第214森に捨てられたハルは隣の国に行きました(改)
「フフフ… よろしいですか?この紙は少し特殊な紙で、人の血や魔物の血が付着した手を綺麗に水洗いしてもこの用紙に触れると血の跡を写しだします。
何もやってないならこの用紙に掌を広げてくっ付けてれますか?
何もやってないお二人なら問題ないと思いますが・・」
そう言い2枚の少し色の付いた紙を取り出しテーブルに置くと二人は明らかに焦っている感じだった
ピレニーズは二人に命令する
「バルトとタラン君たちの言う通りなら問題ないはずだ紙に手を付けてください」
二人はためらい何かを考えるようになかなか手をつけない
「どうした?なぜつけない?」
二人は拒否をする
「拒否権は?ありますよね」
「拒否してもらってもかまわないが、減刑は難しくなるぞ」
「どうも信用できなくて…もちろんやってませんよ!
だから万が一反応が出たら犯罪者になりますから」
二人が拒否したのでピレニーズが審査官に合図する
「そうか、わかった、ではもう一人いや二人か呼んでくれるかアルトラスト」
「は!」
アルトラストは、二人の兵士を連れて入って来る
バタン
入って来た二人を見てタランが焦りだす。
「この者は東門兵士ナテア詰所責任者トーストです。
ナテアは東門での目撃情報と他にも、トーストは詰所での情報です。」
ピレニーズは二人に質問をしていく
「ナテアに聞く君が目撃したことを報告してくれるか」
「はい!私は西門で出入管理していると、タランが木箱を脇に抱え走り抜けました。
声をかけたのですが、無視されたため行動も怪しかったため尾行しました。
タランはモルハンの森に入って行き、入口から1時間入った所にある森の裂目と言われてる崖から、木箱を投げ捨ててました。
その後彼は周りを警戒して戻って行きました。」
「………」
「ではトースト報告を頼む」
「自分は警備にあたっていたのですが、休憩のため詰所に戻って来ました。
休憩していると地下から子供の声と騒がしい音が聞こえてきました。
この時地下牢を使用する報告は聞いてなかったので、誰が使用したのか確認するため業務をするふりをしていました。
暫くしてタランが木箱を抱えて走って出て行き、その後でバルトが上がっ来て水瓶から水を汲み血のついた手を洗っていました。
私は机に伏せて見てないふりをしてました。」
「………」
ピレニーズは二人を見て発言する
「二人ともこの者達の証言に反論はあるか?ないなら正直に話せ!」
二人は開き直り話し出す、ハルを拘束し地下牢で裸にし鞭棒で拷問したこと、気絶したハルを木箱に詰めモルハンの森の谷に捨てたことなど笑いながら話す
「あんな不気味なチビは問題をおこす前に俺達が処分してやったんだ!褒美をくださいよ領主様」
「領主様、褒美すぐにでもくださいよ」
調子にのる二人にハルに命を救われた二人がぶちギレる
ドコ
ぐえーー!
ドコ
ぐえーー!
「あら、ふざけた声が聞こえて身体が暑くなってあおいでいたら私の鉄扇が飛んで行ってしまいましたわ、ごめんなさい」
メロディが二人を睨み付けピレニーズに発言する
「女神様に何て事を…ピレニーズもういいでしょ!この二人をさっさと処分してハル様を捜索しに向かいましょう」
審議高官のピレニーズは二人に告げる
「バルトにタラン君たちは相手が誰であれ行った行為は、完全にやり過ぎだ!
許可も得ず行った軍規違反!鉱山奴隷100年に処す拘束し連れて行け!」
二人は騒ぐも複数の兵士に拘束され連行されていく
シエンドは落ち込む二人を見て話しかける
「あの馬鹿ども、とんでもないことをしてくれたの… 女神様をモンハンの裂目の断崖に投げたとは…」
シエンドはため息を吐く
メロディは尋ねる
「お父様そこは捜索できない場所なのですか?」
「無理ではないが、最低国家冒険者クラスできればAランクパーティーでないと無理じゃ」
「そんな…それではハル様は… 」
メリールは思いを語る
「酷い拷問を受け崖から落とされたハル様… 無事だといいのですが…
もしハル様が助かって再び私達の前に現れても人間を許してくれるのでしょうか…」
☆・☆・☆ モルハンの森裂目の谷底
ガサガサガサ・・・ドスン
うっ・・・痛っ
この国の人間ちょっと極端だなぁ
ハルは森の谷底で閉じ込められてた箱から出て痛めつけられた身体を治癒しながら状況を考えていた。
ハルをこんなにした人はお姉ちゃん達が罰を与えてくれると思うけど、この世界の事情知るために違う国に行った方がいいかもね。
この国はもういいや、たぶんハルの情報出回ってるからもう気にせず行動できないと思うし…
とにかく森を抜けてできるだけ町に行かずに、隣の国に行って勇者の情報手に入れるです
ハルは隠密気配遮断を駆使して、森を駆け抜け移動する事数週間、やっと国境が見えて来たのです。
情報収集のため立ち寄った村で教えて貰った。
あれが国境かな?
山岳部だから人少ないって思ってたけど大丈夫かな?
ハルはフードを被り国境砦で入国の列に並んでいる、ハルの番が来て兵士に呼ばれチェックを受ける
「次!ん?子供か?どうした親はいないのか?」
「はい!ボクは小さいけど10歳です、一応冒険者なのです」
ハルはそういって冒険者カードを見せる、冒険者カードは名前と年齢だけ表示され詳しい詳細はギルドの魔道具を使わないとわからない仕組みになっているたハルは身分証明のためカードを見せた
「確かに確認した、それでタンドリー国には何しに来た?」
「はい!おばあちゃんがヤルクイナの町にいるから会いに行くのです」
ハルは情報収集で国境を越えた少し先に、少し栄えてるヤルクイナの町があり、多くの行商人が拠点にしてることも掴んでいた。
「あぁあそこか、ヤルクイナは行商人も多いけど悪いやつもいるから気をつけるんだぞ」
「はい!なのです、おじさんありがとなのです」
「よし行っていいぞ!気をつけて行くんだぞ!」
ハルは元気よく返事をして無事国境を越えてタンドリー国に入った。
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