第224話ハルとウエルシア王女
ハルが悩んでるとナタリーが話しかけてくる
「ハル様心配いりませんよ。第二王女のウエルシア様とシェリル王妃様は素晴らしい方ですからハル様が思ってるような事にはならないとおもいますよ」
ハルはすぐに広範囲で魔力探知して、その王族が問題ないのはわかっていた。
それにハルは会うつもりでいたのだった。
さっき探知してわかったのは一人凄く弱々しく今にも消えそうな位の生命力を感じた。
『一人の人かなり弱ってるのにお礼を言うためだけ来るなんて…こんな貴族もいるんだ。
会って見て助けてあげるか決めてもいいかな…』
マギも素材を出すのをやめハルの後ろに下がる。
ハルもナタリーの話を聞いて一緒に行くことを伝える
「ナタリーさんハル達その人に会うので案内してください。」
ナタリーはさっきの職員にギルド会議室に案内するように命令して、ハル達について来てくれるように促す。
「ペリエ先に行ってシェリル王妃殿下達をギルド会議室に案内しなさい!私達はここをかたずけすぐに会議室に向かう。」
ペリエは一礼して部屋を出て行く。
「わかりました。ハル様失礼します。」
ナタリーが職員達にマギが出した素材を保管ケースに入れるように指示してハルを連れて会議室に向かう。
ハル達が会議室に入ると先に待っていた王女一行が席を立ち上がりハルに一礼する。
ハルはその行動に驚きすぐに止めるように言う
え?確か王族だよね。何て人達なのハルは平民の冒険者なのに…
「あの!やめて下さい。ハルは平民です。王女様が頭を下げるなんてダメなのです!」
カエラシールが頭をあげ王女と王妃を紹介するも二人は紹介するまで頭をさげたままの状態でいる。
「こちらの方が第二王女ウエルシア様のお母様の第二王妃シェリル様、その隣にいる方が今回ハル様に助けて頂いたウエルシア様です。」
二人は名前を呼ばれ顔をあげ挨拶をする
「第二王女のウエルシアと申します。この度は私と従者、護衛の命を救って頂きありがとうございます。」
「ハル様ウエルシアの母シェリルです。この度は娘の命を救って頂きありがとうございます。病を患っているのでこのようなみすぼらしい姿で申し訳ございません。」
ハルは二人を見て驚く
うわー人間でここまで魔力が綺麗な人初めて見たのね。
ウエルシア王女も凄いけど、特にシェリル様が凄い…
この人死なせたらこの世界ダメになるんじゃない?
『そうだ!ハルのいなくなった後この王妃様もにもいろいろお願いしよ。この人なら大丈夫なのね。病気治して全回復させてあげて加護を与えれば問題ないのね。』
ハルが二人を見て考えてるとナタリーがハルに話しかける
「ハル様どうかしましたか?」
ハルはナタリーに言われて気がつき王妃に話しかける
「ハルはあの場所にいたから助けました。当然の事しただけだから気にしないで下さい。
それより王妃様病気なのに…
ハルは平民なのにわざわざ来てくれてありがとうございます。」
王妃は病が悪化したのかふらふらして倒れそうになり侍女に支えられる。
「ハル様大切な娘の命を救って頂いたのです。母としてお礼が言いたかったのです。
見ての通り私はあと少しの命です。
せめて最後に母として行動したかったのです。」
ハルは王妃を見つめる。
『やっぱりこの人は凄いのです。ハルの加護を与えるのにふさわしい人なのです。』
ハルは周りの人にお願いをする
「あの…今からハルがする事は秘密にしてほしいのです。」
ナタリーもベルメゾンも頷きハルを見つめる
シェリルもウエルシアも頷き二人の侍女もシェリルを支えながら頭を垂れる
ハルはシェリルの前まで行き呟く
「ハルを信用して全てを受け入れるのね。」
ハルはシェリルの手をとり魔力を流して行く。
暫くしてシェリルは光に包まれていく。その様子を見てるウエルシアや侍女ナタリー達はハルに祈りを捧げるように跪き頭を垂れる
シェリルはハルから流れてくる魔力に包まれ一瞬意識をなくす。
『シェリル聞こえますか?今から貴方の身体を治して元の元気な身体にします。
そしてあたし女神ハルリアルの加護を与えます。新たなスキルも授けます。この力でこの世界の人を救って下さい。
女性や子供には効果が大きく悪い心の人には効果がありません。』
『………』
シェリルの身体がハルの魔力に染まり身体から病の毒素が抜け身体も大きく作り変えられ、十代の頃のような肌に変わる。
スキルも状態異常無効等身体を害する物から守るスキルも付与される。
慈愛の回復という独特のユニークスキルも付与され、シェリルは若々しくなって生まれ変わる。
『シェリル貴方には私と話のできる念話もさすげますので、何かあればあたしを思い浮かべて話しかけて下さい。』
全てが終わるとシェリルの身体に光が吸収され若々しい姿を現す。
ハルはシェリルを見つめる者達に回復が終わったことを告げる。
「シェリル様の病は完全に完治しました。皆この事は人に言わないで下さい!ハルのことも秘密です。絶対なのです。」
皆シェリルのあまりにも変化に驚きただ頷くだけだった。
一番驚いているのがシェリルだった。
「なんか夢でも見てるみたいです。病気も完全に完治し、身体も若返るなんて…
信じられない…嬉しい…
ありがとうございます女神ハルリアル様」
ハルは女神呼びされ焦る
「シェリル王妃様ダメなのです。ハルと呼び捨てするの。」
ウエルシアも侍女達にギルマスのナタリーもベルメゾンもハルの前に跪き両手を胸の前でクロスさせてハルを見つめる
「もう!ウエルシア王女様ナタリーさんベルメゾンさんそれにお姉さん達も祈るの禁止なのね。」
ウエルシアは嬉しそうに話しかける
「ハル様がほんとうに女神様だとは知らず申し訳ございませんでした。私の事はどうぞ呼び捨てでお願いします。」
何を言ってるの!そんな事したらどうなるか…
ヤメテ!そんな事!
ハルはもう一度注意して勇者召還の事を尋ねる
「そんな事出ません!ハルがこの世界に来た目的は異世界からの勇者召還を止めさせ封印する事です。
その事をサポートして貰うのとその後の事をお願いしたいのでハルの条件にあったシェリル王妃様を回復させて力を少し与えました。
この事は絶対言わないでほしいです。後勇者召還の情報あれば教えてほしいのです。後ハルが女神だという事も秘密なのです。」
「………絶対言わないです。」
「………申し訳ございません」
「………調べてからお伝えいたします。」
これはダメだぁ…
ハルはまだ緊張している者達にいろいろ話しかけ緊張をときようやくナタリー達が普通に話すようになる。
シェリル王妃がハルに話しかける
「ハルちゃんと呼ばせて頂きます。勇者召還についてはいろいろと情報がございますので急ぎ城に戻り整理してカエラシールに届けさせます。」
おお…
やっと勇者召還の情報が手に入る。
「わかったの。シェリル王妃様ありがとうなの。」
ハルもシェリルに話す
「シェリル王妃様にスキルの事少し話しておくのね。シェリル王妃はハルの魔力に染められてるので今凄く魔法を使うのが難しいの。
少しずつ魔力を使って慣れるしかないのね。」
シェリルは頷く
「ハルちゃんありがとうございます。」
「そうだ!ウエルシア王女も凄く魔力綺麗だったからシェリル王妃のお手伝いできるように少しハルの力授けるのね。こっち来て!」
ハルはウエルシアの手を握り魔力を流して行く。
ウエルシアも同じように光に包まれハルが念話で話す
『ウエルシアにもハルリアルの加護と慈愛の守りのユニークスキルを授けます。シェリルを助けこの世界をよろしくお願いします。』
光がウエルシアの中に吸収され雰囲気も一気に変わる。
シェリルが嬉しそうにウエルシアを抱き締める
「ウエルシア二人で女神様から授けられた力をこの世界のために正しく使っていきましよう。」
「はい!お母様」
二人はハルの前で跪き一言言って部屋を出ていく。
「「女神ハルリアル様失礼します。」」
ナタリーもハルの前に来て話しかける
「ハル様私はこれで話させて貰います。私の方でも勇者召還について調べて見ます。明日今日の査定の事もあるので、ギルドにお越しください。」
ベルメゾンはギルドの手配している宿の事をハルに伝える
「ハル様私もまだ慣れませんができるだけ今まで通り接するようにしますのでよろしくお願いします。
先程の宿の件ですが、少しお待ち下さい。業務を引き継ぎ次第私が案内いたします。」
ナギがベルメゾンに話しかける
「ナギ達王都の町わかるから場所教えてくれたらいいの。」
ベルメゾンは首を振り答える
「ナギ様大丈夫です。すぐに終わらせますので、それに宿に行って宿の者が失礼なことするかも知れません。」
ナギはすぐにベルメゾン気遣いに気がつく
『あっそっか!ナギ達だ…私達獣人への差別行動を気にしてくれてるんだ…
ほんとうに優しい人なんだ。こんな気持ち初めて…』
ハルも気づいてお礼を言う
「ベルメゾンさんありがとうございます。ゆっくりでいいので待ってますから…」
「じゃあハル様達はギルドに併設されてる食堂で少しお待ち下さい。終わり次第すぐに向かいます。」
「「はい!」」
バタン
ハル達はギルドの食堂に向かいベルメゾンは職員に引き継ぎ業務のため執務室に向かった。
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