第172話ウィスラーでの準備

グランブル国王は、ウィスラーに到着し、布陣を敷くも敵のアサシン部隊により城壁は、損傷、敵部隊の捕縛に兵士の負傷者も多数出て、指揮も低下、さらにクオーク帝国軍砦と山岳国境突破で帝国軍接近の知らせで、ティオール国の兵士は、混乱逃げ出す者まで現れた



「陛下このままでは、何もせずに我が軍は、壊滅です!」


「防御しやすいウィスラーまで来て敵を迎え撃つつもりで来たのに、まずいぞ」


そこにエアロ一行が到着する


「お父様!バルサート兵士の砦部隊は、壊滅させました。」


「おお!よくやってくれた!それでこちらの被害は?」


「被害は、軽微です援軍に来てくださった方が回復してくれました、砦は後方よりバルサート軍10万以上の大軍が接近したため放棄しました、私達を助けてくれた援軍が砦とウィスラーの中間地点付近にあるナトリム峡谷で足止めしてくれてます」


「あの方… そうか、それでその者は、大丈夫なのか?」


エアロは一度下を向き再び顔をあげ


「お父様ここは、あの方を信じ私達は、ここの防御に専念するのが一番かと」


「おお!そうじゃベルネストよ!今のうちに体制を整え指揮を高めよ!」


「は!直ちに!」


ライラは、エアロにお辞儀をして出て行く


「では、エアロ様行って参ります!」


「ライラよろしくお願いします…」


グランブル国王は、二人のやり取りを見て訪ねる


「エアロよ、あの者は、どこへ行ったのじゃ?」


「カミラスト平原です」


「なんじゃと!帝国軍が来ると言うのにどういう事じゃ!死にに行くつもりか!直ぐに止めるのじゃ!」


エアロは、首を振る


「ライラは、帝国軍を止める為の重要な役目があります、あの方からの助っ人も来ていただけるので大丈夫です」


「うむーしかしのぉ」


ネイルは、発言する


「グランブル国王ここは、2段構えで敵を迎え撃つ作戦です、帝国軍は、ライラと助っ人で迎え撃ち、バルサート軍は、あの方が迎え撃ち越えて来た軍を迎え撃てばかなり敵を撃退できるはずです」


ベルネストが国王に進言する


「陛下ここは、我が国の智謀のネイルの作戦に任せましょう何か考えがあるのかと思われます」


「よし我々は、ここの防御を堅め敵を王都に向かわせるな!王都の民は避難させたとは、いえ彼らは徒歩だ帝国軍の騎兵隊に簡単に追いつかれてしまう、我々が敗れた時点でこの国に住んでた多種族の女性達には、辛い未来しか残されておらん!破壊と人権を無視するクオーク帝国やバルサート教国に最後まで戦うのじゃ!」


「「「おおーーー!」」」


エアロは、ネイルと共に町の教会に来ていた、エアロ達が中に入ると10人ほどの教会に仕える巫女と聖女様が祈りを捧げていた


「サリナトーレ様、私達も一緒に祈らせてください」


サリナトーレは、エアロ王女を見て近寄り話しかける


「エアロ様から女神ハル様の波動を感じます、ハル様は、どうかされたのでしょうか?」


エアロは、サリナトーレを見つめ涙をこぼしながら膝をつく


「サリナトーレ様、ハル様が私達を守るために一人で使役する魔物と共にナトリム峡谷に残られました。」


ネイルも涙ぐみ話す


「ハル様が攻めてくるバルサート教国軍何十万の敵軍を止めてくれてます、私達のために…」


「バルサート軍は、先発隊は、10万ほどで大したことありませんが後になればなるほど強力になり数も増えます、主力部隊は、改造を施した強力な魔道具を持つ部隊と重戦士部隊80万の部隊とも言われています、そんな部隊とあたったらハルちゃんの魔物がいくら強くても魔力枯渇で倒されてしまうと思います、そうするとハルちゃんも…」



「だからサリナトーレ様私達も祈らせてください」



サリナトーレは、静かにうなずき


「共にハル様の無事を祈りましょう」


「「はい!」」


☆・☆・☆

その頃ライラは、一人カミラスト平原に向かって歩いていた



「「ライラ一人でどこに行く気かな?」」


同じギルドに所属するデルタとライザが声をかけてくる


「ハル様に託された大事なミッション、デルタとライザは、関係ないウィスラーに戻って町を守って」


「あのさライラ一人で何格好つけてるのよ!私達にも手伝わせなさい!一人で死ぬ気でしょ!」


「そうよ!ハル様のミッション私達も手伝う!嫌とは、言わせないから」


ライラは、二人を見てゆっくりうなずく


「「「ライラ!ハル様のミッション私達も参加するから!」」」


セルエ、ジェシカ、サラサも加わる


「「「ライラ私達も同行するから」」」


パティス、エリヤ、フラワーが加わる


「あら私達をおいてく気かしら」


ライラは、ギルドマスターを見て


「ベルバラマスター、カラヤ、レター…わかったギルド全員でハル様のミッション成功させよう」


ベルバラが嬉しそうにライラに抱きつく


「ライラ、あなた一人で死なせないわよ!ウフフ」


ライラは、みんなに目的地までついて来るように促しカミラスト平原に向かって歩き出す


………

………

さあ着いたわね、ここからどうするの?


「しかしこの平原でほんとに帝国軍を迎え撃つの?大軍で来られると私達瞬殺されるわね」


ライラは、ハル様にハル様の獣魔を託された事、とにかく時間を稼ぐ事などを話しした。


「つまりその魔物を使って帝国軍を迎え撃つてことでいいのかな?」


「うん♪みんな私の周りの集まって絶対離れないで」


ライラは、ペンダントを握り祈る…「ハル様の従魔私達を助けて」


〈ドド……………〉

〈ドドドドド…………〉

〈ドドドドドドドドドド…………〉


「何?え?何が起こるの?」


パティスが叫ぶ


「ウィスラー東の森から魔物多数接近!」


「あれは、ブラックファングウルフそれにキラータイガーもいるわまだ他にも…え!何あの巨体キラーコング嘘でしょ…」


ライラの周りにいる仲間達は、震えながら近づく魔物を見つめている


ベルバラがライラを見て訪ねる


「ねぇライラあの魔物がハル様の従魔なの?」


「うん♪」


「みんな大きさも色も違うんだけど…変異種?」


魔物達がライラ達の前に集まるとキラータイガーの上に乗ってた蜘蛛が飛び降り前に進むと身体が光り大きさが変わっていく体長30cmの蜘蛛がみるみる大きくなり2Mくらいの巨大な蜘蛛に変わる


ベルバラ達は、目の前の蜘蛛が何なのか直ぐにわかった


「アサシンスパイダー…嘘でしょ魔物ランクS以上の災害級クラスの魔物…」


皆身体の震えが止まらず怖くて抱き合っていた


〈我らは、姫様の眷属、姫様の命令、姫の魔力核持つ者を守り命令に従う〉


ライラが前に出て話しかける


「私達は、ハル様の家族、私達の仲間を襲いハル様を傷つけた奴らがもうすぐここに来る、やっつけてほしい」


ライラの言葉を聞いたアサシンスパイダーは、仲間の魔物に話しかける


魔物達は、理解したのか明らかにさっきと雰囲気が変わる


〈姫様の家族守る、姫様傷つけた奴らを全員殺す!任せる〉


魔物達は、ライラ達を中心に散開した


ライラ達のそばには、アサシンスパイダー1匹とスライムが1匹残っていた


ジェシカが小声でライラに話しかける

「ねぇライラ、アサシンスパイダーは、強いってわかるんだけど、あのスライムは何?」


カラヤもスライムを見ながら

「確かに普通のスライムより大きいけど、そんなに強そうじゃないけど、ここに残ってるってことは、かなり強いんだよね」


「たぶんとんでもないスライムだよ」


「聞かない方がいいよ」


皆もうなずく


「「「うんうん」」」



ベルバラが注意を促す


「どうやら帝国軍が来たみたいだよ」



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