第222話ナギとマギの冒険者登録
ハル達は森を出て町に戻り冒険者ギルドに向かった。
ナギとマギの冒険者登録をするためだ。
ハル達が王都に戻った事は門兵から警備隊に連絡が入り警備隊も重要人物が王都に入った事を知らせに王城に走る。
警備隊からの連絡に王城内が慌ただしなる。
第二王女ウェルシアと護衛騎士のカエラシールが自分達を助けてくれたハルが戻って来たと聞いて動きだす。
ウエルシアはハルが自分たちに名乗りもせず立ち去った事を考え、自らお礼に向かうと陛下に伝える。
マックライト国王はいくら城下とはいえ反対をする。
そこに謎の病で日に日に痩せ細っているウエルシアの母で第二王妃のシェリルが入ってくる。
シェリルが侍女にサポートされた状態で話しかける
「ウエルシア私も同行させて下さい。あなた達が命を救われ何も言わず立ち去られたお方ですから、何も望んでいないのでしょうが、母としてお礼はしたいのです。」
マックライト国王もウエルシアも猛反対する
「それはならんぞ!その状態で城下に出て行くなぞ許可できん!」
「そうですお母様そのお身体では無理です。何かあったら私・・ぐっ お母様はお城で大人しく寝ててくださいませ。」
シェリルがはっきりとした口調で二人に話しかける
「陛下、ウエルシア、何も言わず聞いてください。私の病は日に日に悪くなっています。
恐らく後数日も生きられぬでしょう。
だから最後に母親としてその方にお会いしてお礼を述べさせてください。
私の最後のお願い聞いてください。」
二人は涙ぐみ返事をする。
「わかった。護衛は第一騎士団を付けて「必要ありません」まも・・」
「お母様危険です。せめて護衛騎士を何人かつけて下さい。」
シェリルは首を振る
「私はこんな身体です。誰が私を攫うのです。何を求めるのです。
騎士には勤めがあるのです。必要ありません。
ウエルシアの護衛騎士だけで十分です。それにウエルシアと一緒に城下を歩いて見たいですから、最後の私の我が儘です。」
シェリルの決意に二人は折れ城下には、シェリルとウエルシアその護衛騎士カエラシール、シェリルの侍女二人がついて行く事になった。
ウエルシアが城から出て城下に向かった頃ハルたちは冒険者ギルドに来ていた。
ハルは二人に冒険者の男性は絡んでくることがあるからと、注意しナギとマギは決して全力を出さないように言い聞かせる。
「ナギ、マギここが冒険者ギルドだよ。でもここ入ると女性冒険者は絡まれることがあるから注意するのね。絶対慌てたらダメなのね。
ナギもマギもこの辺の冒険者が束になっても勝てないから、手加減してあげないと死んじゃうからね。」
ナギ達はハルの言葉に驚く
「ハルお姉ちゃんナギ達そんなに強くなってるの?」
「ハルお姉ちゃんマギが本気で殴ったらどうなるの?」
ハルは微笑みながら答える
「たぶん殴られた人壁まで飛ばされて内臓破裂して即死かな・・」
二人は驚く
「「えー-!そんなに強くなってるの?」」
「そうだよ。だから注意してね。じゃ今から受付カウンターに行くからね。」
ハルたちが受付カウンターに着くと受付女性が丁寧な口調で挨拶してくる
「ようこそお嬢様王都冒険者ギルド登録受付のツェルナと申します。皆様の冒険者登録でしようか?」
ハルは冒険者カードを前の町の冒険者ギルドで叩き返したのを思いだして、ハルは新しく偽名で登録する事にしたのだった。
「はい!登録に来たのです。」
受付女性は微笑みハルの前に登録用紙を置く。
「ではお嬢様この用紙にお名前と必要事項を書いて下さい。代筆しましょうか?お姉さま方も付き添いご苦労様です。」
ナギもマギもすぐに反応して答える。
「違います。ナギは妹なの。」
「違います。マギは妹なの。」
それを聞いてツェルナは一瞬驚くもすぐに冷静に戻り二人に話しかける
「これは失礼しました。ではお二人も冒険者登録でしょうか?」
二人は頷く
「「はい!お姉ちゃんと一緒なのです」」
ハルは書き終えるとツェルナに用紙を渡す
「ツェルナさん書きました。」
「ありがとう。じゃ妹さんたちもこの用紙に書いてくれるかな?」
二人は用紙にハルに聞きながら書いて行く。
ツェルナは二人が書いている間に、ハルに容姿も確認したいからフードを取るように言う
ハルはフードを取る前に紙の色と容姿も小さい子供獣人のように変化してからフードを外す
ツェルナは確認するようにハルに話す
3人は同じ種族なんですね。
「それでは確認します。名前はルギ様、年齢は15歳白狼族これで登録しました。
ではそちらのお二人も確認しますね。
ナギ様年齢は10歳白狼族.、マギ様年齢10歳白狼族で登録しますね。
では最後にこのプレートに触れて下さい。
これで犯罪履歴や魔力の色を確認させて頂きます。」
ハルはギルドに登録した時の事を思い出していた。
『あれ?このままでよかったのかな?なんか前もこんなのあったっような・・・
まぁそんなに保有魔力もなさそうだし問題ないのかなぁ・・・』
ハルは魔力を極力抑えてプレートに触れる
するとプレートは一瞬輝きすぐに元にもどる
プレートを見たツェルナは一瞬驚くも顔を伏せていたためハルにはばれなかった。
ツェルナはカウンターの下の通信魔道具に触れ仲間を呼ぶ。
『緊急通信誰かすぐ来て!ただし慌てないでいつも通りに!』
すぐに駆け付けた職員もツェルナの表情でいつも通りに振舞いゆっくりとカウンターに来てナギとマギの用紙を受け取り一言告げて奥に消える。
「ホランこの3人の登録用紙チェック終わったからカードの発行お願いできる」
ホランはハルをチラリ見て頷き奥に消える
「わかりました。少しお待ちください。」
ハルは気にする事無く待っていた。
ホランは用紙を持ってギルド長室に走る。
周りの者もそれを見て重要案件だと悟り緊張が走る。
ホランはギルド長室に入り叫ぶ
「ギルド長先ほど未登録の冒険者様が来られ、指示通りカード紛失確認プレートで確認したところ、最重要冒険者冒険者ハル様であることが確認できました。
ハル様は容姿を変え新たにルギと名乗って登録をして来ました。指示をお願いします。」
ギルド長室にはハルが王都に滞在してるとの情報からギルド統括センター長チェストも詰めていた。
タンドリー国ギルド長ナタリーはホランの報告を聞いてすぐに統括主任を呼び指示をする
「ホラン最重要冒険者様だ!初心者冒険者登録で来たみたいだからそのつもりで対応。低ランクの冒険者どもが調子にのって絡んで行かないように護衛しなさい!
ただし大げさに行動しない事!出来るだけわからないようにね。」
ホランの声は外にいた者達にも聞こえすぐに職員たちは動き出す。
統括主任のベルメゾンは職員に指示をする。
「みな聞こえたか?いいか!絶対機嫌を損ねることはするなよ!バカな低ランク冒険者が調子に乗って絡んで行くかもしれん絶対させてはダメよ!
受付対応は最低限でいいから手の空いてる者はすぐに警備に向かいなさい。
扉を開けたら静かに行動してわからないように冒険者様を警護!行きなさい!」
「「「「はい!」」」」
6人の職員は静かに扉をあけロビーに散っていく。
ホランは皆が配置についてるのを見てカウンター向かう。
ハルは戻って来たホランを見て前と違うカードを持ってるのを見て、登録はスムーズにできたのだと思い安堵していた。
『よかった。なんかバレてなかったのね。』
ハル達は冒険者についての注意事項を説明するからと受付脇にあるテーブルに座りホランとベルメゾンが冒険者規則や注意事項を説明していく。
ハルも疑われたくなかったので新人冒険者のふりをしてナギとマギと一緒に大人しく聞いていた。
当然その周りは絶対ハル達の邪魔させないように職員が見守っている。
30分ほどで説明は終わり、ホランが最後にカードを認証させるのに血を一滴カードに垂らすように説明する
「では皆さんこれで冒険者についての説明は終わりです。
何かあればその都度言って下さいね。では最後にカードに皆様の血を一滴垂らして完了になります。」
ハル達はカードを手に取りまずナギが血を垂らす
カードが僅かに光りカードが銀色に変わる
それを見てハルは固まる
え?何で…これってまずいんじゃ…
ハルは恐る恐るホラン達を見るとニコニコした表情でハル達を見てる
『え?この人達気にしてないの?』
ハルが見つめているとホランとベルメゾンは安心させるように頷く
それを見てハルはマギに血を垂らすように目で合図する。
マギのカードも同じように銀色に変わる。
ハルは自分のカードに血を垂らす。
カードはまぶしい光を放ち色が白い輝やきを放ちカードがプラチナに変化する
ハルはしまったと思うもすでに遅く視線がハルに集中する。
ハルは慌てて周りを見るとベルメゾンがハルに近寄り優しく声をかける
「ハル様大丈夫ですから、私達冒険者ギルド全職員ハル様達を保護しますから」
ハルは本名を言われ驚くもハルの周りはギルド職員達がハル達を守るように立っていた。
ナギもマギもハルに寄り添って手を握ってくる
ハルは立ち上がり職員達に頭を下げ謝罪する
ペコリ
「ごめんなさいなの。ハル嘘ついて登録したのね。前の町の冒険者ギルドで嫌な事あってカード置いて来たのです。名前はハルナンバー冒険者なの。」
ハルの周りには多くの職員が集まる
ナギとマギはハルを隠すようにハルの前に立つ
警戒するハル達の前に一人の女性が歩み出てお辞儀をして挨拶をしてくる
「ハル様ナギ様マギ様私王都冒険者ギルド総責任者のナタリーと申します。
我々冒険者ギルドはハル様を全面的に支援いたしますのでご安心下さい。」
「「「「ハル様ご安心下さい」」」」
ハルは職員達の行動に驚く
『凄いこの人達魔力よどみないんだ…』
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