第169話ハルの怒り

バルサート教国ケルケト砦攻略部隊は、圧倒的戦力と従魔部隊との共闘で砦は、崩壊エアロ王女とネイルは、付近の森に逃走


☆・☆・☆

ティオール国海軍

旗艦ボストーク


海軍参謀クレハは、敵艦隊を見つめ


「マークハント司令官、圧倒的戦力差なのになんとか、侵攻を遅らせましたね」


「ああ、艦隊は、壊滅残ったのは、この旗艦だけだが、まさか朔の日に潮の流れが止まりるとなんて…作戦は、失敗だが敵艦隊がなめてくれてたから何とか撹乱させて、遅らせることができたが、潮が止まったことで、こっちの被害が…」


「敵さん、カンカンに怒ってますね、まだ届かないのにファイアボールやボムを放ってきますね」


「クレハ、最後の仕事だ、残ったこの艦で、どこまで引き付けれるかわからんが、できるだけボストークから離れるぞ!」


「はい!ティオール国のために少しでもボストークから離しましょう」



☆・☆・☆

クオーク帝国は、ミルバール砦を落とした後、部隊を分けず王都に向け進軍途中の空き村で夜営して、兵士の治療と休養して戦力を整え直していた。


バルサート教国は、前衛兵士にかなりの被害があり砦を越えたすぐの空き村で戦力の補給をし戦力の再編をし整えていた。


セドは、部下達に砦の王女の部隊を捜索するように命令した


「王女の部隊は、恐らく全員負傷してるはずだ!遠くへは行けない!捜索しろ!」


一部の兵士達は、王女部隊を捕らえるべく出て行った


☆・☆・☆


王女部隊は、ネイルの指示で砦から森への非常通路から脱出して、現在ポルムの森にいた。


エアロは、ネイルに話しかける


「何とか敵の足止めと兵力を減らせましたね」


ネイルも負傷した、足を引きずりながら


「できるだけひきつけて、砦の半分を破壊したのですが、相手にどれだけのダメージを与えたのかわかりません、それにここにいる砦の部隊もほとんど全員負傷しています、先に退却させた部隊も大半負傷してますし、成功したと言えるかどうか…」


「ネイル様、エアロ様、後少し歩けば、ポルム大樹です、あの付近には、きれいな泉も涌出ています、休憩するのに最適です」



エアロは、負傷してついてくる兵士に


「後少しで大樹の泉で休憩だもう少し頑張ってくれ」


「はぁはぁ…わかりましたエアロ様、しかし朔の日にあれほど魔物が狂暴化してレア種へと変化するとは、思いませんでした」


「そうね、私もビックリしたわ、あれがなければもう少し敵を混乱させて逃げる事ができたのに、こっちの被害が多くなったから早めに砦を破壊して逃げることになったけど」


エアロは、つぶやく


「先に退却した部隊は、無事森を抜けたかしら」


「エアロ様、彼らには、一応魔物よけの魔道具を持たせてますし、まだ私達より負傷者が少ないので大丈夫かと思います」


今ここにいるのは、砦防衛1部隊500名の王女白百合部隊全員手足に負傷をしている、砦からここまでかなりのペースで逃げて来たから、皆体力的にも限界ね、早くどこかで休ませてあげないと…



〈ガサガサ……〉



「誰か来ます!」


「見つけたぞ!」


「ティオール国の女部隊だ!」


「囲め!」


「!!」


ネイル達は、王女を中心に守るように固まる


「エアロ様をお守りするぞ!固まれ!」


エアロ達は、バルサート教国兵士に囲まれ兵士の中から指揮官が出てくる


「これはこれは、ここにいましたか、エアロ王女様、私は、バルサート第二聖騎士隊隊長のヴィルムと言います、さて皆さんこの状況です、おとなしく投降しますか?」


「………」


「どうやら投降する気は、ないようですね、では、こうしましょう私達の従魔師が後ろに控えてますので、その魔物と戦ってもらいましょうか、見事倒す事ができたら1日あなた達に逃げる時間を与えましょう」



「わかりました!その提案受けましょう!その代わり必ず約束は、守っていいただきます!」


「エアロ様! なりません!」


「皆聞いて!バルサートは、我々を正当な捕虜として扱わない!奴隷紋を刻まれ我々は、生きていてもまともに扱われる事はない!ならここで力でチャンスを掴む!」


「フフ…いいでしょう!倒す事ができたら約束は、守りましょう!おい!呼び寄せろ!」



「はい!」


従魔師が魔物を呼び寄せる


〈グォーーーーー!〉

〈ガルルルル〉

〈ギャオー〉


「皆さんのお相手です」


レッドグリズリーLV105


ワイルドボアLV105


キラーウルフLV98


エアロ達は、魔物を見て愕然とする


「そんな……わかっては、いたけど…皆ごめんなさい…」


「「エアロ様、私達は、最後まで諦めません!」」


「せいぜい楽しませてくださいね、フハハ…」


魔物達が一斉に襲いかかる

〈グォーーーーー!〉

〈ガルルルル〉

〈ギャオー〉


「キヤーーーーー!」

〈ザクザク〉

「キヤーーーーー」

〈ザッシュ〉

「嫌ーーーーー!」

〈ガブガブ〉


「これは、楽しめますね、ホホホホ」



「キヤーーーーー!」

〈ザクザク〉

「キヤーーーーー」

〈ザッシュ〉

「嫌ーーーーー!」

〈ガブガブ〉



「酷い…皆ごめんなさい…ハル様最後にもう一度会いたかったなぁ…」


するとエアロ達を、襲っていた魔物達が、突然攻撃を受け始める


〈ザッシュ〉

〈ギャオー〉


〈バリバリ〉

〈グォーーーーー!〉


〈ドカーーーン〉

〈ガォーー〉


囲んでいた兵士達ちも攻撃が降り注ぐ


〈バシュ・バシュ・バシュ・バシュ〉

〈バリバリバリバリバリバリバリバリ〉

「ぎゃーーーーーーーー!」

〈バシュ・バシュ・バシュ・バシュ〉

〈バリバリバリバリバリバリバリバリ〉

「ぎゃーーーーーーーー!」



突然の攻撃にヴィルム達は、大混乱になる


「何だ!どこから攻撃してる!くそ!皆落ち着け!」


〈バシュ・バシュ・バシュ・バシュ〉

〈バリバリバリバリバリバリバリバリ〉

「ぎゃーーーーーーーー!」


すると大樹の方角から小さな少女が現れる


「貴方達は、絶対許さない!」


「「ハル様!」」



ヴィルムは、ハルを見て



「チビてめえ!何者だ!邪魔しゃがって!先にあのチビだ!魔物を向かわせ襲わせろ!」


「エアロお姉ちゃん、もう大丈夫だから、ごめんね遅くなって、今助けるからもう少し待ってね、そろそろ追いついて来るはずだから」


「グスン…ハルちゃん…魔物ハルちゃんの方に…追いつく??」


「てめえ何寝ぼけてんだ!さっきの攻撃程度じゃこいつら倒せねえよ!喰われて死ね!」


〈ドスドスドスドスドスドス…………〉


「なんだこの地響きは…」


〈ドスドスドスドスドス…………〉

〈ドスドスドスドスドス…………〉

〈ドスドスドスドスドス…………〉


〈ガォーーーーーーーーーーー!〉

〈グォーーーーーーーーーー!〉


「来たのぉーーー!」



ワイルドゴング

キラータイガー

ブラックファングウルフ


「な・何だこの異様な魔力にこのでかさはーーーー!」

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