第230話スズラン冒険者ギルド
ここが獣人国冒険者ギルド・・・
ハルはドキドキしながら冒険者ギルドに入る
そこは大柄な獣人が集まり活気にあふれていた。
うわー凄くにぎやかでみんな大きい・・・
受付カウンターも高くてハルなんか全然見えないし、クエスト貼ってあるボードも高いところにあるから取れないし何かいてるかはっきり見えないし
それにテーブル席の椅子も高いからハル登れない・・
ここは何もかもみんな大きいんだ・・・
マギ達に連れられて歩いてると黒豹族と虎人族の二人が絡んでくる
「おやおや珍しい白狼族とはねぇここは狩り専門の依頼が多いだ。お前ら採取専門の弱っちい種族の依頼はねえ!王都にでも行きな!」
「そうそうここはガキ連れてくるところじゃねえ!さっさと帰れ!邪魔だ!」
うわー何このガラの悪い獣人。他の連中も動いてきたしどうする?
ハルが考えてるとマギ達が小声で話してくる
『ハルちゃん大丈夫心配いらない多分こいつら排除される』
『あのカウンターから優しい魔力感じる。問題ない少し様子見る』
『え?でも他にもガラ悪そうな獣人集まってきたけど・・・』
「オラオラお前ら邪魔なんだよ。」
「ガキ!さっさと帰れ!」
ハルたちは完全に6人ほどの獣人に囲まれ完全に姿を隠される
『これって受付から見えなくしてボコボコにされるパターン?』
するとカウンターから大きな声がしてハルを囲んでいた獣人たちが慌てだす
「貴様らーーー!その魔力を感じて何も思わないのかぁーーー」
カウンターを飛び越え白、黒、灰色の大きな熊獣人が走って来る。その後ろに眼鏡をかけた狐獣人と狸獣人が歩いてくる
ドスドスドス
走ってきた熊獣人はハル達の前で片膝をつき頭を下げる
「「「失礼しました。女神様」」」
えーーー!なんでわかったのぉーー
彼らの挨拶でギルド内は騒然となり、この後歩いてきた狐と狸獣人の女性ギルドマスター達にハルを取り囲んだ者達は激しく叱責される。
「あなた達は精霊様から何も聞いてないんですか?私たち獣人は誰しも精霊様と契約しその恩恵にあずかり人間より高い身体能力が与えられていますよね。あなた達の契約精霊様は何も言わなかったのですか?」
「ゴルビー!ドアルド!バドン!どうなんです!答えなさい」
「「「・・・・・・」」」
ハルを取り囲んでいたものたちは急に全員項垂れ座り込む
3人の熊獣人は膝をつき頭を下げたまま動かず二人の女性獣人はハルに挨拶をし謝罪してくる
「女神さま私珀狐族タマモと申します。このスズラン冒険者ギルドの責任者をしています。この度はわがギルド所属冒険者が大変失礼なことをして申し訳ございませんでした。」
「妖狸族チマと申します。スズラン冒険者ギルド冒険者監督官です。この度は申し訳ございませんでした。ハルさまの神々しい魔力も感じない馬鹿がいるとは思いませんでした。」
項垂れ黙り込む者達を見てにやりと笑いタマモははっきりと告げる
「フフ・・まぁ当然か。女神様に暴言を吐き尊大な態度を取れば契約精霊様も怒るだろう。精霊の力を使えなくされて当然だ!」
マギが小声でハルに話す
『森に住まう獣人は何らしか精霊の力を得ています。彼らには精霊がざわついていたのわかってたはずです。それなのにあの行動は精霊様が怒るの当然です。』
項垂れていた獣人達は別の職員が来て別室に連れて行かれた。
ハルたちはたまたま寄っただけでさっきの事気にしてないからと言ったがタマモに達にお願いがあるから話だけでも聞いてほしいと言われ仕方なくタマモ達の後に従ってついていった。
応接室に通されたハルたちはタマモ達から改めて自己紹介と先ほどの謝罪を受ける。
ハル達も自己紹介をしギルドカードを見せる
「ハルです。一応冒険者です。」
「ナギです。ハルお姉さまの妹なの」
「マギです。ナギの双子の妹」
お互い挨拶がおわりタマモが改めて謝罪をしハルたちのサポートを提案する
「ハル様この度は改めて我がギルド所属冒険者があのような冒険者にあるまじき態度申し訳ございませんでした。」
「はい。謝罪は十分です。ハルたち気にしてませんので大丈夫です」
「それでハル様はグリーンウッド国には何か目的でもあったのでしょうか?」
タマモに目的を尋ねられハルは恥ずかしそうに答える
「アハハ実はデルタポール国のペントランに行こうとしてて道間違えちゃってこの大森林に来たの。だから森を抜けてデルタポール国に向かうつもりなの」
「それでしたらぜひ王都ポロロッカに行ってください。私たち獣人国王ハウエーレ様とヴェニス王妃殿下に会ってください。陛下も王妃殿下もハルさ間に会えるのを楽しみにしてらっしゃいます。」
えーー
一国の王がハルに会いたがってるって・・・ハルまだこの国に来た事ないのに・・・
ハルが不安がってるとチマが獣人国の事を説明しハルを安心させる
「ハル様私たち獣人族は国王様はじめ全て精霊様の恩恵にあずかっています。この大森林で精霊様に助けられながら生きているのです。その精霊様が私たちにこの世界を救う優しい女神様が降臨され助けを必要としてる国を巡ってると教えてくださいました。ですから陛下も王妃殿下もハルさまが来られるのをずっと待っています。ハルさまどうか安心して陛下に会ってください。」
チマの言葉に全員がハルに頭を下げる
「「ハルさまよろしくお願いします」」
はぁ・・・まぁいいかみんないい感じの魔力だし
「わかりました。ハルたちは王都に行きます。」
「ありがとうございます。では王都までこのシルレとネルアが案内しますのでよろしくお願いします。」
タマモは他に数人呼び寄せ王都まで先振れの冒険者を数名向かわせた。
二人はハルの前に跪いて挨拶する
「ハル様シルレと申します。よろしくお願いします」
「ハル様ネルアよろしく。」
ハルたちはタマモと少し話をしてから王都に向け出発した。
ハルたちは先行する高ランクの冒険者数十人が魔物を間引いたため途中襲われることなく2週間で王都ポロロッカに到着する。
ハルたちが王都に到着すると大歓迎され町中が大騒ぎになる。少しして王城から迎えの馬車が来て王城で国王と王妃と面会する。
ハルが国賓用の面会室に入ると部屋にいた国王と王妃その子供たちが跪き頭を垂れる
「女神ハル様グリーンウッド国を訪問していただきありがとうございます。精霊様に聞いてずっとお待ちしていました。」
ハルは国王が跪いてるのを見て慌てる
「こ・国王さまなんで跪ついてるの?やめてぇー普通にしてほしいの。王妃様も普通にしてなの」
ハルの発言で皆立ち上がる
「ではハル様失礼します。どうぞソファにおかけください」
ハルたちはこの後いかに獣人族がハルを待ち望んでいたかの説明を受ける。国王の後ろには宰相、国防、国務といった重鎮たちが立っていた。
王妃ヴェニスの横には可愛い王女が耳をピコピコさせながらハルを見つめる。
国王がハルに挨拶をし獣人国としてハルを歓迎する旨を伝えると王妃ヴェニスが熱く語りだす。
『獣人国はハルを歓迎してくれるのはわかったけど、なんかこの王妃さまちょっと怖い・・・ハルの事ずっと待ってたのわかったし下僕にしてほしいと懇願してくるしもうなんなのこの人・・・』
まぁ勇者召喚の事はエメラルド王妃達以外にも協力者いた方がいいしこれほど熱心ならハルの加護与えて眷属として働いてもらおうかな・・・
ハルは王妃を落ち着かせてからこの世界に来た目的を話協力を求める
「ヴェニス王妃落ち着いてなの!この国がハルを歓迎してくれるのわかったし。王妃様の思いもわかったから・・・
それでこの国の人たちにお願いがあります。皆さんがハルの事を思ってくれてるのでこの国の守護精霊大樹のドライアドにハルの加護?魔力注いでおきます。
何かあれば大樹の精霊を頼れば助けてくれます。」
ヴェニス達は頷く
ここからハルは神力を少し解放し女神モードで話を始める。
『皆よく聞いて!ハルリアルはこの世界の勇者召喚を封印するために来ました。異世界から人を召喚する行為は創造神エアリアル様が禁止しています。
異世界召喚は最終的にこの世界を滅ぼす結果になります。それを知らない国は自分たちの益になると思い込んでいます。
貴方たちにお願いするのはハルリアルが勇者召喚を封印した後再び愚かな行為をしないように監視してもらうことです。
すでにハルリアルに協力してほしい人にはハルの加護を与えています。この国にもふさわしい者に加護を与えるつもりです。
協力お願いできますか?』
すると王妃ヴェニスが立ち上がり答える
「はい!やります!やります!」
ハルはヴェニス王妃の魔力を見て問題ないと判断し加護を与える。ハルの目的を伝え他の国の王妃と連絡を取りながら勇者召喚の儀式を行わないように監視してほしいことを告げる
「ヴェニスあなたの綺麗な魔力なら問題ないでしょう。今からあなたにハルの加護を与えます。ハルの眷属として他の王妃と連絡をとり勇者召喚が行われないように監視してください。後現在の勇者の情報もお願いします」
ハルがヴェニスに近寄り額に手を当て最後にキスをし魔力を注ぐ
ヴェニスの身体が光に包まれヴェニスはハルの前に跪いて言葉を述べる
「女神ハルリアル様私ヴェニスはハルリアル様の眷属としてサポートいたします。」
「はい。よろしくなの。他のみんなも協力よろしくなの。」
この後ハルは暫く王妃達と話し合い数日王都滞在後ペントランに向け出発した。
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