第171話ハルファミリーの行動

プライム達は、大陸を出航して境界海域まで来ていた


側近の一人が質問をする


「プライム宰相ほんとにこれ程の大軍が必要だったのでしょうか?一部の兵士の間で疑問があがってます!戦闘艦隊50隻補助艦隊800隻兵力20万黒龍様白龍様デリス様魔王軍攻撃部隊5000ですよ!食糧だけでも大変な量です、黒龍様白龍様がいるなら艦隊と兵士は今の半分でもいいのでは、との意見もあります」


プライムはユリにそのまま言葉をなげかける



「ユリよ、兵士からこういう意見も上がっておる、儂もちと戦力過剰だと思うのだが…」


ユリは、旗艦にいる主要閣僚達を見る


「わかった!皆に説明して判断してもらう!」


ユリは、カミルスを見る


「魔王カミルス!この拡声魔道具と同じ物が各艦にあるから全部起動させて!全員に話を聞かせる!」


「わ・わかった」


カミルスは、小声でプライムに話しかける


「ユリのやつ何で怒ってるのだ、怖すぎるぞ!」


ユリの怒った口調に兵士達に緊張がはしる、カミルスの命令で各艦に伝達し魔道具を起動させた



「作戦参謀のユリです!この作戦に参加する兵力が過剰だと意見を聞いた、疑問に思うものがいるならば直ぐに引き返して!引き返しても罰することはしない!疑心は、今後の作戦に影響する!」


「「「………………………」」」


艦隊内に沈黙につつまれる


デリスがユリに歩みより話しかける


「ユリよ、もう少し説明してくれ、お主の智謀は、誰も疑ってはおらん、しかし妾にもわかるように説明してくれ」


旗艦にいる主要閣僚達も作戦に参加してる全兵士がユリとデリスのやり取りに聞き入る


「わかった、説明する!ハルちゃんがドライアドの神聖転移陣で別の大陸に行ったの覚えてる?」


「ああ人族や魔族では、転移には、耐えれないと言っていたな」


「そのドライアド様は、今ハルちゃんのいる大陸のドライアド様と交信して情報をくれる」


「ドライアド様の念話じゃな」


ユリはうなずき話を続ける


「そのドライアド様が、今ハルちゃんがいる大陸の最新情報をくれた、これは、最新と言っても少し前になる、この事をよく考えて、話を聞いてほしい!」


周りの者がうなずく


「今私達は、まだ境界海域を越えていない、これから儀式を行って、通れるようになってもそこからハルちゃんのいる大陸までどれくらいかかるかわからない、それをよく考えて!」


クルルもデリス、ミルル、魔王カミルス、魔王8将軍と言った主要幹部がユリの発言にうなずき注目する


「デリスよ、ユリがめちゃくちゃ怒っておる、そこまでなのかのぉ…妾達だけで十分と思うのだが…」


「確かに飛行にすぐれてる白龍、黒龍、デリス魔王の幹部達たけで余裕じゃろ」


デリス達にユリの怒りが向く


「デリス!クルル!黙って聞いて!ハルちゃんにデリス達は、嫌々参加したこと言う」


「ユリよ、悪かったのじゃ」


デリス達は、ユリに何度も謝る


「ハルちゃんのいる大陸の2つの大国が同時にハルちゃんのいる国に侵攻を始めた、兵力は、400万以上、強力な魔道具も多数、艦隊も戦闘艦1000隻以上強力なファイアボールを発射する魔道具を積んでる、AランクSランクの改造魔物も何万といるらしい、これでもそんな事が言えるの?よく考えて!あのハルちゃんが、助けを呼ぶかもって時点で気がつくべき!ハルちゃんが今まで助けを呼ぶ時どんな状態だったか考えて!今この時さっきの兵力がハルちゃんの国を侵攻してる事を!皆忘れてない?」


全員が驚きの表情に変わる


ユリは、話し続ける


「私達の女神ハル様は、自分を犠牲にしてでも一人でも多くの人を助ける女神様だって事を…だから早く助けに…グスン」


ユリは目に涙を貯めていた


皆改めて思い知らされたのだった、自分達の女神ハルは、慈愛溢れる女神だと


全員が改めて気合いを入れ直し艦隊が活気づく


「偵察部隊!まだ島は、見えないのか!」


次々情報が飛び交いそのうちの一人が叫ぶ


「霧が晴れます!」


「右前方距離500M島です」


「左前方にも現れました!」


「島への偵察急げ!」


「旗艦右に見える島は、風島左前方が海島です!中に祠あります」


プライムは、うなずき指示を出す


「クルル殿、ミルル殿は、急ぎ着替えを、デリス殿島に渡り奉納の舞の準備をお願いします」


デリスは、準備を終え、二人をそれぞれの祠の前に運ぶ


舞の舞台のわきには、巫女達が楽器を奏で始め二人が舞台に上がり奉納が始まる


〈古のながき時♪逆巻く海を鎮め我らに恵みの時を…♪♪♪〉

〈古のながき時♪吹き荒れる風を鎮め我らに恵みの時を…♪♪♪〉


舞を見つめる者達が思わずため息がもれる

「凄い綺麗な舞…わぁ凄い魔力が吸い込まれている…神秘的な光景」


舞が終わる頃祠の魔石が光輝く


〈〈パァーーーーーーン〉〉


〈ゴゴゴゴゴゴ………………〉


「島が揺れている!地震?」


偵察部隊が叫ぶ


「海流が止まります!」


「風が弱くなっていきます」


本当に止まった…


〈〈ドサッ!〉〉


舞を見守っていたデリスとミロ達がクルルとミルル達に駆け寄る


「「はぁはぁ…」」


デリス達は、クルル達を見て思った


「膨大な魔力を持つ黒龍と白龍が魔力枯渇になるなんて…」



「二人に魔力回復ポーションを」


ユリは、艦隊に命令する


「フロントトラス大陸に向けて出航!飛行可能部隊は、大陸に着き次第周りの安全確保して転移陣を構築!」




魔王カミルスは、魔族飛行部隊に激をとばす


「全速力で大陸を目指すのだ!」


「「おおーーー!」」


プライムも全艦隊に命令する


「海域は、開かれた全艦隊フロントトラス大陸に向け全速じゃ!」


「「「おおーーー!」」」


デリスはクルル達に


「クルル、ミルルは、艦隊と一緒に来てください、少しでも身体を回復させて大陸での戦いに備えてください」


クルルもミルルもうなずく


偵察部隊が叫ぶ!


「後方より大型の飛行魔物多数接近!」


〈〈〈ピィオーーーーー!〉〉〉


〈〈〈クェーーーーーーー!〉〉〉


「ホワイトエアリール!ハルちゃんの眷属の大型の鷲!あ!何か乗ってる♪」


カエデやルナ達も見て驚いている


「あれ何んだろう?」


「エンシンミラーバード!Sランク魔物か…凄いなぁ、何かいっぱい乗ってるね」


「あんなに乗せてよく落ちないよね」


ルナがユリに聞く


「たぶんあれ、ミラーレの魔物でしょ、あのこ達も行くんだね、ユリ知ってたの?」


「たぶんこうなると思ってた、ミラーレの魔物は、ハルちゃんのこと好き過ぎるから」


「だねぇー」


ユリは、ハルを思いながら祈っていた


「ハルちゃんを助けるために森の魔物達も行ったよ♪私達ハルファミリーも急いで行くから死なないで…」






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