第238話ハルと聖女マロン

ハルたちは話し合いこの町と同じような事が他の町でも起こってることが想定されるからと眷属の連合国に応援を求める事にした。


「マロンこの町の状況って想像できた?」


「いえ。これ程とは思いませんでした。」


「この先もっと酷い町あるかもしれない。でもこのままマロンが全町村を回るのはダメなの。中央都市にいて国全体をみないとダメなの。だからエメラルド達に応援を求めますの。」


マロンは聞きなれない名前が出てきてハルに尋ねる。


「ハル様エメラルドとは誰でしょうか?私たちが中央都市に戻っても大丈夫なのでしょうか?」


「うん。大丈夫なの。最初ハルは領主にこれからの事をお願いするつもりだったけど、こんなに酷いと思わなかったから予定と違ったの。このままいくと時間が無茶苦茶かかるからマロンは戻ってもらった方がいい。中央に国のトップがいないのはよくないの。だからハルの応援呼ぶことにした。エメラルドは女神ハルリアルの眷属だから心配いらないよ。」



マロンは頷き答える


「なるほどわかりました。この町が片付いたら私たちは中央に戻ります。」


「うんそれがいい。あ!それとハルが冒険者の姿の時は女神様呼び禁止ね。みんなもね。」


「はい。わかりました。」


「「「「はい!」」」」


ハルはすぐに念話でエメラルドに連絡を取る


『エメラルドさま今話せる?』


エメラルドは王女たちと打ち合わせをしてる時念話が入り驚く


『は・はい!ハルリアル様大丈夫です。今娘たちとハル様に協力する打ち合わせをしていたので・・・』


『エメラルドさまハルは女神モード以外はハルと呼んでほしいの。』


『はい。わかりました。ではハルちゃんでよろしいでしょうか?』


『うん。様つけでないならそれでいい。』


『それでお話が合ったんですよね。』


ハルは今いるバルサス教皇国の現状を話し助けてほしいことをお願いする


『ハルは女神の姿になってバルサス教皇国中央都市の教皇や神官たちを罰を与え処分しました。代わりにマロンに加護を与え聖女に任命し教皇の代わりにバルサス教皇国責任者にしました。それで聖女マロンと一緒に責任者が変わったから各町の領主に伝えて回ろうとしたら、最初の町で酷い状態の民が大勢いたのです。このままだと他の町も同じような事になってると思ってエメラルドに連絡したの。』


エメラルドは頷きちらっと娘を見てから答える


『なるほど状況はわかったわ。ハルちゃんは町の状態をよくしたいから私たちに助けてほしいと言うことね。』


『うん。そうなの。それからバルサス教皇国も出来たら解体したいと思ってる。そのことも四カ国で話し合ってほしいなって思ってる。解体しない方がいいならせめて国名をバルサスでなくハーメスト教に変えたいと思ってるの。』


『うーんバルサス教皇国を解体ですか・・・ちょっと私たちでどうするのがいいか話し合って見ます。』


『お願いなの。』


ハルはこの後召喚についての調べてる現状の報告を聞いて念話を切る


やっぱ帝国なんだぁ・・・過去に召喚行ったのも別の帝国って何か関係あるのかな?

まぁまだもう少し確かな情報集まるのに時間かかるみたいだから、ハルはバルサスを何とかしないとね。


ハルが考え込んでるとナギが話しかけてくる


「ハルちゃん。この商会の人たち気がつくよ。」


ナギに言われ食堂の子供たちを見ていると先に成人の女性たちが目を覚ます。


「あれ私死んだんじゃ・・・」


「うぅ・・・ここは・・・」


「あれ?私生きてるの」


「・・・・・ここどこ?」


マロンが気が付いた女性たちに話しかける。


「皆さんよかったです。無事回復されて、後少し遅かったら救うことができませんでした。」


先に気が付いた女性たちが話しかける


「助けて頂いてありがとうございます。私はコモーラル商会のカロライナと言います。」


「ありがとうございます。コモーラル商会ジェシカと言います。」


「この度はありがとうございました。私コモーラル商会ムラサキと言います。」


「助けてくれて感謝する。コモーラル商会専属護衛ミクだ。また辛い日々を耐えるのか・・・」


ハルもマロンも助かったのに暗い表情の女性たちを見つめる


やっぱしここの領主が問題なんだ・・・情報貰ってからどうするか決めるのね。


マロンがハルを見てから女性たちに話しかける


「皆さん助かったのに嬉しそうでないのは何故ですか?この国のせいですか?それとも領主?できれば詳しく教えてくれませんか?心配しなくても大丈夫ですよ。この度女神ハルリアル様が降臨されこの国の教皇と中央の神官や騎士たちが処罰され私がハルリアル様に聖女としてバルサス教皇国最高責任者に任命されました。

だから怖がる必要ありません。話を聞かせてくれませんか?この町の領主に原因あるなら私が罰します。」


するとカロライナが話を始める


「わかりました。お話します。」


カロライナは起こった事を話始める。


商会が毎月適正価格で教会に納品したアクセサリー類が偽物で品質D類だと言われ商品没収高額の違約金を要求され商会は全ての商品を売りさばき現金を作り蓄えていた金を合わせて何とか支払う。


商会は孤児を保護し教育を施し食事を与えていた。それは将来従業員として働いてもらうために行っていた。


教会からも許可をもらっていたにも関わらず領主の管轄の警備隊が来て商会長と副会長が連行された。


その時3人の子供たちが警備隊に何かの間違いだ教会から許可も貰ってると抗議したがその時子供たちは不敬だとこん棒で殴られ剣で足と腕を斬られひん死の状態にされた。


連れて行かれた商会長たちは鞭打たれ拷問され従業員の持ってる金と家財を売り払って作った金と合わせて保釈をお願いして商会長を返してもらった。


ただ返してもらう時の従業員の目が警備隊を睨んだとして引き取りに行った4人はこん棒で殴打されたが、何とか商会長たちを連れ帰った来た。


従業員も商会長たちも皆酷い状態だったため子供たちの事が出来なかった。


子供たちは交代で倒れてる大人たちの看病をしながらお金を作り食べ物や薬を買おうと頑張ったが町の者たちから相手にされなかった。

そして疲労で一人倒れ二人倒れと次々倒れていった。


話を聞いてハルはもちろんナギにマギ、姫騎士たちも怒りを露にしていた。


その後子供たち商会長たちと目を覚まし今までの話を聞く。


「マロンこれ完全にクロ!領主と関係者は厳しく処罰必要だね。マロンはこの国の最高責任者だからはっきり知らしめたらいいのね。」


ハクレンも頷きマロンに詰め寄る


「マロン様!屑領主は斬首です!すぐ処刑しましょう!」


マロンは荒れる姫騎士たちに落ち着くようになだめる


「みんな待って!ちゃんと話を聞いて処罰言い渡すから!」


モクレンがかみつく


「何言ってるんですか!あの教皇の任命した領主ですよ!そんなの反省なんてするわけないし、逆切れしてきますよ!話なんか聞かず言い渡して処罰ですよ!」


マロンは何とか騎士たちをなだめ領主官邸に向かう。


「ラースメリア商会長私バルサス教皇国最高責任者聖女マロンが責任をもって領主を断罪しますので待っててください。皆さんも心配しないで待っててください。」


ラースメリアたちは頭を下げマロンたちを見送る


「さぁ皆さんこの町の穢れた領主を断罪に向かいます。気を抜かないようにね。」






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