第225話ハルの思いと目的


ハル達はギルドの食堂に向かいベルメゾンは職員に引き継ぎ業務のため執務室に向かった。


その後ハル達はベルメゾンが戻るまで食堂で周りの冒険者からいろいろ情報を集める。ベルメゾンが執務を終え食堂にいるハルを連れギルドの用意した宿に向かう。


ハルは獣人への差別行動を確認するため姿を戻さずナギ達と同じ白狼族の姿で移動する。


ベルメゾンが移動しながらハルに話しかける


「ハルちゃん何故お姿が獣人のままなのですか?」


「獣人への差別がどんなのか確認するためなの。心配しなくても暴力や暴言諮れても処罰したりしないよ。

でも勇者の事もあるしハルの事もバレちゃったから、一度国の偉い人に会って話ししょうと思ってるの」


ベルメゾンはハルの言葉に頷き答える


「そうですね。そうされた方がいいと思います。王妃殿下からも国王陛下に伝えられてると思います。」


「だよねぇ偉い人から何か言って来たらちゃんと会います。それまでナギ達とクエスト受けたりしてます。」


「わかりました。でもハルちゃんお姿が獣人ですのでくれぐれも注意なさってください。」


ハル達はベルメゾンと話しながら歩いてても不快な視線を浴びているのを感じていた。


ハルは念話でナギ達に話しかける


『ナギ、マギいくら身体能力上がったからといって油断したらダメだからね。

嫌な視線感じてるでしょ。』


『うん。いっぱい感じる。』

『奴隷商人の仲間の人達何人かに見られてたよ。』


ハルは二人に何かされそうになったら能力は解放していいからと伝え宿に入る。


宿はあらかじめ連絡してくれていて受付や案内の従業員は普通に接してくれ、ハル達は問題なく部屋に入る。


ベルメゾンが部屋でハルにこの町での事を説明する


「ハルちゃんちょっと聞いてくれる。」


ハル達は頷きベッドに並んで座りベルメゾンを見る


「ハルちゃん達が町にいる間は私達ギルド職員が交代で陰から行動を見守ります。

ハルちゃん達は気にせず自由に行動して下さい。」


「わかったの。」


「毎日とは言いませんができればギルドの方にも顔を見せて下さい。

素材の事もありますのでできれば3日以内に来ていただければ嬉しいかな…

他の子達もハルちゃん達に会えるの楽しみにしているから。」


ナギ達が嬉しそうに返事をする


「はい!絶対行くよぉ」

「うん!行く行くぅ」


「アハハ…じゃ待ってるから、ハルちゃん私はこれでギルドに戻ります。何かあったらすぐにギルドに来てね。」



ベルメゾンは部屋を出て行く。


ハルはこれからの事を二人に話す


「二人共これからの事話すね。」


「「はい!」」


ハルは二人にまずこの国の偉い人と会ってハルの目的を話し協力して貰う事。

子供達や奴隷制度についても少しお願いをする事。

ハルが来た目的勇者召喚をやめさせ封印する事。

今後禁止した勇者召喚の監視をお願いする事。


等を話し二人は黙って頷いていた。


「情報集まったら、勇者召喚やってる国に乗り込んで封印と勇者の捕縛しないといけないと思うから、二人共能力強化するからね。」



「うん。頑張る。」

「ハルお姉ちゃんを勇者から守る!」



「アハハ…よろしくね。後情報集まったら一度ハルが最初に行ったペントランの町に行くから、あそこはハルの好きな町なの。」


二人はハルが好きな町と聞いて嬉しそうに跳び跳ねる


「お姉ちゃんの好きな町行ってみたい!」

「うん!行きたい!」



「フフフじゃ明日もいろいろ動くから身体綺麗にして寝ようか」


「「はい!」」



・・・・・・・・


次の日朝早くハル達が宿を出て門に向かう。


「今日は森で薬草を採取します。ハルが作った回復ポーションがほとんど無くなったからなんだけどアハハ」


歩きながら二人がハルに話しかける


「お姉ちゃんポーションってナギ達にも作れるかな?」


ハルは二人を見て話す


「二人共に身体強化に特化しているからポーション作りは難しいかな。

ポーションは鑑定スキルと薬師のスキルと錬成スキルの3つのスキルが必要だからね。

たぶんこの大陸に数人しかいないんじゃないかな…」


「そうなんだ…だからポーションって高いんだ」


「だからハルのもう一つの目的は孤児の子供達を保護して、この世界に少ないポーション作れる人や、魔道具作れる人を増やそうと思ってるの。」


ハルはこの世界に来てやる事は勇者召喚を封印して神界にすぐ戻るつもりだった。

でも短い間にいろいろ見て回ってそれだけではダメだと種族差別や奴隷の問題などいろいろ思ったが、それは種族の人たちに任せて病気や怪我の治療方法を何とかしたいと思い行動を変えることにした。


ハルは今まで訪れた町やギルドで得た情報から王都や領都等大きな町以外の地方の町では、孤児を保護する施設がないことがわかった。

それで孤児をちゃんとした施設に保護してでできればその中からポーション等を作れるように教え、高額なポーションを一部の特権階級だけが入手できる今の状態を変えたいと思った。


『ナギやマギの情報、ギルドの情報からこの世界は一部のお金持ちや貴族等の特権階級しかポーション正規品が入手できない。平民や貧乏人は粗悪なポーションや治る見込みが少ない薬湯等に頼っている。この国の王妃様が勇者情報も教えてくれそうだし後はその国に乗り込んでハーメスト姉さまにお願いして強制的に封印その国に罰を与えればおしまいだから、先に孤児を保護するようにいろいろお願いしなきゃだね。』


ハルはまず孤児の子供達の保護するこれが密かにハルの優先する事になっていた。


ハルはナギ達に声をかけ走り出す


「じゃ薬草採取に出発ー!」



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