第231話ハルと王妃ヴェニス
ハルたちを見送ったヴェニスはすぐに陛下に進言する。
「あなたすぐに大臣たちを集めて!私たちグリーンウッド国は全面的にハル様を支援する事を宣言して!影の部隊にハル様を陰からお守りするように指示して!ハルさまの目的の勇者については妾の黒猫部隊に情報を探らせます。」
「ヴェニスよまだ大臣たちの意見もまとめておらんのじゃぞ勝手に先走っては・・・」
ヴェニスが陛下を𠮟りつける
「陛下妾は女神様の眷属となり神獣種になりましたわ。その妾がお願いするのです。なんなら皆の前でハル様に頂いたこの力を解放してもいいのですよ。」
「わかった。すぐに招集をかける。」
国王は獣人国内の領地を治める長を集めハルの言葉をそのまま伝える。
集まった長の中には人族にかかわるのはよくないと消極的な者もいてなかなかスムーズにはいかなかった。
そこに大樹の精霊ドライアドが現れヴェニスも横に立ち女神の加護の一部神力を解放する
その神々しい魔力に全員がひれ伏す。
『私たちの守護精霊ドライアド様も女神様によって力を回復されました。それでもあなた達は協力しないとおっしゃるのかしら・・・このまま放置すれば女神様はこの世界が滅びると言われたのですよ。どうするのですか!』
「我々は女神様に協力する!」
「女神様のために」
ヴェニスは反応を見て満足し陛下を促す
「みなよく聞け我々グリーンウッド国は女神ハル様に従い勇者召喚を行う国を取り締まり断罪する!」
「「「おーー!」」」
ヴェニス達は話し合い国として全面的にハルを支援することを決めそれぞれ行動を起こす。
ヴェニスはエメラルドと連絡を取り合い今後の話を進め。国王は国内の特に人族と国境の近い町に警戒を強め警備を増やすように指示をする。
諜報部隊も勇者召喚について調べるため各地に散っていった。
ハル達はグリーンウッド国を出るまでは案内人に先導され迷うことなく森を進みヘルメスト国との国境までたどり着いた。
「ハル様私たちここまでなの。この先にヘルメスト国の国境門がある。チェックは厳しくない。グリーンウッド国とヘルメスト国仲良し問題ない。何かわかったらすぐ連絡する。」
「うん。シルレさんネルアさんありがとなの。」
ハルたちは再び3人となり国境門に向かって歩いていく
国境門では冒険者カードをチェックされそのまま何もなく入国できそのまま国境の町ナフタルアに入った。
ナフタルアは人口3000人程の町でエルフ族と獣人の割合はほぼ同じでエルフ族も獣人も仲良く暮らしていた。
『いいね。この感じエルフも獣人も上手く暮らしてる。これだよ差別がなく皆楽しそう・・・』
ハルたちは冒険者ギルドに向かいそこでデルタポール国ペントランまでの地図とルートの確認と盗賊などの情報収集もすることにした。
カラン
ここが国境の町の冒険者ギルドなんだ。凄いにぎやかだし併設されてる食堂も席ほとんど埋まってるし活気が凄い・・・
ハルたちはざわつく中受付カウンターで地図とデルタポール国ペントランまでの情報を尋ねた。
「ハルちゃんここはいつも通りナギが尋ねるね」
「うん。」
ナギは受付でブロンズのギルドカードを提出しこの国の簡易の地図とペントランまでの情報を尋ねる
「この国のギルドマップとデルタポール国ペントランまでの情報を教えてほしい。」
職員はギルドカードを手にしお辞儀をしカウンター下から1枚の地図を出しナギの前に広げる。
「ナギさまタンドリー国冒険者ギルドマップにございます。ここがヘルメルト国ナフタルアでここが王都シルフエルデアその先のここがヘルリアール、タンドリー国との国境の町でこの先の町がタンドリー国ペントランです。」
結構遠いなぁ・・・
「この町からですとヘルメスト国王都シルフエルデアを経由するのが一番早いと思います。王都までなら毎日乗合い馬車が出ています。もし乗られるならギルドでも乗車札を発行しますが一人銀貨8枚になります。」
ナギは冒険者ギルドが配置された地図をハルに見せる
ハル達は話し合い乗合馬車で移動することにした。
ハルたちはお金を払い乗車札をもらう
「では出発は明日の朝鐘2つに東門近くに大型の乗合馬車が止まってますのですぐにわかると思います。必ず乗車札を見せてください。」
ナギは頷きギルドを出る。
「ハルちゃんどうする?この町なら私たち獣人も文句言われることなく泊まれそうだし先に宿探す?」
「バックの中食料少なくなってるし先に市場に行って買い出ししてそれから宿探す。」
ナギはハルを間に挟みしっかりと手を握り市場に向かう
ハルは恥ずかしそうにナギとマギに言う
「ナギお姉ちゃんマギお姉ちゃんなんで手を繋ぐの?この町安全だと思うけど」
「マギはまだ人族は信用してないこの町にも少ないけど人族いるからダメ!」
「商品の受け取りはナギがやるからマギは絶対ハルちゃんの手を離さないでね。」
えーー!大丈夫と思うけどなぁ
ハルの気持ちを無視しナギたちは目的のものを買っていく。
ハルは自分たちが陰から守られてるのに気づき守ってる部隊をチェックし魔力を与える
『ハルを陰から守ってくれてるお姉さん達はみんな綺麗な魔力してる。合格なのぉー。ならこの人たちもこれから協力してもらうのね。ハルの魔力与えちゃうね。えい!』
ハル達をずっと付け狙っていた者達は買い物途中でハルを攫う計画を立てていたが、陰からハルたちを守る獣人黒豹部隊とヘルメスト国女王直属の黒薔薇隊によって阻止され捕縛される。
捕縛された男たちは町の警備隊に引き渡され背後関係を徹底的に調べられた。
ハルたちは人族の男たちが監視していたのを知っていたが陰から守る者達がいたため気にせず買い物を続け無事宿を確保し宿に入る。
☆・☆・☆・
黒薔薇隊のドナは無事ハルを守れたことに安堵する
ドナは協力してくれた黒豹部隊長と今回のハル様を襲撃しようとした者達について話し合い今後の護衛計画も話し合った。
「私はナタリア女王直属黒薔薇部隊隊長ドナだ。黒豹の事は陛下から聞いて共に協力するように言われている。此度の件助かった。まさかハル様を攫うような輩がいるとは思わなかった。これからハル様がどこに向かわれても我々はその動向を報告しお守りする。よろしく頼む。」
「あたいはモロモや黒豹言われてる影の部隊や。あたいらもヴェニス殿下から何が何でもハル様をお守りするように言われてたから気にせんでええで。ハル様の守りはあたいらも協力するよってこれからよろしゅうな。」
モルモがドナに呟く
「しかしハル様は凄い女神様やで、あたいらが警護してるのわかっててご自身の魔力分けてくれてはるんやから、ドナはんも身体が軽くなっとんのと違うか?
黒豹部隊にハル様の魔力に敏感な者がおってな任務中も悶えておったさかい聞いてみたら、ハル様がご自身の魔力を私たちに与えてくれてると言ってたんや。
それから意識してたら確かに魔力が与えられたのを感じてステータス確認したらびっくりやで!ドナはんも確認したら驚く思うでニヒヒ」
ドナはモルモに言われて確かに身体が軽くなってるのに気づきステータスを確認する
【名前ドナ・オステル】
種族 エルフ???
♀ 年齢??? 身長185㎝
LV.89(能力上昇20%+)
HP 11500 (+20%UP)
MP 18000 (+20%UP)
攻撃力 12000 (+20%UP)
守備力 5500 (+20%UP)
素早さ 28000 (+20%UP)
スキル 風槍LV.5 風刃LV.4 影纏LV.5 気配遮断LV.5
縮地LV.5
ユニークスキル 女神ハルリアルの鑑定眼(隠された物を見定める。人の真実を見極める)
称号 女神ハルリアルの護衛・召喚を監視する者(身体能力20%上昇)
『何これ・・・女神の鑑定眼?女神の護衛?監視する者?身体能力20%上昇・・・これで身体が軽いのか・・・しかしこれってほぼ女神様の眷属に近い存在よね。種族のところが???どういう事?ハル様の神力の影響?』
唖然とするドナを見て笑い出すモルモ
「アハハ驚いてるようやな。あたいも見たとき驚いたさかいな。ほんまビックリやったわ。多分このまま続けてたらあたいらも完全にハル様の使徒か眷属になれるで!」
この後ドナは部隊の者達を集めそれぞれステータスの確認をさせた結果全員がドナと同じ状況だった。
皆驚くもハルの影響で能力が大幅に変化したことを喜びハル様の眷属としてお守りすると騒いでいた。
ドナはこのことをナタリア女王に報告すると女王も喜び引き続きハルをしっかり守るように伝える。
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