第210話メロディの怒り(改)
☆・☆・☆
ハルの風魔法で運ばれてる馬車の中では、全員が精神的にかなり疲弊していたため、ハルがリフレッシュ効果と睡眠効果のある香を馬車を包んでいた風に混ぜる。
暫くするとメリールとメロディ達は自然と眠くなり全員が領都メゾフォルテに着くまでぐっすり眠っていた。
メリール達は馬車が停止して一時の騒がしさで目が覚めるも、すぐに静かになり馬車の外を確認しなかった。
メリール達は目覚めてからの体調の変化に驚く
「うーーん目覚めスッキリ♪身体が軽いわー」
「メリールお嬢様これはハル様の魔法の効果でしょうか?
私も身体が凄く軽いですし、気分がスッキリしています。
皆様の身体からも凄く落ち着く香りがいたします。
香りはかなり薄くなってますが、はっきり感じます。
ハル様は私達の体調を気づかって魔法をかけてくれたのではないでしょうか、わずかですがまだ魔法の効果が残ってます。」
メロディ達も目を覚ましケアリーがハル様の魔法の効果で体調が凄く良くなっていると言ってるのを聞き確かに気持ちが
軽くなってることに気づきハルの優しさに感謝していた。
「ほんとハル様は私達を気づかってくださり、まるで女神様のような方ですね」
「ほんとそうです、メロディお嬢様どうやら町に着いたようですね。先ほどまで静かだったのに外が騒がしくなって来ました。」
メロディは不安を口にする
「お父様もお母様も私が無事戻ったの驚くかしら…
でも身体は汚れてしまいましたからどこにも嫁ぐこと出来なくなりましたが、許してくれるでしょうか?」
「お嬢様私もあの屑どもに何度も身体を汚されたのです!
でもあの屑はハル様が処分してくれました。
少し前なら思い出しただけで死にたくなりました。
でもハル様はそれを感じて寝てる間に癒して下さいました。
あいつらの事は腹も立ちますが、今は死にたいと思う気持ちはなくなりました。
お嬢様も同じではないですか?」
「そうですシルシルの言う通りです!私達冒険者はある程度は覚悟してましたが、実際は受け入れられませんでした。
ハル様のおかげで精神的に楽になりました。私達はこれからもお嬢様が許していただく限り専属護衛としてお守りいたします。」
「そうですよ私シルシルもずっとお嬢様について行きますから」
「そうね、みんなも同じなのにごめんなさい、これからもよろしくね」
メロディと護衛のアスパ達が抱きしめ合ってるのをメイドのシルシルは見て、涙がこぼれそうになりハンカチを取り出そうとした時、ポケットに何か入ってるのを感じ取り出す。
『これはメモ…』
シルシルはメモを見る。
そこにはハルからの優しい気づかいの言葉が記されていた。
【メロディお姉さん、シルシルお姉さん、アスパお姉さんユリストアお姉さんニーチェお姉さんムースお姉さんへ
ハルはお姉さん達を助けに行った時ビックリしました。
あの屑達に酷い事されてたのに、お姉さん達は屑をずっと睨みつけてました。
ハルはそれを見て凄く勇気をもらいました。
ハルはちょっとしたことで、すぐに泣いてしまう弱い子です。
でもお姉さん達を見てたくさん勇気もらいました。
だからハルお姉さん達を綺麗にします。
たくさん魔力使うけど、お姉さん達があんな屑に汚されたの許せないから、ハルがあの屑を消滅させて、お姉さん達の記憶にも残らないように心も身体も綺麗にしてあげます。
ハルからのお礼なのです。
それともう一つハルはメロディお姉さん達とメリールお姉さん達にお守りをあげるね。
何かは後で確認してね ハルξΦΨη 】
シルシルはメモを読み驚く
『え?ハル様どういう事でしょうか?私達の身体って綺麗にしてくれた?
まさか… ほんとにそんな事が可能なのでしょうか?』
シルシルは自分の身体を触診して確認する
『ほんとだ… 汚される前の綺麗な身体に戻ってる…グスン ありがとうございますハル様ぁ~』
シルシルはメモの事を全員に伝える
「メロディお嬢様、メリールお嬢様そしてここにいるハルファミリーの皆さん!
ハル様は女神様でした!そして私達は救われたんです!」
突然の宣言に皆驚き、メリール達が説明を求める
「シルシルどういう事かもう少しわかりやすく説明して」
「メロディ様私たちの身体・・・汚れて・・ ません」
「え?汚れてない?」
シルシルは頷く
「あの方は本当に女神様です!私たちは女神様に奇跡で身体が綺麗にされたのです」
メロディたちは確認し涙を流し抱き合い喜ぶ
「メリール様達も確認してくださいね、私達全員ハル様からお守りいただいてるみたいですよ」
メリール達はシルシルの発言に驚く
「お守り?どういう事?確認できる?うーん何だろう・・」
メリールがいろいろ考えてると人が集まって来たみたいで外が騒がしくなる。
やがて馬車が人の掛け声とともに引かれて行きゴトゴト揺れ出す。
これは人力で馬車を引っ張ているのか?ハル様が説明してくれたのか?
数十分揺られた後馬車が停止し扉を開けようとする音が聞こえる。
ガヤガヤ…
ドンドンドンドン…
ガチャガチャ…
何この騒がしいのは…メリールはこれだけ騒がしいのにハルの声がしないことに違和感を覚え慌てて扉の魔法のロックを解除する
ガチャ
メリール達とメロディー達は馬車を降り周りを見ると、大勢の兵士たちがメリールとメロディたちを見て驚き集まって来る。
メロディが知ってる顔を見つけ話しを聞く
「領都護衛第三師団長シェルーレ!メロディです!これはどういう事か説明してください」
シェルーレはメロディに呼ばれ部下と共に駆けつけメロディの質問に答える
「はい!西門の担当官が、馬のいない馬車が近づくのを見つけ数人の部下と共に駆けつけ、馬車の御者席にいたフードを被った怪しい子供を捕らえ地下牢に連行したと聞いております!」
『噓でしょ、女神様に何て事を・・・』
それを聞きメロディ達の雰囲気が変わる
「誰かその時の状況を見た者はいますか?これは非常に重要な事です!
場合によってはここにいるあなた方全員に責任を問うことになります」
集まった兵士たちは明らかに雰囲気が変わってるメロディ達を警戒し誰も話そうとしない、メロディの目的がわからず全員黙り込む。
そこに公爵令嬢のメリールが全員を見ながら話しかける
「みなさん戸惑ってるようなので、私がわかりやすく!はっきりと申し上げます。
あら失礼しました。私バイシール公爵家メリール・リア・バイシールと申します」
公爵令嬢が身分を証し尋問をしようとする事で緊張がはしる
「ここにいるメロディ様、はじめ馬車に乗っていた全員が、盗賊に捕らわれていたところを御者席に座っていた方に救われたのです!
私もメロディ様も殺される寸前でした。そこを御者席に座っていた方に命を救っていただいたのです!
その盗賊団はデルタポール国が、警戒し国賊として国全域に指名手配してる盗賊団レッドファングです!
あの方はそのレッドファングをお一人で壊滅された方なのですよ。
もちろん丁重にもてなしてくださってますよね?ね!」
メリールの威圧が半端ない、お嬢様完全にブチ切れモード!兵士たちは高位貴族がいることで戸惑い静かになる中、護衛第三師団長シェルーレが歩み出て謝罪をする
「申し訳ございません!状況がわからないまま私たちはすぐに駆け付けました。
私達が来た時にはすでにその方は捕らわれ連行された後でした」
メリールがメロディを見るとメロディが頷きシェルーレに命令する
「誰か捕らわれた状況のわかる者をここに連れて来て下さい!それと連行していった者をすぐに連れて来なさい!」
兵士たちは状況を確認し合っているのかなかなか動こうとしない、それを見たメロディがブチ切れる
「何をしているのです!すぐに対処しなさい!
私は捕らえて行った者をすぐに連れてくるように言いましたよね!
あの方にもし何かあれば伯爵領だけの問題では済まないのですよ!
すぐに行きなさい!捕らわれている方も開放して連れて来なさい!早くしなさい!」
数人の兵士が兵舎の方に駆けて行く
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