第241話デストロイ帝国と勇者
帝国皇帝モントロイドは宰相のヴォルツにバルサス教皇国の教皇と連絡が途絶えた事にいらだっていた。
「ヴォルツよ。ここ1週間バルサス教皇国の教皇と連絡がとれんのは何故じゃ!
それに召喚した勇者が一人死亡したみたいじゃが何があった。」
ヴォルツは補佐官から書類を受け取り報告をする
「バルサス教皇国はどうやら女神が現れ教皇及びその関係者を処罰され関係貴族は女神によって力を与えられ聖女認定されたマロンによって処刑されております。勇者木場もどうやらこの女神によって消されたようです。」
「女神じゃとそんなことありえん!女神を名乗る魔導士かなにかじゃろ。このままやられっぱなしではないだろうな!すぐにその女神と名乗った者を捕らえ儂の前で処分せよ!」
「はい。直ちに捕縛の指示に向かいます」
ヴォルツは頷き部屋を出ていく
皇帝はヴォルツが部屋を出ると勇者召喚関係者を呼び寄せる
「魔導士長ネドボトよ、召喚した勇者が1名死亡したぞ!奴らは召喚時にユニークなスキルを与えられてるのじゃろ。我が帝国のトップの騎士でもまるで相手にならないくらい強かったのであろう。それが何故じゃ!」
「わかりません。死亡したとしか詳しくわかっていません。噂で女神と名乗る者に倒されたと言われていますが・・・信憑性はどうか・・・」
「まぁよい。それよりもう一度勇者召喚を行い戦力を補充せよ!」
皇帝の言葉に慌てるネドボト
「陛下!それはできません!勇者召喚は大規模魔術です。多くの者の生命力が必要です。また多くの魔導師の魔力が必要になり、魔導師も半数以上魔力枯渇で死亡します。ですから前回の召還で20人以上の魔導師が命を落としています。
それに月の巡りも悪く完全に召喚できる月の巡りは3年後二つの月が隠れる朔の日です。たとえつきの巡りがよくても犠牲となる極刑の犯罪者ーが足りません。それに魔導師も半分しかいません。」
「3年後では遅すぎる!早急に何とかせい!おおそうだ。2か月後に小さい月が朔の日じゃろその時に行え!」
ネドボトは考える
たとえ生贄の犯罪者がそろっても魔導師が足りない。それに小さい月では朔の日に溢れる闇の波動で召喚魔法陣を満たすには弱すぎる・・・
「陛下先程もうした通り生贄の生命が集まったとして魔導師が足りません。それに小さい月で朔の日に発生する闇の波動では魔法陣は作動は難しいです。成功率15%参加した魔導師は全員魔力枯渇で死亡します。」
それを聞いても皇帝は命令する
「それでもかまわん!我が国の危機じゃすぐに準備にかかれ!」
「は!わかりました。すぐに準備にかかります。」
皇帝は誰もいなくなった部屋で呟く
『何者だ?女神と名乗った者は・・・かなり高レベルの魔導師か?まぁいずれわかる。最近わが帝国の要請に応じなくなった3国はもう一度帝国の武力を見せつけ金銭と領土を割譲させるか。それと勇者が攫い損ねたエルフの国の王女も国が破壊されそうになれば休戦を求め帝国に来るだろう。』
・・・・・・・
勇者達二人は宰相から国内に留まり鍛練するように言われ帝国内にあるダンジョンに潜っていた。
勇者若宮と川出の二人はマルセイルの町の近くにある帝国最大規模のダンジョンの中層35階層の安全地帯で途中で助けた女性冒険者を嬲っていた。
「この女たちも飽きたな。また別の女捜しに行くか。」
「そうだな。最初は泣き叫んでいたがこいつら壊れたみたいで反応しなくなったしな。でもそろそろ地上に戻らないと宰相の爺さんうるさいぜ。」
「呼び出すときはこの魔道具が発光するからいいじゃん。こいつら放置して20階層くらいに戻ってまた新しい女捜そうぜ。」
「そうだなそうするか。通報されると面倒だから一応わかりにくいところに拘束しておくか。はい。バインド!」
二人はさんざん嬲った裸の女性を魔法で拘束し放置して再びダンジョンに潜っていった。
・・・・・・・・・
精神を破壊された女性冒険者3名は勇者二人が消えた出口をうつろな目で見つめていた。
まだかろうじて意識がはっきりしてる女性が拘束の魔法が解けてからうつろな目で横たわる仲間の所に行き一人一人水魔法で身体を洗っていく。
「ごめんね。こんなことしても私たちの汚された身体綺麗にならないけどせめてあの屑のつけた液体だけは洗い落としたいから・・・」
精神が回復した一人の女性が呟く
「死にたい・・・」
「ラピス殺して・・・装備も何もない状態でここからはもう戻れない」
「わたしももういい・・・死にたい」
3人は泣きながら手を取り合う
「なんでこんな・・・ぅぅ・・・」
「みんなぁ・・・うぅ・・・」
「帝国なんか来るんじゃなかった・・・グスン」
・・・・・・・・・・
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