第220話タンドリー国王都冒険者ギルド本部
☆長い間休載してましたが少しづつですが再会します。
183話からは全て改稿して読みやすく一部加筆もしています。
1話から182話までも少しづつ改稿して読みやすくしていくつもりです。
それでは再会したハルの冒険の物語をお楽しみ下さい。
☆☆・・・・・☆☆
☆ゴールドナンバーズ冒険者対策会議・・・☆
タンドリー国王城第一会議室には、タンドリー国マックライト国王、タルトス宰相、ヘルメスト国ケルトナ国務大臣、デルタポール国オマリー国務大臣、グリーンウッド国ベラン国防大臣、ギルド国際審議官フライヤー管長、ギルド国際統括センターチェスト総ギルド長が集まっていた。
議長国宰相のタルトスが立ち上がり話を始める。
「この度我が国の冒険者ギルド本部総責任者ナタリー・ライラズからゴールドクラスナンバーズ冒険者について、数々の報告が上がってきたため重要案件として皆様に緊急に集まって頂きました。」
集まった者達は皆独自で情報を集めていて意義を唱える者はいなかった。
特に獣人国のグリーンウッド国ベラン大臣は冒険者を国に招きたい事を熱心に語る
デルタポール国も自国の国賓級の扱いで招く準備をしていると話すと二人が冒険者について熱く語り合う。
それを宰相のタルトスが諫め本題を話し出す。
「一応皆さまご存じかとは思いますが、確認の意味と最新の報告がございますので我が国の冒険者統括ギルド長ナタリーから報告させていただきます。」
宰相は補佐官にナタリーに入室するように伝える。
各国の代表者とその補佐官が注目する中ナタリーは補佐官に連れられ緊張しながら入室する。
ナタリーは会議室に入りメンバーを見てブツブツ呟く
『何この会議・・ 各国の重鎮が集まってるじゃない。しかも補佐官が2名も・・どれだけ重要な会議なのよ。この中であの事を報告するの・・ 私終わったかも・・はぁー』
宰相がナタリーを紹介する
「彼女が我が国の統括ギルド長ナタリーです。ホルンギルド、ペントランギルド、メロディギルド、そしてレクトスギルドの報告を持ってきてくれました。」
「失礼します、タンドリー国のギルドを統括責任者のナタリーです。該当冒険者に関する各ギルドの報告と王都での情報それと該当冒険者の冒険者カードと資料をお待ちしました。」
ナタリーの発言を聞いて各国の重鎮たちが騒ぎ出す
「はぁ?冒険者カードだと?どういう事だ!」
「なんで冒険者のカードがここにある本人は持ってないのか?何故だ!何があった!」
「カードだと!何であるんだ!おかしいじゃないか!」
宰相も国王もここにカードがあることは知らなかったから慌てる
宰相は尋ねる
「ナタリーギルド長どういう事か説明してくれるか?」
ナタリーは深々と謝罪をする。
「誠に申し訳ございませんでした。冒険者カードはレクトスでDランク冒険者とトラブルになり、その時ハル様が怒りカードを確認したらいいとカードを受付に渡し、そのままギルドを出て行きました。」
ナタリーからの説明を聞いてデルタポール国のオマリー大臣と補佐官がハルの性格からあり得ないと答え問い詰める
「ハル様は我が国において無茶な冒険者に暴力を振るわれても周りに気づかいをする優しい方なんです。それが怒ってカードを置いて出て行くなんてありえません!説明を求めます!」
「ハル様は無茶苦茶な暴言を吐いた職員も謝罪を受け入れその後優しく接する方です。ハル様に何をされたのですか!」
宰相は二人をなだめナタリーに詳しく説明するように促す
「オマリー大臣落ち着いてください!ほかの方々も騒がないようにお願いします。ナタリーもう少し詳しく説明していただけますか?」
ナタリーは頷き説明を始める
ハルが依頼掲示板を見ていただけでDランク冒険者が邪魔だと絡んで行った事。
ハルはそれに反論するもそれを見ていた受付の職員もDランク冒険者を擁護した事。
それにハルが怒り反論すると受付職員とDランク冒険者がハルに冒険者はく奪だと言われた事。
ハルはわかった自分がランク上だからカードを渡すから調べればいいと、それでハルがランクが高いと・・その時のハル様の声が記録されていますのでお聞きください。
『あなた達は全員掲示板での事見てたはずなのね。
ハルはちゃんとわかってるですよ!それなのにハルが悪いって言うのですね。
ならハルの冒険者カード剥奪すればいいのです!それがどんな問題になってもハルは知らないです!取り消しも謝罪も受けないのです!』
「この後ハル様はギルドを出て行かれました。」
宰相は説明を聞き各国の代表者たちが話す前にナタリーに尋ねる
「それでナタリー説明の内容ハル様の発言から一方的にDランク冒険者とそれを擁護した職員が悪いのはわかりました。その者はどうされましたか?」
「職員は厳罰を与えレクトスギルド職員全員再教育にしギルマスは降格処分にし皆と同じ再研修にしました。Dランク冒険者3人は逃走し現在行方を追っています。」
タルトス宰相が各国代表者の反応を見て納得してそうなので、空いてる席を指しナタリーに着席を促す
「ご苦労、そこの席に座ってくれ!」
ナタリーは頷き持ってきた報告書と情報を提出してから着席する。
そしてナタリーが持ってきた冒険者カードは補佐官が鑑定機にかけると識別が固定されテーブルに金色に輝くカードが置かれた。
カードの内容が鑑定機を通して映し出されると集まった者達が驚きの声をあげる。
宰相も数々の討記録に改めて驚き、別紙の報告書に隣国の王族の救出、公爵令嬢、伯爵令嬢の救出等数々上がっているのを見て陛下並びに集まった者達がナンバーズ冒険者ハルの扱いについて話を始める。
「ここに集められた情報によるとこのAランク冒険者ハルはもはやナンバーズ冒険者の域を超えています。
Sランク、Aランクの魔物の討伐実績、盗賊や山賊の討伐実績、デルタポール国の王妃、王女殿下の救出、その護衛を回復させた魔法等これらの実績から、冒険者ハル様は恐らく我々より遥かに高位の種族ではないかと思います。」
アトラスト大陸国際ギルド統括センター長チェストが発言を求め宰相が許可をし、チェストが立ち上がり発言する
「私の元にも見た目でハル様を判断して、とんでもない暴挙を働き数箇所のギルドでハル様を傷つけ追い出した事も報告に上がっています。
誠に残念な事です。
ハル様は目立つ事を嫌って大人しくしていたのを調子に乗った冒険者が愚かな行動に出たようです。
勿論その冒険者は厳しく処分し冒険者資格の永久はく奪、犯罪奴隷として重労働処分にしました。
ですので今後同じような事が起こらないためにもハル様の容姿特長等を全世界に知らせる必要があると思います。
勿論。決して騒ぎ立てないようハル様の行動を優先させます。」
皆が賛成の意見を述べ今後ハル様をどう扱うか話し合ってる時に緊急の知らせが議長国のタルトス宰相に届けられる。
宰相は届けられた一報を見てマックライト国王に耳打ちをする
国王はあまりの驚きに大声を出してしまう。
「ウエルシアが襲撃されただとぉー!」
「陛下声が・・・」
マックライト国王は緊急事態なので退席しようとするも宰相が留める
「陛下殿下たちは無事戻ってきています。遠方から襲撃者を撃退してくれた方がいたようです。全員怪我も回復していただき無事です。」
「なんと・・その者に最大の感謝と褒賞を与えねばならんのぉ・・」
宰相は言いにくそうに陛下に伝える
「陛下実は殿下と護衛騎士を守ってくれた方は姿を消され行方が分かっていません。ただ有力な情報がございます。その者をここに呼んでもよろしいでしょうか?」
ここに呼ぶことにマックライトはためらう。
『我が国の問題の事で各国が集まる重要な場所に呼ぶのは・・ん?もしや関係があるのか?』
マックライトは宰相を見ると頷くので合図を送る
「皆さん我が国の問題で至急確認することが出来たので、ここに呼んで確認してもよろしい出しょうか?」
皆頷くのを見て宰相は補佐官にその者を連れてくるように指示する
補佐官は一人の女性騎士を連れて入って来る。
女性騎士は緊張しながら身分を告げる
「私は第二王女ウェルシア様護衛騎士カエラシールと申します。」
国王が尋ねる
「カエラシールよ。此度の件我が娘が盗賊に襲撃された時の状況を教えてくれるか?」
カエラシールはその時の状況を説明する
殿下たちの乗った馬車が急に暴走した事、自分たちの騎乗する馬も暴走し主力の護衛が引き離された事。
自分はかなり離れたところで落馬し足を骨折、その時ブラックウルフの群れに襲われた事それを操っていたのが黒フードの男だと言う事。
陛下は報告を聞き驚きカエラシールに尋ねる
「それではカエラシールはブラックウルフの群れを足の折れた状態で撃退したのか?」
カエラシールは首を振りその時の状況を答える
「あの時骨折して動けない私は、ブラックウルフに襲われ足と腕を食いちぎられ瀕死でした。死も覚悟しました。でも一人の少女に助けていただきました。
少女はブラックウルフを瞬殺し、マジックバックに収納した後、手足の食いちぎられた私を回復魔法で完全に元に戻してくれました。
その後私を王都まで背負って運んでくださいました。」
女性騎士の話しに皆が驚き助けた少女が誰なのか気になり先を促す。
宰相は督促されるように尋ねようとするとマックライト国王がカエラシールに先に問いただす。
「それでその助けてくれた少女は誰じゃ!名前は聞いておるのだろ!」
カエラシールは頷き答える
「勿論です。私を助けて下さった方は冒険者のハル様です。今この王都にいらっしゃいます。」
それを聞いて周りがざわつく
カエラシールは話すのを止め周りを見て再び話し始める
「よろしいですか?続けます。それと殿下の護衛で襲撃された時にいた者に状況を聞いたのですが、助けてくれた方は一瞬名前を言いそうになりやめたそうです。」
それを聞きマックライトは、せかすように尋ねる
「おお!それでその方はわかっておるのだろ!はよう言ってくれ!」
カエラシールは少し微笑み答える
「はい!おそらくハル様です。間違いありません。」
国王は場も忘れ大喜びする
「おお!ハル様ぁーありがとうございます」
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