第237話ハルはバルサス教皇国の復興を手伝う

ハルたちはバルサス教皇国で混乱する信者たちをまとめてるマロンに協力する。

もちろん女神の正体を隠して冒険者ハルとしてナギたちと協力していた。


そのころ連合国の婦人連合は同時通信魔道具によって各国の王妃と女王が話し合いを重ねていた。


「では皆さん女神ハルリアル眷属情報交換会を始めましょうか。今回は私エメラルドが取りまとめいたしますね。」


「よろしくお願いします」


「ではハルリアル様のお願いの勇者召喚についてですが、どこまで情報と証拠をつかめたでしょうか?」


グリーンウッド国のヴェニス王妃が発言する


「我がグリーンウッド国の諜報部隊カラスによるとデストロイ帝国中央教会地下で異世界召喚魔法が行われたことがわかりました。さらに調べたところ召喚を行った魔術師は帝国城内にて軟禁され魔道具や魔晶石への魔力供給などに従事しているようです。」


「なるほどそれでその事実と証拠は掴めたのでしょうか?」


「現在召喚を行った魔術師とその召喚方法を調査中です。」


ヘルメスト国ナタリア女王がヴェニスの話を聞き発言する


「先ほどの召喚についてじゃが、わが梟部隊が帝国が必要に数百年前に崩壊したと言われるバフロニア帝国跡を探索を続けていたのが気になり調べたら、過去にも一度勇者召喚を行われていてそれがバフロニア帝国じゃ。奴らはそれを知り朽ち果てた帝国後を探索したのじゃろう。

その時帝国城跡の地下の隠し部屋から何かを見つけたそうじゃ。おそらくそれが異世界から勇者を呼び寄せる書物かもしれん。」


エメラルドが頷く


「なるほどそれでその書物が見つかり勇者召喚を行ったと・・・その書物か召喚に携わった魔術師からの情報が欲しいですわね。」


ベルメラ王妃が提案をする。


「では念のため我が諜報部隊にてそのバフロニア帝国跡をもう一度探らせます。できれば教会跡地か魔道研究所跡を見つけて調べてみます。」


「なるほど、確かに召喚のような特殊な魔法は事前に特別な機関で研究されるという事か・・・」


ヴェニスも頷き発言する


「では私たちの方はその召喚を行った魔術師に接触してみます。」


エメラルドはこれからの行動を確認する


「それでは女神ハルリアル眷属のこれからの行動方針を伝えます。まずグリーンウッド国のヴェニス様の方で召喚を行った魔術師から決定的な証拠をお願いします。」


「あいわかった。」


「ナタリア様は召喚を行われた場所の特定をお願いします。ハルリアル様に封印を行う場所をお伝えします。」


「わかったのじゃ。」


「ベルメラ様はバフロニア帝国遺跡の調査をお願いします。」


「わかりました。」


「私の方は陰からハルリアル様の護衛とサポートをいたします。後ハルリアル様が気にしている孤児の保護と施設の方もよろしくお願いします。」



☆・☆・☆・・


ハルはバルサス教皇国内にある8つの町村を周り人々の混乱を鎮めて周るも中央都市以外はまだ権力者の横暴な行動が続いていた。

バルサス教皇国内は各町村を治める貴族代官と教会神官が横暴なふるまいをハルたちはマロンと共に取り締まって行った。


「ハルリアル様このハマロイドの町はフェルドナ伯爵が治めています。私が聖女として教皇が変わってこの国を取り纏める事伝わってるはずなのに私たちが町に入っても何もありませんね。前教皇の時は町に到着する前から待ち構えていたのに・・・」


ハルはマロンの女神呼びを訂正させる


「マロン。ハルは今冒険者だからその呼び方はダメなのです。ハルでお願いします。」


「わかりました。」



「さっき門兵が領主に知らせに向かったのに何も変化がないのおかしいね。なんかある?」




ナギがハルに尋ねる


「ハルちゃんこの町の領主の魔力どんなですか?」


ハルはナギに言われ確認する


「ちょっと待って調べてみる」


ハルは目をつむり町全体を調べる


うーんこの町魔力の穢れていない人町の隅に固まってる。町の中央にいる人はほとんど穢れてるのね。領主は・・・ダメだぁ穢れ酷いのでも一人だけ近くに綺麗な人いるの助けた方がいいのね。


ハルは同行するマロンたちに伝える


「聖女マロン。姫騎士さんこの町の領主はダメ処分した方がいい。多分調べたらいっぱい悪いこと出てくると思うの。でも領主官邸に一人だけ綺麗な魔力の人いるの。この人助けるの。後町の隅どこかの建物だと思うけどそこにも綺麗な魔力の人いるの。」


「ハルリアル様先に町の隅にいる者達のところに向かいます。場所を教えてください。」


ハルは頷き情報を伝える


「わかったの。方向こっちで町の防壁に近いところにある少し大きな建物だよ。あんまし動いてないから早く行った方がいいかも。」


マロンはすぐに同行する姫騎士に指示をする。


「モクレン。ハクレン。すぐに向かって!私も後から追いかけます。」


「「はっ!」」


二人はすぐに駆けていく


ハルは聖女マロンを守りながらモクレンたちの後を追いかける


ハルたちが目的の場所に着くとそこは商会の建物だった。

中に入ると商品はほとんどなく奥の食堂のような場所に20人ほどの衰弱した大人子供がいた。


先行してたモクレンとハクレンがハル達が来たので奥の部屋から出てくる


「ハル様マロン様急ぎこちらに来てください。」


ハルたちはモクレンの慌てぶりにすぐに後に続く


奥に行くと執務室のようなところの床に3人の子供が眠っていた。

子供は全員脚と腕に酷い傷があり長く放置されていたのか傷口に虫が入っていた。


ハルは子供たちを見て呟く


『酷い・・・なんでこんなことに・・・』


さらに奥の部屋には二人の大人の女性が同じようにひどい傷を負い眠っていた。


モクレンとハクレンがハルたちに説明する


「食堂で倒れてる者に聞いたところこの商会にいる子供は孤児で成人女性はこの商会の従業員。奥で倒れていたのはこの商会の女性主人とその子供だそうです。」


「倒れて話を聞けた従業員の人はこの状態はこの町の領主が無茶な徴収を行いそれに反抗したら商会主人が領主の命令で騎士に暴行を受け剣で斬られたそうです。子供も母親が暴行されてるのを助けようとして領主に剣で斬られ踏みつけられたそうです。」


ハルは話を聞いて怒りが溢れる。


「ハルちゃんダメ怒るのあと!先にこの人たちの治療して!ハルちゃんなら助けることできるでしょ。」


マロンもハルを諫めるように話しかける


「ハル様ダメよ。怒るのはあとね。先にこの方々の治療お願いします。私は食堂で倒れてた者達を治療しますから、ハクレン、モクレン、ハル様を手伝って。ケイト、ネロ、レイニーたちは私について来て下さい。」


マロンは同行した姫騎士を連れ食堂にむかう


ハルはモクレンとハクレンは倒れてる女性主人の衣服と下着全て剥ぎ取り傷口に入り込んでる虫を短剣で取り除くように指示をする


「ハクレンさんモクレンさんはこの女性の衣服と下着全てはぎ取ってください。あと傷口に入り込んでる虫も取り除いてください。最悪短剣で切除しても構いません。急いで!」


「「はい!」」



ハルはモクレンたちの作業を確認してナギたちに隣で倒れてる子供たちもここに運んで同じようにするように指示する


「ナギたちは隣の部屋で倒れてる子供たちをここに運んで同じように服をはぎ取って虫と壊死してる傷口の切除お願い。」


「「はい!」」


ハルはバックから精錬水をだしハクレンが切除してる傷口にかけていく

ハルは傷口に虫がいないのを確認し身体全体にクリーンの魔法をかけ綺麗にし回復魔法をかける


「うん。これなら大丈夫クリーン。よし。後は回復魔法をかければハイヒール!」


女性の身体の傷はふさがり肌も綺麗になる。


『よし。呼吸も安定したからこれで安心なの』


ハルは子供たちも同じように身体を綺麗にするクリーンをかけた後に回復魔法をかける。


子供たちも傷はふさがり肌も綺麗になり呼吸も安定する


「これで大丈夫かな。」


ハルはバックから女性の服と下着子供たちの服と下着をだしハクレンたちに渡す


「ハクレン、モクレンこの下着と服この女性に着せてあげて、ナギ、マギは子供たちの下着と服渡すからお願いね。ハルは食堂の方に様子見に行くから」


「「ハル様お任せください」」


「ハルちゃんこっちは任せて!」

「マギ達に任せる。」


ハルは頷き食堂にむかう


食堂では姫騎士たちが倒れてる成人女性と子供たちの服を脱がせ身体を確認していた。


その後ハルたちも加わり16人の子供と4人の成人女性は身体を綺麗にし治療が施され静かに眠っている。


「ハル様無事終わりましたね。」


「うん。みんな助けれてよかったぁ」


ハルはこの商会の者達が回復するまでとどまり、彼女らが回復するまでこれからの事を話し合った

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