第234話ハルとペントランの冒険者ギルド

「転移!エメラルド。」


シュン


パッカパッカ


のんびりとした馬車の中ではエメラルドがシェリルとミシェラ王女二人と今後の事を話し合っていた。

そこに急にハルが転移してきたから狭い馬車の中はパニックになる


「「キャァーーー」」


「なんじゃぁーー」


「殿下こちらに来てください」


光が収まるとそこにはハルとナギ、マギの姿があった。


「転移は成功・・・わぁゴメンナサイなの」


エメラルドは会いたかったハルが突然目の前に現れ驚きのままハルを見つめていた


『ハル様・・・これは夢?でも目の前にはハル様がいる・・・』


二人の王女も目の前に立っているハルをただただ見つめていた。


ハルは黙り込むエメラルドたちに謝罪をし事情を話す


「エメラルド様シェリル、ミシェラ驚かせてごめんなさい。ハル自重するのやめてちょっと急いでたからエメラルドに会いに来たの。」


エメラルド王妃はハルを抱きしめる


「ハル様会いたかった・・・」


ギュー


ハルは3人に暫く抱きしめられた後野営地で話をする。


馬車の中からハルたちが現れた事に護衛のハリス剣姫とフランシス剣姫が驚くもハルが女神の力を使ったからと言ったら納得しハルの話に耳を傾ける


ハルは現状を説明しこれから四国の連合国でハルを補佐してほしいことを告げる。


「エメラルド。女神ハルリアルとして告げます。デルタポール国タンドリー国。グリーンウッド国。ヘルメスト国の妃殿下女王にハルの加護を与えています。

他の臣下の人たちもハルが魔力を認めた人はハルの魔力をあげて補佐について貰ってます。ハルの目的は勇者召喚の封印と召喚を行った国の処罰勇者の処罰です。

現在召喚を行った国はだいたいわかっていますが証拠がないので眷属のみんなに証拠を集めてほしいです。

後処罰が終わった後ハルはこの世界の回復治癒手段を増やす方法を考えてるのでそのことも協力してほしいです。」


野営地でハルの話を聞いてた剣姫たちはハルに懇願する


「ハル様どうか私たちにハル様のなさろうとしてる事とをお手伝いさせてください。」


ハリス剣姫がハルの前で跪き頭を垂れお願いをすると他の姫騎士達も跪き頭を垂れ懇願する。


ハルはエメラルドを見るとエメラルドは黙って頷く


ハルは跪く騎士たちの魔力を見ると全員がきれいな魔力をしていた。


「うん。みんな合格なのです。今からハルが魔力を与えるからしっかりと吸収してね。じゃいくよぉーえい!」


ハルは一人一人ハルの神力の入った魔力を与えていく。


それぞれ一瞬身体が光るとすぐ元に戻る。


「うん。成功だね。みなさん各自でステータス確認してね。これからよろしくなの。」


剣姫ハリスと剣姫フランシスが確認もしていないのに喜び叫ぶ


「ありがとうございます。ハル様のつながりを感じ身体も軽くなってます。」


「やったぁー身体が軽い!うりゃ!」


フランシスは一声叫び飛び上がると軽く10mを超え皆が驚く


「フランシス!凄いです。私も試してみよ。エイ!ブン!」


姫騎士ファイルが剣を勢いよく振りぬくと空刃斬が生まれ5m後方の大木を切り倒す。


ズン


皆身体能力が大幅に上がり各々確かめ喜んでいる。


皆が落ち着いてからハルは改めて話を始める。


「皆さんの能力はハルを助ける行動や困ってる人を助ける行動をする限り魔力は濁らず力は継続向上します。みんなよろしくなの。ハルはみんなと一緒にペントランの町に行ってそこから西の森を抜けバルサス教皇国に向かいます。そこから教皇国の本部に向かい内情を調べて穢れていたら教会を潰し教皇に罰を与えます。」


エメラルドがハルに質問する。


「ハル様どうしてバルサス教なのでしょうか?勇者召喚はあの国ではないはずですが・・・」


「バルサス教皇国は勇者と関係していて教会内で多くの信者でない女性を取り込んでいます。それが自ら進んでならいいけどそうじゃないとしたら誘拐行為なのです。それは絶対許されないです。だからハルは行くのです。エメラルドたちはできるだけ早く勇者召喚の証拠を見つけてください。

ハルはバルサス教皇国を調べて罰を与えたらすぐ戻って来るのでそれまでに協力して見つけてほしいの。

それと他の国に連絡してできるだけ多くの孤児を救って集めてほしいと連絡してください。こっちも重要なのお願いなの。」


エメラルドは頷き答える


「わかりましたハル様。召喚の件と孤児の件。お任せください至急対応します。」




ハルはこの後エメラルドと一緒にペントランの町に着くまで馬車の中で話をしペントラン冒険者ギルド職員がハルが来るのをずっと待ってるから寄ってあげてほしいとお願いされる。



「ハル様この後ペントランからすぐにバルサス教皇国に向かうのでしょ?できたらその前に少しだけペントランの冒険者ギルドに顔を出してほしいの。職員皆ハル様の事心配してずっと待ってるから行ってあげて、なんならハル様の持ってる薬草と回復薬とかも納品してもらって構わないからあそこなら皆わかってるから騒ぐことしないし、すぐ私に連絡くれるから問題ないから。」



ハルは頷きペントランに入りエメラルドと別れすぐ冒険者ギルドに顔を出す。


「うわー久ぶりなのぉ」


ハルは受付に行く前にナギたちを食堂の方で待っててもらう


「ナギとマギはあそこのテーブルに座ってジュースでも飲んでて多分受付に行くと騒がれると思うからちょっとだけ待ってて」


ハルは一人受付カウンターに向かった


受付ではハルの知らない受付嬢が丁寧に対応する。


「ようこそペントラン冒険者ギルドへ私低ランク受付のデニアと言います。お嬢様今日はどういったご用でしょうか?」


この人初めて見るけどなんかすごく丁寧でいいです。


「冒険者のハルなのです。今日は薬草を採取してきたので買取してもらいに来ましたの。」


ハルがデニアとやり取りしていると以前ハルの対応したキララとサブマスのパルムがハルを見て走って来る


ドドドド


「ハルちゃんだぁー!ずっと待ってたのよーいつ戻ってきたの!」


ガシ


「ハルちゃーん会いたかったーずっと心配してたんだからね。」


ガシ

ギュー


そこに他の職員も来てハルはもみくちゃにされる。


「ハルーーーグスッ」


ハルの事を知らないデニアは呆然と見つめる。


『何この子サブマスや主任たちもみんな涙流してる・・・』


ハルはペントランのギルドなら高品質の薬草と回復薬と丸薬を納品しても構わないとエメラルドに言われたのを思い出す。


『確かにこのギルドならハルが買取をお願いする品物で騒ぐことないと思うけど・・・この世界の回復薬はほとんどあのバルサス教皇国がほぼ独占状態だと言う事もわかった。だから下級ポーションでも値段が高い。ほんと許されないよ。薬湯作るのも許可証を持ってないとダメでその許可証もバルサス教皇国が認めないと許可が出ないって絶対おかしいよ。だからハルは孤児を育てて連合国内で薬や治癒できる者を増やす!』


何かあっても連合国があるから問題ないしね。


ハルはもみくちゃにされた後対応したデニアと再び話をする。他の職員たちは全員デニアの後ろで控えニヤニヤ嬉しそうにハルを見つめる。


ハルは採取した薬草とハルが作った回復薬ポーションと、薬湯、丸薬があることをデニアに告げるとデニアは表情変える事無くテーブルに出すように指示する


「買取をお願いするのはヒルシル草とアロエナ草とドクダミ草です。」


「わかりました。ここに全部出してください。」


「わかったの」


ドサドサドサドサドサドサ・・・・

ドサドサドサドサドサドサ・・・・

ドサドサドサドサドサドサ・・・・


デニアはバックから出てくる薬草を見て固まる


『え?』


ハルは何も言わないので次の行動に移る


「これがハルが作ったヒールポーションなの。」


コトコトコトコトコトコトコト・・・


「全部で30本あるの。次に重傷用ハイポーション5本なの」


コトコトコトコトコト


「次に病気用丸薬なの」


ハルのとんでも行動に慌ててデニアは止める。


「ちよっと待って!ハル様」


他の職員は嬉しそうに笑っている


「ハルちゃん相変わらずねぇ・・・」

「ハルちゃん前と同じ全然変わってない嬉しい・・・」

「アハハさすがのデニアも驚いて止めたね。」

「ほんと今まで何事も表情変えず対応してたのに完全にパニックになってるわね。」


デニアはハルのとんでも納品に完全にパニックになる


「え?ハル様?何この量・・」


ハルは普通に答えさらにバックから何かを出そうとする


「上級薬草なの。普通なの。後ね「ちょっと待って!」」


ハルは止められて文句を言う


「なんで止めるですか?まだあるのです。デニアさん全部出してって言ったの。」


「た・確かに言ったけど・・・何上級薬草しかもなんか高品質ぽいし・・・それに見たことない薬草にヒールポーションにハイポーション?もう何がどうなってるかわかないのよ!」


「ヒールポーションはヒルラナ草と魔力純水を魔力を流しながら成分を上手く混ぜればできるよ。ハイポーションはヒルシル草と魔力純水で一定量均一に成分を浸透させればできるの。」


「いやいやポーションの作り方の事じゃないわよ。ハル様の行動が異常なの!なんでこんなとんでもな物ばかり出てくるのよぉーーあなたおかしいわよ!キララ主任助けてぇーー」


デニアが助けを求めたことでキララとパルムに変わる


「ハルちゃん相変わらずね。とにかく薬草ありがとう喜んで買取するわ。」


パルムがポーションを鑑定してハルに話す


「はるちゃんこのポーション類は一応非常に預からせてもらうわね。代金は王家から支払われると思うからそれでいい?」


ハルはあっさり了承する。


「わかったの。それでいいの。お姉さんに会えてハル嬉しかったの。ハルまだやることあるからペントランにまだ戻ってこれないけど全部おわったら戻って来るからそれまでまっててなの。」


「わかったわ。ハルちゃんが戻ってくるの私たちいつまでも待ってるから気をつけるのよ。」


「わかったの。ハル行くからまたなのぉー」


ハルは職員とのやり取りを楽しんだ後ギルドを後にしてナギたちと西の森に向かった。







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