大変な疾走感のある文章ながらしっかり読ませる緩急ついた物語はさながらドラマの早送り再生のようであり食い入るように追ううち全速力で並走していたところ3話目で突然スピードダウンし勢い余った私は派手にすっ転んでぽかんとした顔で周りを見回すと後ろからゆっくり付いてくる葉太を発見してそのしたり顔を見てやられたと歯噛みしつつも慌てて駆け戻り最後の情感溢れる文章を堪能いたしました。
7年10年と過ぎる時間のジャンプ地点に見え隠れするスト缶の清涼なる存在感たるや激動の物語の中にあってなお甚大で無為に過ぎゆく葉太の時間を容赦なく洗い流すかの如くでありそれを見守る時計塔の回転速度が無情な時の流れをこれでもかと告げているようです。
立て板に水と流れる文章のあまりの長さにもはや文法に当て嵌めて考えることは困難ではあるものの文意は問題なく掴める上に冗長な感もなくところどころ挟まれるユーモアに笑い葉桜の美しさを侵食するゴリラに戦慄しながら心に感動読み終わり。
意訳: 面白かったです。
変な感想、失礼しました!
作者からの返信
ありがとうございます。
今回は、ペンギンさんではなくゴリラさんのお力を借りて、ど真ん中に暴投するとでも言うのでしょうか、そんな気持ちで行ってみました。笑。
楽しんでいただけたのであれば、嬉しいです。
企画から来ました。失礼します。
圧巻、でした。
句読点がない、嘘読めるのこれ。は三行で終わりました。びゅんびゅん加速するような、すらすらと読めて本当に驚きました。
>俺も前を見つめたまま話を始める。春川が涙を堪えていられるうちに。
→ここで句読点の緩急はぐっと来ました。私に考える時間をくれました、ありがとうございます。
ゴリラの見解で葉太の突拍子のなさを、雨で優しさを感じました。
最後の落ち着いた文も素敵です。
贅沢を言うのですが、葉桜さんと、桜子さんのことをもっと知りたいな、と思いました。
気持ちが良かったです。
失礼致しました。
作者からの返信
ぐしゃっとした本文を読み通していただいて、ありがたいやら申し訳ないやらです。笑。
葉桜さんと桜子さんに関しては確かに。葉太中心の、葉太の目から見たお話なので、ちょっと視界が狭いお話になってしまっていますね。
楽しんいただけたのであれば、うれしいです。ありがとうございました。
急激なペースダウンに心臓に負担が! 中高年にはこのペース配分はキツかった。いやでも、うん十年経てばね、うん……。いや、この変化には二十年は必要かな(笑)
いやでも、お見事でした! 面白かったです~。
作者からの返信
ありがとうございます。そして、すみませんでした。笑。
お題を考えているうち、ふつふつと「なぜ、自然にさりげなく課題をクリアせねばならぬのだ」という怒りが沸き上がり、少し前に見た「ランペイジ」というドゥエイン・ジョンソンがゴリラと戦う映画(最高)が頭に残っていた事もあって、心の中のドゥエイン・ジョンソンがゴーサインを出してこんな形になりました。
が、書いているうちに少し冷静になり、やはり礼儀作法を忘れてはいけないと繕った結果、こうなりました。
我ながらどうかと思う、心情としてはツッコミ待ちなお話なのですが、少しでも楽しんでいただけたのであれば嬉しいです。
編集済
こんにちは。いいの すけこです。
意図的に勢い任せっぽい文体なんだろうなあ、と思いながら読みました。葉太先生の傷心や戸惑い、日々の忙しさ、心の乱れがそのまま文字の洪水によって表現された形でしょうか。
拙作へ吉岡さまから「読み手を信じて」とコメントをいただきましたが、吉岡さまの作品は読者がこの文体を受け入れてくれる、汲み取ってくると信じていないと踏み切れませんよね。思いきった作風に感心します。
ゴリラと雨の例え、とても好きです。
あとスト缶の存在感。
とても面白かったです!
作者からの返信
ありがとうございます。
そうなのです。今回の企画のような、いろんなスタイルを見せ合う場でないと、ちょっと怖くて、すみませんという書き方なのです。読み通して下さる方には頭が上がりません。
これで行くからには、ためらってはならぬと戒めながらゴリ押しました。笑。
楽しんでいただけたのであれば嬉しいです!
編集済
なるほどーって、2回読み返してしまった。(笑)
わたし流に解釈すると、一話目は時の早さに付いていけないトロッコで、二話目で蒸気機関、三話目で電車になって、やっと追い付いたってとこですかね……σ(^_^;)?
一話目と二話目では、文章に多少の差異が入っているのかなぁと、深読みしました。
わたしもカッコいいコメントを残すはずだったのですが、無理っ!と両手を上げます。
作者からの返信
ありがとうございます。
2話目は地の文の役目が「会話を繋ぐ」事になってしまってるので、短いというか、助走が付かないというか、ちょっと変わってしまっているのです。書いた側としては、なんとかしたいけど長くなるのは嫌だなあ、でも、桜子に話すことでだんだんほぐれてる感出るのかもなあ、と思って妥協したところでもあるのです。見抜かれるとは、流石です。
編集済
そうか、1話目と2話目のあの文体は、葉太がまだ葉桜ちゃんの呪縛から抜け出せてないからなんだろうなーと思いました。
葉太のぐじゃぐじゃな、整理のつかない気持ちをそのまま描写するのではなく、あの文体で表現している、私はそう捉えました。素晴らしいと思います。
葉桜ちゃんがどういう子だったかについての記述はありますけど、葉太が彼女の唐突な死をどう感じたのか、どう受け止めたのか、受け止めきれなかったのか、今も抱え込んだままなのか、そういう描写は一切ありません。
でも、そんなのなくても分かります。1話目と2話目のあの文体を読めば。少なくとも私は感じました。葉太の気持ち。
そして、3話目で通常の文体に戻るんですよね。恐らく、葉太のなかで気持ちの変化があったということなのでしょう。
そうだよなー、表現するってこういうことだよなーって、改めて気付かされた感じです。
今回もさすがでした! 素晴らしい小説、ありがとうございました!
作者からの返信
ありがとうございます。
そうなのです。おそらく「可愛い桜子」は皆さんが書いて下さるので、私は「しょうがない葉太」を書こうと思ってこんなバランスにしてみました。
楽しんでいただけたのであれば嬉しいです。
あっ、文章が戻った。
桜子ちゃんと、やりとりしてるんですね?
研究室とは、なかなか知的なところにお勤めのようで、桜子ちゃん頑張ったんですね♡
ひとつだけ質問があるのですが?
『スト缶』ってなんでしょうか?
作者からの返信
はい。桜子さんは頑張っているのです。
「スト缶」は、「缶で売っているストロング系酎ハイ」の略称なのです。「流行っている安くて強めのお酒」といったところでしょうか。
おお最後は普通になった! 葉太先生の中でも何かが解決されたのですかね。リズムがおさまるくらいに。爽快なお話でした。スト缶は空へ!
作者からの返信
ありがとうございます。
ダーッと勢いをつけていってみました。笑。
なかなかに変則的なお話なのですが、楽しんでいただけたのであれば嬉しいです!