。
ミミ:「ヒョ」
GM:扉を開けた瞬間、部屋にあったと思しき歪んだ家具が落下を開始し、数メートル下で「ガシャーン」と壊れる音が響きます。
ミミ:「…………………」まじかこいつ、みたいな顔。
ユズハ:「……これはひどい」
GM:部屋を見渡してみると、石造りの建物で、部屋の中なのは間違いないのですが、まるで洞窟の壁のように凸凹しています。石質も通路やさっきの部屋と異なっているように思えます。
オルソラ:「……魔剣の迷宮化が正しく行われれば、洞窟になっていたんでしょうか?」
ミミ:「今は落とし穴みたいっスけどね……」
イキシア:「常識が何も信じられないです……」
ミミ:そっと閉める。もうなんもないでしょう。
GM:ただしい。お次はどうされますか。
ミミ:じゃあ隣へ。
GM:はい。では次の部屋の扉を開けると、部屋は綺麗なパースを保っており、家具も形が正常に保たれています。ただし、全ての家具が布一枚に至るまで石で出来ています。
ミミ:「(きょろきょろ)大したものはなさそうっスね」
イキシア:「ま、まだこう、彫刻だと思えば他よりまし……?」
ユズハ:「石化の視線の類でなければいいが」
イキシア:「う、その発想は忘れてたです……」
ミミ:「次行くッス次ー」
GM:では最後の部屋。扉を開けると、この部屋もパースがおかしくなっています。探索判定をどうぞ。目標値14です。
ミミ&イキシア:(ころころ)成功!
GM:タンスが宝箱みたいな色になってます。
イキシア:「あれはロマンの塊の色をしてますですね!!!」
オルソラ:「宝箱とタンスが融合してしまったんでしょうか」
ミミ:取り敢えず罠の有無を確認して、なさそうなら開けます。
GM:罠はありますね。ひと目見てわかります。
イキシア:w
GM:そして、形がおかしくなってるせいで、発動しないことも一目みてわかります。魔剣君は泣いていいと思う。
ミミ:なーんだ。なら開けましょう。
GM:ミミは宝タンスを開けようと引き出しをひっぱろうとしましたが、1つを除いた他は引き出しのように見えるだけで壁になっていました。だまし絵ですね。一段だけすっ……とひっぱり出すことができ、中には5点魔晶石が1つと、形のおかしくなった服が入ってます。宝箱とタンス。元は別だったはずのものが混じりあっているのだと、君たちは確信したことでしょう。
イキシア:「オルソラの仮説、やっぱり当たってるみたいですね」
オルソラ:「……そのようで」目に見えて、元気のない表情です。
ユズハ:「……進もう」オルソラに頷いて促す。
ミミ:「?」←親の概念がないので何故そうなるのか理解しきれない
イキシア:「?」←おかーさんの魔剣が見つかりそうなのになんで元気ないんだろ、と首をかしげている。
GM:さて、3Fに向かいましょう。2F通路奥の扉を開くと、なぜか階段だけは形が正常なままそこにありました。すんなりと3Fにたどり着くと、そこには扉はなく、「塔の中に洞窟ができあがっている」としか言いようのない光景が広がっていました。通路は軽くうねりながら正面に続いており、正面には4Fへの階段が見えます。明らかに自然洞窟の外観なのですが、通路の途中には扉が4つ、先程と同じように配置されており、ある種の滑稽さというか、シュールさを漂わせていますね。
イキシア:「うーーん……。お茶目さんですね、魔剣さん」
ミミ:「即死トラップは勘弁願いたいっスけどねー」2Fと同じように左下から回っていきましょう。
GM:ほい。では左下の扉の前に立ち、扉を開けると、中にはやはり、パースが狂い、姿形がおかしくなった魔物がいた。
イキシア:あらぁ。
ダニィ:「くーっ」(こんにちは)
GM:魔物は君たちを見ると襲いかかってくる。まもち&先制をどうぞ。
ユズハ:(ころころ)今度は18だ。
GM:ピュートーン君です。III408。
ミミ:(ころころ)先制は6ゾロで取ったが、強いが????
GM:弱いなんて一言も言ってないが??? 部屋に押し込まれれてるピュートーン君、はた目から見ると多分ギャグ。
イキシア:災禍の毒蛇in個室。
GM:vip待遇に見えて小さすぎる檻なんだよなぁ。でも油断するとサクッと殺されるやつ。
ミミ:(データ確認)これしんどいですね。挑発とか言わずにコア部位落とすことを提案します……。
イキシア:コア部位+1ライトニングでお茶を濁しましょう。頭部と胴体に飛ばします。(ころころ)頭に通した。18点と10点です。
GM:GJ。尻尾は回避。
ダニィ:テイルスイープを全体に。(ころころ)頭だけ躱された。出目も振るわずで8,3点です。かなしい。おわり!
ユズハ:コア部位にフォース。バイオレントキャストで……(ころころ)ぐ、また1ゾロか。
ミミ:仕方ないね。
イキシア:「先生ー! もう、イキシアにしっかりつかまっててくださいです!」
ユズハ:「う……掴まってたら、イキシアが魔法唱えられないだろ……くそ、せめて座っていられれば……」 前衛陣おねがいします。
ミミ:頭を挑発せずに殴ります。何故なら毒霧は避けられないから!(ころころ)出目、3。
GM:回避! 今日はみんな出目悪いな?
レイン:こっちで削っていかねえと。猫目、盾投げ捨ててコアに全力。フランベルジュのアタックだ。(ころころ)20! ダメージは24だ!
GM:あたる。17点だな。こちらのターンだ。頭が毒液噴射ー!(ころころ)対象はレイン! 生命抵抗どうぞ。
レイン:(ころころ)抵抗はしたが……。
GM:(ころころ)良い出目が出たな。20点毒なので、10点どうぞ。
ミミ:こわい!
レイン:「くそ、また毒かよ」
GM:胴体はミミに18といって殴りかかる。
ミミ:(ころころ)23で避けて、ブレードスカート。(ころころ)2回転! 21点。
GM:んほおおおお!? 12点!!
レイン:つええ! ミミカウンターのプロでは?
GM:尻尾テイルスイープ行くぞオラ。前衛死ね! 目標19ゾ!
ダニィ:(ころころ)出目11ないので無理。
レイン:(ころころ)10は出ないな。
ミミ:(ころころ)5以上なんでセーフッス。
GM:ミミなんで??? ダメージ(ころころ)6ゾロだ!!
ユズハ:GMー!?
レイン:いってえ……。
イキシア:流石に痛い。14もらいますー。
GM:ミミに当たってればHP半減させられたのに……。
ミミ:だから「死ぬ」っていってるんだよなぁ。
GM:毒霧は(ころころ)ミミ6点、ダニィレインに11点でどうぞー。
レイン:残りHP27。40点くらい持ってかれてるなぁ。
GM:大丈夫、今日はオルソラがいる。ユズハとセットで回復が2倍飛んでくるぞ。
ユズハ:その通りだ。オルソラ、ダニィとレインにキュアハート。
レイン:頭殴っちまうかー。全力で殴る!(ころころ)回らないが、14点だ。
イキシア:バイオレントキャスト・リープスラッシュ! (ころころ)ぬけ!
GM:抜かれたか……!
イキシア:(ころころ)おーしーいー! 出目9だった! 19点通します!
GM:残り11!
ユズハ:通せれば落ちるな。バイオレントキャスト・フォース(ころころ)よし、1足りた! 15点通す!
GM:死亡!
レイン:「子供の落書きみたいなモンスターなのに、強えなぁ」
ユズハ:「そうだな。一度安全な場所で休憩したい」
GM:モンスターを倒し終わったし、この部屋で休憩しても問題はなさそうだ。
レイン:なら、しっかり休んでおこう。全員全回復するまでしっかり休憩だ。
ミミ:では向かいの部屋へー。
GM:ほい。部屋の扉を開けると、中には形のおかしくなったハルーラの神像がありました。床には、ひし形や長方形や台形がひしめきあっています。おそらく元はパネルのような形をしていたのでしょう。神像の前には形の歪んだ石版があり、このような事が書かれています。
『縺ゅ>縺�∴縺� �撰シ托シ抵シ�
��スゑス� �ク�ケ�コ
�ア�イ�ウ�エ�オ �ァ�ィ�ゥ�ェ繧ゥ
譁�ュ怜喧縺代ヱ繧ソ繝シ繝ウ
讖溯�繝サ遐皮ゥカ
�樞包シ搾シ�ソ��。繹ア竭�竇。』
オルソラ:「……まったく読めませんね」
イキシア:「ななな、なんもわからーん! です!!!」
ミミ:「これ何語っス?」
ユズハ:「見たことがない」
GM:簡単にいうと文字化けしてます。
レイン:……よく見る化け方だからUTF8からSjisかその逆かって感じな気はするなぁ。
GM:わざと化けたの持ってきたんだから考えないで!(笑)
レイン:すまん!(笑) 「魔法で読めねえか?」とイキシアに聞いてみます。
イキシア:トランスレイト使ってみます。(ころころ)行使成功。文字の内容を直感的に理解します。
『魔神を討ち果たし、後に続く者を導け』
GM:的なことが書いてあると直感しました。
イキシア:口頭で内容を伝えます。「……いかにもハルーラ、って感じですね。書いてあること自体は変じゃないかと」
オルソラ:「当然ではないですか……あなたは神をなんだと思ってらっしゃるので?」
イキシア:「『カミはやべーやつ』という認識しかないです。誰かさんたちのせいで」むすっ。
GM:オルソラはイキシアを無視しつつ、床に視線を落とします。
オルソラ:「これはあれですか? 魔神の描かれたパネルをどうにかすればいい感じでしょうか」
GM:そう言われてパネルをよく見ると、イラストが描かれていることに気づきます。
レイン:「ああ、なるほど」
ミミ:「ヒントなんスねー」じっくりみてみよう。
GM:全部で20のパネルがあります。魔物知識判定に成功すればそれぞれなんの魔物を表しているかがわかります。ただしイラストが歪んでいて、その上写実的ではない絵なので、-4の修正を入れてください。目標値は13です。
レイン:20回ふるのか。
イキシア:ピンゾロチャンスみたいな感じ。
GM:そうだぞ。頑張って稼いでくれたまえ。
イキシア:よーし!
一同:(ころころころころ)
その結果。
オルソラ:「2番と14番がわかりますね」
イキシア:「12、15、18、19がわかりました」
ユズハ:「2、6、9、11、12、13、14、15がわかった」
GM:ミミとレインに6ゾロは無かったようなので、結局わかったのが2,6,9,11,12,13,14,15,18,19か。では、6と15は魔神だとわかり、他は魔神ではないことがわかる。他はそもそもなんなのかわからない。
レイン:「6と15破壊してみればいいのか?」
イキシア:「こわすこわすーですー」
GM:6番と15番のパネルを破壊すると、3点魔晶石がそれぞれ出てきました。
イキシア:「嬉しい報酬です。さっきイキシアもらいましたし、シンカンたちどうぞです」
オルソラ:「ではありがたく頂いておきます」
GM:ちなみに当てずっぽうで壊してもいいが、外すとトラップぞ。
レイン:「さて、あとどうするか」
ミミ:「多分、他に壊すべき石板があるんだろうっスけど……」
ユズハ:「まだあと二部屋あるから、いったん後回しでいいんじゃないか?」
ミミ:「OKっス」では隣の部屋へ。
GM:はい。
GM:隣の部屋です。この部屋は、洞窟の中に本棚が並んでいました。シュールです。
レイン:「なぁオルソラ、やなこと聞くが。家具とかそういうのに見覚えとか、あったりするか?」
オルソラ:「ありませんね……本棚自体は塔のほうのものなのでは……?」
レイン:「そか、変なこと聞いて悪かったな」
ミミ:本を適当にとってみよう。
『縺ゅ>縺�∴縺� �撰シ托シ抵シ�
��スゑス� �ク�ケ�コ
�ア�イ�ウ�エ�オ �ァ�ィ�ゥ�ェ繧ゥ
譁�ュ怜喧縺代ヱ繧ソ繝シ繝ウ
讖溯�繝サ遐皮ゥカ
�樞包シ搾シ�ソ��。繹ア竭�竇。』
レイン:「またかよ……」
ミミ:「(鉛筆線ぐるぐるマークを頭から出す)」
レイン:「ロリせんせい、お願いします」
ユズハ:「頼んだ」
イキシア:「この棚いっぱい全部は読む気ないですけど、どんな内容かだけちらっと……」と、ぶつぶついいつつトランスレイト。
『大破局から十数年、人族は突然の蛮族の襲来に為すすべもなく敗退を続けている』
イキシア:「うーん、年代が古い」
『我々の故郷スカボローも既に蛮族の手に落ちて久しく、未だ奪回はなっていない。いや、それどころか既に周辺の街まで陥落し、追い詰められている有様である』
『人族は魔動機を使い必死に抵抗しているが、未だ安全な後方で反抗の準備が整うまではどうにもならないであろう』
『スカボローを陥落させたのはディアボロ率いる軍団である。既に王を名乗り、周辺一帯を支配している。街では蛮族が溢れかえっているそうだ』
『街中や街の周辺には、散り散りになって隠れ潜んでいる人族も多くいるはずだ。一部の人族は蛮族側に寝返ったとも聞く……』
『彼らは無事この非常事態をやり過ごすことができるだろうか。無事を祈るばかりだ』
GM:日記的なものようです。他の本も見てみたでしょうが、大体日記。
イキシア:「これ、ずいぶん昔のことが書いてあるみたいです」翻訳して伝えます。
ミミ:「大破局直後の日記……っスか」
ユズハ:「それは……むしろ片っ端から読みたくなる内容だな」
レイン:「日記かぁ」
イキシア:「学者先生的にはいろいろ良い資料になりますですか? こう、歴史的なサムシングの、知識の。だったら頑張って読みますですけど!」ぐっとこぶしを構える。
ユズハ:「資料にはなるし個人的に気にはなるが、長居はできないだろうからな。部屋の探索を優先すべきだろう。ちょっと私がアテになるかわからないし、マナを温存しておいてくれ」
イキシア:「……先生が喜ぶなら頑張りますですけど、喜ばないなら頑張らないです」ぐたーっとよりかかる。
ユズハ:「負担をかけて申し訳ない……」ぐたーっと寄りかかり返す
レイン:「スカボローで何が起きてたのかとか、繰り返しのことがわかるなら最後の日付のとこだけ見たい気もするけど、探すのが地獄だな。だが、次の部屋に行く前に少し休憩しておこう。先生は目休ませてくれ。イキシアは魔香草で燻製のお時間だ」
ミミ:「あんまり休まらないっスけどねー。この景観だと」
ユズハ:「いや、目を閉じて座っていられるだけで十分だ」
レイン:(ころころ)あ、ピンゾロ。「あれ、火入れすぎたやべ!!!」
イキシア:「ほわ、ごほっ!?」
ユズハ:「本当に燻製化しそうだな」
ミミ:「ちょっとー、危ないっス」
レイン:「わりいわりい」(ころころ)今度は大丈夫。
イキシア:全快です!「うう、ちょっとけむかったですけどしみるです……ありがとです……」
ミミ:もう一部屋あるんでしたっけ。
イキシア:最後の部屋、ですね。
レイン:「よっし。いくか!」
GM:では最後の部屋へ。扉を開けるとそこには、ぽつんと宝箱が。
ミミ:罠を確認しなきゃ。
GM:判定どうぞ、目標値14です。
ミミ:(ころころ)17。
GM:余裕ですな。罠はありません。
ミミ:ぱかり。
GM:中に入っていたのは、立派な一着のマントでした。
ミミ:「む? これは」と手に取る。
GM:知名度12の見識・宝物判定どうぞ。
ユズハ:(ころころ)問題ない。
GM:『英雄のマント』です。
レイン:おぉ。
ミミ:けっこう強いアイテムだ。
ユズハ:ちらっとオルソラを見る。
レイン:「オルソラ、見覚えはあるか?」
オルソラ:「いいえ。しかし、ヒュペリスカは英雄をお望みのようで」
レイン:「そういう魔剣か……ハードル、たっけえな。なあ……そのマント、使ってもいいか」
オルソラ:「皆さんの見つけたものです。どうぞご自由に?」
GM:にやにやしています。
レイン:「いいのか? 魔剣の選定にかかわるかもしれねえぞ?」
オルソラ:「どのみち、私に剣は振るえませんよ」
レイン:「……みんなも、いいか?」
ミミ:「どうぞーっス」
ユズハ:「前衛が使うべきだろう」
イキシア:「イキシアも剣使いませんし……『英雄』なんてガラじゃないのです」
レイン:(そんなの、俺がこの中で一番向いてねえだろ、くそが)「……よし、もらった! 一回着てみたかったんだよなぁこれ!」って、ことさら明るい声で言う。無力をかみしめてる身には、重たすぎるマントを受け取ろう。
オルソラ:「せっかくだから、着せてあげますよ」
GM:にやにやしています。ハルーラの神官にして、魔剣の前の持ち主の娘が英雄のマントを着せてくれようと手を伸ばします。
レイン:「人に着せてもらうとかこっぱずかしいんだが…」いいながらもマント渡そうかなぁ。
GM:では皆の眼の前で、レインの後ろに回ってマントを着せてくれました。皆さん幻視してください。ヒ ロ イ ン 完 成。
ミミ:スチル回収。
レイン:ニヤけ面のヒロインとひきつった笑顔の組み合わせな!! ミドルスチルとしてははえるんじゃね、くそw
イキシア・ユズハ:(笑)
レイン:「一回くらいその面、驚愕に変えてやりてえなぁ」
オルソラ:「期待してお待ちしてますよ」
GM:この部屋は以上です。
ミミ:では石板の部屋に戻りますか。
イキシア:「石板石板ー」
GM:石版の部屋に戻りました。踏み抜くか、踏み抜かないか、好きにするんだ!
ユズハ:間違えたのを割った時に何が起こるかはわからないので、一先ず1枚割ってみたらいいんじゃないか?
イキシア:モンスターとか出てきませんかね!
GM:経験点を欲しがってやがる。
レイン:よっしゃいくぜ。「1番だ!」
GM:パリンとレインが1番のパネルを割ると……(ころころ)6点の魔法ダメージが。
レイン:「いってええ!!」
ユズハ:「なるほど。間違えるとそうなるのか」(腕組み)
ミミ:「これは下手なことはできないっスね」(腕組み)
レイン:「いや、このダメージで魔晶石ならやってもよくね?」
イキシア:「魔晶石! 魔晶石!!」
ユズハ:「いや、レインがいいならいいんだが……」
レイン:「3番!」パリーン!
GM:この反応の差よ。(ころころ)5点くらっとけ。
その後、レインは次々とパネルを割り続け。
28点の魔法ダメージと、9点8点5点の魔晶石を1つずつ手に入れたのだった。
レイン:「はぁ、はぁ……これで、不明なのは全部割ったか」
ユズハ:「お疲れ様……」全快するまで回復を重ねてかけていく。
GM:うむ。そして、最後の一枚を割ると同時に頭上からズズンという音が響いてきた。どうやら4Fで何かが開いたようです。
レイン:「ドアか何かが開いたならこれ、意味もあったよな」
レイン:しかし、傍から見るとこれ、マントつけてテンション上がって罠踏みまくってる馬鹿に見えるのでは。
GM:違うんですか???
レイン:違いますねぇ。マント貰う前から破壊する気でしたから、テンション上がってなくてもやるバカです。おかしい……物資不足のために体を張ってるはずなのに賢そうに全く見えない。
ユズハ:八つ当たりかな、と思いながら見ていた。
レイン:それ、正しそうだなぁ。
GM:傍から見てると絶対照れ隠しだよね。
ミミ:かわいいやつめ。
レイン:相棒にそれ言われるとかなすぃ。
イキシア:何とも言えない顔で見ている、と言いたかったですが、魔晶石が手に入った喜びでそれどころではない。
ユズハ:現金であった。
<4Fへ>
GM:では4Fへ。ここには両開きの大きな扉があり、既に開いています。先程の大きな音はここが開いた音だったのでしょう。そして、扉の先には巨大な空洞が広がっていました。外から見た際の大きさと一致しないほど巨大な空間です。やはり、迷宮化に伴いなんらかの問題が発生したのだろうと君たちは思いました。そして、部屋の中、その中心部には台座があり、一本の魔剣が突き刺さっています。ただしその背後には、地に伏せ、眼をつむり、静かに座す巨大な何物かの姿が。魔物知識判定15/20お願いします。
ユズハ:(ころころ)よし、抜いた。
GM:ドラゴネットです。
レイン:無言で剣を見つめる。ここに来る前なら、ドラゴン見てテンションが上がってたんだろうがなぁ。
ミミ:「魔剣を守る龍、っスか。正しく物語めいてる」帰りたい気持ちを押し殺しつつそう言います。
オルソラ:「ええ。……そしてあの剣、間違いありません。ヒュペリスカです」
レイン:「あれがお前の母親のか……手にいれねえとな」
イキシア:「龍を殺して、遺された剣を掴む。英雄譚ですね」
レイン:「物語に負けるわけにはいかねえんだ。この舞台をひっくり返してやる。……相棒、無理させて悪いけど、もうしばらく俺の強がりに付き合ってくれな」
ミミ:「お、お任せっスー……」
GM:君たちは警戒しつつ様子を伺うだろうが、ドラゴネットはすぐさま襲ってくる気配はありません。ですので、先に宝物判定しましょう。目標値12です。
ユズハ:(ころころ)6ゾロだ。
GM:では、データ開示します。
カテゴリ:ソードA 用法:1H両 必筋:20 命中:+1 威力:25 C値:10 追加D:+1 用法:2H 必筋:20 命中:+1 威力:35 C値:10 追加D:+1
◯先導者
この魔剣の持ち主の後に攻撃動作を行う者は、命中が+1される
◯討魔の剣
魔神に対する最終ダメージを+8点する
ミミ:「こりゃすごい。流石ノルニプスにも負けず劣らずっス」
ユズハ:「流石、英雄が持つにふさわしい魔剣だな」
イキシア:「そんなにすごいんですね、あれ」
レイン:「準備したら俺が抜いてくるよ。まずは向こうが動かないうちにできる準備しないか?」
ミミ:「こっちはいつでもオッケーっスよー……」
GM:わかっていると思うが、剣を抜いたら戦闘開始だ。英雄のマントを着て、仲間と共にドラゴンに挑み、討魔の剣を持ち帰るのだ! 事前準備については、3分魔法は2分残ることにしよう。10秒魔法は許さん。
ユズハ:わかった。ではまず、オルソラにフィールドレジスト/炎をうってもらいます。自前ではフィールドプロテクションを自分以外に。
イキシア:ブレス対策でバイタリティを全員に撃ちます。生命抵抗+2。
ユズハ:あとはブレスで命中と敏捷を希望者に。
レイン:命中が欲しいっすね。
イキシア:ダニィも命中欲しいですね。可能なら。
ミミ:敏捷は絶対要る。
GM:歌い続ける予定だし、ブレスもオルソラがかけようか。命中を前衛3人、ミミには敏捷も。
イキシア:大事ですね。
GM:OK。(ころころ)かかった。準備はできたかー? もういいかー?
レイン:大丈夫そうだ。頷きあって、一気に剣にむかってダッシュしよう。
イキシア:お願いします!
GM:では、君たちは剣に駆け寄り、レインが一気に剣を台座から抜き放つ。すると同時に、部屋の奥に居たドラゴンの眼が開き、君たちを捉えた。眠りから目覚めたドラゴネットはゆっくり起き上がり、咆哮を上げる。「君たちが魔剣の持ち主にふさわしいか、証明してみせろ」といわんばかりに。
オルソラ:「やっぱり来ましたよ!」
ミミ:「ちくしょー!」(泣いてる)
イキシア:「ふふ……昔はビビって泣いてましたけど、今は武者震いするくらいですよ!!」(がたがたがた)
レイン:「来い! 力及ばなくても気合いでだけは、負けらんねえんだよ!」
GM:その意気やよし。先制判定だ!
ミミ:(ころころ)6ゾロ!
イキシア:おお!!!
レイン:つええ!
ミミ:もう勝ちでいい????
GM:まだ許さない。文句無しのPC先行。君たちの手番だ。
ミミ:つらい。
レイン:ちなみに、抜いた剣の扱いは?
GM:そのまま普通に使ってOK。「使いこなして見せろ」と言わんばかりにレインの手の中に在る。「汝、勇者の資格を証明せよ」ってな。
ユズハ:かっこいいな。ではまず、初手オルソラバトルソングお願いします。
GM:(ころころ)気合十分(出目10)、バトソンOKです。
イキシア:さて、どこを狙っていきましょうか。「頭を集中攻撃+攻撃できるなら翼」って感じでいいですか? それとも翼狙い?
レイン:羽落として飛翔消したいかな。
イキシア:じゃあ翼先に落とす前提で、翼にパラミスAを入れましょう。まずはイキシアがライトニング。頭と、右の翼にターゲット。左の翼は巻き込まれ判定お願いします。
GM:(ころころ)回避―。
イキシア:では2体。抵抗上等ですがちみちみ削るぞー。(ころころ)翼ピンゾロ。
ユズハ:ぐ。
ミミ:んんんん。
イキシア:すみません、外しました! 18点です。
GM:(ころころ)おし。抵抗成功して9点。
イキシア:からのパラミスAを翼、右に。ダニィはテイルスイープ行きます。あたるといいなぁ。(ころころころ)
GM:(ころころころ)全弾命中だ。11点,15点,11点。
イキシア:よし! 右の翼が回避-1されてます。
レイン:少し迷うが、盾を捨てて全力。
(ヒュペリスカ、この魔域の間だけでいいから力貸してくれ、皆を生かして返すために!)
猫目入れつつ、パラミスの入った翼を殴る。
GM:盾を捨てるとは抜かしよる。(ころころ)だが当たる。
レイン:ヒュペリスカ全力は29点。
GM:防護引いて19点。さあこい。
ミミ:ガゼルフッド。ロングソードで翼Aを挑発。(ころころ)出目10、25。
GM:みんな出目いいね??? 避けられない。
ミミ:(ころころ)16点だから6しか通らない。かたいわ。
GM:我ドラゴンぞ。
ユズハ:流石に強いな。翼Aにバイオレントキャストフォース(ころころ)ぐ、また1ゾロ……。呪われてるな今日。
GM:では今度こそこちらのターン。まずはブレス!(ころころ)来た!! 出目11。これは勝ったでしょ!
ミミ:それは無理だねぇ。
ダニィ:むりぃ。
GM:(ころころ)21点ずつか。まぁ普通。翼行くぞ。(ころころ)レインとミミに1発ずつ渾身攻撃! 命中23!
ミミ:いや、たかいが?(ころころ)25。避けたわ。「無理無理無理!!!!」って悲鳴上げてる。
GM:躱しとるやんけ。どないなっとんねん……。
レイン:「相棒さすが!」といいつつ25点くらう。残りHP32。
ユズハ:流石に、一撃が重いな。
イキシア:レインがHP30代ってなかなかですね。
GM:さぁこい。
レイン:動くぞ。翼に全力。(ころころ)29点ダメージ、「◯先導者」の効果で以降味方命中+1だ。
GM:出目の差7あるはずなのに当たる……!
ミミ:続きまーす。挑発!
GM:かわせなーい! 7点抜けて挑発が入る。
イキシア:ダニィ動きます。翼Aにしっぽで攻撃して19点。
GM:9点抜け。
イキシア:さっきと同じ対象にライトニング。3点魔晶石を割ります。
GM:(ころころ)んん、巻き込まれた!
イキシア:(ころころ)! 頭の行使判定に6ゾロです! 18点通ります!
GM:コア部位抜かれたか……!
ミミ:えらーい!
イキシア:(ころころ)頭に18点、翼に10点と9点!「よぉし、翼を撃ち落としましたよ!!」
ユズハ:「流石だ」
ミミ:「よ、よーし。いい感じっスよー!」
レイン:「よさすがだエース」
イキシア:「えっへへー! 後は頼むです!」
ユズハ:前衛3人にユズハからキュアハート。オルソラはレインにだけキュアウーンズ。
イキシア:バトソンは止まりますが、次前衛組が動く前に歌い出せばバフは問題なしですしね!
レイン:「ユズハ、オルソラ、サンキュ。これでもうしばらく行ける!」
ユズハ:「倒れるなよ!」
レイン:「英雄なんだろ、意地はるさ!」 (はりぼてだけどな)
GM:ではこちらのターン。(ころころ)ミミ!
ミミ:(ころころ)+4でブレードスカート発動ッス! 14点ダメージ!
GM:ミミさん???
レイン:「相棒、ほんとお前、頼もしいよ」怖がってても動き続けられる、それこそ勇気だよ。
ミミ:「今話しかけないで欲しいっス! 舌噛むんで!!」レインの心情知らず。必死。
GM:(ころころ)もう一撃の渾身攻撃はレインに23点だ。そのままPLターン。
ユズハ:初手はオルソラの歌の再開。
イキシア:そして、今度はバイオレントキャスト、リープスラッシュで頭狙い。(ころころ)出目10達成値23!
GM:ぬいてくるぅ!
イキシア:18点通します! パラミスAを頭にぺしり。
GM:ンアー!
ダニィ:ダニィ、一応テイルスイープで。(ころころ)頭に23点翼に25点。
レイン:続くぞ。全力で頭。(ころころ)……よし、ダメージ決定で出目4、ひっくり返して+11点!
イキシア:おおー!
ミミ:これだから人間はよぉ!
レイン:ダメージは46点!
ユズハ:もうちょっとだ!
GM:34点抜けてきたか。これにはヒュペリスカもにっこり。
ミミ:挑発しないで頭を殴る。(ころころ)出目9で24。
GM:だから出目??? 4点抜けてきた。
ユズハ:流石に落とすのは無理だが……頭にバイオレントキャストフォース。(ころころ)お。
GM:うっそだろ。1足りられてしまった。抜ける。
ユズハ:フォースに異貌乗せて+1で(ころころ)1回転した。21。
GM:うっそだろwwww
ミミ:つよいいい!
ユズハ:「一回くらい、ちゃんと当たれ……!」
GM:ドラゴンは止めのフォースで崩れ落ちました。君たちの勝利です。
ユズハ:「やっと、まともに飛んだか……」(ぐったり)
イキシア:「…………わわわわ、わぁー。先生!!」吹っ飛んだドラゴンを見てユズハさんに飛びつく。「すごいですすごいです!」
ユズハ:「……揺らさないでくれイキシア……吐く……」
イキシア:「ひゅえ。すみませんです……」 エアなでなでします。エア。
レイン:「おみごと、流石だなユズハ。決めるとき決めてくれるよ、うちの後衛は」
ミミ:「本調子じゃないのにあれだけ出来るんだから、ホント大したもんっス。流石ッス!」
ユズハ:「いや、皆のおかげだよ……」
レイン:「ほんと大したもんだよな、どいつもこいつも……」言いながら、剣をみつめます。(こんなハリボテな俺で悪いが、しばらく付き合ってくれな、ヒュペリスカ)
GM:ヒュペリスカもレインのことを認めたのでしょう。周りの景色が一変していきます。洞窟のような場所であったところがどんどん歪み、ヒュペリスカに吸い込まれるように景色が変わっていきます。気がつけば、君たちは1Fの入り口入ってすぐのところに立っていました。
レイン:「っ!」あたりを見渡す。
GM:2Fに続くはずの階段は、天井部が崩れて埋もれ、登れなくなっています。3Fより上はとうに倒壊。レインの手の中の魔剣だけが、朽ちずに残っているもののようです。
イキシア:「……迷宮だったんですね、本当に」きょろきょろ。
GM:そして、部屋の中央には白骨化した死体が1つ。奥には、手入れのされていないハルーラの祠もありました。
イキシア:「!」
レイン:駆け寄ろう。
GM:死体は鎧を着こんでいます。既にボロボロになってしまっていますが、戦闘による傷が随分とついていて、激闘の時を過ごした様子が伺えます。胸の辺りにある刺し傷の跡が、致命傷だったのではないでしょうか。そして、首のあたりには、ハルーラの聖印が。
ユズハ:流石になんともいえない顔になる。
ミミ:「託宣の通り……みたいっスね」
イキシア:「…………」流石に察して、オルソラを見る。
オルソラ:「ああ……」
GM:オルソラはゆっくりと死体に近づき、傍に跪きます。
オルソラ:「やっと会えたね。お母さん……」
GM:しばらく、部屋にはすすり泣くような嗚咽が響くのでした……。
レイン:「……」
ユズハ:「……しばらく、一人にしといてやろう」
イキシア:「……はい、です」
ミミ:「っス」
ミミ:扉がちゃんと開くかとかを確認して間を持たせよう。
GM:開きますね。外にも出られます。
ミミ:よかったよかった。
GM:しばらくするとオルソラも立ち上がり、君たちに死体の埋葬を手伝ってくれるように頼んできます。その手には、母親の聖印が握られていました。
イキシア:「……埋めるのはここでよいですか? いや、ここ以外にどうするって話ではありますが……」
ユズハ:「どこか、墓を作りたい場所があるなら、運んでやってもいいぞ」
オルソラ:「いえ、ここで静かに眠ってもらいましょう。今更他の場所に動かすのも、どうかと思いますし」
レイン:「わかった」
ミミ:「……なら、ちゃんとしてあげないとっスね」
レイン:「あの祠もな。綺麗にしておかねえとな」
イキシア:「……です」シューキョーのことはよくわからないけれど、仲間の大事なものということはわかる。祠の掃除とか直しとかも手伝います。
ミミ:シューキョーは分からんけど、人と人の繋がりは分かる。
オルソラ:「こんな場所で静かに眠ってたんじゃ、スカボローをいくら探しても見つからないわけです……」
ユズハ:「でも、見つかってよかったな」
オルソラ:「ええ、付き合ってもらって感謝しますよ……」
GM:少し落ち着いた様子でそう答えます。胸のつかえが一つ取れたような、そんな表情です。
レイン:「……この魔剣が、眠りを守ってくれてたんだな、きっと」ヒュペリスカをじっと見る。
オルソラ:「母は昔、冒険者をしていたそうです。その時手に入れたものだと聞きました」
ミミ:「さぞ、立派な方だったんでしょうっス」そんなヤバい魔剣拾うくらいだもの。
オルソラ:「さぁ……でもやさしかったのは覚えてますよ」
レイン:「そっか。……オルソラ」オルソラにヒュペリスカを差し出す。「お前が持ってろよ。必要な時は借りるから」
オルソラ:「……ならそれは今でしょうに。いいですよ。不要になったら返していただきますから」
レイン:「いいから、次の戦いまでは、な」
オルソラ:「……ではそうしましょう」
GM:オルソラはヒュペリスカを受け取ります。
レイン:「ああ、それがいいよ。ただ、ないと困るから。だから、次の戦いのときも、ちゃんといろよ」
オルソラ:「さて、私はしがない神官ですから」
GM:ふっと笑顔を浮かべます。
オルソラ:「流石に疲れました……今日はここで、ゆっくり休みましょう」
GM:君たちは、その日はそこに一泊する。翌日改めてお墓に挨拶して、帰途に着くのでした。
レイン:深々と頭を下げてから帰るよ。
レイン:(ハリボテの真似事ですみません。でも、なんとか皆は帰して見せますから。どうか力を貸してください)
GM:君たちは数日かけて北の廃墟へと帰還しました。なのですが、どういうことでしょう、人数が出発したときより少ないのです。しかも、何やら熱に浮かされた様に皆話し合っています。
イキシア:「……はれ?」
ミミ:「なんかあったんス?」
GM:「おお、あんたらか!」君たちの姿を見つけると、残ってるメンバーが近寄ってきます。
レイン:「どうした」
GM:「『蛮族の軍がついにスカボローを出た』って連絡が、あんたらが出ていった後にあったんだよ!」
レイン:「っ……」
GM:「『連中が砂漠にたどり着くタイミングでやるしかない』ってことになって、ここに残ってた戦える連中は、村の冒険者達と合流すべく出発したぞ。戦える奴は全員スカボローに向かうって話だ。俺たちみたいな戦えない奴は村に戻る」
イキシア:「……!!!」 (もう?)と口の中で小さくつぶやく。
レイン:「俺たちにはどう動けって指示が来てる? キバオウにアンプレゼントだ。俺たち向けの伝言も、あるよな?」
GM:「ああ、あんたらへの伝言も聞いてるよ。『戻ったら急ぎ、スカボローへ』とさ」
ユズハ:「そうか」
ミミ:「ついにこの時がきた、って感じっスね」
GM:「もう、村の連中も出発してるんじゃないかな? 森からスカボローは遠いからな」
レイン:「……イアのこと、何か聞いてないか?」
ミミ:「!」
GM:「『村に置いていく』とさ。『流石に戦場にはつれていけない』とよ」
ユズハ:「……っ、そうか……」不安げな顔で全員を見る。
イキシア:「……この局面で……村に置いておくのは逆に不安です」
ミミ:「と、取り敢えず一度帰らないっス? 体制を整えたいっスし」
GM:「ええ? 間に合わなくなるんじゃないか?」
GM:訳:ええからスカボローいけやw
ミミ:キレてる。PLもPCも切れてる。
GM:GMの筋書き通りなんや。
イキシア:「非戦闘人員ばっかりのところに、その、ラーリスシンカンを置いておくのは……。もう、それでいいと思ったんですかアンプレゼントは!?」
GM:「そういわれても、俺らみたいな戦えない人間を戦場につれていかれても、そっちのほうが困るぞ。それに、村なら守りの剣だってあるんだし」
レイン:「……」
イキシア:「イキシアが心配してるのはそっちじゃなく……いや、うー、もう」
GM:「なら、他にどこが安全だっていうんだ」
イキシア:「……イアを置いてない場所が安全、ですよ」(ぼそり)
ミミ:すげー頭の中がぐるぐるしてる。魔神に守りの剣は効かねぇんだよなぁ……口には出せないけど。
レイン:「二手にわかれるか……いや、無理だ……」
ユズハ:「スカボローに向かうのが常道なのはわかっているが……イキシア、なんとかならないか。魔法で!」無理だとわかりつつ聞いてしまう。
イキシア:「イキシアがもっと高位の術師だったら……」涙目。
レイン:「……スカボローに、いくしかねえ、のか。あいつらが負けたら、その時点でイアもだれも守るすべが、なくなる……」
突然の宣告に、PLとしての立場とPCとしての立場に全員が悩み始める。
ミミ:GM、これは真面目な相談なんですが。私の頭の中のミミさんが「なんでイアを置いてまで行きたくもない死地に向かわにゃならんのだ」という顔をしている。何とかふんじばってでも連れて行って欲しい。
GM:真面目な相談を、「決めてある筋を覆せ」という形でされそうになってる(ガクブル)
ミミ:PLは「GMの都合なら止む無し」という顔をしてるのですが、PCはキレている。「ループでやり直しになる気がする戦争になーんで参加しないといけないんですか」とか舐めたこと言ってる。
ユズハ:いや、ユズハもそうです。ユズハは「いやここは村帰る一択だろう」って言っています。ラーリス神官を野放しにする選択は彼の中にはないので。PLはGMに最大限協力したいんだけど、これは明らかにロールに背いてしまう。
レイン:レインは「俺だけスカボローに行くからまずはみんな一度イアを助けてきてくれ」って言いたがっているな。「お前らが来るまでの時間は俺が必ず稼ぐ、必ずだ、キバオウもアンプレゼントもキリトもしなせねえから」みたいな。
イキシア:イキシアは「生徒たちがスカボローに行ってるはずなので、明らかに見えてる地雷でも行かざるを得ない」って理屈があるので行けるのですが、ミミや先生を連れていけるだけの説得はできないですね。
レイン:パーティ分断はもっとないからなあ。
ミミ:あかん。理由が全然思いつかない。助けてください。
喧々諤々の末。
レイン:これはあれだ。レインが聞いた下りをまるっとなかったことにして「イアは皆といると思い込んでた」でスカボローに行きますか。これが一番平和な気はする。
ミミ:成る程ー?
イキシア:何も知らなかった。スカボロー行ってから気づいたのだ! 後の祭り!
GM:おまwwww
ユズハ:「戦えるやつは全員スカボローに行った」なら「バトソン要員として絶対連れていてくれてるはず」だものな。
レイン:「キリトが連れてってくれてるはずだ、約束したしな」
ミミ:「そうそう! キリトが約束してくれたもんね!」
GM:やめろぉ! これ以上勇士様の心労を増やすな!!! そこは忸怩を飲んでスカボローへ向かう描写から次回のスタートを、ですね?
ユズハ:忸怩飲むとPCがGMとPL振り切って帰っちゃうんですよwwww
イキシア:実際行ってみたらいなかったのだ。「アンプレゼントどういうことだ」と詰め寄りつつ。
レイン:「キリトォォォ、なんでおいてきたぁぁぁあ!!!」って殴る。
ミミ:ミミも泣きながらキリトをぶん殴る。
イキシア:二方向から殴られるキリト氏。
GM:可哀想に……。まあ、それでスカボローに行ってくれるならいいんだが。それじゃ、本編に戻るぞ。
GM:色々ありましたが「今はスカボローに向かうしかない」となった君たち(断定)。そんな中、レインに向かってオルソラが言う。
オルソラ:「どうやら、次の機会とやらは割とすぐに来たようで」
GM:その手はヒュペリスカを差し出していた。
レイン:「ああ……英雄、必要だよな」受け取ろう。
オルソラ:「とんぼ返りですが、行くしか有りませんね。スカボローへ」
GM:オルソラが頷いたところで、今日はここまで!
一同:おつかれさまでした!
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