第232話ハルとナタリア女王

ハルたちは乗合馬車で2週間無事王都にたどり着く。


「ここがヘルメスト国王都シルフエルデアか・・・凄い大樹がいくつもある・・・森の国ダァ・・・」


森の声が聞こえてきそう・・・木の上にたくさんのツリーハウスがある森の町だ。なんか幻想的な風景・・・なんか落ち着くの。

でもあの大樹さん周りの木に栄養を分け与えて自分が元気なくなってるの。


ハルは町の中心に近い大きな大樹を見つめ歩いていくと大樹に抱き着く


『ハルに任せるの・・・』


ピト


ナギもマギもその様子を見守る


大樹を見つめながら歩き大樹に抱き着いたハルの行動を町の者も警備兵も何も言わず見つめる


すると風もないのに大樹の枝葉が大きく揺れ一部枯れていた枝も緑の葉が芽吹きキラキラ光だす。


『大樹の精霊さん今までよく頑張りました。ハルの元気分けてあげるから元気になってなのぉ』


ポワ~ン



その光景を見ていたナギたちはハルの力を改めて思い知った。


『うわーーすごぉーい!ハルちゃんてほんと女神様なんだって改めて思ったよ・・・あの大きな大樹が元気いっぱいになったもん』


『凄い凄い!枯れかけてたあんな大きな大樹が若い木みたいに凄く元気になってる。さすが女神様だぁ』


その光景を見ていた町の者達は皆跪きハルに祈りをささげる


「女神様が王都の神木の大樹様を救ってくださった。」


「女神様ぁー」


ハルが大樹に元気を注ぎ終わると満足したように大樹を撫でる


『これで大丈夫だね。』


ハルが大樹から離れるとその周りには数百人以上の住民が集まり祈りを捧げていた。

その中にはヘルメルト国女王ナタリアの姿もあった。


ハルは周りの光景に驚く


えーーなんでぇーー


ナギが近寄り説明する


「ハルちゃんが何も言わずいきなりあんなことするから私たちもビックリしたんだからね。それにこの国の神木を元気にさせたからこの町の人たちが集まってきてみんな祈り始めたのよ。あそこで祈ってる人たぶんこの国の女王様だよ。」


「えーー!」


「えーー!じゃないよ!ちゃんとみんなに説明してあげないと」


「わかった。」


ハルは声に少し魔力を込め話始める


「皆さん神木の大樹は元気になりました。だから安心してください。」


すると祈ってた者達は女王陛下の後ろに並び再び跪く女王陛下は民が跪いたのを確認してハルに向かって跪き話始める


「女神ハル様この度はヘルメルト国の神木を回復していただきありがとうございます。神木は環境が悪化し枯れるまで数十年と言われてました。ハル様が降臨されたことは森の精霊様から聞いていました。ずっとお会いしたいと思ってました。

まさかこのような奇跡まで起こして頂いてどのようにお礼を申し上げればいいでしょうか。ハル様ありがとうございました。」


全員が深々と頭を垂れる。


ハルは頭を上げて話を聞くように促す


「みんな頭を上げてハルの話を聞いてください。」


女王はじめ多くの者がハルを見つめる


うぅ・・なんか見つめられて恥ずかしいの


「あのハルはこの世界に目的があってきましたの。それはハルの母様創造神エアリアル様が禁止していた勇者召喚の儀式封印するために来ましたの。エアリアル様は凄く怒っています。勇者召喚は最終的にこの世界を滅びに向かわせるからなの。

ハルは他の国の人にもお願いしてるの。勇者召喚してる国とその情報を調べてと・・・だからこの国も手伝ってほしいの。あとハルはこの世界の回復治癒する手段を増やそうと思ってます。そのことも手伝ってほしいの。」


ハルの話を真剣に聞いていた女王ナタリアがハルに願い出る。


「ハル様私ナタリアはこの命ハル様のために使いたく思います。どうか私にもその手助けする末席に加えてくださいませ。」


あぁ女王陛下は森の精霊と意思疎通ができるんだ。なら協力者として問題ないかな?確か大樹からの情報では王女二人いるはずだけど・・・

どこにいるの?


ちょっと魔力大目に流して調べてみるかな


『サーチ!』


ん?これ何捕まってるの?10人ほどの女性とこの綺麗な魔力は王女様?・・・

何この大きな濁った魔力・・・なんか異質の魔力だけど魔人?じゃないまさか異世界人の勇者?


二人魔力消えた・・・転移?女性も半分以上減っている王女様二人はまだ無事みたいだけど急がないと転移で連れ去られる。急がないと・・・


「ナタリア陛下王女様はどこに行かれていますか?」


ナタリアはいきなり娘の事を尋ねられ驚き戸惑いながら答える


「娘ですか?二人共ヘルメスト国辺境のクルミアの町での収穫祭がありそちらに行っていますが・・・」


「今調べたら二人の王女様はその場所に現れた異質の汚れた大きな魔力の持ち主と対峙しています。すでに10人以上の女性がその異質の魔力の持ち主に転移か何かで連れ去られています。このままでは王女様も危険なの。ハルが救出に向かいます。連れ去られた者達もハルが助けます。女王陛下はここを守ってください。ハルに付いてきている護衛も残して行きますの。」


女王は護衛は連れて行くように願い出るがハルは拒否する


「ハルについてる黒薔薇部隊の皆さん!黒豹部隊の皆さん出てきてなの。」


ザザ・・


「ハルはちょっと怒ってるの。あっちはハルがやっちゃうの。黒薔薇さん黒豹さんはここを守ってなの。ここに来るかも知れないの。ここはキレイなお姉さんいっぱいいるから来ると思うの。あの汚れた魔力の人強いけどみんなで対処したら負けないの。」


「「「「黒薔薇隊了解!」」」」

「「「「黒豹部隊了解!」」」」


ハルは頷き女王に側に来るように言う


「ナタリアこっちに来てなの」


ナタリアはハルの前まで行き跪く


「うん。ナタリアも綺麗な魔力合格なのね。少し我慢するのね。」


ハルはナタリアの額に手を当て魔力を流し最後にキスをする


チュッ


「これでナタリアもハルの加護与えたからあいつら来ても大丈夫なの。後でハルのお願い言うからみんなと協力してなの。」


「はい!ハル様娘をよろしくお願いします。どうかお気をつけて・・・」


全員が再び頭を垂れハルはナギとマギの手を握る


「あの魔力の場所に・・・転移!」


シュン

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