第198話ハルの指名依頼(改)

 ハルは相変わらずの毎日で、ギルドの職員達に宿舎で毎日お説教されていた。


「ハルちゃん今日のあれは何!あれほどやり過ぎはダメって昨日も言ったでしょ!」


「うぅ…ごめんなさいなの」


「ほんとにわかってるの?」


「うん…」


「ほんとに?」


「・・・大丈夫なのちゃんと反省したの!」


はぁ~この子は昨日も同じこと言ってたけど・・一晩寝ると忘れるのかしら?天然なの?


 デリヤが宿舎に戻ってくると、いつもの光景があった。


「今日はハルちゃん何やらかしたの?」


「あっそっか、デリヤ商業ギルドに行ってたんだね、薬草採取クエストでヒルシル草と、パルパム草をまた大量にね、私もバックからドサドサ出て来た時は唖然としたもの」


「はぁー!またとんでもないことを…」


「私達もギルドに長くいるけど、あんなに大量の上級薬草見たの初めてだもん、それを鑑定したら全部高品質だったから、パルマが慌ててハルちゃんの手を引っ張って奥に連れて行ったもんね」


「そら慌てるわ、ほんと毎回あの子は凄いね、アハハ」


「ハルちゃんの担当者のスミレとキャリーはほんと毎日大変ね」


「まぁ毎日何かやらかしてるから、それを本人は全く気がついてないって言うか、反省してないんだから」


「わかった?明日から気をつける!いいわね!」


「はいなのです!」


「おぉ終わったみたいだな」


 ハルはお風呂入ると叫びながら食堂の談話室を出て行く


 キャリーがハルのお説教が終わり談笑しているところに来て座る


「はぁー疲れたわ…」


 デリヤもオリビアも笑いながら話しかける


「キャリーお疲れ様、毎回大変ね、昨日はスミレがお説教してたみたいだし、私達も毎日楽しいよアハハ」


「オリビアもデリヤも笑い事じゃないわよ、もうー!」


「アハハ…しかし楽しい子だね、毎回毎回よくやるよほんと」


 キャリーはニヤニヤしながらデリヤ達を見る


「デリヤ、オリビア、カレン、レイラあなた達、笑っていられるのも今のうちだからね、エリアス様がハルちゃんが毎回トラブル起こすから、私とスミレの事考えてくれて、1週間のローテーションでハルちゃんの担当者代わることになったから、来週からデリヤとオリビアよ頑張ってフフフ」


 ローテーションの話しを聞き4人は驚く


「「ぇーー!」」


「そんなぁー」

「問題児の担当…」


 ………

 ……


 次の日もハルは元気よくギルドに入って来る


「おはぁーです!」


 オリビアとデリヤがスミレの横でハルとの対応を見ている


「ハルちゃん今日も元気ね」


 ハルは嬉しそうに受付の中にいるスミレ達を見て楽しそうに話す


「昨日美味しい物いっぱい食べたし、いっぱい寝たから元気大盛なのです!だから沢山クエストやるです!」


 それを聞き受付のスミレ達は顔をヒクヒクさせる


 オリビアはハルを見て思った、この子は寝たら記憶全部飛ぶんじゃないかと、だから毎回やり過ぎるんじゃないかと


 カレンは、毎回やらかすハルをよく見てるから、今日のハルの元気ぶりは今まで以上に盛大にやらかすんじゃないかと思い顔をこわばらせていた。


 デリヤは、ハルが沢山クエスト頑張ると言った瞬間あ!この子またやらかす、今日は早番ハルが戻って来る前に逃げなきゃと思っていた。


 スミレは、今日のハルには指名依頼が入ってて驚いていた。


『指名依頼って最低Eランク以上のはずなのに何で?』


「ハルちゃん今日の受付処理するから冒険者カード出してくれる?」


「はいなのです!」



 スミレはハルのカードをギルドカード魔道具に乗せると光だす


 ブン

ピカーー!

「えーー!何これこんなに激しく光るの初めて」


周りにいたオリビア達も騒ぎだす


「えー!何が起こってるの?」


「こんなの初めて見たわ」

光が収まると現れたのは


金色に光るギルドカードだった


「えーー!ゴールドカードぉ?」


確か冒険者は☆☆☆☆☆【ゴールドクラス】〈冒険者個人世界ランキング9位以内〉ナンバーズNo.1~9〈Aランク以上冒険者〉


☆☆☆☆【シルバークラス】〈冒険者個人世界ランキング10位~30位以内〉ナンバーズNo.10~30〈Bランク以上冒険者〉


☆☆☆【ブロンズクラス】〈冒険者個人世界ランキング30位以上のランク外〉ナンバーランク外〈C・Bランク冒険者のランク外〉


☆☆【アイアンクラス】ノーランカー〈Dランク冒険者〉


☆【アイアンカード】ノーランカー〈E・Fランク冒険者〉


・【ストーンカード】ノーランカー〈Gランク冒険者〉

これってカード用判定整理魔道具がハルちゃんのカード情報を取り込んだ結果こうなったってことでしょう?各主要ギルドにあるアーティファクト全世界にあるこの魔道具は絶対的信頼のある魔道具それがハルちゃんの記録を取り込んだのね、確かにハルちゃん個人とんでもないしまぁなんとなくわかる、それでギルド総合評価も高いんだ、はぁ・・とんでもない子ね、


「しかもNo.9って… な・ナンバーズ冒険者こんなのこの領地でもいないしこの国に何人いるのよ」


ゴールドクラスのナンバーズ冒険者で、ギルド総合評価ランクAって嘘でしょ!このギルドの今までの最高総合評価はCだったはず… 凄いよハルちゃん、あっそっか昨日ミーティングでギルマスが言ってたっけハルちゃんのランクUPそしてカード見て騒ぐなと、これかぁ・・でもこんな結果予想できたのかな?そうだそれより仕事だ


「ハルちゃんこの箱に大切な物入ってるから、これをホルン冒険者ギルドに届けてほしいの『まぁ正確には代官様から領主様への重要書類なんだけどね、そんなことは言わない』いいいかな?」


「えーー!運搬のお仕事つまんないのです!バーーンって魔物いっぱい討伐したいです!」


 ヒクヒク

いやいやハルちゃん、今日のあなたハイテンションじゃない、そんな状態で討伐クエストなんてしたらどうなるかわかるからね。


毎回毎回複数パーティーでのクエストを一人でバカみたいな数毎回報告するんだから、毎回驚かされるこっちの身にもなりなさいよね!

今日は絶対討伐クエさせないから!とんでもないことになるのわかってるんだから!


 横で見てるカレン達はニヤニヤ笑いながら見ている


フフフさぁこの問題児ハルちゃんの対応どうするのかな


「ほらね、この子はもう・・ ん?カレン何ニヤニヤしてるのよ!」


あれ?メモと手紙がある・・もしハルちゃんが渋るようならレイラおばあちゃんのお願いだと言えばいいと、手紙も渡すようにか…


ふーんこんなことで言う事聞くのかな?てかレイラおばあちゃんって誰よ?


「ハルちゃん今日のクエストはね、レイラおばあちゃんからのお願いなの隣町のホルンにおばあちゃんの荷物の運搬なんだけど、受けてくれるかな?

あとレイラおばあちゃんからの手紙も預かってるわ」


 ハルちゃんに手紙を渡すと、ハルちゃんは手紙を読み態度を一変させる


「ホルンでお爺ちゃんがお菓子用意してるから荷物届けるの!荷物どれですか?」


「え?嘘!」


 オリビア達はハルの反応に呆れる

えーー!さっきまでの態度なんだったの?


スミレはハルが態度を変え喜ぶ姿を見て不安に感じた


『えー!そんなに喜ぶ事なんだ、お爺ちゃんって誰?何か嫌な予感しかしないんだけど…』



「アハハ受けてくれてありがとうね、ちょっと待ってて持ってくるから」


 スミレは依頼の荷物を持って来てハルの前に置く


 コトッ


「これよ、中にはいろいろ書類入ってるから、ハルちゃんのマジックバックなら盗られることないでしょ?だから適任なのいいかな?」


「はいなのです!任せるのです」


 ハルは書類の入った箱ををバックに入れて出て行こうとした。


「待って!ハルちゃん隣町のホルンは、馬車で3日の距離よ方法は任せるけど安全のために乗り合い馬車で行くといいわ。

この前夜営も経験してるから大丈夫と思うけど夜は十分気をつけて!」


「はいなのです!行って来るのです!」


 バタン


 スミレは出て行った扉を見ながら祈った


『ハルちゃん頼むから問題を起こさないでね』


 オリビア達も思いは同じだった


「ハルちゃんならこの付近の魔物が出ても問題ないと思うけど、盗賊とか大丈夫か?」


「そうよね、相手は魔物じゃなく人だもんね、もしもの時殺す事出来るのかしら?」


 キャリーがバックヤードから出て来て話が聞こえてたのか問題ないことを話す


 ガチャ


「ハルちゃんなら大丈夫よ。前にね町で警備局から手配されてる元冒険者のデドルトがスラムに近い裏路地で女の子に乱暴しょうとしてたのよ。


それを警備局の兵士が二人で取り押さえようとしたけど逆にやられて重傷を負ったのよ。

たまたま私とハルちゃんが近くの建物からそれを見てたの、その時ハルちゃんが、とんでもないオーラが出て私にあの屑の男殺していいですか?って聞いて来たのよ。


あの時のハルちゃん、むちゃくちゃ怖かったわ。

もちろん殺すのはダメって言ったら、ハルちゃん見たことない武器を構えて、男めがけて何かを連続で発射したの。

そしたら男の右手が砕けたようになってたわ、両足には射抜かれた穴があき男はその場でギャーギャー叫びながら倒れたわ。


その後男は応援に駆けつけた警備局の兵士に連行されて行ったけど、ずっとその男にらんでたもん、殺すのダメって言わなければ絶対殺してるよあの子」


 オリビア達もハルの以外な行動に驚いていた。


「そんな事あったんだ、以外だなぁ」


「あれは異常ね、何か男が女性に対してそういう悪い行動に異常に反応するのかも」


「何か過去にあったのかな?」


「とにかく何事もないことを祈りましょ」


「そうね…」


 ハルちゃん無茶しないでね…



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る