第194話ハルのランクUPと領主との面接(改)
ハルはその後いくつかクエストをこなした後、エリアスと一緒にペントラン庁舎で代官、と領主と面接することになっていた。もちろんハルに正直に言うと拒否され森に帰ると言い出すから事前に連絡をとり領主と代官の二人にはハルのことを説明してあった。
「ハルちゃん今日はここのお家の人に食事にご招待されたんだ、優しい人達だから、いつものようにしゃべればいいから、遠慮もいらないよ、ハルちゃんがいっぱいクエスト達成してくれるから一緒にご飯が食べたいんだって、二人ともハルちゃんの大ファンなのよ」
「わかったのです」
☆・☆・☆
遡る事数日前、領主の定時訪問日に合わせエリアスが庁舎に赴きハルの事を話し合っていた
「今日はとある冒険者についてお話がございます」
代官キリクレイラと領主ライトマイスターは嬉しそうに話す
「おお!可愛い冒険者の事だろ!噂は聞いておるぞ!一度見て見たくてこうして来ておる、いつじゃ!早く会わせてれ」
「全く老いぼれ公爵が何を言ってるんだい!報告が上がって来る冒険者の事だね、私も今日詳しく聞けるから楽しみにしてたのよ♪」
エリアスは、二人にハルの規格外の冒険者能力、依頼達成状況、ハルの性格などを説明する
ライトマイスターは頷き語る
「なるほどな確かに規格外だな、わかったその小さな少女は他国に行ってしまうのはデルタポール国の損失になる丁重に扱う必要があるな、それも目立たぬようにだな」
代官のキリクレイラも頷き話す
「そうね話を聞くと難しそうな子供だし、それに何となく普通の子供じゃないような気がするのよ、だからライトマイスターが言うように、本人にわからないように陰からサポートしてあげるのがいいと思うわ」
「はい!すでにギルドでは全職員がそのように動いています」
「私も兄上と弟にも報告しておく二人共に私以上にその子を気にいると思う、私は暫くここに留まるから面接を兼ねてその子に一度会ってみたいのだが」
国王と公爵二人がお気に入りになれば、下手な貴族は手を出しにくくなるから、その子のためにもいいか、エアリスの言う小さな冒険者…どんな子だろう楽しみだわ
「それならこの庁舎の食堂で爺婆が食事したいからと言って招待するのはどうかしら?身分を隠し普通の爺婆として食堂ならその子も警戒する事なく楽しく食事ができると思うのだけど、どうかしら?」
「おおそれはいい!すぐにその子に言ってくれ、こちらの準備できたらギルドに連絡する」
「わかりました、ではこれで失礼します」
☆・☆・☆
ギルマスのエリアスは最初馬車で代官庁舎に向かうつもりだったが、パルマにダメだと言われ徒歩で向かっている、私はハルちゃんに警戒されないように楽しい話をしながら歩くこと数十分で庁舎に着く
庁舎に入るとすぐ食堂に案内され、メイドはハルに合わせて言葉を崩し、各領主と代官秘書も同席を希望したため目立たない服装に着替え言葉使いも崩すことで許可された、もちろんハルの対応については事前に徹底されていた、接し方もハルがどんな行動をしても優しく対応することが、考えられないくらいの激アマの対応だった。
メイドも秘書官も全員ハルの表情を見ながら必死に対応する、食事が運ばれ領主、代官たちと会話しながら食事が始まる、ハルはすこぶる機嫌がよくよく笑い周りもすっかりハルに心奪われていた、食事がおわりティータイムに入り話も進む
「そうなのハルちゃんはそんなに沢山クエスト頑張ってるのね偉いわ」
「爺の町にも時々でいいから来て、爺の手伝いしてくれんかのぉ」
ハルはクッキーを食べながら
「いいよぉ、ハルはレイラおばあちゃんも、ライトお爺ちゃんも好きだからいつでもお手伝いするからね♪」
「ハルはいい子じゃ♪今度爺の家にも遊びに来てくれるかのぉ」
「うん♪いいよぉ今日楽しかったのです」
ハルは椅子を降りて二人の元まで行くと、抱き着き頬にキスをする
「ライトお爺ちゃん椅子から降りて」
『おじちゃん身体のあちこちに悪いところあるこっそり治しちゃえ』
「どうしたんじゃ?」
ガバッ
ギュー『リフレッシュ』
チュッ
「食事をごちそうしてくれたお礼なの」
『うぉーなんじゃこれははぁー・・ なんかこの子に抱き着かれると不思議な感じがするのぉー ん?何か体調がよくなった?息苦しかったのが・・・』
「レイラおばあちゃん椅子から降りて」
『このおばあちゃん疲ひどい?血行悪いのかな?辛そうなの…治してあげるね』
「はいよ」
ガバッ
ギュー『リフレッシュ』
チュッ
「ハルからのお礼だよ」
『はぁー癒されるわー なにこれマジ癒された?身体凄く軽くなった?これは… 痺れとれてる…』
「ライトお爺ちゃん、レイラおばあちゃん時間だからハル帰るね、バイバイなの」
「またねハルちゃん」
「爺が今度家に呼ぶから来るんじゃぞ!」
「うん♪またなのぉ」
ハルはエリアスに手を引かれ帰って行った
この結果はハルはここに領主と町の代表がいることなど気づかず楽しく食事して面接も無事終了したのだった。
ハルたちが帰った後ライトマイスターとキリクレイラは全秘書とメイドを集め、今後のハルの対応を指示し、二人はハルの事を話し合っていた
「ライトマイスター公爵どう感じた?」
「そういうお主はどうじゃ?」
キリクレイラは答える
「正直言っていいか?あの子は女神様から加護を与えられておるはずじゃ、いやそれ以上かもしれん」
「キリクレイラもそう感じたか・・確かにギルドの状況は規格外じゃからランクを上げて国で保護するのはもちろんだが、実際会って接するとよく感じるありゃ人外の何かじゃ」
「はい!全く私も同じです、事実今凄く体調がよくなってます」
「とにかく兄にも密かに来てもらう事にする、我々の重要書類、荷物は今後あの子に任そう、一番安心できそうじゃ」
「そうしましょう、ではギルドにはランクUPとギルド評価欄をBにするように指示します」
「表面だけランクGからFにならあの子も気にすることはないだろ」
「これからいろいろ楽しみですねライトお爺ちゃん」
「フフお主も孫が出来て嬉しいじゃろレイラおばあちゃん」
「ハハハ・・」
「ほんとハハハ・・」
☆・☆
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