第182話ハルは家族にお別れをしました
☆・☆・☆
神界では創造神エアリアルとハルが話し合っていた
エアリアルはハルを見つめる
「ハルお疲れ様、もう十分でしょ?完全じゃないけどあの世界は邪悪な強い意志を持った者は、いなくなったわ」
「エアリアル母様、ハルは、止められてた強いスキル使ってないけど、やっぱりこっちに戻らないとダメですか?」
「確かにハルは使ってないわね、でもね今回もまた人間に酷い事されてハルの身体はもうボロボロよ、回復してるようにみえるのは、私が手を加えて見せてるだけ、あなたを地上に戻すことは出来ないわよ」
「そんなぁ… でも考えて見たらそうだよね、あんな状態で1日以上放置されて普通なら死んでるよね、ハルのステータス制限あるし低くされたし」
ハルは項垂る
項垂れるハルを見てエアリアルは話す
「ねぇハル少しだけなら戻ってもいいわよ、ちゃんとお別れしてきなさい、それと私のお願いを聞いてくれて、あの世界に強い邪悪な者が現れ人々を支配するようなことがなければ、時々なら戻ってもいいわよ」
「エアリアル母様本当ですか?ハル母様のお願い聞きます、向こうに行って家族のみんなに邪悪な者が現れないように言うです!」
エアリアルは笑顔でハルに答える
「お願い聞いてくれるのね、嬉しいわ♪でもね簡単なお願いじゃないし長くなるから、ご褒美もないと頑張れないでしょ、数年に1度ならあなたの好きなあの世界に行ってもいいわよ、ただし向こうの世界が約束を守れてること!」
「うん♪わかったの、クルル、ミルル、デリス母様たちなら大丈夫なの見張っててもらうのです!ハルお願い頑張るのです」
「アハハいい子ねハル、ただし向こうの世界に滞在できる時間は1日だけよ、1日たったら強制的にこっちに戻すからね」
「わかったのです!みんなにお別れしてくるのです!」
「じゃハル今から向こうの世界に戻すからちゃんとお別れしてきなさい」
「わかったの」
☆・☆・☆
その頃大樹のツリーハウスでは、久しぶりに家族全員が集まっていた
大樹に集まったクルル達は不思議な感覚に包まれていた、皆お互いの顔を見ている
クルルが集まった者達に尋ねる
「皆何か身体が温かい気持ちになってないか?」
ミルルもデリスも頷いている
「妾も不思議な感じがするのじゃ」
ミロもルナ達もセリス達も集まった全員が同じ感覚に包まれていた
カエデが窓の外を見て叫ぶ
「森の木々が発光しています!」
8魔将の銀燐のバーフラが魔物たちが集まって来た事を伝える
「この森の魔物達も集まってきています、何か感じたのでしょうか?」
すると皆が集まる広いリビングの扉が開く
ガチャ
「みんなぁー心配かけてごめんなさい!ただいまなのぉー」
突然入ってきたハルを見て全員が驚く
「「「「「!!!」」」」」
暫く沈黙の後全員涙を流し喜び合う
「「「「「おかえりなさいハルちゃん♪」」」」」
「「ハルちゃん戻ってきてくれてありがとう・・・うわーん」」
「「ハルちゃんよがった・・・グスン」」
「嬉しいのぉ・・・ グス」
「よかったのぉ♪ グスン」
一人一人ハルを抱きしめる
魔物達も喜び合い森に魔物達の声が響きわたる
ワォーーーー
グォーーーー
ウォーーーー
ウォーーーー
皆が落ち着いたのを見計らってハルが話し始める
「みんな聞いてほしいのです!たぶん みんな感じてると思うけどハルのこの身体は神界の霊力を纏っているのです」
クルル達もルナ達も集まった家族の者が静かに聞いている
「この世界のハルは死んじゃいました、今は女神としてハルの身体保護して動かしています、せっかく大好きな大樹のツリーハウスに戻って来てみんなに会えたのにごめんなさい・・・ グスン」
デリスは大粒の涙をながしつぶやく
「ハルちゃん・・・うぅ…」
クルルもミルルも皆が大粒の涙を流しながらハルを見つめている
「今日は大好きな家族にお別れを ・・言いに グスン 来たのです 」
ムム、ヤリス、バーフラ、ウラン達は泣き崩れる
「「「「うわーーん!」」」」
「ほんとは、もっといっぱいみんなと楽しく冒険したかったのです、でもこの身体でこの世界に留まることはダメだってエアリアル母様に言われました、母様に最後にきちんとお別れしてきなさいと言われました」
ルナ達召喚組は大泣きして収集がつかなくなっている
「「「嫌だよハル先生ーーー!うわーーーん」」」
クルルが泣きながらハルに話しかける
「ハルちゃん本当にこれでお別れなのか?我は嫌じゃ!ハルのいない世界は寂しすぎるのじゃーー!」
ハルは、全員を見渡し再び話し始める
「大切な家族にお願いがあります、この世界は今邪悪な人が作る国や組織はないです、このまま悪い国や組織が現れなければハルは、戻る事出来るのです、ずっとじゃないけど戻れるのです、だから皆お願いなのです!悪い人達が増えて組織や国が出来ないようにしてほしいのです!ハルは、エアリアル母様のお願い聞いたら時々ならこっちに帰っていいって言ってくれました、でもこの世界に悪い人の国ができたらハルは戻れないのです」
ハルの発言に皆が驚く
ミルルがハルの手を握り確かめる
「ハルちゃん!その事本当なの?」
「はいなのです!エアリアル母様は、お願いのご褒美って言ってくれました、だからハルは、頑張ってエアリアル母様のお願い頑張るのです!だからこの世界のハルの家族にお願いなのです!絶対悪い人達が増えないようにしてほしいのです!ハル家族の皆にまた会いたいから… 」
クルルは胸を叩き
「ハルちゃん、我らはその約束絶対守る!邪悪組織や国家は絶対作らせない!」
「まだあるのです…異世界からの召還もダメなのです!デリス母様、ムムお姉ちゃんヤリスお姉ちゃんバーフラお姉ちゃんウランお姉ちゃんたぶん召還の事魔族のお姉ちゃん達が一番敏感だと思うの…だから絶対させないで」
8将軍達が泣きながら答える
「ハルちゃんムムお姉ちゃん達に任せて絶対阻止するから!」
ウランも泣きながら答える
「ウランお姉ちゃんやバーフラお姉ちゃんがスキル使って勇者召還なんかさせないしそんな組織潰すから…」
「家族のみんなよろしくお願いなの…ハル絶対また戻るから…」
皆が頷く
「ハルちゃんがまたこっちに戻れるようにするからハルちゃんも頑張って!」
ハルは、涙をふいて
「みんなありがとなのです、でもご褒美でいつ戻れるかわからないのです、何年かかるか… でも信じてほしいのです」
ユリがハルを見て話しかける
「大丈夫ハルちゃんの家族になった者ほとんどがハルちゃんの加護があるから寿命が延びてるし眷属は寿命で死ぬことはないから信じて待つ」
ハルは、召喚されてこの世界にきたルナ達にもう一度話す
「ルナお姉たん達は、元の世界に帰りたくないですか?今のハルなら戻すこと出来るのです、ハルは次いつこっちに戻れるかわからないのです、だから… お姉ちゃん達はハルがいないなら元の世界に… 「必要ない!」 え?」
ルナ達召喚組がハルの前に並び全員が声を揃え答える
「「「私達は、ハルちゃんがまたここに戻って来るの待ってるから!元の世界には戻りません!」」」
ハルは、泣きながら叫ぶ
「お姉ちゃん、ハルは絶対また戻って来るからぁー!うわーーん!」
ハルは、しばらく泣き続けた後涙をふきとりみんなを見渡しゆっくりと歩きだしリビングを出て外の大きく張り出たデッキに出る
その後を全員ついて行く
ハルは、デッキに出た後自分を見つめる家族に向かって
「時間見たいなのです、最後は笑ってお別れしたいのです」
デッキに出たクルル達は全員涙をぬぐいハルを見つめる
クルルが
「ハルちゃん無茶するでないぞ!」
「はいなのです♪」
ミルルが
「ハルちゃん身体だけは気をつけて」
「はいなのです♪」
デリスが
「ハルちゃん約束は絶対守るからね」
「はいなのです♪」
ルナが
「ハルちゃんずっと待ってるから」
「はいなのです♪」
ミロが
「お願い頑張って」
「はいなのです♪」
ムムが
「いつまでも待ってるから」
「はいなのです♪」
ハルが皆に手をふりはじめるとハルの身体から光の粒子が出て身体が薄くなっていく
「みんなぁー!ハル頑張るからぁーバイバイなのぉー!」
「「「ハルちゃん元気でねー!」」」
みなが、ハルの消えた場所を見つめたまま
誰かがポツリ
「行っちゃたね」
「……………」
「……………」
「……………」
クルルが皆を見つめ語る
「この世界を救ってくれた我らの可愛いハルがまた戻ってこれるように頑張らないと…… 」
ミルルもそれに答えるように
「私達は、ハルちゃんの家族なんだから皆で頑張りましょうね」
デリスもハルの消えた場所を見つめつぶやく
「ハルちゃんありがとう… 」
皆が同じようにつぶやいていた
「「「ハルちゃんありがとう… 」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます