第236話ハルの怒り
ハル達は先に攫われたエルフを救出するために教会本部に向かう
中央都市内にはハルたちは気配遮断をして中央門から入りそのまま教会本部まで走り抜ける
ハルは本部の前に立ちエルフの魔力を捜す
「今からエルフの人たちの魔力を捜します。」
ナギもマギも周りを警戒する。
「マギ!気配遮断をしててもここは教皇国本部侵入者対策で巡回する部隊がいるから油断しないで!」
「うん。わかってる。」
「見つけた!全員いる。教皇もいる。教会大神官、神官たちはエルフと他の獣人女性たちも嬲り者にしている。酷い・・・全員酷いことされてるけどまだ精神は壊されていない。ナギ。マギ。フード取って眷属神獣モードにして力解放して!ハルは教皇に警告する。多分何も変わらない。ハルは神力使って教皇国に罰を下す。ナギたちは女性たちを救出して。」
「「わかりました。」」
ハルは達はフードを取る。
バサ
教会本部前の中央広場に銀髪の少女と白狼族の獣人が姿を現し周りが騒がしくなり暫くして教会警備隊がハルたちを取り囲む
ナギとマギは魔力を解放し一気に神獣モードに変化する
身体は大きくなり白い髪に大きな獣耳と尻尾をゆらゆらさせ身体全体に神獣独特の白いオーラを放つ
「ハルリアル様救出に向かいます」
ハルは神力を解放して女神モードに姿を変える。
ハルの身体は地面を離れ浮いた状態で身体全体から金色の光を放つ
ハルたちを取り囲んでいた者達は全員固まったように動かなくなる。
ハルは声に魔力を乗せ教皇たち関係者を呼び出す。
ハルはこの時教皇国全町村に今の状態がわかるようにホログラムを上空に映し出す。
『私は女神ハルリアルです。バルサス教教皇。バルサス教神官。お話があります。今すぐ中央広場に出て来てください。』
ハルが呼びかけても教皇は出てこないためハルは教会の屋根を吹き飛ばす。
『今すぐ出てきなさい!』
ドカーン
屋根が吹き飛ばされて教皇たちは慌てて広場に出てくる。
ハルは中央広場の空中から教皇たちに語る
『バルサス教皇国最高責任者は貴方ですか?』
『そうだ!貴様何者だ!』
何この人何も感じないのハル神力解放してるんだよ?他の神官も睨んでるしダメな人間だ・・・
『私はこの世界の女神ハーメストの妹ハルリアルです。女神ハーメストが管理してるこの世界を調査に来ました。あなた達バルサス教の行ってる行為は女神ハーメストが最初の神託を告げた内容を完全に破っています。』
教皇は神官や神殿騎士を黙らせる
「お前たちあの者は人間ではない。動くな!」
教皇はハルの神々しい姿に跪くことなくハルに向かって発言する
「貴様は何を言っておる。バルサス教は女神ハーメスト様の教えを守っておる。教え通り大勢の民に女神様の教えを伝え祝福と癒しを与えておる!何でたらめなことを言っておる!」
ハルはまず教皇の身なりを指摘する
『バルサス教教皇あなたは大勢のハーメスト様を崇拝する信者から集められた寄付をどのように使っているのですか?人が生きるのに最低限の衣食住で使うのは問題ないですが、あなたのその身に着けてる宝石などの装飾は何ですか!それはひつようですか?この国にも大勢の平民は満足に食事も得られない者もいます。それに病で苦しんでる者もいます。あなた方はその者に手を差し伸べましたか?』
「・・・・・・・」
『何を黙ってるのですか?答えなさい!』
女神モードで語るハルに教皇は焦るも強い口調で答える
「私のこれは信者からプレゼントされた物だ!文句はあるまい。食事を得られない者は教会に来れば無料の炊き出しも行っている。病の者は神官の数が少なくて回れていないだけだ!」
ハルはナギとマギに呼びかける。
『ナギ捕らわれてた女性を連れて来てください。マギ教会の外で倒れてた者を連れて来てください。』
ナギは酷い状態のエルフ女性と獣人女性たちを連れて来る。女性たちは全員暴行を受け服は着ておらず身体は酷い状態だった。
マギも教会の外で騎士から暴行を受けていた二人の平民を連れてくる。
ハルは集められた女性を見て両手を女性たちに向けかざす。
『辛かったでしょう。すぐ癒してあげます。』
ハルは女性たちに完全回復の魔法をかける
パァーン
集められた女性の身体が一瞬金色のオーラに包まれ女性たちの身体は綺麗な身体になっていく。
女性たちも酷い怪我が治療され精神的にも癒され驚く
「凄い身体が綺麗になってる。女神様ありがとうございます。」
「女神様ありがとうございます」
ハルは女性たちが喜ぶ姿に微笑み話しかける
「あなた達辛い思いをさせましたね。ごめんなさい。教会の外で暴行されてたあなたに尋ねます。なぜ神殿騎士に暴行されていたのですか?教えてくれますか?」
暴行されてた一人は病を患い教会本部まで必死に来た未成年の子供でもう一人はそれをかばって暴行されていた女性だった。
二人はナギとマギに促されて話し出す
「私は隣町のポワラと言います。私の町では毎月教会から教会費を徴収されます。その金額が多すぎて支払うことができません。教会費を支払えない者は教会で祈ることが許されません。
私たちは教会に祈ることがきないので毎回信者に配られる麦と神水がいただけません。市で買う麦は高く我々庶民が買える金額ではありません。
それで私は家族のため神官様に麦をわけてもらえないかお願いしに来たのです。そしたら子供が暴行されていたので助けに入りました。」
「女神様僕の家族は皆病気で寝込んでいます。僕だけは動けたので教会にお願いに来たの。そしたら教会の騎士さんは金のないやつは癒しなんか受ける資格ない!
帰れ!と言われけられました。お金は働いて必ず返すからとお願いしたら他の騎士さんまで来て黙れ貧乏人と言われ3人に暴行されました。」
教皇は二人に黙れとののしる
「うるさい黙れ!女神ハーメスト様に祈るための最低限の事も出来ないお前たちを女神様は助けぬ!」
ハルは教皇の態度に我慢ができなくなりついに行動に起こす
ドーン
教皇のすぐ横に激しい雷が落ちる
『もういいです。女神ハーメスト様の神託はこの世界のすべての民は皆平等に祝福を与える。
☆女神の伝道者は慈愛の心で人々を救いなさい決して金銭を要求しないように、慈愛の心で人々を救えば救われた者もそれに答えるでしょう。
☆救われた者も必ず受けた物を返しなさい。それは慈愛があれば金銭でなくても構いません。労働で返すもよし。作物で返すもよしです。
これがハーメスト様の言われた言葉です。』
ハルはハーメストの神託を述べた後再び雷を落とす
バリバリ
ドーーン
『あなた方バルサス教は全て間違っています!よって女神ハーメストに代わり妹のハルリアルがあなた達に裁きを与えます。私の眷属によってあなた達の罪は明らかです。バルサス教教皇あなたのすべての魔力と発言を取り上げます。他の神官神殿騎士も同様です。あなた達の魔力を見て神罰を与えます。』
ハルが神力を解放し右手を振るうと教皇の身体から何かが抜け教皇はその場にへたり込みしゃべらなくなる
他の神官、神殿騎士たちも同じように力が抜けたようにへたり込む
ハルは一人の巫女に声をかける
『巫女マロンこっちに来てください。あなたは教皇の行いにずっと意義を唱え不当な扱いを受けていましたね。よく耐えました。貴方の魔力は凄く綺麗ので私の神力を与えるのにふさわしいと判断しました。これからハルの神力と加護を与えます。貴方は聖女マロンとしてこのバルサス教皇国の人たちを助けてあげてください。』
ハルの前に跪くマロンはハルの神力を注がれ身体が光る
『はぁーあったかぁーいこれが女神様の力・・・』
「女神ハルリアル様ありがとうございます。私はハル様の命じられた通りこの国の人たちを助けていきます。」
ハルはバルサスの国民に宣言する
『バルサス教教皇国は女神ハルリアルが加護を与えた聖女マロンを責任者とし他の者はマロンを助けこの国の癒しを必要としてる者を助けていきなさい。』
ハルは前教皇の権力で傲慢になっていた神殿騎士にセクハラを受けていた姫騎士たちを集める
『姫騎士の皆さんあなた達もよく耐えました。中には身体を汚され絶望で魔力も濁ってしまった方もいます。でも心配いりません。ハルリアルが皆さんを綺麗にしてあげます。そしてこれからは聖女マロンの守護騎士としてこの国の民を救ってあげてください。』
ハルは整列し跪く姫騎士たちに手をかざし魔力と神力を注ぐ
姫騎士たちは身体が癒され身体能力も向上する。
『あぁ・・身体が綺麗に洗われてる感じ・・・』
『身体が軽くなるぅ・・・』
ハルは姫騎士たちに告げる
『貴方たち15名は生まれ変わりました。そのことは後で確認してください。これからは聖女守護騎士としてマロンと共にこの国、この世界を救うのです。』
「「「「はい!女神ハルリアル様」」」」
マロンはハルにお願いをする
「女神ハルリアル様私の護衛まで用意して下さりありがとうございます。でもこの国にはまだ多くの前教皇派の者がいます。女神様の神託で私が聖女として認められたことが伝わるでしょうか?」
『そのことは心配いりません。今この状況はバルサス教皇国全ての国民が見ています。もちろんその責任者にも伝わっています。それに私の眷属でもある連合国の王族も協力するでしょう。彼女たちにはすでに伝えていますので暫くすれば使者が来るでしょう。どうするかよく話し合いなさい。それまでこの町の混乱を収めてください。』
「わかりました。」
ハルは穢れていない巫女たちにも癒しを与えマロンに協力するように伝える。その後魔力を戻し転移して消える
『あなた達にも少し力を注ぎ癒しますので聖女マロンに協力してあげてください。』
パァーン
『うん。綺麗になった。頑張りなさい。』
シュン
地上のわかりにくい場所に転移したハルはナギたちを念話で呼び寄せフードを被り移動を始める。
『これで偽りの宗教国家は解体できたけどここにいた勇者はいなかったね。でもエルフの人は教会の中で見つかってよかった。後は逃げた勇者と勇者召喚の国だけだね。』
『はい。この国の復興を手伝いながら情報を待ちますか?』
『情報すぐ集まらないと思う。だったらこの国手伝うのがいい』
『そうだね。そうしようか』
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