第207話眠るハルとメリール達(改)

メロディはメリールがあまり心配していないので聞いて見た


「あのメリール様何でそんなに落ち着いていられるのでしょうか?これだけの数のBランクの魔物が集まってるのですよ」


メリールは微笑み馬車を指しながら話す



「メロディあなた達が不安に思うのわかります、ケアリー、メロディあれは何かしら?」


ケアリーもメロディも他の者達も皆メリールが指した方向を見る


「あれは私達が乗って来た馬車ですが?」


「あれは馬車ですね」


「誰が見ても馬車」


皆も頷く


メリールは微笑みながら質問をする


「よく馬車と周りを見てください、不思議に思いませんか?フフフ」


メロディ達もケアリーも皆馬車を見つめる


「馬車の周り?」

「ん?」


メリールは微笑みながらさらに話す



「ここまで私が指示してこの子に運んでもらいました。わかりまして?フフフ」


するとケアリーが驚きの声をあげメロディ達も騒ぎだす


「「「あー!馬がいない!」」」


「フフフそれだけですか?」


「ここは森の中だ!」


「ほんとです!馬車道がありません!」


メリールがハルを見ながら答える


「この子は私達全員を乗せた馬車2台を風魔法を巧みに使い馬車なら2日以上かかる距離をたった数時間でここまで運んでくださいました。


そして眠くなったからと馬車をこの場所に降ろして、一瞬でこの魔法障壁を二重に張り眠られました。

それが私が安心する理由です。Bランク冒険者のケアリーなら私の言ってる事わかるでしょ」


ケアリーは頷き話す


「メリール様の言ってる事は信じられませんが、実際馬車がここにあり、私達がここにいる現実…

ほんとにこんな小さな子供がここまでしたのであれば、メリール様が安心なさってるのがわかります。

実際見てないので信じられませんが…」


メリールははっきりと告げる


「ケアリーこれは事実ですよ」


そんなやり取りをしてる中、メイドのノルンはハルを膝枕して頭を撫でながらハルに話しかける


「お嬢様本当にありがとう…もうダメかと…」


そこに伯爵家のメイド達も集まりノルンと話をする


「ほんとこのお嬢様には感謝してもしきれません…」


「メリールお嬢様は完全に信頼しているみたいなので、私達もこのお嬢様を信頼しましょう。

この状況を何とかできるのはこのお嬢様だけですから…」


「ええほんと不思議なお嬢様…」


メリールが近づきノルンに話しかける


「どうノルンその子撫でてると癒されるでしょ♪」


「はい♪不思議な感じがします。それよりお嬢様ここはどの辺りなのでしょうか?」


ノルンが聞いた事にメリールがとんでもない事を口にする


「最初はねこの子が馬車道に沿って運んでくれてたんだけど、くねくねして全然スピードも上がらないしつまらないからまっすぐ飛んで運んでもらったの」


ノルンは嫌な予感しかしなかった。

前から思いつきや勘で行動され、今までその行動で翻弄され続けた私が感じたこの予感…


まさか…


ノルンは念のためにメリールに尋ねる


「お嬢様、念のため聞きますが、まっすぐ飛んで運ぶように指示したのはちゃんと方角わかってたのですよね?」


「何言ってるの?そんなの勘に決まってるじゃない!」


それを聞き周りが驚く


「「「えーーー!」」」


はぁーやっぱり…期待した私がバカだった


「お嬢様、では今いるこの場所がどの辺りか、わかってないわけですね」


「そうよ!まっすぐ飛んでっていったら速度上がって凄く気持ちよかったから、何も考えてなかったわ」


その発言にケアリーは頭をかかえ、ノルンは大きなため息を吐く


「はぁ…お嬢様危険を伴う事なのですよ!もう少し考えてから行動してください!どうするのですか!全くもう…」


メリールは人任せの発言をする。


「この子が起きたらあんな破壊ボアやっけてくれるわよ!それにケアリーもいるからこの子に指示してくれたらちゃんと帰れるわよ」


ノルンはあまりにも無責任な発言にため息を吐く


「はぁ…もういいです。お嬢様後は私達に任せて下さい」


ケアリーは笑いながらノルンに話す


「しかしメリール様は相変わらずだなハハハ…」


「毎回苦労させられてます。ところでケアリーはこの場所わかりますか?」


ケアリーは状況を分析してあっさり答える


「ああ!これだけのバーストボアが集まるところっておそらくクライス領とドライホルン領の間のピレネー大森林だと思う」


メリールは思ってたところと違うので笑って誤魔化す


「あれ?私領都クラッサに向かって指示したつもりだけど…アハハ」


ノルンはメリールを叱る


「お嬢様!全く反対方向ですよ!しかもピレネー大森林って強力な魔物が沢山いる開発のできない大森林ですよ!どうするのですか!」


メリールは相変わらず適当な事ノルンに言う


「そう怒らないでよノルン…私達のいる場所が大森林の入口なら町も近いしこのボア以上の強い魔物出て来ないわよ」


「お嬢様はどうしてそう都合のいいように考えるのですか!バーストボアの群れで囲まれてるのですよ!森の入口なわけないでしょ!」


「そんなのわからないじゃない!」


「どうですか?ケアリー」


ケアリーは首を振りながらメリールに話す


「残念ながらメリール様こいつらがいる時点で、大森林の中層は確定してます。

深層には緋色虎や灰色破壊熊、ロックドラゴンなどがいる森です!そんなのに1匹でも出くわしたら終わりです!」


さすがにその話を聞きメリールも態度が変わりケアリーに問いかける


「ケアリーここがピレネー大森林って間違いないの?もしそうだとしてこの子ならその緋色虎や灰色破壊熊出て来ても大丈夫よね」


「メリール様私はこの子がどれほどの魔法が使えどれほどの動きをされるかわかりません、ただ言えるのは緋色虎も灰色破壊熊もランクSS災厄クラスの魔物だと言う事です。


勇者パーティーでも危険なレベルです!この意味わかりますよね。

それに残念ながらバーストボア以外にも後方の木に黒刃鳥も見えます。

あいつはAランクこの森林にしか確認されていない魔鳥です。

あの魔鳥がいる時点で私達がここから無事脱出できる確率はかなり難しいかと…」


それを聞き皆が落胆し静かになる。

そして数時間後ようやくハルが目覚める


「うーん ん?お姉ちゃん達誰?」


メリールが両手でハルの手を握り答える


「ハル様覚えてないのですか?私達は盗賊に襲われてるところをハル様に助けていただいた者です。

こちらはハル様が盗賊の隠れ家から助けた者達です」


メリールはハルが自分達を助けた事を認めていなかった。

それで今の思考の働いていないハルなら素直に答えるのではないかと期待していた。


「んー?ああ!あの時の…こっちの人も…

うん♪覚えてるのです。あれハル何でここに…」


みなニコニコしながらハルを見つめる


確か盗賊から助けた人達だよね。


それでこの身分の高いお姉さんに言われて馬車を運んで…


あー!


ハルこのお姉さん身分高いから助けた事ごまかしてたはずなの。


まだ大丈夫かな…


「はい!思い出しましたの。こっちのお姉さん達は裸で倒れてたところ助けて、こっちのお姉さん達は困ってたから…「もういいから」た…」


メリールはハルを抱きしめ優しく頭を撫でる


「ハル様全てわかってますから、私達ハル様が嫌がる事するつもりないから安心して、でもお礼は言わせてほしいかな…」


ハルは並んでるお姉さん達の前に立たされました、そしてお姉さん達は並んでハルにお辞儀をされました。


「「「「ハル様私達を助けてくれてありがとうございました」」」」


ハルは恥ずかしそうに答える


「ハル最初関わりたくないから見過ごすつもりだったの…ごめんなさい」


メリールはそんなハルに感謝を伝える


「それでもハル様は私のお願いを聞いて助けてくれました。そしてこの子達も助けてくれました。」


「そうよハル様私達はあなたに感謝してもしきれないくらいなの、本当にありがとう♪」


何かハルが思ってたのと違うのね。

もっと偉い人のところに連れていかれて、いろいろ騒がれるかと思ったけどよかったです。



ドドドドド…

ドスーーン


それより何?さっきから変な音してるけど


ハルは周りを見ると大きなたくさんの魔物がハルの障壁に体当りをしてるのです、何これ?


メリールがハルに話しかける


「ハル様気づかれました、私達は今多くの魔物に囲まれています、この状況ハル様なんとかなりませんか?」


ハルは探知で調べました、大きなボアが15体と木の上に魔鳥が10羽それに少し奥に大きな反応が3つか…ハルの魔力は回復してるし、お姉さん達へハルの事騒がないから遠慮はいらないのです、やるのです!


「お姉さん達ここ動かないで見てて下さい!

今の状況言います。このバカボアが15体、木の上にピーク魔鳥が10体、林の奥にかなり強い魔物の反応3です!

今からハルがここを出てやっつけるのです!」


「え?奥に強い魔物?ちょっと待ってハル…あぁ行っちゃった」


ケアリーは止めようとするもハルは飛び出して行った。





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