第218話ハルは女性騎士を助けました(改)

ハルは町を出て街道を走り人が多くなると森の中をひた走り、いくつか村を越えひた走り王都まで後1日の山岳路まで来ていた。


「こっちの道は王都までの近道だけど、盗賊や魔物も出るのかあまり通る人いないね。ここなら人ともほとんど会わないからフード外して移動出来るの」


キン!キン!


「………………………お守りしろ!」


キン!キン!


「…ぐぁ」


何か騒々しい嫌な音が聞こえるです。ハルは気配遮断と隠密スキルで近づき様子を伺う


『あ!これこっちに誘導されたぽっい二頭立ての立派な馬車が完全に横倒しになってる、強制的に馬を従わせる何かを使われてるの。』


騎士の人達が数人ハルと同じくらいの子供を囲むも動きが鈍い


「姫様と王子様を絶対にお守りしろ!」


『うわーこれって王族だぁ… 見つかるとダメな気がするのです。でもこの状態ほっとけないのです。


あの騎士さんの状態はたぶんこの霧のせいで動きを鈍らされているよね。

このままだと二人の王族は拐われてしまうかも・・・

はぁー仕方ないね。今のハルならばれずに助ける事できるから、助けてあげるのです』


この盗賊達は計画的かも・・ここに誘い込んで麻痺系の霧を発生させ護衛騎士20名の動きを鈍らせた?

そして騎士の包囲を崩して二人の王族を拐うつもり?なんか盗賊の後ろで命令した人いるような気がするのです。


国内で権力争いでもしてるのかな?


ハルにはどうでもいいけど・・


ハルはこんなことに関わるつもりないから早く助けて離れるです。


まずスリングショットの麻痺弾を使って


『えい!』


シュン

ドス!


「誰だ!全員警戒しろ!敵襲だ!」


『え!麻痺弾が効かない…そっか全員さっきの麻痺霧対策してるんだ、なら毒もおなじかな…じゃ魔法でやっつけるです』


魔力識別で黒色の魔力の盗賊の位置を魔力でマーキングして、王族から引き離す。


『風弾連射!いけぇー!』


ダンダンダンダン・・・・


王族を攻撃してた盗賊たちは次々と飛ばされて行く。


それを見て兵士たちは二人の周りを固める。


『よし!上手く行動してくれた。これならあの人たちの周りを風の壁で覆ってやれば盗賊に集中できる。』


ハルは王子と兵士たちに向けて風の壁を放つ


兵士たちは自分たちの周りに風の壁が出来たことに驚く


一応動かないように言った方がいいね。


ハルは声を風魔法に乗せてしゃべる


『王族を守る兵士の皆さんそこを動かないで!ハ・あ!森の妖精が盗賊を処分します。』


危なぁ・・名前言うところだった・・これでいいかな。


後は屑だけなのです。


『ジェルボール!』


シュワーーーー



直径20mはある巨大な水の球が盗賊達の上空に現れる


「なんだ!あのでっかい球は!」

「に・逃げろー」


『逃がすわけないのです!』


いっけぇー!


ヒューーーーン

どっぷん


『まだまだだよ氷っちゃぇーー!』


『ブリザード』


ヒューー


ジェルボールがピキピキと凍っていく。



盗賊達はジェルボウルの中でもがき苦しみ動かなくなる



『フン!悪い事するからです!』


ハルはフードを深く被り倒れてる馬車を元に戻して馬の状態異常を解除する。


『リカバリー』


馬は元気に立ち上がりハルにスリスリと頭をこすりつけて来る。


アハハもう大丈夫だね。


後は王族と騎士達の障壁を解除したらいいけど、追いかけて来られたらいやだから、馬車の周りに回復薬のポーションを数本置きその場所を離れ、見えない所から風の壁を解除する。


『ふふん♪今回の救出は完璧なのです。たぶん誰もハルの事気づいてないのです。ハル凄いのです!』


ハルは急いでその場を離れる。少し走ったところで、黒い狼が何かを襲ってるのが見えて来る


『あれ女性だ近くに散らばってるのは装備の鎧?まずいのです早く助けるです』


ハルは黒い狼たちに威圧を放ち襲うのを止めさせる


『あっち行けぇー!アイスニードル連射!』


スパパパパ…


ハルは倒したブラックウルフをリュックに収納し倒れてる女性に駆け寄る。

女性は僅かに意識はあるので、急いで傷口を回復魔法でふさいで食いちぎられた脚をハイヒールで復元させた。


体内に黒い狼の毒素が入ってるから毒素を抜くための回復薬も飲ませる。


「お姉さんこれ飲んで!ブラックウルフに噛まれて毒素が身体の中にはいってるから飲まないと危険なのです。」


女性は頷き回復薬を飲んでいく


ごくごく


パァーン


女性はハルにお礼を言ってくる


「凄い身体が温かい… ありがとう食いちぎられた脚まで回復させてくれて… もうダメだと思っていた…ほんとにありがとう」


「まだ動いたらダメなのです、お姉さんは騎士の人ですか?」


女性は頷き答える


「はい・・ 私はご・・護衛騎士 の  カエラシールです」


お姉さんは精神的ショックなのかまだ意識がはっきりしないようでたどたどしく話してくる。

ハルはフードを被ってない事に気づき慌てて深くフードを被りなおす


『たぶん気が付いていないよね。意識混濁してた見たいだし・・大丈夫だよね・・

護衛騎士?ってことはやっぱりこのお姉さんさっきの王族の護衛騎士だよね。


どうしようこのまま放置なんてできないし、さっきの王族の所に戻るのは絶対ダメだし・・


うーん仕方ない睡眠効果のある香りをかがせて眠ってもらってハルがお背負って運ぶです。身体強化すれば問題ないしその前に道を聞かなきゃだ』


お姉さんは襲われた時に大量の血が出てたからしっかり立つことが出来ない


「お姉さん町まで送ります、道教えて下さい」


お姉さんは頷きハルが進もうとしてた方向を指さす


「やっぱしこっちなのね。わかったのです」


ハルは背中に人を背負う時用に作った道具をバッグから取り出すと、乗る場所を指さしそこに座ってもらう。


香りをかがせて眠るのを待つ・・待つ・・あれ?


なんでぇー?


この人耐性持ってるの?


あまり見てると怪まれるから、仕方ないからこのまま行くです。


「お・おねえちゃん走るからしっかり捕まっててね」


女性騎士はハルが自分を背中に背負う事に驚く


「お姉ちゃん行くよぉ」


ハルは身体強化をし走り出す


タッタッ・・・・・


ハルは途中休憩しながら走り8時間後にようやく大きな町が見えて来る


背中の騎士に見せて確認をとる



「ハルちゃん・・ここが王都タブレストよ。  ありがとう」


ハルはそれを聞いて安堵する


『よかったぁ…無事ついたぁー』


ハルはこの時気づいていなかった。カエラシールが自分の名前を言ったことを


☆・☆・☆


私はタンドリー王国、第二王女護衛騎士副隊長カエラシール。

この度定例のベネット公爵家との定例交流会のため、第二王女ウェルシア様を護衛し、ベネット公爵家からの帰路、王都まであと一日ので、馬車の馬が2頭とも御者の指示通り動かなくなる。


まるで何かに操られるように、馬が急に速度を上げ、分岐路を山岳路の方に走り出した。


護衛の馬も同じように暴走、馬車を追い越し走り出す馬、逆方向に走り出す馬とバラバラに動き現場は大混乱になる。


私の騎乗する馬も暴走し王家の馬車を追い越し、山岳路の急カーブを曲がり切れずそのまま林に突っ込む。

私は途中で何とか馬から飛び降りた。


「はぁはぁ・・危なかった、一体何が起こってるんだ・・」


立ち上がろうとすると足に激痛が走る、よく見ると右足が完全に折れてしまっていた。


これはマズイと思い何とか立ち上がり傷む足を引きずりながら来た道を戻る。

すると遠くで剣撃の音と、わずかに争う声が聞こえてくる


『これはまずい!完全に誘い込まれている』


急いで戻ろうとすると突然声が聞こえフードの男が姿を現す。


「おやおやこんなところに美剣士で有名なカエラシールがいますね。

残念ですが、あなたにはこのままこの地で眠って頂きましょう。

ゴブリンでは生き残る可能性があるので、狂暴なブラックウルフを呼び寄せてあげましょう」


フードを被った男は詠唱をした後私に匂い袋を投げつける


ボフ


「何だこれは・・酷い臭いだ・・」


「その折れた足であがいて見なさいフフフ・・」


男は林の中に消える。


暫くして大きな黒い狼が数匹現れ、私に襲い掛かって来る。


私は剣を振るい狼を退けようとしたが、折れた足では素早く動く狼には対処できず倒され、足や腕に噛みつかれ折れた脚が食いちぎられ、悲鳴をあげる。


私は死を悟った。


6匹以上はいる大型の黒狼こいつらは動きが早く騎士団10人以上で対処しないといけない魔物…


ここは街道から離れた山岳路、しかも他の護衛も襲われている。もう答えは出ていた。


カエラシールは薄れる意識の中今までの楽しいことが思い出されていた。


『はぁー私に素敵な王子様現れなかったなぁ・・』


諦めたその時奇跡が起こった。


私に噛みついていた狼たちの動きが止まると子供の声が聞こえる


「あっち行けぇー!アイスニードル連射!」


スパパパパ…


氷の針が次々黒狼を貫いていく。

私に群がっていた黒狼は全て倒される


『えっ何が起こってるの?狼たちが一瞬で倒されてる…私助かったの…』


私は意識が朦朧とする中、騎士として状況を把握するため現状を見つめる。


狼が倒され暫くして可愛らしい女の子が近寄り私の姿を見て回復魔法をかけてくれる


パァーン


『嘘私の食いちぎられた手脚が復元され傷も全て回復する』


ほんとにあり得ない事が起こっていた。


私は夢でも見てるのかと思った。


私は朦朧とする中、少女に感謝をし残った魔力で少女の情報を掴むため私のスキル鑑定魔法で少女を見る。


『この少女名前はハル種族名が文字化けして読めない・・後はほとんどわからないそれだけ高位のレベルなのだ・・でも名前だけわかっただけでも後で調べてお礼が言える。』


私はハル様の言われるまま答えそのまま王都まで運ばれた。


私はハル様の多くの信じられないことを目撃し感謝したが、今は王女様の事も気になっていた。


騎士として今回の事件の事を調査しなければならない。


その後で改めてハル様にお礼をしたい

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