第181話眠るハルと眷属達

大戦後のティオール国は、エアロ、サリナトーレ、ベルバラ達ハルと深く関わった者達が国王始め国の重鎮達と共にミラーレ連合国との会談参加し話し合いが行われた、今回の大国との大戦でミラーレ連合国の参戦理由などについて語られる事になった。


まずティオール国国王が参戦し大国の侵攻を撃退してくれたことに深く感謝を述べると共に、どうして遥か離れた大陸の戦争に参戦してくれたのか尋ねた


「ティオール国国王グランブルと申します、此度のクォーク帝国、バルサート教国との戦争に参戦していただき、深く感謝いたします、しかし数百万ともいえる敵軍に攻められてる国をどうして助けようと参戦されたのでしょうか?」


ミルルによって連合国が参戦した理由が語られた


「私は女神ハル様の眷属白龍のミルルと申します、救出に参戦した理由は敵軍の数ではありません、たとえ相手が数万でも数千万の軍隊でも私達連合国は全力で参戦したでしょう、それはハル様からの救援要請だったからです!それを知ってもらうには私たちと女神ハル様の関係を知ってもらった方がいいでしょう、私達にとって女神ハル様は、連合国前の多くの国々を救った女神様なのです、あの小さな身体で力を封印されてるにもかかわらず、邪悪な行いをする国から大勢の人族、獣人、魔族、水族、緑あふれる森林そこに住む魔物まで救ってくれました、でもそれは決して容易い事ではなく、いつもご自身が傷つき時には命までも危うくなるような事もありました、ハル様は種族は関係なく、ご自身がどのような状態でも行動を起こされるのです、私達救われた多くの者はそのお姿に心打たれました、私達はハル様が望む差別のない愛ある世界を実現するためにハル様と共に行動しています、その結果が今のミラーレ連合国なのです、私もクルルも人族の環境を破壊する魔道具の影響で人が踏み入れない奥深くで死の淵をさまよっていたところを救われたのです」


デリスがハルについて語る

「女神ハル様の眷属元魔国王妃デリスじゃ、ティオール国の民の中にもハル様のことを知ってる者もいると思うが、あの子は純粋にこの世界が好きなんじゃ、特にこの世界が壊されていくのを嫌う、多くの民を犠牲にする異世界からの勇者召喚、環境を破壊するような行動、これらは特に禁ずる行為であり一番忌み嫌っておる、妾の国魔国も人族による環境破壊が原因で滅ぶ寸前じゃった、魔族の9割以上が後数ヶ月で息絶えるような状態だったのじゃ、そこからハル様の行動は、女神の力を使う事なく知恵とご自身の持つ最低限の魔法やアイテムを駆使して救出してくださったのじゃ、私達魔族はハル様は命に代えても守りたい方なのじゃ」


デリス達が話し終わるとユリが立ち上がる

「女神ハル様の家族ユリです、私たちはにとってハル様は絶対的存在、そのハル様がドライアド様を通して助けを求めて来た、ハル様が助けを求めることはほとんどない、だから私達はファミリーとして行動を起こした、この大陸に来るまで、ハル様救出のために多くの仲間がサポートしてくれた、皆ハル様のために行動した失いたくないために、これが私たちが動いた理由」



ティオール国国王のグランブルが語られる話しを聞きハルに感銘を覚え

「我々も王女が救われ、聖女も救われさらには大国からの侵略からも救われた、我が国も共にハル様の歩む道について行きたいと思います、どうかミラーレ連合国に加わらせてください」



こうしてティオール国がミラーレ連合国に加わる事になった、その後連合国に加わったティオール国は、国内の情勢も大きく変わっていった、国内に転移陣の構築、それにより交易も盛んになり、街も発展、軍事力も強化され各砦にミラーレ連合国から持ち込まれた魔道具が設置され防御強化され転移陣、魔道通信具と大国対策がされ峠国境にも同様の対策がされた


一方敗戦したクオーク帝国、バルサート教国は、賠償金と領土割譲が話し合われ各大国共に領土は、2割割譲、賠償金は、白金貨5000万枚で決着した、敗戦した大国は兵力の半数以上を失い国内の治安が悪化、徐々に二つの大国は衰退していった


ハルは、目覚めることなく眠り続け今は、ティオール国の人達の強い要望もあり、ウィスラー教会で特別に用意された寝台に運ばれた、教会の寝台で眠っているハルのもとには、毎日大勢の者達が訪れていた。


ハルファミリーの母と呼ばれているクルル、ミルル、デリス達は、ハルを見つめいつ大樹に連れて帰るか話し合っていた


「デリスよ我らの可愛いハルはこのまま目覚めぬかもしれん、ならせめてハルの好きな大樹の家に連れて帰ってやろう、ハルにはあの場所が一番じゃ、この国の民には申し訳ないが・・・」


デリスも頷き


「ハルちゃんには大好きな森で眠らせてあげたいのじゃ」


ミルルが思い出したように


「前にも同じようなことがあったから、ただ今回も事態を創造神様が見ておられるだろうからどうなるか… ならせめてハルちゃんが一番好きな大樹の家で眠らせてあげたい」


その後ハルはクルル達と共にミラーレ大森林大樹のツリーハウスに戻り眠っている



ミロを始めハルファミリーは、全員が集まり全員でハルの世話をしている


「ユリ、ハルちゃんはこのまま目覚めないのかな?」


「ミロの疑問に答えること出来ない、でもクルルが言っていた事、間違ってないと思う」


ルナもセリス達も皆公務が終わると毎日ツリーハウスに来ていた


「今日もハルちゃんは、目覚めていないのね… 」


「やっぱりクルル母様の言う通りなのかなぁ… 」


こうして、多くの家族に見守られながら数ヶ月が過ぎて行った








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