【6話】 過去からの警鐘
【キャラクターシート】
レイン :http://www.pumpukingdom.com/ytsheet2/sw2.5/?id=0XT69v&backup=2020-05-24-10-00
イキシア :http://www.pumpukingdom.com/ytsheet2/sw2.5/?id=PAW6EC&backup=2020-05-18-00-36
ミミ・クック:http://www.pumpukingdom.com/ytsheet2/sw2.5/?id=HYWb7l&backup=2020-05-24-10-13
ユズハ :http://www.pumpukingdom.com/ytsheet2/sw2.5/?id=C6fNMv&backup=2020-05-24-10-27
GM:ついに6話ですね。お話も折り返しです。完結目指して今日も進めていきましょう。成長報告のお時間です。
ユズハ:プリーストLv7になりました。キルヒア様のお陰で、一日一回知識判定か探索判定を6ゾロ成功出来るようになりました。それから、アルケミスト技能を取ってGMが希望してた《ミラージュデイズ》取りました。前回教訓として、「殺される前に殺せ」を学びましたので、選んだ戦闘特技は「バイオレントキャストⅠ」。聖印の専用化と合わせて、前回比フォースが行使判定+3で飛ばせるようになりました。異貌するとダメージ伸びるから忘れないようにせねば。以上です。
ミミ:ミミです。フェンサーを7にしました。戦闘特技は《テイルスイングⅠ》。
GM:尻尾……尻尾どこ……?
ミミ:使えるのはフェンサー9になって《変幻自在》を取ってからなので許して欲しい。宣言特技であることを忘れていたPLの落ち度です。というわけで、今後一先ずはフェンサーを9にしていこうかと。先制取れなかったらごめんね。以上です。
GM:それで50点足りなくて発狂してたのね。
レイン:レインだ。ファイターを7Lvにした。前回イキシアに自分を撃たせたことも気にしてるし、ミミやキリトに少し劣等感を覚えてたり、オルソラが気になったりと知恵熱状態。考えすぎであまり眠れないのか、夜な夜な訓練してたら《命中強化》と《タフネス》が手に入った。やったね。以上です。
GM:ついに来たかタフネス。前回は出目が酷かったからしゃーない。
レイン:ひどすぎた。
イキシア:イキシアです。ソーサラー7Lvになりました。地味にソーサラーで探索便利魔法が増えていってるので忘れないようにしたいです。とりあえずファミリア(ビビ)にアポート用の印をかきました。戦闘特技は……ものすごく迷ったのですが、《バイオレントキャストⅠ》です。制御と同時に宣言できないので、コア部位をぶち抜こうとするとき用。あと、ダニィが7Lvになって完全形態になりました。たぶん、このキャンペーン中、これ以上彼は強くなれない……モルドンダウレスが使えるのは、10レベルからなんですよねー。以上です。
GM:悲しいなぁ。そして大半が、迷うことなく固定値を上げにかかってくるPLでほんと好き。成長報告が済んだところで前回のおさらいいこう。
三日月島でイアを拾ってしばらくのんびり暮らしていた君たち。
しかし年に1度の魔神召喚の季節、【蝕】の日がやってくる。
準備を整えXdayに備えた君たちだったが、今年の【蝕】は例年を超えた規模だった。
そして、突如現れる謎の巨大な魔神の影。
絶対絶命のピンチと思われたが、キリト達の活躍もあり、無事夜を乗り越えることができたのであった。
GM:覚えてるね?
ユズハ:勇士様は英雄。
ミミ:やっぱ勇士なんだよな。オツカレーッス
GM:そう、勇士様万歳の回だった。今回は、前回から2ヶ月ほど経過したところからです。
GM:君たちは今日も今日とて復興に勤しんでいる。森に降り立った魔神の討伐に、壊された部分の修繕、雪原や森の拠点から護送されてきた怪我人の治療など、やることは色々あったことだろう。キリト達のパーティは、アンプレゼントが「勇士」と呼んでいたのに加えて実力を見せつけたこともあり、蝕の日以降「村随一の戦力」としてしょっちゅう魔神狩りに駆り出されています。
レイン:素直に悔しいな。
GM:一方君たちは、ラーリス神官と思しきイアを匿っている事もあって、邪険にはされませんが「ちょっとどう扱えばいいのか」と、困惑される事もある感じです。
イキシア:正直「せやろなぁ」って感じなので……ミミさんの様子だけ気にしてます。教え子たちが褒めそやされてるのは、教師として素直に嬉しいです。もともとイキシア、ちやほやされるのは好きでも、戦闘能力でちやほやされたい英雄願望はないですし。ただ、せわしなく生徒たちのケアはしてますです。前回の戦いがトラウマになっちゃってないか心配なので。それと、レインさんには前回のファイアボール詫びサブレを進呈した。
GM:侘びサブレ。侘び寂びめいた何か。
レイン:むしろ、それはこっちから渡そうとしていそう。きっと一悶着あった。
イキシア:最終的に同量のサブレの交換になったんじゃないですかね。
レイン:「撃たせたのは俺だから……」
イキシア:「撃ったのはイキシアですもん……」(ぐすぐす)
レイン:「俺の剣よりファイアボールのが有効だったんだから気にするな。そもそも俺がもっと強ければそんな必要なかったんだから」
イキシア:「イキシアにレイン並みの体力(HP)があればそんなことしなくてもよかったですし!!」
ユズハ:「はいはいストップ。そもそも、サブレは戦勝祝いで焼いたんだから、通貨にするな」
GM:評判的には差がついてしまったとは言え、キリト達と並べるくらい腕も立つということは認識されてますので、君達もちょいちょい魔神討伐に駆り出されたりなんだり忙しく過ごしていたことでしょう。ですが、2か月も経てば拠点周辺の魔神討伐も一段落してまったりモードに入りつつあります。そんな時空からスタートです。
<ゆったりまったり>
GM:というわけで、今日も冒険者ギルド(自称)でのんびりしているところです。まずここ2ヶ月の間に稼いだお金を計算しましょう。前回同様2d6 x 10 x技能なのじゃ。
レイン:狩人5Lv出目7、農夫3 Lv出目3、学生1 Lv出目5。
GM:畑は随分やられたらしいな。
イキシア:貴族(3/相変わらず教室の先生代。礼儀作法とか)出目8、調教師(2/家畜のお世話、騎獣調教)出目6、調香師(1/もはや日課になってる内職。ポプリ作り)出目7、商人(3/蝕のせいで、また管理が忙しいよ)出目7。うーん、普通。670ガメル。
GM:わりと堅実に稼いでるし。
ミミ:家政婦2Lv出目7、織り子2Lv出目10、牧童2Lv出目11、農夫2Lv出目5。
GM:やはり畑は駄目みたいですね。
ユズハ:でも家畜は無事だったっぽいな。
ミミ:イアと一緒にお世話しました。
GM:ラーリスに目覚めた家畜が……。
レイン:ひぃ。
GM:じゃけん食用にしましょうね~。
イキシア:それ食べても大丈夫ですかw
GM:邪神に目覚めた豚は出荷よ~。
ユズハ:にく……うま……。
ユズハ:役人3Lv出目5。聖職者5 Lv出目4。墓守2 Lv出目4。うーん、低調。金にならない仕事ばかりしてたなこれは。
GM:サブレかな?
イキシア:パーティ内でサブレ本位制が定着してしまっているせいで……。
GM:北朝鮮じみてきたな。
レイン:やべえ、経済が握られている。
イキシア:ほんとに銀行ですね??
ユズハ:サブレだけじゃなくていいんだが……パウンドケーキとかもたまには焼きたいのだが……。
イキシア:1パウンドケーキは10サブレに換算されます!
レイン:単位なのか。
GM:好きにしてくれ。それぞれ収入はキャラシに追加しておいてね。
ユズハ:「はい、今日の仕事上がり分のサブレだ。バターはあるが、小麦粉の生産が減ってしまったから大事にたべるんだぞ」
イキシア:「噛みしめるように食べますです……はうん……」(至福の表情)
ユズハ:「今日はクロテッドクリームとスコーンも作ってみた」
イキシア:「先生の腕がどんどんあがっていく……すべてのシンカンが先生のようであればいいのに」
レイン:「その知識はどこで手に入れたんだホント。神殿って意外と暇なのか?」
ユズハ:「チャリティイベントのために修道院時代に仕込まれたんだ。あそこは魔動機文明時代の遺産:魔導オーブンがあったからな。あれは便利だった」
イキシア:「ちょっとシンカンに対する好感度があがったです。ちみっとですが」
イキシア:オーブン、魔動機文明時代の遺産なのですね……。
ユズハ:薪式オーブンならこの時代にもあるのだろうがな。(魔女の宅急便のあれ)
レイン:精霊式かまどとかもワンちゃんありそうな気もしますな。
イキシア:なるほどw 妖精さんが焼いてくれるケーキ……
ユズハ:夢があるなw お礼に小さなお皿にケーキの欠片をのせておいてあげよう。
ミミ:見えないが????
イキシア:ルンフォ勢は見えないので、焼いてる先生の不思議な力でケーキが焼けてると思ってる。
レイン:そしてお礼のケーキはルーンフォークからすると唐突にモノが消えるという恐怖現象に。
イキシア:ひえっ。空中にケーキが消える怪奇現象です!
ミミ:では、ミミさんはそこにイアと一緒にお仕事から帰ってくる感じにしようかな。「おつおつっスー。おっ、美味しそうっスね」と言いながらつまみ食い。
イア:「いあー……」
GM:ミミの真似してむしゃむしゃ。最近のイアはふらふらとミミについて歩いています。ひな鳥状態。
ミミ:可愛いね。
イキシア:「あ! 一番おいしい、はじっこのおこげのところを! イキシアが狙ってたのにー!!」
ミミ:「いやぁ、イアは食べ盛りっスから」
イキシア:「ミミはすっかりママですね。ママミミ」
ミミ:「おねーさんと呼んで頂きたいっス」
レイン:「ママミミ……舌かみそうだな。イアもお疲れ。うまくやれたかー?」うとうとぎみにそう声かけよう。
GM:レインの言うことは聞こえてるだろうけど、理解できてるのかできてないのかはイマイチわかりません。
イキシア:「レインも眠そうですし、ママミミおねーさんと赤ちゃんと一緒にお昼寝でもしてくればいいですよ?」
レイン:「まだ子持ちじゃなーい。ってか……イキシアお前何言ってんの?」真顔。
イキシア:「え。どうしたんです突然シリアスな顔して」ぎょぎょっ。なんか変なこと言ったかな? と、素でぎょっとしてます。
ミミ:「おーっと。これは旦那様に稼いで頂かないとっスねー」
レイン:「だぁ!! のっかんな相棒!!! てか最近俺仕事うまくいってないんだから! 稼ぎ……。稼げ……。……仕事がんばろ……」つぶれー
GM:畑のダメージが大きかったみたいだからね。仕方ないね。
ミミ:「にしし。イアとお昼寝する権利はまだお預けっスねー」
レイン:「くそー、がんばらねば……って、俺その権利別に必須じゃないぞ、いや、顔かわいいかもなって気はするが」
ユズハ:「まったく、平和でいいことだ」
GM:ではそんな平和に刺客が!
アンプレゼント:「あら? 皆さん今日のお仕事は終わりですか? お疲れ様です」
GM:書類を抱えたアンプレゼントがギルドにやってきたようです。
イキシア:(そそっとユズハさんとレインの陰に隠れる)
レイン:「今日は全員終わったみたいだなぁ。そっちはまだ仕事か、大変だな」
ミミ:「お疲れっス。ほーら、イアもご挨拶っスよー?」
イア:「……」(サブレぽりぽり)
ミミ:「むむ。いけない子っスねー」うにうに。
レイン:「ま、まだ難しいわな」
アンプレゼント:「前から思っていましたが、ミミさんは子煩悩ですね」
ミミ:「そんなこと……、ないっスよ?」
レイン:「いや、すっげえだろ実際」
GM:書類をユズハに渡し、軽く指示を出してアンプレゼントが戻ってきます。
アンプレゼント:「しかし、皆さんもそろそろこちらに来られて半年程経ちますね。あまりゆっくりお話する機会もありませんでしたが」
レイン:「ああ、もうそんなにたったっけ」
アンプレゼント:「そうです。ちょくちょく剣の欠片を持ってきていただけるので、非常に助かっています」
レイン:「いや、それをちゃんと運用できるあんたがいてこそだから。でも、村に守りの剣があるのは安心だよ、ほんと」
アンプレゼント:「戦えない方は特にそう思われているようですね。先日のような魔神や動物には効果がないのが悩ましいところではありますが……」
レイン:「望みすぎても仕方ないってところだろそこは。警戒する対象が減るのはありがたいよ。前回は参ったけど」
ミミ:「あそこまでの規模はそうないでしょうしーっス」
アンプレゼント:「例年にない規模でしたから。蛮族の攻勢準備といい、何かが起きようとしているのかもしれませんね」
イキシア:「…………」(以前の情報を思い返して考え込んでる)
アンプレゼント:「蛮族はいつ攻め込むのでしょうね。この間の蝕で少し準備が遅れたのではないかと思うのですが」
レイン:「そうだなぁ。次の手を打つにもその情報は欲しいよな。鉄華団達、何か手にいれてないもんかね」
アンプレゼント:「定期的に連絡は来ているのですが、どうでしょう。次の便もそろそろかとは思いますが」
レイン:悪い連絡はないって意味でもあるので、少しほっとする。「10年前の失敗もあるし、焦りすぎてもだよな。何かある前に強くならねえと」
イキシア:「……。なにか、ないと、いいですね……」
ミミ:「心配し過ぎもよくないっスよー? なんとかなるなるー」イアのおててをふりふりさせる。
GM:なされるがままです。
イキシア:「そう、ですね。心配……しなくていいですよね。オルソラは」
レイン:「あの腹黒だしな、大丈夫だろ。殺されても死なねえよ」
ミミ:「人間は複雑っスねー。これだからシューキョーは」
アンプレゼント:「あの、私も神官なのですが……」
ユズハ:「イアも私も、一応神官だぞ?」
イキシア:「先生はいいんですよ、先生は!」
ミミ:「イアは可愛いのでせーふっス!!!!」
GM:お前らwww
イキシア:「ここにきてから、シューキョーの怖いところしか目の当たりにしてないですもの。みんなどーかしてるです」(ぶつぶつ)
レイン:「こいつら神様アレルギー気味なんで勘弁して。ほら種族的にさ」アンプレゼントに言い訳をしよう。
アンプレゼント:「ルーンフォークですか。三日月島では珍しいのですよね。無事なジェネレーターが存在しないようなので」
イキシア:「ジェネレーターがないのは寂しいです……その分、みんながレア度高いイキシアをかわいがってくれるのはいいですけどね」※かわいがってくれてるわけではない
ユズハ:「寂しいものなのか」(理解できない顔)
ミミ:「同じ種族がいるってのはメンタル的に違うんすよね」
イキシア:「シンカンでいう、『祠とか神殿がない!』みたいな感覚ですかね? ちょっと違うのかなぁ……? うーん……。『親』みたいなものですし。ジェネレーターって」
ユズハ:「親、ねえ……? まあ、そういうものか」
レイン:「『同郷の人間がいると少し落ち着く』ってのはわかるな。地方語が通じるとちょっとそれだけでうれしくなる」
アンプレゼント:「出身地のようなものですか。残念ながら、スカボロー生まれの人間には、苦い思い出ばかりでしょうが……」
レイン:「言われてみれば、そういう人は故郷取り戻す戦いなのか」
アンプレゼント:「どうでしょう? 奈落の魔域が解放された後のスカボローがどうなるのかは、誰にもわかりませんし。皆さんは、ここから解放されたら元居た街に戻られるんですか?」
イキシア:「イキシアは、おとーさまとおかーさまが心配してると思うので、手紙くらいは書くです」
ユズハ:「私も神殿に挨拶に行かなければ。色々なものを放り出してきてしまった」
レイン:「外に出たら、か。まずはギルドにクエスト成功の報告に行かないとな」
ミミ:「確かに。まだ350Gもらってないっスよ」
イキシア:「はっ。そうですね! このままでは、イキシアたち、初依頼で失踪した残念冒険者たちですよ! 報告してーいろいろ連絡とってー、それでー……それで……」突然、おろおろとあたりを見回しはじめます。「……み、みんな、外出ても冒険者やめないですよね?? パーティ解散とかしないですよね??」
レイン:「どうした?」
イキシア:「いや、こう……その……。だって外出たら縁切れちゃうと、それはその……」もじもじ。
レイン:あたまぽんと叩く。「冒険者続けようがやめようが、こんだけの縁ができたら切れねーよ。てかお前、そしたら生徒たちとかとの縁、切れちまう理屈になんだろ」
イキシア:それを聞いて、ちょっとぴっと泣き顔になる。
レイン:「どーなるかは終わってから考えなきゃだけどな。やめるにしろ続けるにしろ、今更他人にゃもどれねえよ。なぁ、みんあ! ……あ、かんだ」
ミミ:「締まんないっスねー」
ユズハ:「せっかくいいこと言っていたのに……」(笑いをこらえている)
イキシア:「……レインはすぐかっこつけるくせに、毎回毎回しまらないやつです」
レイン:「うっせうっせー!!」
アンプレゼント:「皆さん仲が良くてよいですね。……私は……もし出られたらどうしようかな……」
ユズハ:「お若いのですから、それこそなんだって出来るでしょう?」
ユズハ:言った後でなんだけど、アンプレさんって見た目若いよね?
GM:ユズハ(20歳)よりは年上にみえるねぇ。
ユズハ:何歳くらい?
GM:20代前半くらいかな。
レイン:「なんだったら、一緒に冒険するか?」
アンプレゼント:「そうですね。冒険者も、悪くありませんね。私にはそれくらいしかできそうもありませんし……」
レイン:「それは嫌味かー? 人をまとめて、村を維持して、心を支える。だれにもできることじゃねえって」
イキシア:「キバオウはんとかもいますし、そこでパーティ組めばいいんじゃないですか?」
ユズハ:「アンプレゼントさんはいつこちらにいらしたのですか?」 あ、それは以前出てたか。
GM:いや、丁度良かった。
アンプレゼント:「こちらに来た、といいますか。私はスカボロー出身ですね。いえ、正確には『気がついたらスカボローに居た』のですが……」
イキシア:「……ん?」
ユズハ:「気がついたら?」
イキシア:「どういうことですそれ」
アンプレゼント:「ええ、そう言えばお話したことはありませんでしたね。私、10年くらい前かな? それより昔の事を覚えて無くて」
レイン:「……10年前。まえ、それより前のこと聞いたらなんか少しぼーっとしておかしくなったよな、あんた」
アンプレゼント:「そうでしたっけ……? えっと多分、10年くらい前にあったという人族の蜂起? の後くらいだと思うんですが。覚えている一番古い記憶は、フラフラとスカボローをうろついているところでした。街中混乱していたように思います。蛮族がうろついていたので、慌てて隠れて……しばらく潜んで生活していました。幸い、武器や防具を持ったままでしたので、蛮族に襲われてもなんとかなったのですが……。その後、同じように隠れている人達とグループを作って、街の外に逃げ出しまして、どこか落ち着ける場所はないかとさまよった挙げ句に辿り着いたのがここだったんですよね」
レイン:「……勇士ってのは、どこで知った言葉なんだ?」
アンプレゼント:「どこだったかな……気がつけば探していたような気がします。逃げ出して、スカボローの事を調べて、奈落の魔域であることを知って、蛮族達や魔王の事を知って……『いつか勇士が魔王を討つ』と、何故かそう信じていたような……?」
ユズハ:「10年より以前のことは、何も? 貴方のお名前も?」
アンプレゼント:「いえ、名前は覚えていましたよ。『それまでどこで何をしていたのか』が曖昧で……。しかし、ゆっくり考える時間も余裕もありませんでしたしね。生きるのに必死で」
イキシア:「……。ちなみに、守りの剣の使い方とかも、どこで知ったですか? それも何となく覚えてた?」
アンプレゼント:「村の人には言わないでくださいね? 心配させますから。守りの剣についても、見た時に『これが守りの剣だ』とすぐわかったんです。使い方も身体が覚えているというか『ああこう使うんだったな』と、自然に」
ユズハ:「神の声も、はじめから聞こえましたか」
アンプレゼント:「自分がミリッツァの神官戦士である事はなんとなく覚えていたんですよ。そうでなくとも聖印を首から下げておりますし。神聖魔法も使えますから」
レイン:「そういうこともあるのかぁ」
ミミ:「よくわかんないっスね……。以前からやんごとなき人だったんスかね?」
ユズハ:「成人前から神官戦士? 常に戦乱の最中のスカボローでは珍しくないのかもしれないですが……。いや、逆に珍しい……のか……? 三日月病を考えれば……」
GM:ユズハの言葉に、アンプレゼントは苦笑いを浮かべました。
アンプレゼント:「いやですねユズハさん、多分当時から成人してましたよ。そんなに若く見えます?」
ユズハ:たじろぐ。「そうでしたか、失礼……いえ、人間としては、随分若く見えますよ?」
アンプレゼント:「そうですか? ありがとうございます。老けて見えないならありがたいですねぇ、やっぱり」
イキシア:「?」
イキシア:外見年齢の感覚がないので、ユズハさんとアンプレゼントの会話の意味が分かっていない。ルンフォ組とそれ以外で、受け取った感覚が相当違いそうなのですよね、この会話。
ユズハ:あとで二人に解説しないと。
レイン:「いくつなんだ?」
アンプレゼント:「さぁ、正確な事は。20代後半か30代じゃないですかね……? って、女性に歳を尋ねるものじゃありませんよ、レインさん」
ミミ:「はいノーデリカシー。ぶぶー!」
イキシア:「これだからレインは。女の子にマレットプレゼントする男ー!!」
レイン:「そ、そんなにまずいのかぁ?? てか、あれはお守りなんだからいいだろーーー!実家から持ってきた家紋入りのマレットだぞー」
イキシア:「重い……重いですよそれはある意味……。まあ、とにかく。あんたもいろいろ大変なのですね。ちょっとだけあんたのこと嫌い度が減ったです」
アンプレゼント:「気がつけばレジスタンスを立ち上げて、リーダーなんて言われるようになってましたから。最初の頃は大変でしたけどね。この村も最初はまるで廃墟だったんですよ?」
レイン:「マジか」
イキシア:「……よく頑張りましたですね。流石のイキシアも褒めるです。イキシアとしては……あんたが昔なんであろうと、記憶喪失だろうと、今のみんなを裏切ったりしなければ全然いいんですよ。今のあんたにとっては、昔のことより、今のみんなが大事。今後何を思い出したとしても、今が大事。そうでしょう?」ちらっと片目でアンプレゼントさんを見る。
アンプレゼント:「そうですね。頑張って皆で魔王にたどり着かないと」
イキシア:「……。ずいぶんなロマンチストですね、あんた。まあ、いいのです」
アンプレゼント:「いえ、なんというか、そうしなければいけないような。そんな気がするのです。これも神様のお告げなのでしょうか?」
GM:ふふっと笑ってます。
ミミ:「ちょっとなに言ってるかわかんないっス」
イキシア:「またシューキョーだなー」と首を竦める。さめちゃったサブレをぱりぱり。
ユズハ:「(ミリッツァだから……? いやしかし……信仰とは、そういったものではないはずなのだが……)」
レイン:(慈愛と復讐の女神、か)「まー、なんにせよ、魔王とっちめて魔神ぶったおして魔域解放するんだから、その目的はきっと正しいさ。頑張ろうぜ」
アンプレゼント:「そうですね……虐げられた人族は、力を振り絞って魔王に挑まないと。外の世界ではもう既に『いつか来た道』なのですから。私はいまいち、実感がわかないのですけどねぇ……やはり私はこちらで生まれたのでしょうか。であれば納得なんですよね」
レイン:「かもしれないなぁ……まぁ、それも外に出たらわかるかもしれないさ」
アンプレゼント:「知人が見つかればいいのですがね。とは言え、私が覚えていないのですが」
レイン:「スカボロー取り返してみりゃわかるかもしれないし、わからなければそのあと探してみてもいいじゃん。そんときゃよしみで手伝うさ」
アンプレゼント:「そうですね。その時が来たら。……さて、随分話し込んでしまいましたし、私はもう行きますね。また何かお仕事をお願いすると思います。それでは、また」
GM:そういってアンプレゼントはギルドを立ち去ります。
ミミ:「おつっスー」 イアに手をぶんぶんさせます。
イキシア:(やっぱりユズハさんとレインの背中に隠れながら、イアに合わせて手だけ振っておく)
ユズハ:「……今の会話、おかしくなかったか? 特に年齢回り……」
レイン:「……10年前から記憶が全くない、って言われちゃうと……矛盾とも、言い切れないけどな」
イキシア:「? 何話してるですか?」
ユズハ:「かくかくしかじか」
ミミ:「ほーん?」
イキシア:「つまり、アンプレゼントは本人の感覚で言うと30代くらいのはずなのに、20代前半にしか見えないからおかしい、です?」
ユズハ:「まあ、そうなるな」
ミミ:「単にお若いだけなのではー?」
イキシア:「……イキシアたち、そこら辺の感覚よくわかりませんが……。実は人間じゃなくて、ルンフォとかエルフだったりとか? 本人忘れてるだけで『実は年取らない種族で300歳でした!』とかもありえますですよ」
ユズハ:「ああ。『若く見えるだけ』も『それも含めて忘れている』も、どちらもありうるのが怖いところだな」
イキシア:「うーん……わかんない人です……」
ミミ:「そんなに気にすることでもないのではっス?」
ユズハ:「まあ、な。私にはむしろ、ルーンフォークのような生態の方が謎ではあるが……そういえば、ミミとイキシアは何歳なんだ今」
レイン:「お。そういや、いくつなんだ?」
イキシア:「えっと、イキシアは6歳……あれ、今何月でしたっけ?」
GM:正確な暦GMもよくわからんので、大体半年ちょっと経ったなと思っていただければ。7ヶ月近いか?
イキシア:「あれ。お誕生日会をする予定だったのが、イキシアが家出する1か月後だったから……もしかしてイキシア、今7歳ですか!?」
ミミ:「あー。そうなると先月が16回目の生誕日だったっス」
ユズハ:「16!?」
レイン:「おや、同い年か」
イキシア:「え”っ。ミミそんなに年上だったです!?」
ミミ:「? なんかありましたっス?」
ユズハ:「いや……人間の16なら……レインと同じくらいのサイズになっているはずだから……」
イキシア:「年でサイズ感が変わるのも、他の種族の変なところですが……レインとミミが同い年……そっかー……。あれ、先生も実は10代とかだったりしますですか!?」
ユズハ:「いや、私は2か月前に21になったな」
ミミ:「年齢とか、そんな大事っスかねー?」上半身をふりふり。
レイン:「大事だぞーー、マジで大事だぞ。15まではほんと……」
イキシア:「個人的に年齢は大事じゃないですけど、お誕生日会は大事です!! ケーキが食べれる日です!! どうしてこんな大切なことを忘れていたのか!!」(机をバンバン)
レイン:「食い気なのがイキシアらしい……」
イキシア:「何か含みがある言い方です!」
ユズハ:「まあ、7歳ならそんなものじゃないか」(ずれたままの認識)
ミミ:「そういうレインはいつなんスか? 生誕日」
レイン:「こっちはもう少し先だな」
ユズハ:「しかしお誕生日会か……やりたいのか?」
イキシア:「えっ。むしろ聞くのですが……やりたくないんですか???」
ユズハ:「いや、やったことがない」
イキシア:「ない!!? それは人生の損害ですよ!!」
ミミ:「勿体ないっスー。こういうのは大事にしなきゃなんスよー?」
ユズハ:「そ、そこまでのものなのか……?」
イキシア:「とにかく、じゃあ、先生分もやるべきですね。やりましょう。ケーキ作ってー、飾りつけしてー、プレゼント……はどうしようです」(ぶつぶつ)
ミミ:「これは忙しくなりそうっス……。イアもお手伝いするっスよー。……イアの生誕日は、いつなんスかね?」
イア:「……?」
イキシア:「覚えてなさそうですよね……」
ユズハ:「ミミが好きに決めたらいいんじゃないか? もしくは拾った日」
ミミ:「じゃあそうするっスー! イアー、生誕日おめでとうだったっス!」
GM:ミミにバンザーイさせられるイアちゃん。
ミミ:かわいいね。
GM:かわいい。
ユズハ:「ケーキか。では基本はバターケーキにして、上にシュガーコートをかけて……トッピングは……野苺? ゼラチンはあっただろうか……」
GM:お誕生日会になりそうな流れですね。なら、キリト君達にも帰ってきてもらいましょう。
キリト:「おーっす。お前ら今日もお茶会か?」
レイン:「おー、おつかれさん。こいつら誕生日だったらしい。もうちょっと盛り上がってる」
アスナ:「そうなの? じゃあお祝いする?」
イキシア:「するです。生徒たちも誕生日すぎてたら自己申告するですよ」
エレン:「誕生日って、生まれた日になんかあんのか?」
イキシア:「聞いて驚くです……。なんと、外では、誕生日にはお祝いしてみんなでケーキを食べるです!!」
エレン:「おー。お菓子かぁ」
アルミン:「へぇ~、いいなぁ」
イキシア:「だから、誕生日すぎてる人にはケーキを進呈するです。先生が」
ミミ:「なんと上のお名前プレートも先生が用意してくれるっス」
ミカサ:「なるほど、先生が」
イキシア:「そう、先生が」
レイン:(その先生も誕生日なんだが……)
アルミン:「なら僕はもらえるのかなぁ。ちょっと前に誕生日だったので」
イキシア:「ほほう! アルミンおめでとうだったです」
キリト:「ん~。お祝いするのもありかなぁ。最近は落ち着いてきたし」
アスナ:「しばらく大変だったもんねぇ。まぁ、一区切りってことで」
ユズハ:「結局合計何人だ」
GM:イアとキリトPTコミで10人だ!
イキシア:いっぱい!!!!!
ミミ:多い!
GM:君たちはわいわいと誕生日会について打ち合わせたのでした。
イキシア:せっせとポプリとか香水とか花ジャムとか作っておこう。
<お誕生日会当日>
GM:君たちは準備してきた誕生日会を決行することにした。夜に大人数で騒ぐのもどうかと思った君たちがアンプレゼントに相談したところ、「うちを使ってよい」と許可をもらえました。というわけで、開催場所はアンプレゼントのお屋敷です。
アンプレゼント:「皆さん、いらっしゃい。今日はお祝いをするとか?」
イキシア:「お誕生日会なのです。あんたもなんかこう、一緒にお祝いしてあげなくもなくもなくもないですよ! お屋敷貸してくれましたしね」
アンプレゼント:「それはどうも。是非参加させていただきましょう」
GM:飛び入り一名!
イキシア:せっせと摘んできたラベンダーのドライフラワー花束を進呈。「これ、夜よく眠れますです。部屋にでも飾るといいです」
GM:お礼を言って受け取ります。
ミミ:「ではお邪魔して、飾り付けからっスー」鎖状になってるあれをいそいそと飾ります。
イキシア:お花をせっせと花瓶に活けたよ。
ユズハ:ケーキを運び込むぞ。バターケーキの間にお花のジャムを挟んで、表面をアイシングで固めてみた。生クリームがないが、見た目は白いケーキを作りたかった。で、トップに一枚ずつ名前をアイシングで書き込んだクッキーを並べていく。酸味のあるベリーを軽く煮込んでゼラチンで固めて、ミルクゼリーと2層にしたババロアとかも作っといた。
レイン:「久々にマジで狩りした。前日の夜から罠仕掛けてまちぶせとか、故郷の村以来だわ」肉を提供しよう。
GM:壁に飾りをつけたり、お菓子を持ち込んだり、着々と準備が整っていきます。そのうちキリト達もやってきて、鳥を焼いたやつなんかを持ってきてくれます。
イキシア:わーいごちそう!
GM:全ての準備が整い、そわそわと皆が席に着く。発起人のイキシアから挨拶があることだろう。
イキシア:発起人だっけ!?(健忘症)
GM:発起人なのです。
イキシア:発起人になりました。
イキシア:「みんなお集まりいただき」と、無難なスピーチから始めまして。
「お誕生日というのは大切なものなのです。こういうのは『余分』とか『贅沢』とか『心のぜい肉』とか思う人もいるかもしれませんが、イキシアはこの魔域の中でこそ大事にしたいと思うのです。何故かって、ここでは『生き抜いたこと』こそが幸福であり、誇るべき、祝うことだからなのです! 誕生日を迎えた人たちは、この魔域の中で、この1年生き抜くために手伝ってくれた隣人に感謝し、この1年生き抜いてきた自分自身をいっぱいいっぱいほめるといいです!」と続けます。
「それではみんな、ジュースとかお酒とかもって……みんなのお誕生日に、かんぱーい! です!」
ミミ:「かんぱーいっス!」
レイン:「手慣れてんなぁ かんぱいっと」
ユズハ:「……乾杯」
GM:乾杯の音頭が響き渡る。キリト達やアンプレゼントもにこやかに食事を始める。ご飯やおやつが並んでとても美味しそうだ。
イア:(もぐもぐ)
GM:口の周りにソースが!
ミミ:ふきふきするぞ!
GM:ママー!
レイン:「お前も主役側なんだから、面倒見てばっかいないで楽しんどけよ」
ユズハ:「そうだ、一番誕生日も近いんだろう。一番大きなケーキを食べるがいい」(切り分け)
イキシア:「そうですよ。先生、ミミ、……あと、イアもおめでとうです。レインはもうちょっと後でおめでとうしましょうねー」(よしよしなでなで)
ミミ:「お世話とかは好きでやってるっスから。でもケーキは頂くっスー」
GM:そんな感じで和気あいあいとしています。
キリト:「いやしかし、来たばかりの頃と比べると随分最近はましになったな」
レイン:「明日より先のことを考える余裕があるもんな」
アルミン:「やっぱり魔動機文明時代の生産設備ってすごいんだねぇ」
アスナ:「外の世界でも各国が争って発掘しようとしてるくらいだし」
ミカサ:「なぜそんな文明が滅んだんだか」
アンプレゼント:「たしか……蛮王が現れたから、じゃなかったでしょうか」
イキシア:「とんでもなく強い蛮族の王様が、地下に潜っていた蛮族たちを率いて一斉蜂起して……とかでしたっけ?」
ユズハ:「そうだな、あわせて巨大地震が襲ったとかなんとか」
アンプレゼント:「ええ、そうですね。『強力な魔剣を持った蛮族の王が現れた』。……一節ではイグニスを携えていたとか。その天変地異も魔剣の仕業ではないかと言われていますね。長年の平和で油断していた人族は大混乱に陥り、一気に押し込まれたのです。人族の版図はあっという間に蛮族側に塗り替えられたそうですねぇ」
キリト:「聞いたことのある話だな。今存在してる国で”歴史ある国”っていうと、大体その時代に存在していた国の生き残りとか、そんなんだし」
アスナ:「大破局の後にできた国は新興国扱いね」
エレン:「へぇ、外ってそうなのか」
ミカサ:「大破局の頃は、あちこちがスカボローのような状況だった?」
レイン:「そうかもなぁ」
ミミ:「この魔域が出来たのもその頃らしいっスからねぇ」
イキシア:「そうですね。300年前はちょうど大破局のころです。その頃の情勢が落ち着かず、そのまま続いてる感じなのでしょうね。この三日月島は」
キリト:「でも、もう外の世界は結構な土地を取り返したんだぜ? まだ蛮族がはびこってる地域ももちろんあるけどさ」
アンプレゼント:「そうですね、蛮族の統治は永遠ではありませんでした。人族には魔動機もありますし、反撃に出たんですね」
アルミン:「なるほどなぁ。この魔域も、せめて蛮族だけでもなんとかしないと……」
キリト:「スカボローさえ奪えりゃな」
アスナ:「一番のネックよねぇ。蛮族は外の状況ってわかってるのかしら」
アンプレゼント:「確か外では、このあたりは三日月湖と呼ばれる湖になってるんでしたか。その辺りは人族が取り返して随分経つと聞きますし、わかっていてこの魔域を維持している可能性はありますね」
ミカサ:「でも、蛮族だけじゃない。魔神だってずっと何もしないわけじゃないと思う。前の大きな影のこともあるし……」
エレン:「あいつか……」
キリト:「なんとか追い返せたけどな……魔神があの影の本体を呼び出したりしたら、蛮族だってまずいんじゃないのか?」
エレン:「でもこの魔域は既に300年存在してるぜ?」
キリト:「そこなんだよなぁ」
GM:首を捻っています。
キリト:「そもそも、あの魔神はなんなんだ? あんなやつ知らないぞ。誰か知ってるやついる?」
レイン:「おれはさっぱりだ」
ミミ:思い出して怖くなってきたので、無言で首を振る。
イキシア:ちらっとイアさんを見つつ、無言でケーキを食べてる。
ユズハ:「あれは『今まで観測されたことのない新規の魔神』だったな」
エレン:「そんな事ありえるわけ?」
ユズハ:「今まで見つかったことがなかっただけで、ずっといたのかもしれないからな。それについては『観測されたことがない』以上のなんでもない」
レイン:「300年続く魔域も前代未聞だろうしな。いてもおかしくないんじゃないか」
キリト:「奈落か……奈落の壁の向こう側なんて、行ったことあるやついないだろうしな」
イキシア:「魔神は異世界のいきもの、らしいですからね。なにがおこってもおかしくないです。イキシアたちにとってはやなことですが。見えてないだけで、イキシアたちがしらない魔神がじつはうじゃうじゃってことも……うう。言ってて怖くなってきました」
ミミ:「勘弁してほしいっス~」とわざとらしく嫌がる。
レイン:「まぁ、わかんねえもんはわかりようがねえってこったな。でも、いるにしても蝕にしかこねえなら、1年は安泰かもしれないし」
エレン:「来年の蝕までになんとか攻略できねぇかな? 難しいかな?」
アルミン:「うーん、なんとも言えないなぁ」
ミカサ:「蝕の被害と言えば……船が森と雪原に行ってて無事でよかった。船着き場は壊された。停泊していたら危なかったかもしれない」
レイン:「確かに」
キリト:「うへ、あちこち行くのに徒歩は勘弁だぜ」
GM:そんな話をしていると、ふとアンプレゼントが首を傾げます。
アンプレゼント:「沈没船ですか? そういえばありますね。手が回らなくて誰も調査していない、古い船が」
レイン:「へぇ」
イキシア:「昔のって……昔戦ってたっていう人族の船とかです? それとも、全然関係ない蛮族の船?」
アンプレゼント:「私も報告を聞いただけなので、詳しいことは。船を出す時って、湖から下って島の外周を東廻りに出て北上していくわけですが、西側も一度調べに出たことがあったのです。そこに古い船が一隻沈んでいたそうですよ。随分傷んでボロボロだったそうですが」
ユズハ:「どれぐらいの大きさの船だったのでしょう」
アンプレゼント:「我々の船よりは多少小型だったようですね。といっても、物資を積んで運ぶことが出来る程度の大きさはあったようです」
ミミ:「おたからの匂いがするっス!」目がガメルマークになる。
アスナ:「どうかなぁー? 水の中にずっと浸かってるんじゃぁ、駄目になっちゃってるんじゃない?」
キリト:「そもそも積み込むためのお宝の入手が難しくないか? ここ」
ミミ:「沈没船は浪漫! もしかしたらそれこそ、魔動機文明の船かもっス!」
レイン:「魔動機文明の施設があったりするしな。実際、ミミの言うことも侮れない気がするぞ。そこ調査いきたいな」10年前のことが知れるかもしれないし、もしかしたら魔剣があるかもしれない。
アンプレゼント:「調査に行くなら船でいくしかないでしょうね。ただ、水に長時間潜れないと厳しいと思いますが」
イキシア:「…………」(泳ぐかもしれないと思って目が泳ぐ)
GM:うまいこと言ったつもりか!
アルミン:「ロマンは所詮ロマンかぁ。近くに何か流れ着いてたりすれば手に入るものもあるかもしれないけど」
レイン:「くう……」
ミミ:「ちぇー」
アンプレゼント:「じゃあ場所だけお伝えしておきますよ。何かの機会があるかもしれませんし」
GM:そういって、沈没船の場所を教えてくれます。村の真南よりちょっと東寄り。そんなに岸からは離れてないっぽい。アンプレゼントは船で行くことを勧めてくれたけど、山を迂回して陸沿いを進んでいけば徒歩でもたどり着けそうだとわかります。君らは一般人じゃなくて冒険者だからね。そんなふうに、君たちは冒険者らしい与太話に華を咲かせつつ、お誕生日会を楽しむのでありました。
イキシア:楽しんだ!
GM:さて、今回は事件に巻き込まれてない感じですね。そして、ロマンあふれる場所を聞きましたね?
ミミ:これはいくしかないですね!
レイン:いこう!
GM:よいPLだ。
ユズハ:自分から行こうとは思わないので誰か誘ってください。
イキシア:イキシアもめっちゃ目が泳いでしまってたので、誰か引っ張ってっていただけると助かりますw 多分……いやぜったい泳げない。
レイン:ww
<ちょっとしたバカンス>
ミミ:「みんな! 浪漫が待ってるっス! 一緒に行くっス!」地図を握りしめながら登場します。
イキシア:「ふぅ……ミミはおこちゃまですね……」(紅茶を飲んでいる)
ユズハ:「ロマン……あるのか……?」(紅茶を淹れていた)
レイン:「ロマンかはともかく、10年前のこととか、この世界の情報はある可能性が高いだろ。行こうぜ」
イキシア:「た、たしかに『ロマンも情報もあるかもしれない』というのには同意いたしますですが。しかしこう、えっと、水の中なのはどうするつもりですか!」(がたがたがた)
レイン:「行って考える。入れないなら引き返せばいいだろ」
ユズハ:「ただたんに、当時の漁師の船かなんかじゃないのか」
レイン:「荷物が運べるサイズの船だぜ? この世界で漁師がでっかい船もって漁業してたなら、それ絶対大破壊前だろうしすげえロマンだろ! 逆に、魔域になってからそれで漁業してたとしても、それはそれですごくねえか?」
イキシア:「ひええ……後先考えない脳筋パワーです……いやまあ、すごいですけど。すごいのと、そこにわざわざ行くかは別です!」
ユズハ:(ちょっと考える)「確かに。大破局前の船だったら、コアに魔導パーツが使われていることもあるのは否定されないからな……」
イキシア:「み”っ」←味方だと思っていた先生が敵方に回ったのを察知した音。
ミミ:「もはや のがれられんぞ」イキシアの背後に回る。
レイン:「くくく、ロリ先生はこちらに来る運命なのだ」正面に立つ。
ユズハ:「まあ、船の探索が出来るかどうかはともかく、たまには海に遊びに行くというのも悪くないのではないか」
イキシア:「うみ遊び……ま、まあそれなら……」
ユズハ:「先日の誕生日会で余った生地で作ったミニケーキもあるしな。数がないんだ。我々だけで食べてしまわねば」
イキシア:「ケーキ付きのピクニック!? そ、それは……それは仕方ないですね……それは生徒たちにみられてはいけませんから、しかたないですね!! ピクニックならイキシアもいきますです。ええ。ピクニックなら」
ミミ:「決まりっスねー!」
GM:というわけで、君たちはピクニック気分で村から出かけたのであった。
ミミ:海に行くなら、水着を用意しなくてはならない。
GM:水着回だぁ!
レイン:ひゃっほう!
イキシア:水着回!!
GM:いや待て。イキシアどんな水着着るんだ……?
イキシア:……どんなの着るんだろう……(PLもわからない)
ユズハ:ビキニの上にスカート重ねるタイプとか? ただ、ビキニだとひっかかるところがないと成立しない。
GM:どうして当然のように上を隠してるんですかね?
ミミ:イキシアはスク水だろ(過激派)
イキシア:スク水なら引っかかる部分がなくても上がずれない!!! ただ、下もちゃんと隠さないと怪訝なことになる。スカート履こうね……。
GM:つまりワンピース型。
ミミ:イアはスク水でお願いします「いあ」って名札もつけてくださいお願いしますもうキャラシからガメルは払っといたので。
ユズハ:こだわりwww
GM:PLの欲望が! イアも連れて行って水着着せる気まんまじゃないか!
ユズハ:ミミちゃんは何着てるんです?
ミミ:黒地にライトブルーのアクセントが入った競泳ですかね。ふとももの半ばまで生地があるタイプのやつ。
ユズハ:あー、シンプルでかっこいいやつ。
GM:自分は手堅いやつ選んできた。一人くらいビキニはいないんですか。レイン?
レイン:GMはなにがしたいんだ……?
<束の間の休息>
GM:島東部の森林地帯がそうであったように、村から少し離れれば、そこはもう人の手の入っていない原生林である。山脈沿いなのでさほど広いというわけではないが、それでも歩きにくい事はかわりない。左手に湖、河、海、右手に山脈を望みつつ、山歩きに慣れていないイアをカバーしながら目的地に向かっていく。
レイン:「道ならしながら歩かないとだめだな……みんな健脚だし、忘れてたな」
イキシア:「……オルソラのあとをひいひい言いながら歩いたのが懐かしいです。すっかり山歩きにも慣れてしまったですからね」
GM:山の上部で湧き出ているのだろう、ところどころ小さな河がある。川のほとりで持ってきた食材を調理して食べつつ、森の中の澄んだ空気を満喫しながら歩いていく。この半年、慣れない環境に命がけの旅、失敗の許されない理不尽な戦いと、休む間もなかった君たちだったが、冒険者らしい気持ちで純粋にロマンを追い求めて歩くのは、久しぶりに純粋に胸が躍ったことだろう。ゆったりとしたペースで歩いていることもあり、到着は明日になりそうだ。適度なところでテントを立てて、火を起こし始める。
ミミ:「魔域に連れ込まれたときは焦ったっスねー……」
ユズハ:「もうあれから半年か。遠い昔のようだ」
レイン:「でも、まだ半年なんだよなぁ、なんかもっと長くいる気分だよ。船で、何か見つかるといいんだけどな。結局10年前のこともあいつの親のこともまだなんもわかってないから……」
イキシア:「また船の話してる……今日はピクニックですよ」(ぷすー)
ユズハ:「レインはいつもオルソラのことを気にしているな。……好きなのか?」
レイン:「はぁ!?」
ミミ:「なにー!?」
イキシア:「な、なんですとー!? 先生先生、そういうのはデリケートな話題なんですから。もうちょっとこう……男子会みたいなところでやるべきですよっ」
ユズハ:「? そうだったか」
ミミ:「相棒、応援してるっスよ!」(サムズアップ)
レイン:「なん、おまえら……」
イキシア:「いくら家紋付きマレットを相手に渡す重い男・レインでも、一応デリケートな機微みたいなものはあるはずなのです」
レイン:「デリケートとかそういうんでもねえから! 仲間のことなんだから気にかけて当然だろ!」
ミミ:「いいんすよ、レイン。照れなくても」
レイン:「照れてもねえから! ええい、装備ならユズハもミミも使ってんだろ!」
ユズハ:「家紋は入っていないけどな」
イキシア:「家紋入れた装備を他人に配り歩く男は、それはそれとして浮気性にもほどがあるですよ?? 思わせぶりっこ!」
レイン:「実家の装備だし、うっぱらうよりは大事な仲間に使ってもらいたいもんだろ! つーか……俺もだけどイキシアだってオルソラのことは気にしてるだろ」
イキシア:「イキシアはこう、健全な好敵手関係みたいなものだからいいのです。ふふん。レインは将来、女の子に刺されないでくださいですよ???」
レイン:「ユズハと一緒にするな……というか、モテるたちでもねーよ。こないだも『デリカシーなーい』って全員から責められてんだろ!」
ユズハ:「待て、何故私が比較にあがったんだ」
イキシア:「先生も先生で……」ぷすぷす。
レイン:「少なくとも、ほかの誰でも心配はするぞ。まぁ、オルソラのやつはほかのやつよりも危なっかしいけど……てか、おまえらもそうおもわねえ?」
ミミ:「そこまで心配しなくても……? オルソラさんはたくましいっスから」
ユズハ:「前線に一人で置いて置けはしないが……オルソラは『親』というものを追ってきたわけだろう。多少の危険を冒しても親を探し求める、というのはわからなくない」
イキシア:「レインの心配の仕方は過剰です」
レイン:「あれ……おれ、心配しすぎなのか……?」
イキシア:「そうですよ。オルソラは『過保護に背中に隠して嫌なもの見せないようにする』より、『横に立って一緒にいやなもの見にいく』くらいの気概じゃないと、そのうちオルソラ側からキレられますですよ。きっと。なんせイキシアの好敵手ですからね、オルソラは! 守られてばっかりのちびちゃんじゃないのです!」(どや顔)
ミミ:「なんでイキシアが偉そうなんスか……?」
レイン:(おれが最初、「守る」って決めたのは「後味が悪いから」だったし、この事件を笑い話にしたかったからだけど……なんか変わったのか、おれ?)一人で考え込みます。
GM:君たちがそうやってわいわいと盛り上がっていると、イアが眠そうに目をこすります。一日歩いて疲れたのでしょう。
ミミ:「お眠っスねー。ちゃんとテントに入るっスよー」一緒にテントに行って寝ようかな。
レイン:「いい時間か。お休み二人とも」
GM:二人が抜ければ、自然と今日は休むことになるでしょう。残った君たちも見張りの順番を決め、明日に備えて床につくのでありました。
イキシア:すやり。
GM:翌日です。君たちは朝ごはんを食べ、目的地へ向かいました。日の高いうちにたどり着けたことでしょう。というわけで……目の前には海! 砂浜! 遊ぶしかねぇ!!
ミミ:「ふー!」
イキシア:「海だー!! です!!!」 その場でてらいもなくぺいっと服を脱ぎ捨てます。おとこのこだからむねみられてもはずかしくないよ!
ミミ:「イキシア!!!!! 何してるんスか!!!!!!! はしたないっスよ!!!!!!」とタオルを被せます。
GM:イキシアは少年型ルーンフォーク……あるぇ?
イキシア:「???」※実家では召使さんにお着替えを手伝ってもらってたので、裸を見られることに全く抵抗がない
ミミ:「もう!! イアと一緒にこっち来るっス!!!」と岩場に引っ張っていってそっちで着替える。
レイン:「ミミはホント面倒見いいよなぁ……」
ユズハ:「お陰で助かった……のか? 私達もさっさと着替えるか」
ミミ:イアは海に対してどんな反応を?
GM:ぱしゃぱしゃと波と戯れてますね。砂のおやまを作るんゴしてえいさっさ。波でザバーン。
イア:「あー……」
イキシア:「あ……」
GM:ちょっと呆然としていましたが、また作り出します。
イキシア:「……もうちょっと内側に作るといいです」(優しい顔)
レイン:「ほれ、少し離れたところで作ろうぜ。少し水で湿らせて固めながら作るのがコツだぞ」
GM:ペタペタと砂のお城を作りました。名状しがたき海底都市の神殿みたいな山ができていきます。
ユズハ:(破壊すべきか迷う顔)
GM:君たちは各々用意してきた水着に着替えて波打ち際で戯れる。平和な世界だ。
イキシア:波打ち際できゃっきゃと水掛け合ったり、誰かを砂に埋めてみようという話になってレインさんをスフィンクスにしたり??
レイン:「お、おもい……」
ユズハ:イキシアを足がつかないところまで引っ張って行ったり。
イキシア:「ぎゃー!!!!」(連れてった人にしがみついてコアラみたいになる)
ユズハ:「ははは、足がつかないと怖いよな」
イキシア:「はばばばばばば、鬼!! 悪魔!! 思春期をどこかに置き忘れたぼくねんじんー!!!」(思いつく限りの罵倒)
GM:それで、沈没船はどうする? 探しに行くなら大体30分くらい全力で泳いで行った辺りに沈んでるらしいが。
ユズハ:結構遠いな。
GM:あんまり岸に近くてもね。
ミミ:イア、ついてこれんのでは?
GM:イアは厳しかろうな。まあ、安心してほしい。沈没船は今日の本題ではない。ただのボーナス。だから、気軽に誰ぞ人を送り込んでくれ。
ミミ:なんと。そういうことなら、技能的にミミさんは行きますよ。イアのことは任せました。
レイン:なら水蜘蛛サンダルだけ念のため借りて泳いでいくかー。
ミミ:ダニィついてくる?
GM:泳げるのか……? トカゲなら泳ぐか。ワニとか泳ぐし。
イキシア:ダニィは泳げると信じてます。
GM:信じられた。ダニィ頑張るしか無い。
レイン:「いいのか相棒? とりあえず様子見だけなら俺だけでもいいと思うけど」
イキシア:「イキシアたちが一応見てますですけど……ママが、子離れできなくても、イキシアは責めないです」(なまあたたかい瞳)
GM:なまあたたかい……。
ミミ:「いや、でも、探索だから……いかないと……(ごにょごにょ)あと、ママではない」
レイン:「おねーちゃんだ、ってか?」
ミミ:「っス!」
イキシア:「こだわりますですね……」
ミミ:「ともあれ、れっつごーっス」
GM:はい。ではミミ達は出発します。出掛けにイアがやっぱりついていこうとして、ユズハやイキシアに止められる事態なんかもありましたが、無事出発しました。
レイン:「お前の後にはついていきたがるみたいだな」ざぶざぶ
ミミ:「イア……」ざぶざぶ
GM:頑張っておよその目的地にたどり着き「この辺かなぁ」という辺りで水中に潜って沈没船を探し始めます。深く潜れば潜るほど冷たいです。
イキシア:くっ、冬眠しないでくれダニィ。
GM:光もどんどん届かなくなるけど、ルーンフォークなら息継ぎ以外は大丈夫だよね。では沈没船が見つかるか探してみましょう。探索判定で目標値14です。レンジャー可。レインは暗闇分のペナルティを。
レイン:いや、白炎玉つかって明かりをつける。水中でも消えないよ。
GM:そうか、了解。
ミミ:(ころころ)18ッスー。
GM:無事に見つかったようだ。船らしきものの残骸が沈んでいる。へし折れたマストに、割れた船体が海中に横たわっているのが見えるね。静かに長年放置されただろうそれは朽ち果てて、まるで漁礁のようだ。
ミミ:「(ぶくぶく)」指を指す。
レイン:(こくりとうなづく)
ダニィ:(きゅー)(盛り上がってきたね)
GM:古い船だ。10年やそこらではないだろう。船体を確認し、中に入れる場所を確認した君たちは、息継ぎのために時折海面へ出つつ、中を探索していく。というわけで財宝チェックのお時間です。3回チェックしてもらおう。やり方は以下の通りだ。
まず1d6を振る。
1:ガメル、2:魔晶石、3:お酒とか嗜好品、4:トレジャー表、5~6:何もなし
1:1d50000G
2:1d20点の魔晶石が1d20個
3:フレーバーアイテム。お酒とか、沈んでそうなもので欲しいものを教えて下さい。
4:トレジャーポイントが1d20点分
5,6:外れ
GM:さぁ冒険者よ。幸運を掴み取るのだ。全員で3回、GO!
ミミ:(ころころ)2!
ユズハ:石だ!
GM:また魔晶石を抜いていくー。報酬女王再びなるか!?
ミミ:(ころころ)15点が4個。弱い……。10個くらい欲しかった。
レイン:つよw
GM:大きめ持っていったのは強い。
ミミ:後衛で分けてください。
レイン:んじゃいきますか。(ころころ)1。
GM:ガメル!
イキシア:おお。
ユズハ:いくつかな。
レイン:(ころころ)25646ガメル。
GM:大体真ん中抜いて行きやがった。
ミミ:えらい。
イキシア:いえい!
GM:では最後の方、どうぞ。
ユズハ:じゃ、ダニィの代わりに振らせていただきます。(ころころ)5。くそー。
GM:残念。ダニィは何も見つけられなかった。
レイン:どんまい。
イキシア:そういうこともある。
ダニィ:「きゅ……」
GM:では君たちはいくつかの魔晶石と財宝を見つけることができ、海面へと戻っていった。
ダニィ:(一匹だけおいしそうな魚をくわえてきた)(金にはならない)
ユズハ:(夕飯が豪華に)
GM:(マグロかな?)
ダニィ:マグロをくわえられるトカゲ、強靭すぎる。
ミミ:「うーん。可もなく不可もなくっスねー」
レイン:「まぁ、空振りにならなかっただけラッキーだな」
ミミ:「浪漫への道は厳しい。未知故に。じゃ、戻るッスかね」
レイン:「そうだな、早く帰ろうぜ。イアがまた水に入ってるのユズハとめてたりすると大変だ」
GM:君たちは帰ろうとして泳いでいくのですが、海流がそれなりにありまして。探してる間は頑張ってましたが、帰りは荷物も増えたため、少し流されぎみになります。
ダニィ:おやぁ。
GM:と言っても、沖に向かって流されているわけでなく岸と平行に流されていましたので、「どこかで地上に上がってから戻ればいいや」と君たちは考えました。多少西に流されながら泳いでいきます。
ミミ:まぁ、それなら。
GM:少しずつ陸に近づき、足がつくところまで泳ぎきりましたが、そこは砂浜ではなく岩場になっていました。海面からギリギリのところで岩がいくつか出ていたり沈んでいたり、波間に揺れてる感じ。
レイン:「気を付けてな」
ダニィ:「きゅーっく」
GM:君たちは岩によじ登り、一息つくことでしょう。そして、ふと周りを見回せば、ぽっかりと口を開けた鍾乳洞のような洞穴がすぐそこにあるのが見えました。
ミミ:「第二トレジャーポイントっス!」
ダニィ:「きゅ!」(テンションが上がってしっぽびしびし)
レイン:「ロマンはまだ終わらないか」
GM:さほど大きくない入口です。知らなきゃわからないだろうというか、正面に来なければ気づかないであろう目立たなさ。でも、岩場を足場にしていけば、中に普通に入っていけそうだ。
レイン:「水着で行く場所じゃねえな。合流も兼ねて一度戻るか」
ミミ:「うーん冷静。まぁ洞窟とか、なんかいたら困るっスからね」
レイン:「そうだろ、鎧くらい着たいっての」
GM:君たちは一度陸地に上がり、海沿いを進んで合流する。イアはミミを見つけると近寄ってきます。
ミミ:「よしよし、いい子にしてたッスかー?」(撫でる)
イキシア:「もー!!! 遅かったじゃないですかー!!!」
ユズハ:「やっと帰ってきたか……イアがずっと寂しがってたぞ……」
イキシア:「大変だったんですよ、海に潜っていこうとして」
ミミ:「なんと。それはわるいことしたっス。イアにも、ごめんなさいっスー」
レイン:「ほんとに懐いたなぁ。おねーちゃん借りてて悪かったな」頭撫でておこう。
イア:「いあー」
ミミ:「あ、沈没船で色々見つけたっスよ」魔晶石を渡そう。
レイン:「あ、金も……そして、マグロも!」
ユズハ:「おお、随分と大金だな……そして……大漁だな。何があった」
レイン:「かくかくしかじか」
ダニィ:(尻尾でぶったたいて〆たマグロをくわえてきたトカゲ)
レイン:魔神も倒す尻尾だからなぁ。
ユズハ:「……どうやって食べよう」
イキシア:「おさしみパーティですよ!」
レイン:「あ、それと洞窟を見つけたぜ」
イキシア:「え? 洞窟?」
レイン:「ミミが水着でダンジョン突撃するつもりだったんだぞ」
ミミ:「だって、浪漫が……」
レイン:「いつも慎重なのそっちじゃなかったか、相棒よ」
ミミ:「浪漫は人を狂わせる……っス」
ユズハ:「ははは、そのまま置き去りにされなくて良かった」
イキシア:「もう、置いてきぼりはだめです。ずるいです」ぷくー。「イキシアだって、泳がなくて済むんだったら……こほん。こほんこほん。魔法を詠唱できる状態だったらロマンな場所に行ってみたいです!」
レイン:「悪い悪い」
ミミ:「明日は一緒に洞窟探検っスね」
レイン:「あ。……泳ぎの練習は川でするのがおすすめだぞ」
イキシア:「(顔真っ赤)」
GM:君たちは沈没船ロマンが空振りに終わらずに済んだことをよろこびつつ、河の真水で身体を洗い、焚き火の周りでマグロを解体ショーして美味しくいただくのでありました。煮物に焼き物、バーベキュー。美味しいね。
ミミ:なんて健全なんだ。
GM:君たちはその日をゆっくりすごし、明日に備えて眠りについたのでありました。
<いざ洞窟へ>
GM:君たちはキャンプの翌日、近くにあるその洞窟に足を踏み入れます。中は薄暗く、明かりをつけて進んでいったことでしょう。踏み入る君たちの表情は、それなりに緊張しているものの、明るい。昨日の成功がそうさせるのか、日ごろの生活から離れて冒険者らしい事をしているのが楽しいからなのか。周囲に気をつけながら、奥へと進んでいく。
天然の環境が作り出すうねりや段差を乗り越えて少しずつ進んだが、特に危険ないきものがいるわけでもなく、財宝が眠っているようにも見えない。からぶりだったかな? そうおもった君たちの眼の前に、それは突然姿を現した。
ゴーレムだ。
レイン:抜剣する。
GM:瞬時に警戒が走る。しかし、ゴーレムは動かない。全身が苔むしている。長年潮風にさらされてきたのだろう。魔物知識判定どうぞ。13/18。
ユズハ:(ころころ)成功だ。
GM: ロックゴーレムだ。しかし命令が生きているかはわからない。
レイン:「ユズハ、わかるか?」
ユズハ:「ロックゴーレムだ。稼働状態がどうかまでは不明だが」
イキシア:「なんでこんなものが、こんなところに……」
GM:そう話しながらよくよく様子を伺えば、ロックゴーレムの背後に、朽ち果てた木製のドアのようなものがあることが見えてきた。そこを守るようにゴーレムは立っている。
ユズハ:「さて、どうする?」
ミミ:「いやいや、見るからになんかあるやつっスよ。ごーごーっス」
レイン:なら、近寄る。
GM:君たちが近づくと、ゴーレムは長い間、自身が苔むすほど長い間命じられていた内容にしたがって動き出した。
レイン:「……悪いな、近づくだけの自動迎撃ならほっとけねえや、やっぱ」
ミミ:「おたからが待ってるっス!」
レイン:「相棒、今日はノリノリだな、ほんと まぁ、楽しげで何よりだけどさ」
ミミ:「えへへー。今回はちゃんと冒険っスからね!」
レイン:「イアは安全なところに、ミミのそばにはホント来るなよ今は!」
イア:「いあー……」
ミミ:「すぐに終わらせるっス!」
【戦闘開始】
GM:先制判定8です。素の状態のロックゴーレムwith欠片。強化は入ってない。
イキシア:うーん、かわいい。素組みゴーレム。
ミミ:(ころころ)先制取ったっスー。
ユズハ:初手フィープロ。(ころころ)発動。
イキシア:PLはこの子壊したくないと泣いてるんですが(琴線に響いた)PCは別にそんなことないのでライトニングします。おらぁ!! 逃さずの眼鏡で右半身と左半身どっちもターゲット!
GM:んほー(ころころ)抵抗は成功。
イキシア:固いなあ。8点、9点。ダニィは抵抗上等で息吹でもはいときましょうか。
GM:遅い! 硬い! タフ! それがゴーレムだからね。抵抗して7点通る。
ミミ:減ってる方を挑発―。(ころころ)15。
GM:16で回避。ゴーレムだってやるときゃやるのさ。
レイン:前に出て補助で猫目。片手全力で弱ってるほうに。22点ダメージ。
GM:10点通る。ゴーレムパンチすっぞ。(ころころ)両方レイーン。
レイン:うお、だめだ。両方失敗。
GM:的確に当てていく……こいつ優秀だぞ。21点ずつくらっとけ。
レイン:あわせて28点。
イキシア:もっかいライトニングしますかー対象は一緒(ころころ)うーん、通らない。
GM:ふふうん。9点,9点。
ダニィ:うーん……ワンチャンって言いながらテイルスイープ。
GM:(ころころ)避けられはしない。だが12点防いで5,7点。
ユズハ:レインにキュアハート。16点回復。
ミミ:ヘビーメイスで殴るー(ころころ)出目君? 4しかないの?
GM:あたったが、今日はミミさん油断してんね。ダメージは全部弾く。
ミミ:堅いわ。
レイン:弱ってるのに全力。(ころころ)さっきと同じ。
GM:10点。ゆくぞー。対象はレインとミミ。(ころころ)レインは21で殴って、ミミはピンゾロ。レインの事殺しにかかってんなこいつ。
レイン:17点くらった。
ユズハ:うーん、のほほんと戦闘しているが、このままのペースだと回復が間に合わないな。早めに片方だけでも落とせないか。
イキシア:蹴散らしましょう。同じことしまーす。(ころころ)あら、一つ通った。めずらしい。(ころころ)あ、しかも回った!
ユズハ:いや……残念だが、こいつは魔法回らないんだ……。
ミミ:ほんと? それは堅いな。
GM:魔法も物理も回らない。だがそれでも20点素通しは痛い。
イキシア:残り6点? じゃあ、ダニィがワンチャン落としましょう。風の息吹―(ころころ)12点!
GM:半減して6点。ぴったり賞。
ダニィ:いえい!
GM:じゃ、残り1部位頑張って落としてくれ。
一切クリティカルせず、しかも固いゴーレムを倒すのは時間を要したものの、危なげなくゴーレムは倒されていった。
GM:ずっと頑張って守ってきたのにー! 冒険者とかいう奴らのクソやろー! と思ったかどうかはしれませんが、ゴーレムはその動きを止め、ただの岩に戻りました。
ミミ:冒険者とか、身なりのいい遺跡荒らしだから……。
レイン:だが、近づいただけで殴る暴走機械は止めるしかない。「悪いな」
イキシア:駆け寄って「ごめんね」と表面を撫でる。
ミミ:ま、剥ぎ取るんスけどね。
イキシア:鬼ー!!
レイン:「もし中に人がいたら返そうな」
ミミ:「えー。危険手当っスー」
レイン:「中に人がいたらそれ強盗の理屈だろ。……まぁ、止めに出てこない時点で殺意ありな気もするけどな。結構痛かったし……」
イキシア:「……ドア、こんなに朽ち果ててますから、そもそも中に人がいても生きてるかはわかりませんけど……」
ミミ:ともあれ扉を調べましょう。
GM:ぼろぼろですな。罠もクソもない。素人のDIY感丸出し。
ミミ:なら入る。
GM:開けると扉はぐちゃりと崩れ落ちます。その先は部屋のようになっており、朽ち果てた白骨死体が、ひとつ床に転がっている。
イキシア:「(ほんとに亡くなってたです……)」まだちょっと遺体はこわいので、先生にくっついていよう。
レイン:「ユズハ、頼む」
ユズハ:冥福を祈ろう。
GM:周りを見渡してみると、カビ臭い匂いが鼻をつく。木製の家具だったと思しきものがいくつかあるのだが、どれも既に腐食してカビしてしまっている。
レイン:「かなり放置されてた……ってことか」
ミミ:「といっても……いつの頃のなんスかね?」
GM:知識判定してみましょう。目標値12です。
ユズハ:(ころころ)成功。
GM:ユズハがひらめいた。大体100年ちょっと昔じゃねーかな。
ユズハ:「死後100年か」
ミミ:「そりゃ古い。なんでこんなところに……?」
レイン:「何か残ってないか調べてみるか」
イキシア:「こんなとこに独りぼっちだったんでしょうか、この人……」
GM:遺留品を調べてみるが、おおよその物は既に腐り、使い物にならなくなっている。ビンに入ったなにかもあるが、黄ばんでいて蓋を開ける気にもならない。食料を溜め込んで居たんだろうと思う場所もあるが、もう腐臭すらしていない。虫や動物がくいちらかしてそのままだ。冒険者道具らしきものがある。油や袋なんかはこれまた腐っていてどうにもならないし、ナイフも錆びついている。使えるとしたら精々火打ち石くらいだろう。
ミミ:「うーん、使えそうなものはないっスね」
レイン:一応荷物に入れておこう、火打石。
GM:しかしそんな中、油紙のようなもので包まれた紙束を見つけた。こちらも一部駄目になってしまっているが、それでも読めるものもありそうだ。
ユズハ:読む。何語だろうか。
GM:交易共通語で書かれています。しかしどうにも言い回しが古臭い。100年前の遺体だから明治の本を読むようなものだ。しかし、内容が理解できないほどではない。君たちは内容をあらためる。どうやらこの日記の著者にして遺体の主はエルフの操霊術師だったようだ。それも齢200歳を超える高齢だったらしい。
最初の頃の日記は、セカンドライフ的な動機で冒険者になったことが記されていた。
「長年研究してきた操霊魔術を使って、世のため人のために活動してみよう」
まぁ、そこそこ上手く冒険者をやってた様子が記されている。
100年前のアルフレイムの描写は、君たちの興味を少しばかり引いたことだろう。流行についてなども細かく記されていた。
そしてある時、転機が訪れる。
筆者がスカボローの街を訪れたのだ。
近くに「三日月湖」と呼ばれる観光地があることを彼は知っていて、そこを訪れる旨が記されている。
そこから先は君たちのご想像通り。
三日月湖の近隣を観光していた彼は、突如現れたオーロラによって三日月島に招かれる。
しかし、運良く蛮族に出くわす前に、現地の人族に接触する事ができたようだ。
無事、食事と屋根のついた家屋で暮らせることを喜ぶ記載がある。
『どうやらこの魔域は三日月島と呼ばれるらしい。北には雪原、西には砂漠、南が平原で東が森。人族は森の中で隠れ潜んで暮らしている。北部の雪原ではかつて人族が暮らしていたような廃墟があるらしい。そこの生産設備を動かそうと彼らは努力しているようだ。明日から彼らの村に案内してもらう』
『しかし……200年前から存在する魔域だと? まるで大破局の時のようだ。蛮族共がわが物顔で魔動機文明を破壊していった時代。忌々しい』
『レジスタンスの村で暮らしている。魔域解放に向けて準備を進めているようだ。平原西部の蛮族達の農場で捕らわれている人族を助けなければ』
イキシア:(読んでいくうちに、だんだん顔色が悪くなっていく)
『雪原の設備の修理が終わったそうだ。無事修理できてよかった。これで物資不足も多少改善するだろう』
『奴隷にされている人々に武器や防具を届けたらしい。いずれその時が来れば彼らも立ち上がるだろう。蛮族に負けてなるものか』
『【蝕】と呼ばれる現象が起きた。毎日満月のこの魔域だが、年に一度魔神が大量に召喚される日があるようだ。今年の蝕は例年より規模が大きかったらしく、皆慌てていた。だが無事に乗り切ることができた。私のゴーレムも活躍してくれたが、全くもって勇士様様だな』
ユズハ:「蝕……勇士……」
『しかし前々から気になる事がある。この街を支配する蛮族がいる街はスカボローというらしい。外にもスカボローの街はあったが……確か、昔大破局で一度蛮族に滅ぼされた街ではなかったか……?』
『はっきりと覚えていない……。くそっ、こんな事なら郷土史も少しは勉強しておけばよかった。しかし覚えている限りでは、一度蛮族に支配されて、その後奪還しようとしたはずだ』
『その奪還作戦の最中、あと少しというところで魔神が現れて三つ巴になり、激戦化。最終的に何かが起きて今の三日月湖が出来たのではなかったか……? だが、あの時代は荒唐無稽な話から英雄譚まで話が多すぎる……他の話と混同しているのだろうか?』
イキシア:「……100年前から、今と全く同じ状況だったです? 森に人族の村があって、レジスタンスがあって、雪原の廃墟を動かそうとしていて。農場にとらわれている人たちを助けようと動いていて……蝕が起きて、勇士がいて……ここまで、まったく、同じ? まるで、繰り返しみたいな……」
『今日は村の外で活動するメンバーに選ばれた。雪原での警らだ。雪原の廃墟というのは魔動機文明時代の都市のようだ。あの頃は平和で良い時代だった……』
『まるで当時の、大破局の頃の街をそのまま見ているようだ。値段があがる物資、破壊された町並み』
『しかし不思議な事がある。街中で拾った物資だが、おかしなことに劣化していない。なんだこれは? 魔域だからか? 200年以上前のもののはずだが……』
ミミ:「(ははーん)」
『村に帰ってきた。どうやら蛮族は魔神の領域に攻め込むつもりのようだ。我々にとってはチャンスだろう。10年程前にも人族が蜂起して失敗したそうだが、今度はうまくやれるだろうか? いや、やらなければ』
『はて、と思い立つ。考えてみれば10年なら人間だって生きているじゃないか。当時の事を知っている者に話を聞いて失敗の原因を分析しなければ。……しかし村には当時の事を知るものは居なかった。こんなことがありえるのか……? いや全滅したのだろうか……?』
『村中の人々にそれとなく聞いて回る。この村にいるのは、この10年間に外からやってきた私のような冒険者や民間人、そしてスカボローや農場から逃げ出してきた現地生まれの人々だけだ。外から来た人々は当然10年前の事はわからない』
『しかしスカボロー出身の者も「当時の事はよくわからない、覚えていない」という。「街中が混乱していて、どうやら失敗したようだとわかった」と。そして10年以上前にこの島にやってきた冒険者は一人も見ていない。どうなっている?』
レイン:無言で読み進めながらこぶしを握り締める。血が滲むくらいに。
『蛮族達は砂漠へ攻め込んだらしい。レジスタンスは蜂起するようだ。確かに、常識的に考えれば今をおいて機会は他にない。だがそれでいいのか? 10年前の事は……?』
『しばらく悩み抜いた。どうやら、村の人間は「緊張しているからだ」と思ってくれたらしい。ベテラン連中に「心配するな」と声をかけられる。ありがたい話だが、私はこれから彼らを見捨てて隠れることにする。場所の宛てはある。以前魚を取りに行った時に見つけた洞窟だ。あんな場所エルフでなければそもそも近寄りもしないだろう。もし、私の懸念が想像通りなら次に託す。幸い私はエルフだ。まだ時間はある』
『急いで準備したため、備えは貧相だが、ここならしばらく暮らせるだろう。彼らはうまくやっているだろうか。予定通りならそろそろスカボローにたどり着くはずだ』
GM:この日記を最後に、まともな記載はなくなっています。
ユズハ:「!? ここで、終わりなのか」
GM:最後に走り書きのようなものが。何かに急かされるような乱筆で
『魔神め わかったぞ』
『思い出した 魔王 ウィンプ』
GM:と書かれていました。それで最後です。
ミミ:「魔王……、ウィンプ……」
レイン:「知ってるか?」
GM:いえ、誰もまったくわかりません。
ミミ:首を振ります。
ユズハ:「全くわからないな」
イキシア:「……。その名前に覚えはないですが。それ以外には覚えがあるです。おんなじお話を、なぞってるみたいです。虐げられていた人族が蜂起して、魔王に挑む……」
ミミ:「これが100年前ってだけなら、そういう話もあるかもっスけど……」
ユズハ:「ならば、このままでは私達も同じことに?」
イキシア:「……そんなのあるわけないじゃないですか、って言いたいとこですが……。ここは魔域です。『不思議なことはいっぱいあった』ですよ、今までも」
レイン:「でも……何が起きたかわからないのに同じになるとは限らないだろ」
イキシア:「何が起きたかわからないのに、同じにならないとは限らないじゃないですか」
レイン:「……そうだな。だから、俺たちは知らないといけないよな。誰も思い出せない10年前に、なぜか壊しきられてない魔導機文明時代の施設のことを」
ミミ:「張りぼての本棚に、台本通りのような展開……この先に、何があるんスかね」
レイン:「ただ、一つ気になることがある。『ハルーラの神官の話』、なかったな」
イキシア:「そうですね。昔から、ハルーラ神殿には何回もお告げが来てるって言ってましたのに。オルソラと同じ経緯できた神官はこの時いなかったか……オルソラみたいに、隠してた?」
ユズハ:「全く、幽霊が呼び出せるなら聞いてみたいものだ。何故こんなところで一人で死んだのかも気になる。自殺や餓死の類ではないだろう。戦闘で殺された風でもない」
レイン:「ほんとにな」
イキシア:「…………」
GM:君たちは見つけた日記を見つけて混乱することでしょう。まるで、自分たちがやってきたことそのままだからです。
レイン:「ここは人族の地獄のようで……魔王を倒すためのステージのようにも見えるってのは昔から思ってたんだよな」
イキシア:「『外から来た冒険者』は、10年の周期を誰も越せないのかもしれませんよ。そういうお話になってるのかもしれないです、……なーんて。……そういう……怖い劇を昔観たのを思い出すです」
ミミ:「……はは、まさか」
レイン:暗い雰囲気になってきたので、頭を振る。「やめだ! 悩んでも仕方ねえ。情報が手に入ったことをここは喜ぼうぜ! 勇気あるコンジャラーに俺たちは次を託されたんだ!『任せとけ、この情報をもとに解決してやるよ!』って言ってやらねえと、先輩に申し訳ねえ!」
ミミ:「そうっスね……。それじゃこれ、どうするんス? もって帰るんスか?」と紙束を指します。
レイン:「……複写して、ここに残しておくか?」
ミミ:「が、いいと思うっス。もしも……」もしも、自分たちが失敗したときのために。とは言えない。
レイン:表情で察する。「相棒、俺は負けねえよ」
ミミ:「……なーんにも言ってないっスよ?」でも嬉しそうにする。
レイン:「全員で生きて帰るんだ。このちょっと変わった旅行をな」
ユズハ:「せっかくの記録なんだ。複数枚あっても構わないだろう」しゃかしゃか書き写していく。
レイン:「負けねえけど、俺たちの情報も、ここに追加で残していこうぜ。俺たちの知ってること全部。ハルーラのこと、魔剣のこと……」
ミミ:「あとイアのことも」
ユズハ:では、思いつくままに全部。日付と、名前も入れていこう。
GM:見る人がいるといいね……いや、いないと良いね……。
レイン:「二本目の魔剣……俄然見つけたくなるな」
GM:情報を見つけて色々考察もあるだろうが、エンディングに向かおう。
<待つもの>
GM:行きはわいわいと賑やかだった小旅行だが、帰りは少し口数が少ないかもしれない。途中で一泊し、翌日村へたどり着く。村の仲間に数日空けることは伝えていたので、特に問題なく笑顔で迎えられる。
「彼らは、前回の蜂起から10年経ったらどうなってしまうのか」
手に入れた情報が頭をよぎり、少しぎこちなく接してしまう君達だったが、そんな様子でさえ仲間たちは「探索が空振りに終わった落胆」と受け取り「そんなものだ」と慰めて笑ってくれたのだった。
GM:君たちは風呂に入って身体を休めようとする。しかし、風呂に入っても気は休まらず、悄然としてしまっていることだろう。なんともなしに、君たちは再び共有スペースに集まってくる。
レイン:思考に沈んでる。
イキシア:考え事をあえてしないようにしながら、風呂後のサブレを無心でぱくついている。
GM:そこに、キバオウがやってきた。
キバオウ:「おう、お前らしばらく冒険にでとったんやって? まぁ気分転換にはええやろけど、気をつけや」
イキシア:「キバオウはん」
レイン:「ああ、悪い、もどってたんだなキバオウ」
キバオウ:「おう。あとこれ、届けたで」
GM:封筒が差し出されます。
キバオウ:「無事そうで、よかったな」
GM:キバオウはそれをレインに押し付けると、用は済んだとばかりに立ち去っていきました。
ユズハ:「誰からだ?」
GM:差出人は書いてありません。
レイン:「……あけるか」
GM:開けるなら、中に手紙が。
『さて、別れてから2、3ヶ月経ちますが、そちらは元気でしょうか?』
イキシア:「この微妙にむかつく書体は、差出人が書いてなくてもわかります。オルソラですね?」ちょっと元気になる。
『こちらは母の魔剣をスカボローで探していましたが、それらしい情報は手にはいりませんでした』
『しかし、やはり神は敬虔な信徒をお見捨てにはならないようで、先日、新たな神託を得ました』
『雪原の、廃墟の街で会いましょう』
GM:以上です。
イキシア:「シンタク!!!!」(神様アレルギーになりかけてるので呻く)
レイン:「……雪原、かよ」
ミミ:「あそこ寒いんスよねぇ……」
GM:どう考えてもイキシア向けの文章なんだよなぁ。
イキシア:煽られてる。「敬虔な信徒をお見捨てにはならない」のあたり、明らかに煽ってる。「く……元気みたいじゃねーですか……。相変わらずいいパンチです」
レイン:「お前ホントオルソラ好きだよな」
イキシア:「別に好きじゃないです!!! レインには言われたくないです。ブーメラン投げ返しますよ!!」
レイン:「照れなくていいんだぞ」と、相棒をまねしつつ笑う。「まったく、ナイスタイミングだよ、ほんとに」笑いながら、立ち上がる。「行こうぜ皆、腹黒を迎えにさ」
GM:別れた仲間からの手紙に、元気が出るのか煽られてムキになるのかはわかりませんが、いつもどおりの彼女の姿が滲む文面に、安心はしたことでしょう。
レイン:(運命を超えてやる、なんて口に出して言えねえけど。導きの星もあるんだ、なんとかしてみせるさ)
GM:少しだけ皆が元気を取り戻したところで、6話は終了です。お疲れ様でした。
一同:おつかれさまでしたー!
GM:終わったところでGMからお知らせです。
レイン:お?
イキシア:なんだなんだ。
GM:7話冒頭でオルソラのお土産がもらえます。総額全員で4万G分。
ユズハ:なるほどw
ミミ:現 物 支 給
GM:スカボローで手に入れたお土産なので購入制限がありません。しっかり選んでおくように!
一同:はーい!w
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