第219話ハルは奴隷を助けました(改)
ハルが護衛騎士のカエラシールさんを王城に送り届けた時、たまたま第二王女の馬車が戻って来てて負傷兵士も多く大騒ぎになっていた。
ハルはチャンスとばかり、お礼はいいからとその場を離れようとするも引き留められる。
ハルはこの町に暫くいるから、落ちついたら冒険者ギルドに連絡してもらうことで納得して貰いその場を離れた。
次の日ハルは旅の食材を購入するため平民街の市場に向かうと、一人の男が騒ぎながら奴隷を叩く光景が飛びこんでくる。
「こらあー!何落としてるんだ!」
バシン!バシン!
「ごめんなさい… ごめんなさい ご主人様 」
別の男は一人奴隷を引きづって来て荷馬車を指さしながら無茶振りをしている
「こらあ!お前はそれをあの荷馬車に全部積み込むんだよ!いいか!全部だぞ!」
「うぅ…重い…」
ヨロヨロ
ドスン
「てめえ!何落としてる!大事な商品をああ!」
バシン!バシン!
「ごめんなさいごめんなさい…」
ハルと同じくらいの少女が無茶な命令で大きな荷物を落とし鞭打たれている
『ん?あの子供達は獣人白狼族の子供なのです。
何故か能力が封印されてるみたいで普通の獣人の茶色の髪で狼族になってるです。
本来白狼族は銀色の髪で能力も高く、神獣種森の管理者と呼ばれてる人間より高位の種族なのに…
教会でも教えているはず。それを奴隷にするなんて酷いのです。助けるのです』
「くそ奴隷が!」
ドカ!ドカ!
「許してくださいご主人様」
ハルはその光景を見て思い出す
『確かこの国は奴隷制度あるけど、普通の奴隷でも虐待は禁止されてたはずなのです。
それに子供の奴隷の重労働は禁止してるって書いてあったのです。
あれ明らかに違反しているのです!
あんまし関わりたくないけど、ちょっと気分悪いです!
し方ない奴隷制度のルールを利用して懲らしめるです』
ハルは二人の奴隷の子供が再び荷物運び始めたところで、少し前を歩き魔法で地面を隆起させる。
二人は転び荷物を落とす。
その時荷物の木箱が割れハルに当たるように操作する
ドン!
ピシッ
ポタポタ
ハルは身体に当たると同時にその箇所を傷つける。
ハルの脚から血をたらす
「痛ったぁー!」
二人の女の子はハルに謝る
「「ごめんなさい」」
ハルは二人を手で制止て、二人の主人を睨み付け文句を言う
「ちょっと!この二人の奴隷の主人はあなた達ですか?」
男達はハルの容姿を見てハルに文句を言う
「何を言ってやがる!てめえがちんたら歩いてるからだろうが!」
「そうだよ!てめえがそんなとこにいるのが悪いんだよガキ!」
ハルはその言葉で怒り魔力を溢れさせ男達を少し威圧する
「何ですか!奴隷のしたことの責任は主人にあるはずです!何ですか!あなた達の態度は!先に謝って!」
男達は態度を変えずハルに文句を言う
「やかましい!俺達はデルディート商会の者と知ってそんな事言ってるのか!」
「そうだよ!ガキ!俺達の商会は王都の隣フライヤー領の領主様にも深いつながりがあるんだ!
そんな下らねえ事で俺達が謝罪何かするか、逆にデルディート商会の妨害をした者として警備兵に言うぞ!」
ハルはさらに怒りをあらわにし身体強化の魔力を身体全体に放出させる。
すると身体全体にユラユラとした濃い紫色の炎のような物がハルを包む
「ボクはAランク国家冒険者のハルです!この意味わかりますね!もう一度言います!謝罪して!ハッ!」
ハルはパンチを素早く繰り出す。
すると空気圧で男達の後ろの壁がへこむ
ドカン!
男達は唖然としてハルを見て呟く
「…Aランク国家冒険者だとありえねぇ!」
「そうだ!てめえのようなガキがAランクなんてありえねぇ!」
ハルはもう隠すのやめました。だからこういう人は許さないです!ハルはさらに魔力強化し威圧も強くしていく
「なら警備兵士でも呼んだらいい!はぁーー!」
ヒュンヒュン
ハルから繰り出されるパンチの空気圧が再び男達の後ろの壁に当たる
ドカーーン!
ドカーーン!
「Aランクナンバーズをなめないで!ハルの攻撃は止めれない!ハルの発言は女神ハーメストに誓うものです!」
奴隷を鞭打っていた男達はガタガタ震えだす
「わ・わかったし・謝罪するから怒りを鎮めてくれ」
「ゆ・許してくれ…」
ハルは男達に警告し報告する
「あなた達に奴隷制度に違反しています!タンドリー国の奴隷監督するところに報告します。王都警備隊に来てもらいますか?」
男達はハルに謝罪をする。
「悪かった許してくれ!何でもするから報告だけは勘弁してくれ!」
ハルは魔力を少し弱くし男達に命令する
「あなた達に奴隷を扱う資格ないです!この奴隷はハルが買い取ります、譲って!」
「それは…」
「そんな事したら俺達が商会長に罰せられます」
「ならボクが今から商会に行って話しするから案内して!商会長にも話しするから」
「……勘弁してください」
「じゃ奴隷譲って!奴隷紋の書き換えはボクが奴隷商人にやってもらうから、これ奴隷の買い取り代金ね、奴隷に命令して!」
男達はハルを睨みながらも渋々奴隷に命令をする。
ハルは買い取り代金金貨4枚を払い奴隷の手を引き連れて行く。
ハルは男達が視界から消えるとすぐに路地に入り子供達の奴隷紋の上書きを行う。
「こっち来て今から奴隷紋上書きするから」
二人はハルの前に行くとハルが肩にある奴隷紋に手をあて魔力を流していく。
二人は少し苦しそうにするも暫くしてすぐに上書きが完了する
ハルは二人に話しかける
「これでよしと、ごめんなさい怖い思いさせたね。
ボクはハルと言います。冒険者で旅をしています。
この国の王都はたまたまよっただけなの。
二人は後で解放してあげるから今は我慢してね。
ここで解放するとまた捕まったら大変だからね。
獣人の町に行くなら連れてってあげるからね。」
すると二人は首を振り答える
「「お姉ちゃんについて行く」」
ハルはその事をあまり気にせずリュックから二人に予備の服を渡す
「うん♪わかった。これ着て!それなら奴隷とわからないね。二人とも少し走るからついて来て」
二人は頷くと、ハルは二人の手を取り少し走りだし町を出る
ハル達は王都を離れすぐに街道を離れ人のいない場所まで移動する。
「ここなら大丈夫かな?町中だといろいろばれるとまずいからね。よく頑張りました。」
女の子達は、ハルに必死について来たため息もたえだえだった
はぁはぁ…
「二人ともここで少しお話ししょうか?」
二人は頷く
「二人は白狼族だよね。何故か今その能力が封印されている。
だから今は普通の人間より弱い今まで大変だったでしょ。よく我慢しました偉いです」
二人は泣きながらハルに抱きつく
「うわーん」
「毎日叩かれて痛かったのぉグスン」
ハルは二人の頭を撫でながら伝える
「よしよし…今から二人の封印を解除してあげるからね。」
二人は頷く
「「うん。」」
ハルは二人の頭に手をのせ解放の詠唱を呟く
パリン
パリン
『おお!二人の魔力が変わった…』
よし!これで大丈夫かな
ハルは、二人に話しかける
「これで二人とも成長するし、ちゃんとスキルも使えるようになるから安心して、それに安全な場所まで行ったらちゃんと奴隷から解放してあげるからね。」
「お姉ちゃんありがとなのです。ナギはお姉ちゃんと一緒がいいです」
「お姉ちゃんマギもお姉ちゃんと一緒がいいです。」
「アハ♪二人の名前はナギとマギなのね。二人とも一緒に来るの嬉しいけど、心配しなくてもちゃんと連れてってあげるよ。」
「嫌!ナギはお姉ちゃんと一緒に行く。」
「嫌!マギもお姉ちゃんと一緒がいいの。」
ハルは今まで一人で寂しかったから二人が加わると楽しくなると思い一緒に連れて行く事にした。
「わかった。二人ともこれから一緒ね。お姉ちゃんが二人を強くしてあげるからね。」
二人は嬉しそうにハルに抱きつく
「「やったの。お姉ちゃんができて嬉しいの。」」
ほんと二人とも嬉しそう…助けてよかった。
王都の町に戻ってこの子達お風呂に入れて綺麗にしてあげるかな。
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