第206話ハルは助けた女の子達を運びました(改)

『風球!強化』


フワン♪


『風球放出!』


ヒュンヒュンヒュンヒュン………………


シュン!


風球で上空100mに浮いた馬車が凄い勢いで飛んで行く、窓から見る景色に公爵令嬢がはしゃぐ


「うわー凄ぉーい!馬車が空を飛んでるのよ!こんな魔法の使い方あるのですね♪凄く早いです♪これなら公爵領の領都クラッサまで連れて行ってもらおうかしら」


何?領都クラッサ一番近いのかなぁ?ハル魔力持つかなぁ


「あのお嬢様クラッサってどれくらいかかるのですか?」


「ハル様!お嬢様はやめて下さい!メリールと呼んで下さい!クラッサまで馬車で20日くらいですわ」


は?何さらっととんでもない事言ってるの?


「あのさすがにそれは…本当はどこに行く予定だったのですか?」


「王都メルセボルンにいるお父様に会いに行く予定だったの」


なるほどお父様に会いにねふーん


「それでメリール様ここからだと王都までどれくらいですか?」


「そうね馬車で16日くらいかしら」


「………」


何言ってるの?この公爵令嬢様はふざけてるの?

何しれっとそんなところに送らせようとしてるの!


「あの…さすがにそこまで魔力は持たないのです!もう少し近くの町をお願いします」


「あらダメなの?今回の盗賊の事も報告したいし王女ミシェル様にも会いたいし、魔力持たないなら休みながらでもいいわよ」


は?報告冗談はやめてほしいのです。

そんな事したらのんびりしながら勇者情報集めれないのです。


「ハルは予定あるのです。報告はハル何も関係ないからいいけど、近くの町をお願いします」


ベェーだ!報告されてもハルが倒した証拠ないのです!だからかまわないのです


「仕方ないわね!じゃこの方角にまっすぐ進めて」


何言ってるの?道ないよ?大丈夫なの?道なりに進まなくてわかるの?ハル方向よく間違えるのに…


ヒューーン

ヒューーン


「いいわよハル様♪凄い凄い!このままで速度持続できる?」


「できるけど…」


「ハル様凄いです♪町に着いたら美味しいお菓子食べさせてあげるから頑張って」


「うぅ…わかったのです」

ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン……………


一応魔力量心配だから調整して魔法使ってるけど、これ時速60kmくらい出てるよ…


まだなの?もう3時間くらいたってるけど…


さすがに疲れたのです魔力はまだ大丈夫だけど眠くなって来たのです…


「メリール様ハル眠くなって来たのあそこに止めるね」


ヒューーン

ドスン


ブーン

ブーン


心配だから魔法障壁2重で張ってっと…うん♪これなら大丈夫かな、ハルの魔力以上の魔物何てそうそういないと思うし周り森だし念のため周辺探知してみたけどそんなに大きな魔力を持った魔物いないのね


「メリール様一応魔法障壁張ってるから大丈夫なのね、ハルお眠なの……」


バタン

スヤスヤスヤ…


「えー!ち・ちょっとここ森の中よ!って行動早!障壁って…」


もう寝てるし…


コンコン


「うわー この子とんでもない事さらっとしてるけど、こんな凄い障壁みたことないわ!

しかも2重に張ってくれてるしこの子何者なの?」


バタン


「あら馬車から寝てた女性が降り来たわ、話を聞いた方がいいわね」


ハルが助けた女性が馬車から出て来て一礼をし話しかける


「あのお嬢様が私を盗賊団から助けてくれたのでしょうか?もう少し小さかったと思うのですが…」


「ああ!それならこの寝てるこの子じゃない?」


女性は涙を流しハルの手を握る


「はいこの方です!間違いございません」


馬車からぞろぞろとハルが助けた女性が出て来るとみんなハルの寝てる周りに座りハルを見つめる、メリールが女性達に自分達も同じだったと状況を説明する


「私もあなた達と同じよ、たぶん同じ盗賊団だと思う、男達に服を引き裂かれ縛られ犯される寸前だったところをこの子に助けてもらったのよ、私の同行者はまだ寝てるみたいだけど」


「私達は皆盗賊団の男達に毎日のように犯されました。地獄のような日々でした。そこにこの子が突然現れて眠らされました。そして気がついたらここにいたのです」


「辛かったのね、もう大丈夫よ、どうやらこの子とんでもない魔法使いみたいだから、見てご覧なさいこの硬い障壁こんなの見たことないわ」


女性達もそれぞれ動き確かめ驚く


「凄い…薄くない押してもへこまない 」


ゴンゴン


「ほんと何これ硬そう…何この音?」


ゴンゴン


ハルの周りで座っていた女性達も音に気がつき周りを見る


「何の音でしょうか?」



メリールが音のする方向を指さす


「あれよ!バーストボアが私達を見て襲って来てるのよ」


「え?バーストボアは確かBランク以上のパーティーで討伐する高ランクの魔物それが障壁を破れないの?」


何か向きになって仲間も呼んだのかしら?いっぱい集まって来て障壁に体当たりを始めた、こんな数どうするの?ボアは障壁の同じところを体当り始めたけど弱くなると思ってるのかしら?効果なくなるの待ってるやつもいるみたいだけど


ドドドドド…

ドスーーン

ドドドドド…

ドスーーン

ドドドドド…

ドスーーン


「あのボア達凄い勢いつけて体当り始めたわ」


「こんな数のボアパーティー組んでても討伐するの難しいんじゃ…」


メリールは怖がることなく微笑みながら話して来る


「大丈夫じゃないかな、この子がなんとかしてくれるわよ、それより助けられた者同士少しお話ししない?」


女性達は不安に思いながらも大丈夫そうなので話を始める


「そうですね、この子が起きるまで、私はティリム伯爵家のメロディと申します。

この者達は護衛とメイドです」


「メロディお嬢様の護衛をしていますアスパです」

「同じくユリストアです」

「同じくソシアルです」

「同じくニーチェです」

「同じくムースです」

「メイドのシルシルです」


「私はバイシール公爵家メリールよよろしくね」


みな頭を下げ礼をしょうとしたのをメリールがとどめる


「やめて下さい!私達は皆この子がいなければ死ぬまで悲惨な目にあったのです!私達は仲間ですよ!ねぇケアリー」


ローブを身につけた女性二人が近づき話しかけてくる


「すまぬ寝ていて気がつかなかった。私はメリール様の護衛のBランク冒険者のケアリーです」


「メリール様の専属メイドノルンです」


「メリール様言う通りだ!私もメリール様もノルンもあの屑どもになぶり者にされ、一生あいつらの慰み者にされるところだったのだ。同じ仲間としてこの子に最大の感謝を捧げたいと思う」




ドドドドド

ドスーン

ドスン

ドドドドド

ドスン

ドドドドド…

ドスーーン

ドドドドド…

ドスーーン

ドドドドド…

ドスーーン


「しかし凄い数が集まって来てるな、ホントになんとかなるのか?」


不安に思うメロディ達とケアリーしかしメリールだけは気持ちよさそうに眠るハルを見つめていた




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