第223話ハルとギルド職員
ハルはギルドの職員達から溢れる魔力に穢れがなく、職員達の態度もハル達に対する対応から信頼ができると判断し心をゆるす。
『なんかこの人達凄くいいのね。ここを拠点に勇者の事調べるのもいいかも。』
ハルはナギとマギに念話で話しかける
『ナギ、マギよく聞いてこの冒険者ギルドの人達全員凄くいい人達なのね。
だからナギもマギも安心するといいのね。
ハルはここを拠点にしようと思ってるから、ここで倒した魔物を買い取って貰うのね。』
ナギとマギは頷く
「ハルお姉ちゃんここならあのバックから魔物出していいの?」
「うん。ここなら大丈夫そうだから、ハルも出すつもりだよ。」
ハル達はベルメゾンにた尋ねる
「ベルメゾンさんハル達魔物討伐したのあるんだけど、ここで買い取ってくれますか?」
ベルメゾンは微笑み答える
「はい!喜んで買い取りさせて頂きます。案内しますのであちらでお願いします。
ミラノとタニアカウンターではなく裏の素材置き場に連れて行って対応してあげて!」
名前を呼ばれた職員は嬉しいそうにハル達の前に来て案内する。
「ハル様ナギ様マギ様ミラノと申します。宜しくお願いします。では案内しますのでついて来て下さい。」
「タニアです。私もお手伝いさせて頂きます。」
ハル達は二人にギルドの素材置き場に案内される。
ハル達はかなり広い場所に案内され戸惑う。
『これってAランクやBランクCの魔物出して大丈夫って事?騒がれたりしないのかな?』
ハルが考えてるとそれを察したようにミラノがハルに話しかける。
「ハル様このギルドでは全面的にハル様に協力しますので、何も心配はしなくても大丈夫です。」
ハルは二人を見て頷く
「わかったの。ハルも倒した魔物出すから、ナギ。マギ。バックから倒した魔物全部出すの。」
二人は頷きバックから倒した魔物を出して行く。
「「わかったの」」
二人はBランクやCランクDランクの魔物ブラックウルフやレッドベアやグランドワーム、ブラックオーク、オーク等次々出していく。
ドサドサドサドサ…
「これでナギの分は全部なのね。」
タニア達は一瞬固まり呟やく
『え?何この量…しかも全部解体されている…』
『嘘でしょ!全部Dランク以上じゃない!もしかして全員マジックバック持ち?』
二人が何も言わないのでマギがバックにてをかける。
「じゃ次マギね。」
タニア達は慌てて止める
「ち・ちょっと待ってマギ様!もしかして同じ量を出されるのでしょうか?」
「そうなの。お姉ちゃんはもっと多いよ。」
それを聞いてミラノが一言言ってその場を離れる。
「マギ様ハル様応援を呼んで来ますので少しお待ち下さい。」
ミラノが出て行くのを見てハルがタニアに尋ねる
「あの素材ナギのだけでいいけど、なんか大変そうだし…」
タニアがハルに頭を下げ懇願する。
「ハル様今ギルドは改革により冒険者が不足してあらゆる素材が不足しています。
どんなに多くても構いませんので、是非皆様の素材を買いとらせて下さい。宜しくお願いします。」
ハルはあまりにも対応に丁寧な対応に驚き返事をする
「わかりました。応援の人達来たら全て出します。」
暫くしてギルドマスターのナタリーがベルメゾン達職員を従え入って来る。
その中の一人がナギのだした大量の素材を見て大きな声をあげる
「こりゃすげえー!これだけの量がここに並べられるのはこの冒険者ギルド始まっていらいだろ!」
ビクッ!
ビクッ!
ビクッ!
ハル達3人は大きな声に驚きナギとマギはハルに抱きついて男を睨み付け警戒する。
ぅぅ…
ぅぅ…
驚き警戒する3人にナタリーはすぐに謝罪し大声をあげた解体職員のギャレットを叱りつける。
「ハル様ナギ様マギ様驚かせて申し訳ございません。ギャレットも謝罪しなさい!」
大柄な男はハル達の前に来て謝罪をする
「すまねえ!あんな素材の山見たの初めてだから興奮して声をあげちまったんだ。ごめんなお嬢ちゃん達」
2M超えるような大きな男がペコペコハル達に頭を下げる姿をみてハル達は思わず笑ってしまう。
「アハハハ…謝罪受け取りましたの。もういいですよ。」
ナタリーがハルに尋ねる
「ハル様お聞きしたいのですがよろしいですか?」
ハルはギルド長の言葉に少し警戒する
『ん?なんだろう…』
「ハル様そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。お聞きしたいのは解体の事です。
私も長い事ギルドにいますがここまで綺麗に解体されたのは見たことがありません。
希少な部位まで綺麗に解体され本当に素晴らしいです。
これはどなたがされたのでしょうか?」
ナギもマギも即答する
「ハルお姉ちゃん」
「ハルお姉ちゃん」
大柄の魔物の解体を得意とするギャレットと小型の魔物解体を得意とするモカフレアがナタリーの横に来てハルに懇願する。
「ハルのお嬢ちゃんよ俺にコツを教えてくれないか!俺もここまで見事な解体されたのを初めて見て感動してるんだ。」
「ハル様私も同じよ。本当に見事な解体だもん。ハル様の解体が100点としたら、私達はよくて70点ってところ…
まずこのレッドベアよ。ここまで細かく解体できない。
レッドベアは外の毛皮は非常に硬く中の身は死ぬと魔力が抜けめちゃくちゃ柔らかいから解体がまともにできないのよ。
どっちかがダメになるのよ。
どうやったらここまで解体できるのですか!教えてください。」
うわーこのお姉さんめちゃくちゃ熱く語ってる。
「わかったの」
ハルは一言言って刃渡り30cmのナイフを出して二人に見せる。
「解体はこのナイフで全部やったの。」
ギャレットとモカフレアがハルがナイフで解体した事に驚く
「はぁーーー!マジかよ!」
「えーー!どうやったらそんなことできるんですか!」
二人がハルにぐいぐい迫る
「お嬢ちゃん!コツだ!是非俺にコツを教えてくれ!頼む!」
「私もお願い!どうやるのか教えて下さい!ハル様!」
そんな二人を見てギルド長のナタリーが落ち着くように諌める
「二人共少し落ち着来なさい!ハル様が引いているではないか!一旦下がりなさい!」
二人はハルに謝罪してギルド長の横に並ぶ
ハルは微笑みながら答える
「コツ教えるの問題ないので教えるのでいつも解体する道具持って来て下さい。」
二人はすぐに道具を取りに行って戻って来る
二人には呼吸が乱れたまま話しかける
「はぁはぁ俺はこれだ。」
「はぁはぁわたしはこれよ」
ハルは見てすぐに答える
「これは力任せに切るならない問題ないけど、綺麗に解体はできないのね。」
二人は尋ねる
「どういう事だ。わかるように説明してくれ」
「綺麗に?どういう事?」
ハルは実際に解体してあるバーストボアの部位を取り出して、二人の道具を使って切ってから説明する。
「一番は断面です。切り口が少し荒くなってます。これではこの肉の組織が潰れ旨味が半減します。」
二人はマジマジと見比べる
「例えばこの部位を切断するのはココ!ナイフに魔力をほんの少し流し軽く…」
スーー
ストン!
部位が綺麗に切断され二人は驚く
はぁーー!
えーー!
「どうなってるんだ!ありえねぇー」
ハルはモカフレアの手を取り大きなベアの腕の部位にナイフを当てる
「よーく見て全ての部位にナイフを当てる目があるのです。これはココ!モカフレアさん軽くナイフに魔力流して切って下さい。」
モカフレアは言われた通りにやって見る
スーー
ストン!
「嘘!ほんと力いらないんだ…」
ハルは簡単に説明する
「魔物を解体する時それぞれの部位に切断できる目があるんです。そこに魔力を馴染ませやすい刃物で魔力を流して全体にコーテイングするようにして軽く力を入れるだけで切れます。このように」
スーー
ストン!
「二人の刃物は魔力を馴染ませにくいみたいなので、ハルのナイフをあげます。
これなら魔力を流しやすいから簡単に切れます。」
二人は大喜びしてハルからナイフを受け取る。
「うぉーー!お嬢ちゃんありがとな。」
「やったぁー!ハル様ありがとうございます」
ハルは喜ぶ二人を見ながらナタリーに話しかける
「ナタリーさんマギとハルの素材ここに出していいですか?」
ナタリーは先に出してあるナギの素材を確認して保管場所に運ぶように命令する
「ハル様少し待って下さい。ベルメゾン先に出してもらった素材を確認して保管庫に運ばせてくれ。」
ベルメゾンは頷き一緒に来た職員に命令する
「ボドラ、ブルートス、キエーラは素材を確認して保管庫に運んでくれ。他の者は待機してマギ様の出す素材の確認、終わり次第保管庫に運んでくれ。
手が足りなければ応援を呼んで速やかに対応してくれ。恐らくハル様はかなりの数を持ってるはずだ。」
ハルはベルメゾンの推測に感心する
『へぇーこの人凄く仕事が出来る人なんだ。丁寧だし威張らないし。ここなんかいいのね。』
ナタリーが素材置き場がかたずいたのを見てマギに声をかける
「ではマギ様素材を出してくれますか」
マギは頷きバックから次々と出していく。
ナギが狼や熊、猪が多かったが、マギはハチや蟻、蜘蛛といった物が多くその数は1万以上バックの中に解体されてあった。
それがどんどん出されるので、広い解体場所が埋めつくされていく。
職員が驚きナタリーが一時ストップをかける
ドサドサドサ・・・・
「ち・ちょっと待ってナギさま!」
マギは出すのを止めてナタリーを見る
「ほぇ?もういいですか?」
ナタリーは自分たちの考えの甘さを反省する
『ダメだ!この子達とんでもないわ。さっきのナギさまの素材見て気づくべきだった。
ここまですでに1万近い素材が出されている。
まだまだ残ってる見たいだし、ハル様の分がまだ出されていない・・・肉などの傷む素材は冷却魔道具が足りない・・・
それに倉庫もハル様の分が受け入れられない。ギルドにあるマジックバックの収納容量もここにあるのは入れる事できないぞ!どうする?』
ハルが考え込むナタリーを見て話しかける
「ナタリーさんハルたち暫くここの町にいるからいつでも来るからここまででもいいのです。」
ハルの提案にナタリーが感謝しマギにここで出すのを止めてもらう
「マギ様今日のところここまででお願いします。」
ナタリーはベルメゾンに合図する。
ベルメゾンは前もって打ち合わせてた通りハルに提案する
「ハル様先ほど出されたナギさまとマギ様の素材についてですが、あまりの量が多いのでお支払いは後日でよろしいでしょうか?
その代わりに準備が出来るまでギルドでハル様達の宿を確保していますので、そちらで全ての素材の鑑定が終わるまで滞在してください。
もちろん宿のお金はギルドで全て持ちますのでご安心ください。」
ハルはあまりのギルドの高待遇の対応に答える
「ありがとうございます。助かります。宿の事考えてなかったので…」
ハル達が素材置き場で話してると受付職員が入って来る。
「ナタリーギルド長今受付に王族の方がこられハル様に会わせてほしいと言って来ています。」
ナタリーが尋ねる
「誰が来てるの?」
「はい!第二王妃のシェリル様と第二王女のウエルシア様です。何でもハル様にお礼がいいたいと言ってます。」
ハルはすぐに思いだす。
『あの時助けた人だ…これ逃げちゃまずいよね。はぁー』
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