第176話ファミリーの怒りボストーク沖海戦

ミラーレ大森林大樹のツリーハウスにいるレナは、ドライアドのメルルからの情報を連絡するために大樹のツリーハウスに残っていた


フロントトラス大陸のドライアドとの定期交信を終えたメルルから衝撃の事を聞かされていた


『レナ驚かずに聞いて、ハル様の魔力が感じなくなったってピレーネのドライアドが言って来たわ』


「え?ハルちゃんが死んだってこと?ねぇそうなの?ねぇ!」


『レナ落ち着いて!まだわからないのよ、ただ突然魔力が感じなくなったって、急に弱くなって途絶えたって、今大陸のドライアドの仲間が必死にハル様の魔力を探ってるわ、でもハル様は瀕死の可能性が高いと思う』


「ハルちゃん、せっかくいる場所わかったのに瀕死なんて、 ありがとうメルル、すぐにみんなに連絡する」


レナはツリーハウスにある魔道通信具を作動させユリに連絡を取った


艦隊旗艦の通信室にレナから悲鳴に近い通信が入る


「こちらレナ、今メルルから大陸からの情報入ったのみんなハルちゃんが、ハルちゃんが大変なの!早く行ってあげて!」



レナの悲鳴に近い交信にクルルが落ち着かせる


「レナよ、落ち着くのじゃ、そんなにキンキンと言われては、何を言ってるかわからんぞ!まず深呼吸じゃ」


ユリが静かな口調で通信具に話す


「こちらユリ、レナ落ち着いて話して、ハルちゃんがどうしたの?」


「ごめんなさい、もう大丈夫、報告するね、メルルが大陸のドライアドと交信して、ハルちゃんの魔力が突然途絶えたって、急に弱くなって途絶えたって、メルルが言うにはハルちゃんは瀕死じゃないかと、今大陸のドライアドの仲間が必死にハルちゃんの魔力を捜してるって」


レナの報告を聞き静まる艦内


ユリは、声を震わせながらレナに話す


「レナ報告ありがとう、ハルちゃんの情報入ったら連絡ください」


ユリは涙をためた目で周りにいる主要幹部を見わたし報告を伝える


「私たちの大切な家族ハルちゃんが、突然魔力が途絶えたって、瀕死かもしれないって」


ユリの報告は、全艦隊に伝えられ、先行して飛行するデリス達魔族チームにも伝えられた


報告を聞いた艦隊内は騒然となり、デリス達魔族チームも混乱し暴走しようとする者達が出て来て、デリスが落ち着かせるために必死になっていた


集団で飛んでいた中からムムが魔力を上げスピードを上げ抜け出そうとする

「ムム待つんじゃ!まだ大陸までどれくらいあるかわからんのじゃ」


バーフラも銀燐の色が変わり叫んでいる

「おのれ人間!私のハル様を!許さん!許さん!うわーー」


「バーフラ怒りを鎮めるのじゃ!まったく?あれは?ウラン?」


爆炎姫ウランの身体が怒りで変化している


「ウラン!何を考えてる!お主も怒りを鎮めるのじゃ!このままだと仲間に被害が出るではないか!」


デリスは怒り狂う8将軍たちに冷静になるように諭す


「皆よく聞くのじゃ!ハル様は、我々魔族にとって一番大切な方じゃから気持ちはわかる、でもまだ何も情報がないんじゃぞ!ここで怒りをぶちまけてどうするのじゃ!我々がしなければいけない事は、大陸に転移陣の構築と情報収集とハル様の捜索じゃ!まったく、妾も怒りで飛び出したいのじゃぞ!」


「「「申し訳ございません、デリス様」」」


「じゃが状況が気になる、魔力量と飛行に特化してるフェールス先に飛び周囲を確認しながら大陸に転移陣の場所の確保せよ!」


「は!」


ヒュン!


「ミロ!あなたも先に飛んでフェールスと連絡を取りながら転移陣を構築しなさい」


「はいお母さま」


ヒュン!


すると先行したフェールスから連絡が入る


「デリス様、海上で艦隊どうしが戦いをしています、でもあれは酷いですね、状況から片方の艦隊は、ほぼ壊滅ですね」


「わかった、その位置だけ報告してフェールスは、大陸に向かいなさい、あなたは転移陣の場所の確保が最優先です、途中何かあったら報告なさい」


「は!交戦してる艦隊の位置は、我々の艦隊から北北東に200メイルです」


「わかった」


デリスは、すぐに艦隊に連絡をする


「こちらデリス、今先行行動してる部下から北北東200メイルの海上で艦隊戦が行われて片方の艦隊は、ほぼ壊滅状態たとのこと」


「艦隊は、私達が引き受けるから、魔族部隊は、出来るだけ早く大陸に向かって」


「了解なのじゃ」


ユリは、艦隊幹部達に説明をする


「ドライアド様からの報告だとハルちゃんのいる国は2つの大国に攻め込まれてる事だから、恐らく壊滅状態の艦隊がハルちゃんのいる国の艦隊ね、北北東200メイル、この艦隊速度なら2時間ね」


プライムがユリに質問する


「ユリよ、どうするのじゃ?」


ユリは、艦隊にこれからの作戦とミラーレ連合国の行動を伝える


「まず高速哨戒艦5隻で現場に急行して、壊滅寸前の艦隊に接触し情報をもらいます、たぶんハル様のいる国の艦船とおもいます、ハル様側の艦船なら乗員の回復と救出して下さい、この任務はマエラ諜報部隊にお願いします」


「は!確実にハル様の情報をつかみます」


マエラは、部下を引き連れ高速哨戒艦5隻に乗り込み艦隊を高速で離れて行く


ユリは、艦隊司令官に戦闘に移れるように指示をする


「カミルス総司令官、高速哨戒艦隊は、30分で現場に着くはず、戦闘は避けられない入って来る情報を元に艦隊陣形を整えて、敵艦隊と接触初戦で敵の陣形を崩すから指揮よろしく」


カミルスは、うなずき艦隊に指示を出す


「全艦戦闘準備!魔道射出器は、魔力を込め、予備の魔石も用意せよ!陣形は、偵察隊からの報告あり次第指示をするかかれ!」


カミルスの指示で全艦隊があわただしくなる


その後高速哨戒艦隊からの報告で敵の艦隊は、予想通りも1000隻以上で沿岸部にも数十隻隠れてる見たいです、ハル様のいる国は、ティオール国、敵国はクオーク帝国とバルサート教国と言うのがわかった


ユリが報告を受けて何かぶつぶつと言った後不敵な笑みを浮かべる


それを見てたルナ達が、話し出す


「ねえレンゲは、ユリとよく向こうの世界で遊んでたでしょ?ユリ何だか怖いんだけど、敵が1000隻と聞いておかしくなった?」


カエデも近寄りうなずく


「私もそうかなぁーって、だって1000対50でしょ?」


レンゲが思い出したように


「あぁ!あれだ!そう言う事ね、敵艦隊もかわいそうにウフフ」



「ちょっと、レンゲ!一人で納得してないで教えなさいよ!」


「わかったわよ、ユリって向こうでは、あまり目立たなかったでしょ、あの子ゲームオタクで、しかも軍事オタクなのよ、確か海戦や陸戦系のゲームの世界チャンピオンよ」


「「えーーーー!嘘ーー!」」


「軍オタだから最新兵器の事ベラベラしゃべると止まらなくなるし、聞いてる方はわけわかんないから友達も出来ないからずっと引きこもりだったのよ」


「なるほどね、でもいくら軍オタでも私達のいた世界の兵器使えないよ、それなのにそんなに安心出来るの?」


カエデは、不思議そうにレンゲを見る


「たぶん心配しなくて大丈夫だよフフフ」


艦隊司令室に連絡がはいる

「全速で向かわせてた補給艦が哨戒艦と合流ティオール国の負傷者を救出中との事です」


ユリがカミルスに報告する


「敵の配置わかったから、艦隊中央に魔力探知艦その回りを砲撃艦を配置して魚鱗陣形で陣形戦闘には、装甲粉砕艦を配置、全艦隊速力は、最大戦速、高速哨戒艦隊全艦敵艦隊の海上に炭素氷弾を投げ込む準備!」


カミルスは、艦隊を配置していく


司令室に再び連絡が入る

「ティオール国の負傷者収容完了!海域を離れます」


ユリがカミルスに合図を送る


「これよりハル様救出するための敵艦隊殲滅作戦を開始する!哨戒艦炭素氷弾を投げ込め!」


「艦隊陣形行動、最大戦速!魔力探知艦は、魔力連動各艦 連動魔道具起動!」


艦隊は、細長い魚の陣形になって高速で敵艦隊の中央に向かって進み敵艦隊の周囲には、哨戒艦隊が投げ込んだ弾から白い煙がもくもくと上がり、あっという間に艦隊全体をおおってしまう


ユリの使う兵器は、一部の者しか知らされて無かったためほとんどの者が驚いている


「何これ霧?何にも見えないよ」


カエデ達も驚いていた


クルルは、ユリに文句を言っている


「ユリよ!これでは、何も見えないではないか!これのどこが作戦なのじゃ!見えなければ攻撃も出来ないのじゃ!」



「心配ない!魔力探知艦は、イージス艦と同じ仕組み、敵艦隊全艦探知ロック済み連動も問題ない見てて」


「はぁ?イージス艦?何それ?」


司令室に通信が入る

「敵射程入ります!」


「砲撃艦連動射出!撃て!」


各艦射出圧縮した火炎弾を次々発射していく


ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!


射出された炎の弾は、真っ白な中に消えやがて爆音が響き次々と爆炎があがる


ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!


カエデもクルルもユリの講義を受けてない者達は、何が起こってるのかわからず唖然としている


司令室にカミルスの声が響く


「全艦隊敵艦隊の陣形を抜けた、もう一度行くぞ!面舵180度回頭」


艦隊が一斉に回頭し再び敵艦隊に突入する


「敵艦隊射程入ります!」


「第二射、砲撃艦連動射出!撃て!」


ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!


ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!


この艦隊攻撃を繰り返しクオーク帝国艦隊は、壊滅した




クルルやルナ達は理解出来ないままの勝利に驚き、改めてユリ凄さを思い知ったのだった

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