第226話二人の王妃
ハル達が森で素材採取してる頃シェリル王妃は諜報部隊を使い勇者について調べさせていた。
さらにシェリルは姉と慕い信頼してる第一王妃ベルメラにハルとの事を全て話した。
「ベルお姉さまお話ししたいことがあります。よろしいでしょうか?」
ベルメラは真剣な表情のシェリルを見て黙って頷く
「ベルお姉様私ウエルシアを助けて頂いた冒険者ハル様にお礼をと思い二人で冒険者ギルドに行きハル様に会いました。ハルさまは私の身体を見て近寄られ私の身体に触れ治癒していただきました。
ご存じのように私の病は治らないと言われ余命も僅かでした。
そんな私の身体をハルさまは治癒されたのです。お姉さまハル様は間違いなく女神様です。私は女神ハル様に救われたこの命をこの先ハル様ために手助けしていきたいと思っています。」
ベルメラは嬉しそうに微笑みシェリルに話しかける
「シェリル貴方が元気になって本当嬉しいわ。病気を治して頂いた女神ハル様に私も感謝を伝えたいわ。本当よかった…」
ギュー
ベルメラはシェリルを抱き締める
「ベルお姉さまも一度ハル様に会って下さい。」
「そうね。私も何かお手伝いしたいとお願いするわ。とりあえず私は女神ハルさまの事を他国の王族婦人の方といろいろ話してみるわ」
「ベルお姉さま大丈夫ですか?女神ハルさまはあまり目立つような事を嫌うと伺ってますが・・・」
「フフフ貴方もわかるでしょ私のお友達の性格を、心配いらないからシェリルは貴方のできる事をやればいいわ。」
シェリルは頷き暫くいろいろ話し合い部屋に戻っていった
ベルメラはいろいろ考える
『シェリルの命はあとわずかだったはず・・・それが元気になりウエルシアと姉妹と言われてもおかしくないくらいまで若返ってまさに女神さまの奇跡ね。ほんとよかった・・・・
私が諜報部より得たあの冒険者が女神様・・・子供と多くの女性を助けた優しい方、まさに子供と女性の慈愛の女神様・・・
私の亡くなった最愛の娘の願いを叶えてくださる方、やっと私の願いが叶う。
女神ハル様私のこの命貴方のために捧げます。』
ベルメラは最愛の娘を病で亡くしていた。この国にはポーション職人はいても低レベルの者しかいなかったため隣国のバルサス教皇国の神官に治療をお願いしたがバルサス教の信者が優先で国内の流行り病の救済が先と言われ神官を派遣できないと断られ娘は5歳で亡くなった。
娘は亡くなる前に私にお願いをしてきた。
『かあさまメリは女神さまのところにいくけど、おねがいがあるの・・・
この国の子供が元気に暮らせるように・・・鞭とかでぶたれないようにしてほしいの・・・』
この子が元気な時にホルンまで行ったとき、途中の町で子供が路地隅で臥せっているのを見たり奴隷の子供を鞭で打ってるのを見てその事を思い出したのか・・・
『わかったわ。メリールあなたはまだまだここで頑張らないとダメよ。女神さまも怒るわよ』
『かあさま・・・メリわかってるから・・・ かあさま ゴメンナサイ・・・めがみ・・さまに・・キテクダサイ・・・オネガイ・・スル・・』
幼いあの子の願い・・・
『メリール。あなたの願いが届いて女神様がこの世界に来て下さったわ。あなたの願いを女神様に伝えるから見ててね。』
ベルメラは国家間で使う通信機を使い友好国の各王妃に連絡を取りいろいろ話し合っていた。
特にデルタポール国のエメラルド王妃が女神ハルさまに異常なくらい反応してすぐにでもこっちに来そうなくらい熱心に話を聞いてくれた。
ベルメラはエメラルド王妃に自分の女神様に仕えたいという強い思いを伝えた。
エメラルド王妃は嬉しそうにとんでもない提案をしてきた。
ヘルメスト国、グリーンウッド国、デルタポール国、タンドリー国この四国で婦人連合を作り女神ハル様についていろいろ情報を共有してお手伝いをするのはどうかと提案してきた
「どうでしょうかベルメラ様、女神ハルさまの事を共有しそしてできる範囲でお手伝いするための私たち婦人連合を作るのはどうかしら、ヘルメスト国、グリーンウッド国それぞれ妃殿下にも連絡して賛同いただいています。」
「それは素晴らしいです。私もシェリルも参加させていただきます。」
「ではヘルメストとグリーンウッド国には私の方から伝えておきます。できるだけ早い段階で話し合いを持ちたいと思ってますのでよろしくお願いします。それではこれで失礼します。」
あのエメラルド様の感じはシェリルと同じね。ハル様の加護かなにか頂いている?羨ましい・・・私もお願いしたら頂けるかしらハル様・・・
☆・☆・☆・
エメラルドは突然のデルタポール国からの通信に驚き歓喜した。
行方が分からなかった女神ハル様がタンドリー国にいるのがわかったのだ。
それにハルの目的もわかったから喜びも倍増していた。
『女神ハルリアル様の眷属としてやっとサポートできる。こんな喜ばしいことはないわ。前から思ってた婦人連合を作りハル様を全面的にサポートいたしましょう。すでにヘルメスト国のナタリア様グリーンウッド国ヴェニス様に話をし、お二方共かなり喜んでいましたから問題ないでしょ。早速残り2国に連絡をしないと・・・』
エメラルドがヘルメスト国女王ナタリアに連絡を取ると遅いと文句を言われナタリアお抱えの魔道具技術者に4か国間で同時に話ができる魔道具を開発したから高ランク冒険者にそちらに運ばせるから対応よろしくと言われる
『エメラルド様連絡遅いですわよ。私が女神さまの情報をどれだけ待ちわびたかご存じですか!待ちきれなくて私の魔道具師に新しい通信機を作らせました。これなら4か国同時にお話ができますわ。高ランクの冒険者に依頼していますので受け取りよろしくね。』
エメラルドは笑いながら答える
『フフフ相変わらずね。ナタリア様は、わかりましたちゃんと受け取りますから、それと女神ハル様はタンドリー国にいます。ハル様がこの世界に来た目的もわかりましたので、通信機が届き次第そのことについて4か国でお話ししましょう。』
『それは楽しみですわ。それでは通信機が届いたら連絡ください。楽しみにしてますわ。』
ブツ
通信が切れエメラルドは微笑む
『ほんとこれから楽しみです。後はグリーンウッド国ヴェニス様か・・・あの方元気すぎて困るのだけど・・・はぁ 』
エメラルドはグリーンウッド国ヴェニス様に連絡を入れる
『ヴェニス様エメラルドです。ごきげんよう・・・』
ヴェニスは独自に森の精霊からこの世界に女神が降臨してる事を知らされていたため諜報に長けた黒猫獣人に探らせていた。
黒猫獣人の情報で女神様らしき人物は特定できたが途中行方が分からなくなったと報告を聞いて焦っていた。
そこにエメラルドからの通信が入り不機嫌な態度で接してしまう。
『なんだエメラルドか、なんだ?やけに嬉しそうだが、こっちはいろいろあって忙しいんだ。またにしてくれ!』
エメラルドもヴェニスがハルを捜してるのを知っていたためわざとらしい態度をとる
『あらヴェニスそんなに忙しいならこの話は私たち3国で話し合うわ。せっかく可愛い女神さまの居場所と目的がわかり皆でそのことでお話をと思ってたのにざぁーんねん。じゃまたね』
『ちょーーっとまった!』
『あら忙しいんでしょ?』
『ごめんなさい。エメラルド姉さまお願いあたいも仲間に入れて!女神さまに会いたいの・・・』
エメラルドは態度の変わったヴェニスに微笑み答える
『フフフわかったわ。可愛い妹の思い叶えてあげます。たぶんそちらにももう少ししたらナタリアお姉さまの通信機が届くはずです。その通信機は4か国で同時に会話ができる優れた物だそうよ。その通信機が届いたら女神ハルさまについて4か国婦人会議で話し合いましょうとの事よ。よろしくね。』
『わかったのじゃ。』
ヴェニスは嬉しそうにしその後も少し雑談をして通信を終える。
エメラルドは通信を終えて立ち上がり部屋を出る
『じゃ私も行動を起こしますか、女神ハル様の眷属として、まずはペントランの冒険者ギルドね。』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます