第180話ハルの回復

ハルの救出に向かっていたベルバラ達とエアロ王女、聖女サリナトーレ一行は、バルサート軍が夜営してる数キロ手前まで来ていた。


ベルバラ達は、慣れていたがエアロ王女と聖女サリナトーレは、歩き慣れない山道を休みなく歩き続けていたがエアロ達の様子を見てベルバラは、少し開けた場所で休憩する事にした


「エアロ王女様ここで少し休憩しましょう」


エアロは、首を振るが肩で息をする姿は、説得力がなく従うことにした


「申し訳ございません、急いでいるのに私のために…」


「さぁ聖女様もこちらにお座り下さい、今お水を出しますね」


「ありがうございます」


ベルバラとライラは、二人にコップに水を注ぎ渡す


「二人共どうぞ!」


「「ありがうございます」」


エアロ達がくつろいでいるとライラ達が反応する


「何者かが近づいてます!皆警戒を」


全身黒の装備の集団がエアロ達に近づく


ドスドスドス…


ベルバラは、叫ぶ


「ジェシカとセルエは、エアロ様と聖女様護衛について、それ以外は黒装束の敵の対応よ、敵はかなりの相手みたいだからみんな油断しないで!」


「「「「はい!」」」」


黒の集団のリーダー指揮官は、指示をしていく


「A班は聖女、B班は王女を狙え!その他は、エルフの女達だ!行け!」


男達は、装備に麻痺粉を身につけ動く回る度麻痺粉が舞い上がるそれをベルバラ達は吸い込んでしまい動きが鈍くなる


男達は、軽く攻撃するだけでただ動き回る


キン!キン!


……

ベルバラ達が膝をつく


「おかしい、身体が上手く動かない!あいつら何か仕込んでる…くっ」


男達は、ベルバラ達の動きが止まったところで笑いながら近づく


「聖女と王女を連れて来てくれて、助かったぜ、ガハハハ」


王女と聖女は、護衛が倒れたことで男達に捕らえられる


「あなた達の汚れた手で聖女様をさわらないで!」


「残念だったな、エルフ達の護衛が役に立たなくて、あいつらも本国に連れて行って奴隷オークションにかける、運がよければ、同じ主に仕えることになるかもなフハハハ」


「おい!こいつらに隷属の魔道具をつけろ!」


「へい!」


ベルバラ達は、麻痺した身体を必死に動かし抵抗する


「や・やめろ… 」


その時男達が、次々倒されて行く


ヒュン!

ザシュ!

「ぎゃー!」

ドサッ


ヒュン!

ザシュ!

「ぎゃー!」

ドサッ


ヒュン!

ザシュ!

「ぎゃー!」

ドサッ


「誰だ!出てこい!」


木の上に一人の魔族が現れる


「屑国家の人間!あなた達は、ここで目覚めることのない眠りにつく」


男達の周りに白い霧が現れる


「魔族がなんで… 」

男達は、次々倒れていく


聖女と王女の側にもう一人の魔族が現れ


エアロがサリナトーレを守るように前に立ちふさがる


「あなた達は、誰れなの!」


幻夢のムム、魔妖精のモルモがエアロ達の前に片膝をつく


「私達は、女神ハル様の眷属、幻夢のムム、「魔妖精のモルモ」と申します」


「え?女神様の眷属?私達は、助かったの!」


「今ハル様を救うべく私達の仲間がバルサート、クオークの大国に対処しています!」


サリナトーレと、エアロが抱き合って喜ぶ


「聖女様にお願いがあります!私達の女神ハル様を助けてください!ハル様をお救いしたのですが… 今かろうじて私の妖精スキルで生きています、よろしくお願いします」


ムムは、妖精の玉に包まれたハルを聖女に渡す


サリナトーレは、傷だらけで眠るハルを見て、泣き崩れる


「 ひどい… ハル様が… 」


エアロは、サリナトーレに話しかける


「今ハル様を助ける事できるのサリナトーレ様だけよ!」


「ハル様は、私が全力でお救いします!」


サリナトーレは、ハルの状態を見ながら聖魔法を外傷、損傷内臓、精神を回復させていく、徐々にハルの身体が回復して傷口もふさがり、顔色もよくなり呼吸も安定する



二人の魔族は、頭を下げる

「ハル様を回復してくださりありがとうございます」



サリナトーレは、静かに眠るハルを見る


「完全に回復してるのに、何故ハル様は、目を覚まさないの?」


魔妖精のモルモが通信具で連絡をする


「モルモです!ハル様は無事聖女様に回復して頂きましたが、ハル様は… 眠りにつきました 」


サリナトーレもエアロもライラ達もモルモの言葉に疑問をもつ


エアロは、モルモに聞く


「モルモ様、眠りについたとは、どういう事でしょうか?」


「ハル様は、以前も深い傷を負った時に長い眠りにつきました、今回も恐らく… ただ今回はどうなるか… 」


ムムがハルに膝枕をして頭を撫でる

「ハル様いつも無茶ばかりして、今度もまた別の大陸に来て邪の心を持った人間から守って、こんなになって… 早く目を覚まして下さい」


モルモも涙を溜めて見つめる


エアロ達もその様子を静かに見守っていた


その頃バルサート軍主力部隊の攻撃に向かったデリス達魔族軍は、転移してきたミラーレのガーディアン部隊大樹の魔物達が合流、敵主力部隊攻撃前にムムからハルが聖女によって無事回復し眠りについた報告を聞いていた


デリスが攻撃前に激を飛ばす


「私達の女神ハル様が聖女様によって回復今眠りについたと、此度は大陸で我々がハル様を奪われ見失ない、この大陸でハル様は、私達と同じように多くの人族、魔物を救ってまた邪悪なる者によってハル様は傷ついた、絶対許される事ではない!我らの大切な女神ハル様を傷つけまた眠りにつかせた邪悪なる者達を殲滅するのじゃ!」


「「「「「おーーーーー!」」」」」


ガオーーーーーーー!

ワォーーーーーー!


デリスは、影縫スキルの持った魔族に指示をする


「リト、リセ二人は、闇梟達を連れてバルサート大聖教に捕らわれてる者達の救出、奴隷達は隷属を解除を忘れるな!」


小柄な二人の少女は頷く


「わかったの」

「行って来るのです」


ヒユン

ヒユン



この後バルサート軍は、ハルを傷つけられて怒るデリス達魔族とミラーレのガーディアン、魔物達によって100万の軍はほぼ壊滅、生き残った者数万が本国に撤退して行ったのだった




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