第209話森に捨てられたハル(改)
ハルは指示通り二つの馬車を止める。
やっぱし馬もいないのに進んで来る怪しい馬車、止めるのあたり前だよね。
でも兵士さん馬車の紋章見て驚くかも、あ!兵士さんが剣を抜いて御者の場所にいるハルに近づいてくるのです。なんかヤバイのです。
「おい!これはどういう事だ!何で馬がいないのに動くんだ!それにこの馬車は公爵家と伯爵家の物ではないか!説明しろ!」
何この人凄く偉そう…
怪しいのわかるけどもう少し優しくしてくれてもいいのに…
仕方ない注意してあげよ。
でないと中に紋章の公爵家と伯爵家の人間が乗ってるんだから、この人大変なことになるかも…
「兵士のおじさんそんなに怒った対応ダメなのです。もう少し言い方変えた方がいいのです、後で大変なことになるのです」
「やかましい!フードを被った怪しいガキが俺に文句を言うな!質問に答えろ!この馬車をどこから盗んで来た!」
二人の兵士が扉を開けようとするも開かない事を報告してくる
「おい!ガキ貴様を拘束する!やれ!」
「はっ!」
「えーー!何でですか!おかしいのです!ハ… ボクはこの馬車の持ち主と一緒に運んで来ただけなのです!
こんなのおかしいの!離してぇー!」
兵士二人に捕まれハルは御者台から降ろされ拘束される、
ガチャン
ハルは両手を拘束されるも首を傾ける、あれ?お姉さん達まだ寝てるのかな?
こんなに騒がしいのに出て来ない、鍵は中からかけてるのわかるんだけど…さすがに紋章入りの馬車の扉は壊さないんだ…
ぅうこのままだとハルどうなるの?
メロディお姉さんのお家のある町で暴れるのダメだから大人しくするのです。
「おい!ガキどうして鍵をかけてる!中に誰かいるのか?」
この人バカなの?鍵なんか外にいるハルがどうやってかけるの?
「鍵なんてかけてないよ。たぶん中にいるお姉さん達がかけたと思うけど、ボクわからないです」
えー何言ってるの?この人…
「まさか殺したのか!だからそんなとぼけた事言ってるのだろ!」
兵士は調べもせずハルを掴み拘束する。
「そんな事してないのー!離してぇーー!」
「おい!このガキを兵士詰所の地下牢に連れて行け!
俺達もすぐに行く!お前は応援を呼んで来い!馬車を中に運び込む、ヘルパーお前は馬車を見張ってろ!何もするなよ!」
「わかりました!」
「応援呼んで来ます!」
ダダダダ…
「ガキお前はこっちだ!来い!」
ドカ!
「ぐぅ 嫌ぁーーー!」
ズルズル…
兵士は応援を呼びに行き暫くして数十人の兵士が馬車を囲み全員で馬車を門の中に運び込む。
ハルはそれを見ながら連行され兵士棟地下牢のある場所に連れていかれる
ハルを捕らえた兵士がハルを尋問する
「おい!ガキ貴様は今からここで尋問をする!正直に答えろ!名前は?その格好からどこか集落の子供か?どうやってあの馬車を盗んだ!仲間はどこにいるのだ?」
ハルは盗賊扱いされ尋問に答えず反論する。
「名前はないです!答えたくないです!仲間とかいないです!盗んでないです!」
「ちゃんと答えろ!何もわからねえだろ!」
バン!
男は声をあらげ机を叩く
ハルは男を諌める発言をする
「なんで盗んだと決めつけて尋問するの?そんなのおかしいのです!
違ってたらどう責任とるですか?もう少し落ち着いてよく考えてなの」
「やかましい!だいたいフード被ってる時点で怪しいんだよ!全部脱げ!正体さらしてやる!」
酷い…
「嫌ぁーーー!」
「ガキの女か…しかも色白銀髪怪し過ぎなんだよ!」
男は無茶苦茶言ってハルを蹴りあげる
ドカ!ドコ!
ぐぅー
「ゴホゴホ…何するですか?それなんで決めつけるです!おかしいのです!」
「やかましい!正体を現せ!てめえ魔族だろ!おらー!」
男達は決めつけてハルを蹴ってくる
ドカ!ドカ!ドカ!
「おら!おら!さっさと変装を解け!」
ドコ!ドカ!
ドコ!ドカ!
ハルは拘束した兵士にもう一度教えてあげたのです
「ゴホゴホ…兵士のおじさん、この暴行いくらハルが怪しくても酷いです!
許せないです!
ここまで馬車を運んだんだのに…なんでちゃんと事情を聞いてくれないの?ゴホゴホ…」
ハルに暴行を加える門兵のタランとバルド、元々この二人は態度も悪く町の者からも評判はよくなかった。
武力だけあるから責任者に任命されていた。だから調子にのり好き放題していたのだった。
二人はハルに正論を言われ益々キレる
「ガキ黙れ!変身した魔族が!」
ドカ!ドコ!
バチ!ドス!
二人はハルを拘束したまま殴る蹴るの暴行を加える。
ハルは身体強化せず抵抗しなかった。あのギルドの冒険者と一緒ほんとダメな人間はどこにもいるのです。
後はホルンのギルド見たいな好い人がいるのかなぁ…
なんか蹴られ過ぎて意識が…
ガクッ
「ちっ!このガキ魔族じゃないのか?」
ハルが気絶したのを見て扉の前で誰も来ないように立っていた兵士が話しかける
「あまりにも一方的で、少しやり過ぎなように思うのですが・・」
「やかましいドラッド!新入り兵が意見するな!スラムの牢番に移動させるぞ!」
「すみません、私は何も見てません」
「おおそれでいいんだよ!」
「なあタランあの馬車もし本当にこいつの言う通りなら俺達ヤバいぞ!公爵家とここの領主だぞ!」
タランは自分の主張を変えずバルドに自分が間違ってない事を説明する
「しかしなぁ…こいつ魔族だぞ!こんなに白い肌見たことないぞ!
それにこの銀髪、馬のいない馬車を運ぶ魔力と魔法、こんな状況でも自分の主張を変えず反論するなんてチビのガキにできるわけねぇ!
もしできるとしたら魔族くらいしかねぇ!」
タランは厳しく尋問しても反論するのは子供ではおかしいと主張するバルドに疑問をいだきながら答える
「確かにそうかもだけど、魔族ってここ数百年この大陸に現れたことないはずだ…
彼らは大陸から遠く離れた島に住み大陸との交流をもたない種族だぞ!
絶対そいつ違うって!逃げられた事にして、その箱に入れて森に捨てて来た方がいいって」
タランは考えバルドの意見に従う。
二人は急いで気絶してるハルをハルがギリギリ入る小さな箱に入れ厳重に蓋をして地下から運びだす。
タランが状況を説明するためにその場に残り、バルドが馬車を調べる兵士達のいる門と、反対の東門まで怪しまれないように荷馬車で移動し、そのまま門を出て数十キロ離れたモルハンの森まで行く。
バルドは森に少し入った処理台の岩と呼ばれる重罪を犯した犯罪者の処分に使う岩の所に来て、箱に入ったままのハルを谷底へ投げ捨てる。
「わりいな運がなかったと思って諦めなフン!」
ビューーン
ガサガサガサ……
「よし!谷に落ちたな、さてさっさと戻るか」
バルドはハルの入った箱が谷底に落ちて行くのを確認して、荷馬車を走らせ町に戻って行った。
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