第239話ハルは領主と対決する

ここが領主官邸ですか・・・


ハルたちは領主官邸前に整列し門兵に領主に面会を求めていた。


モクレンが代表して門兵に話をする


「事前に通達してた通り聖女マロン様が領主フェルドナ殿に話し合いのために来た。すぐに伝えてほしい。」


門兵はすぐに官邸内に入って行く


暫くして門兵が出てきて領主の言葉を伝える


「フェルドナ様は忙しく話し合いに応じる事は出来ないそうだ。」


モクレンが門兵の応じないとの伝言に怒り邸内にも響くように声を張り上げる


「この教皇国に女神様が降臨されたことは全国民が知っている。聖女マロン様が教皇に代わりこの国を纏めるように神託されたことも皆知っている。それでも会わないと言うのであれば領主断罪の強制執行する。すぐに出てこい!フェルドナ!この町の苦しんでる民の説明をしろ!」



ハルはすぐ魔力探査をする。


『何言ってるの?この国の指導者が変わった事は女神の力で屋内にいてもわかるようにした。この国の通信魔道具でも通達して新しく国を纏める者が聖女マロンで各町村を調査訪問するから話し合いに応じるようにと送って、確認した通信も受諾しているはずなのに何考えてるの?まぁいいや、ちょっと調べてみるの』


ハルはすぐに調べ領主が完全に武装状態で周りに強力な魔力を持った者が10人以上いるのを確認する


『これ完全に話し合う気ないのね。何をする気なの。武装した兵士が多いのね。まさかマロンを襲撃する気かな?ダメだね。ハーメスト様の教えを守らなくてこんな自分たちの欲望を満たす者達は神罰が下されるの。他の人たちが巻き込まれるとダメだからハルが早めに処分するです。』


ハルは中の様子を聖女マロンに伝える


「マロン様領主フェルドナは私たちを処罰するつもりなの。中に武装した者が10人以上待ち構えているの。ここはハルたちが先に乗り込み対処する。領主だけは一応捕縛するから。ハクレンさん達はマロン様を守りながら後から来てほしいの。」


「わかった。」


「ハル様気をつけて」


「はいなの。ナギ。マギ行くよ!領主以外手加減必要なし皆魔力だけでなく魂魄も穢れてるの。」


「「わかったの。」」


ハルたちは目の前の門兵を倒し館に入って行く。


「貴方達も魔力穢れてるダメなの。」


ドカ!


「邪魔!」


ドカ!


ハルたちは領主邸の扉の前でもう一度警告する


「フェルドナ伯爵今すぐ出てきて!中にいるのわかってる!出てこないなら強制連行するの。」


シーーン


暫く待ってもなんの反応もなくハルは二人に手で合図して扉を魔法で吹き飛ばす


ドカーーーン


中で抜剣して待ち構えていた者達は破壊され飛んできた扉に巻き込まれて床に倒れうめき声をあげる。


ハルたちが中に入ると2階に逃れてたフェルドナ伯爵が怒り私兵たちにハルたちを殺すように命令する


「貴様らここは伯爵邸だぞ!冒険者風情が不法侵入で処分してやる!お前たちこの冒険者を殺せ!」


ナギ、マギはお互い頷き行動を起こす


「ナギ!」


「うん任せて!」


シュン!

シュン!


二人は加速して兵士たちを次々倒していく


ハルは2階の領主フェルドナ伯爵に魔法を放ち拘束する。


「貴方は許せない!」


シュン

クルクルクル


拘束魔法で捕らわれたフェルドナはわめき散らす


「貴様伯爵にこんなことしてただで済むと思ってるのか!」


「うん。思ってるよ。だってハルの方が身分上なの。ほら」


ハルはプラチナの冒険者カードを見せ断罪する


「貴方は小国の伯爵ハルは大国の王様にも意見できる身分。この町いろいろ調査して貴方の罪いっぱいある。それでも言い訳する?貴方の事はこの国の新しい指導者になった聖女マロン様に任せる。」


捕らわれた状態でもフェルドナは自分勝手な意見をわめき散らす


そこに姫騎士に守られ聖女マロンが入って来る


フェルドナは姫騎士ハクレンに捕まれ身体を起こされる


マロンはフェルドナを見下ろし話す


「フェルドナ伯爵!女神ハルリアル様が教皇の罪を断罪し神罰が下された事、私が聖女として女神様に力を与えられこの国を纏めるようにと任命されたこと知っているはずですよ。この事は女神様がお力を使いこの国の民全て知っています。どうですか?」


フェルドナはマロンを睨みつけ暴言を吐く


「フン!儂は認めんぞ!われらの教皇様を神罰と言って殺したハルリアルは女神ではなく邪神だ!儂はハーメスト教の教えを守ってこの領地を治めてる。お前たちが見た者達は儂の命令を守れなかったからああなった。

領主の命令を守らなかった奴らが悪い。早くこの拘束を解け!この国の事は今残ってる領主で話し合って決める。ハルリアルとか神を名乗る者が決める事ではない。」


聖女マロンはフェルドナにハーメスト教の教えを述べフェルナンドの行いが全て教えに反していることを述べるとフェルナンドが怒り暴論を述べる


マロンは呆れ今一度正しい教えを述べるが途中で遮られののしられる


「残念です。貴方の考えは教皇と同じ民を正しく導き治める事はできません。ハーメスト教の教えも逸脱し多くの民を虐待し貴方の勝手な解釈で命令された教えで多くの民が犠牲になり幼き命が亡くなっています。このことは許せるものではありません。」


「五月蠅い!ハーメストの教えは古いんじゃ!これからは「黙りなさい!」わ・・・」


「大罪を犯したフェルドナ伯爵は罪も認めず反省もしていません。魂魄判定も黒と出ました。よってフェルドナ伯爵は領民の前で公開斬首です。」


「ふざけるなーそんなこと認められるか!儂は正しいことをしてきたんじゃー!」


フェルナンドは姫騎士によって連行され町の中央広場で公開処刑された。


マロンは集まってた町民に改めてハーメストの教えを説きこの町の代理領主を町のために尽力していた商業ギルド長トマスロトに任せる


「商業ギルド長トマスロト貴方はこの圧政の中いろいろ尽力されていたことは多くの民から聞いています。急ではありますがお願いできますでしょうか」


トマスロトは突然の事に驚くも町の多くの者が期待するように見つめる


「あの領主のせいでどれだけの町民が犠牲になったか・・・聖女マロン様私たちをフェルドナ伯爵から解放して下さりありがとうございます。正式な領主さまが決まるまでなら私がこの町を纏めさせてもらいます。」


「よろしくお願いします。」


ハマロイドの町は領主が断罪されたことで落ち着くかと思われたがハルが領主と関係の深かった警備隊や騎士の穢れを見た方がいいとマロンに促す。


マロンは護衛騎士を伴って騎士詰所、警備詰所にそれぞれ集め魔力の穢れを見る。

するとほとんどの者が穢れていた。


「ハル様この者達もほとんど魔力が穢れています。解雇して調べます。」


ハルは命令で仕方なく悪行を行っていた者なら魔力が穢れてても魂魄はまだ穢れてないかもと思い兵士や警備隊の者を調べる


「マロン様この人たちハルが調べてみる。」


ハルは神眼で調べる


「ダメなの・・・ほとんどの人魂魄も汚れてる無理なの」


マロンはハルの言葉を聞いて頷き不可と判断された者達に解雇各々の行った行為に対して審議し処分を言い渡すと伝え残った者によって拘束される。


マロンは警備隊と兵士の処分が終わった後町の者が集まる中央広場に移動し演説し町民に安心を与える。


集まった町民は喜びの声をあげる





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