第235話ハルとバルサス教皇国

ハルはペントランを出て1週間ようやくバルサス教皇国辺境の町に入る。


この国って獣人は忌むべき存在なのか会う人全て睨んでいく。ほんと絶対人族主義の国かぁ

でもこれじゃ調べる事できないから姿変えた方がいいかも・・・


ハルは路地裏に入りナギとマギの耳と尻尾を消して姿を人族に変える。ハルも姿を元に戻す。


「この国の人達は獣人を受け入れてくれないから姿を人族に変えたから、直接触られると姿が戻るから注意してなの。」


ナギとマギは頷く


ハルは人族でも珍しい銀髪の事は知らず3人とも銀髪の姿のまま町を散策した。


「ハルちゃんなんかまだ私たち注目されてる気がするんだけど、大丈夫かな?」


「確かにずっと見られてる気がするね。何かあるのかな?」


ハルもずっと見られてる事に気が付き慌ててフードを被るようにナギたちに言う


「なんでかわかんないの。お姉ちゃん達フード被って!」


ナギたちはすぐフードを被るとハルもすぐフードを被り様子を見ながら町を歩く


暫くするとナギたちを怪しむ視線はなくなりハルは安堵する。


「うーん何が原因だったのかな?でも視線なくなったからいいの。」


とにかく町を歩きながら町の人たちの会話を聞いて情報収集なの。

ハルたちは何を買うのではなくひたすら人が大勢いるところを歩きまわった。


「やっぱりこの国と隣のデストロイ帝国は人族以外は認めない凄い差別のある国だとわかったの。お姉ちゃんこの町はもういいから大きな教会のある町に行くの。」


ナギは頷きハルに徒歩で移動することを進める


「わかった。なら歩いて移動だね。乗合馬車だと人との距離近いから姿が戻るかも知れないから」


「それに近いと獣人独特の匂いに気が付くかも知れないから安全のために徒歩がいいね。」


「わかったの。食料は問題ないからこのまま次の町に行くの。」


「そうだね。宿も何があるかわからないからこの国では宿はやめた方がいいね。」


ハル達は野営しながら徒歩で移動を続けた。

国境の町を出て5日目大きな町に着く。ここでは門兵が町に入る者を一人一人チェックして問題なければ許可され身分証に不備があれば許可が出ず町に入ることはできない。


「なんか厳しいね。ハルたち冒険者カードあるから大丈夫だと思うけど・・・カードには名前と年齢とランクしか表示されてないから大丈夫。」


順番にチェックがなされハル達の番になる


「身分証をだせ!お前たち3人はパーティーか?」


「違う姉妹私が長女ナギこっちがすぐ下の妹マギこの子が一番下の妹ハルです。」


門兵は3人のギルドカードをチェックし顔を見るひとりの門兵がバックを見せるように言う


「お前たち持ち物も調べるからバックをこのテーブルに置け!」


ハルはすぐにナギと自分のバックに触れマジックバックを隠蔽し中身を干し肉と水筒だけに変える


ハルは念話でバックを隠蔽したことを伝える


『お姉ちゃん達バックは大丈夫ハルが隠蔽したから見られても大丈夫なの』


『わかった。ありがとう』

『たすかったよ。ハルちゃん』


ナギたちはバックをテーブルの上に置くと門兵は中身を確認する。


「チッ!干し肉だけか!」

「こっちは水筒と濡れた布だけですね。これじゃ何も取れやせんぜ。」


「このちびの荷物も干し肉だけです。」


カードをチェックした男はブツブツ言いながらカードを返し入町税を払うように言う


「ほらカード返すぜ。しけたガキどもだぜ。まぁこんな小汚い恰好じゃなぁ。お前たち一人大銀貨1枚だ!ないなら町に入れないぜ。どうする」


男たちはにやにや笑う


町に入るのにこの国はお金取るんだ。しかも大銀貨って無茶苦茶だ。1か月分の食費じゃん。


ハルはローブの内側のポケットからお金を出すふりをして大銀貨を3枚門兵に渡す


「はい。大銀貨3枚なの。」


門兵は大銀貨が払えると思わず対応を躊躇する


「え?」


「じゃ入っていいですの。」


ハルたちは門兵が何も言わないのでそのまま門をくぐろうとすると再び呼び止められる。


「おい!今どこから金を出した。服装チェックしたとき持ってなかったはずだ。」


はぁーめんどくさいの。この人たちハルたちがお金持ってたのでもっと取るつもりなの?


ナギたちも念話でもうバン!しちゃおうと言ってくるし


とりあえず演技しながら全財産だと言ってみるの


「あのお金は盗られないように隠してたの。宿のお金と干し肉買うお金なの。全部あげたからもうないの・・・」


しょぼんとするハルを見て門兵は更なる搾取することを諦め入る許可をする


「もういい。入っていいぞ。」


ハルたちは落ち込んだふりをしたまま町に入る。


門兵から見えなくなったところでハルはナギたちに話しかける


「上手くいったけどバックはこのまま隠蔽をしたままにしておくね。ここからは警戒しながら情報収集するのね。」


ナギたちは黙って頷く


ハル達が町の市場で行きかう人たちの会話から情報を集めた後、町の中央にあるバルサス教会に行く。


ハルたちは建物の近くで様子を見て話し合っていた。


『ここがバルサス教会凄い立派な建物だね。敷地も広いし教会以外もたくさん建物あるの。』


『ハルちゃん他の建物は教会の神官や巫女とバルサス教上級信者の宿泊施設みたい。』


『神官長クラスの人はこの敷地の奥にある大きな邸宅に住んでるみたいよ。そこにお気に入りの巫女や信者を呼びいかがわしいことをしてるみたい。』


『お姉ちゃんさっきの信者さんの話してるの聞いたら女神ハーメスト様って言ってたからこのバルサス教って女神ハーメストお姉ちゃんを崇拝してる!許せない!今わかってる事だけでもハーメストお姉ちゃん激怒なのに・・・』


『ハルちゃん教会の中に入って神官の話聞けばもっとわかるけど信者でない者は入れないし教会でお祈りするにはバルサス教が発行するお札を買わないとダメみたいね。』


『お札かぁ・・・いくらするんだろう』


『金貨5枚50万デル』


『はぁ?ばっかじゃない。そんなお金誰が払うかぁー』


ハルがプンプン怒るのをナギたちがなだめる


『はいはい落ち着いてそんなに怒ってたら周りから注目されるよ。』


『そうそう落ち着いて、教会の建物は魔道具か何かで気配遮断無理そうだから中に入らなくて周りの建物調べよこっちは気配遮断いけるから。』


ハルは頷きナギたちに周辺建物を調べるようお願いする


『ナギお姉ちゃん達は周辺建物お願いハルは気配遮断して教会建物の周りを調べてみる。』


『『わかった。』』


シュン


ナギたちが消えハルは気配遮断して建物の周りを歩いて回る


教会建物は厳重に侵入防止の魔道具が多数設置してあってハルはそれを見て呆れる


『この建物どれだけ重要な物あるの?あ!お金かぁ・・・お金たくさんあるから盗られないようにしてるんだ・・・もう破壊決定なの!』


ハルは戻ってきたナギたちからも話を聞いてバルサス教の破壊がハルの中で決定した。


ハルはナギたちにバルサス教皇国中央都市に行ってエルフの攫われた人を助けて教皇に神罰を与える事を話す


『ナギお姉ちゃんマギお姉ちゃんこのバルサス教皇国はダメ神罰与える。その前に中央都市の教会本部でエルフの人たち助ける。だからお姉ちゃん達力解放して!神速で一気に中央都市まで行くから』


『『わかりました女神ハルリアル様』』


ハルたちは馬車で12日かかる距離を10分で到着する


ここがバルサス教皇国中央都市なのね。


「ナギ!マギ!行くよぉ」


「「はい!」」


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