第168話ティオール国の戦い③

ミルバール砦攻防戦


前線監視兵が報告をする


「ジークジル様敵は大してダメージが通ってませんが、どうしますか?まだ続けますか?」


ジークジルは一旦攻撃を止め敵陣を見つめにやりと笑い


「魔法部隊は交代でMP回復、雷、氷、土魔法を得意な者に分かれ部隊を再編成する!第一部隊を雷、第二部隊を氷、第三部隊を土だ編成急げ!」


「編成終わりました!」


ジークジルは再び戦闘の指示を出す


「第一部隊は敵盾部隊めがけてサンダーボムを敵全体に打ち込め!第二部隊は崩れた盾部隊の地面を凍らせろ!第三部隊は、氷結した地面めがけて岩を打ち込んで地面を破壊して盾を支える地面をなくせ!」


「第一部隊了解!」


「第二部隊了解!」


「第三部隊了解!」


これで防御のがなくなった魔道兵器部隊をどうするかだが・・・


第一部隊が詠唱を始めサンダーボムを次々と打ち込んで行く


「「「「「理を読み解きかの者に雷を込め弾を降らせよサンダーボム!」」」」」


〈ヒューン〉

〈ドカーーーーーーン〉

〈バリバリバリバリ〉


「ぎゃぁーーーーーーーーーーーーーーー」


〈ヒューン〉

〈ドカーーーーーーン〉

〈バリバリバリバリ〉


「ぎゃぁーーーーーーーーーーーーーーー」



〈〈ヒューン〉〉

〈〈ドカーーーーーーン〉〉

〈〈バリバリバリバリ〉〉



「「「「ぎゃぁーーーーーーーーーーーーーーー」」」」



第一部隊がサンダーボムを打ち込んだ瞬間盾部隊だけではなく、魔道兵器部隊にも威力が及び全員が豪の中でっ感電して倒れていた


「予想以上の効果があったな、よし次だ!ちょうど風が吹き始めたから今のうちに」


ジークジルは監視部隊に監視塔からハルの作った眠り玉を解体成分を燃やし煙を発生させそのまま風に任せて運ばせ煙を作り続けるように命令する


監視塔から流れ出た眠り成分を含んだ煙は、砦から敵側のくぼ地一帯に流れ込み櫓部隊含め敵前衛部隊数万にダメージを与えた


「これで敵も進軍に躊躇するだろう」



☆・☆・☆

クオーク帝国前線本部では、次々入ってくる報告を聞き軍事参謀指令官モルトムントは、怒りをにじませていた


「まさかここまで抵抗するとは、魔道兵器部隊1万が全滅、櫓部隊1万も全滅し、後方の魔法部隊3万も全滅とは、しかも敵は被害軽微……」


モルトムントは従魔部隊を呼び寄せ指示をだす


「サルナトルよ、使役できる最強の従魔を呼び寄せるのにどれくらいかかる」


「今我々の部隊は、SAランク5体Sランク10体Aランク50体です、ただ使役まで少し時間が必要です」


「別部隊は、SAランクを使役してるぞ!どういう事だ?」



「B班は、前もって呼び寄せて時間をかけて使役できるようにして作戦行動をしています、SAやSランクの魔物は、時間がかかります!」


「仕方ない、力で落とすか…かなりの犠牲がでるが…ん?待てよ、別同隊が背後にまわるまで待って動けば犠牲も少なくてすむ、悟られないように、ある程度こちらに注意をひきつける行動をして、連絡あり次第一気に攻め落とす」


モルトムントは、遊撃部隊に攻撃が届くギリギリの距離から一斉に攻撃を仕掛けて注意を引き付けるように指示をだす


「わかりました、でもギリギリの距離だとたいしたダメージ与えれませんが…」


「かまわん!とにかく注意を引き付けるだけでいい」


「了解です」


☆・☆・☆

偵察班から連絡が来る


「敵再び出現!今度は、かなりの長距離からの攻撃です!」


ジークジルは、なるほどそう言うことか……


「敵は、あの距離からは、動かないはずだ!長距離攻撃だ速度も威力もないだろ打ち落とせるやつだけ落とせばいい」


「「了解です!」」


山岳国境からの距離だとおそらく早くても明朝か、それなら今のうちに休ませるか


「皆よく聞いてくれ!恐らく敵は、ここから北と南にある帝国との山岳国境を突破して来るはずだ!正面の主力は、突破した部隊が背後にまわるまで、散発的な攻撃しか仕掛けて来ないはずだ、だから今のうちに交代で休んでくれ!背後に敵が現れるのは、早くても明朝だが、我々の仲間も足止めは、してくれてるはずだ」


「「「わかりました、交代で休ませてもらいます」」」



☆・☆・☆


ベナン達は、ミルバール砦に行くルートで南北山岳国境からの合流地点に巨大な沼地を作っていた、人間一人が通れるくらいの板を道がわりに這わせた所を歩いて渡り沼地を囲むように魔法部隊が待機する


「知恵のないバカな魔物は、一人が沼地にはまって身動きとれなくても、先に進もうとするはずだ!この巨大な沼地なら奴らが使役した魔物は全て捕らえることができるはずだ!強力な魔物中心に沼地を凍らせれば十分時間を稼げるはずだ!」


〈ドスンドスンドスンドスン…〉


「来たぞ!いいか!焦らずランクの高い魔物だけでいい確実にやれ!」


「「「「はい!」」」」


魔法部隊は、沼地を囲むように、沼地に手を当てて


詠唱し魔法を発動させる


「「「「氷結!」」」」


〈パキパキパキ…………〉


〈ガォー!〉

〈グァー!〉

〈ガォー!〉

〈グァー!〉

〈ガォー!〉

〈グァー!〉


「よし!成功だ!急ぎ砦の部隊と合流するぞ!」


☆・☆・☆


「ジークジル様守備隊と隠影部隊も合流しまして1日たちましたけど、どうされますか?」


ジークジルは、集まった各部隊の責任者にこれからの作戦を指示する


「恐らく後数時間以内に敵の主力が動き出すはずだ、我々は背後から来る魔物は、無視して、敵の主力だけを全力で叩く!砦防御ギリギリまで粘り回復部隊は、砦の脱出口から洞窟に待避しそのままウィスラーまで撤退そこが我々の最終拠点だ!隠影部隊は、回復部隊を護衛しながら一緒に待避!魔法部隊3班と、投擲・弩弓隊は、敵の魔法部隊含む遠距離攻撃部隊を攻撃、砦の防御力が30%を下回れば脱出口から待避後はそのままウィスラーに向かえ、我々は敵を砦に取り込んで砦を爆発させる!この魔力の貯まったコアに魔力弾を打ち込めば大爆発する、もちろん全員待避した後で私が打ち込むギリギリ射程の届く場所からこの弩弓の先に取り付けたこれを発射するだけだ!後は脱出口まで走れば間に合う!」


皆が反対を口にする



「ジークジル様!無茶です距離があり過ぎます!」


「そうです!例えコアを破壊出来たとしても、ジル様、足が遅いです!間に合いません!」


「これは、決定事項だ!以上」



「「「わかりました…」」」


☆・☆・☆

従魔隊コンラートは、敵の策略にはまり1日以上行軍が遅れたことに怒り


「くそ!ティオールの奴らめ!あの沼で従魔がだいぶやられたCランクは、ほとんど残らなかったくそ!」


「隊長見えました!敵の砦です!」


「よし!本部に連絡これより砦を攻撃すると!」


「こちら従魔隊これより敵の砦を攻撃します!」


「了解!こつちも魔法部隊重騎士隊進軍攻撃します」


モルトムントは、全軍に攻撃命令を下す


「これより敵の砦を攻略し、ティオール国に進軍する!いけえー」



「「「「おーーーーーー!」」」」


魔導部隊が一斉に詠唱を始め砦に向かって魔法を放つ


「「「「「理を今一度読みときかの者を破壊せよ!ファイアボム!」」」」」


〈ヒュン・ヒュン・ヒュン・ヒュン〉


〈ドカン・ドカン・ドカン・ドカン〉


〈ガラガラガラ〉


コンラートが魔物に指示をだす


「あの砦の壁を破壊しながら砦の上から中にいる者達を殺せ!」


〈〈グォー〉〉

〈〈ガォー〉〉


〈ドカン〉

〈ドカン〉


「だいぶ砦の防御も落ちたようだな、所々骨組みが見えて来たぞ!このまま上から中に侵入して中にいる連中を殲滅しろ!」


「おーーーーーー!」


モルトムント様先行隊5000がそろそろ中に、コンラート率いるSAクラスの魔物も数匹入ったようです


「重兵士隊は、奴らが逃がさないように砦を囲め!」


フフこれでこの砦の奴らは全滅だな!バルサート側の砦も落ちたみたいだし、残すは、王都だけだ!


☆・☆・☆

ジークジル様!そろそろ脱出した方が砦防御がもうほとんどありません、このままでは、脱出できなくなります!


「よし!回復部隊!脱出口へ急げ!」


マドンが隠影部隊長ベナンを呼ぶ!


〈ヒュン!〉


「ベナンよろしく頼む!」


「は!」


ベナンが一瞬でジークジルの背後に回り気絶させる



「ジークジル様ごめん!」


〈ドス!〉



マドンが指示をする


「全員撤退だ急げ!」


「ベナン、ジークジル様は、この先もこの国の軍事を指揮してもらわないといけない!よろしく頼む!」


砦が少しずつ崩れ始めるまで後少しマドンは、弓を構え全員の退却を待つ


「マドン隊長!退却完了しました早く!」


マドンは、コアに向けて矢を放つ!


「いっけぇーーーー!」


〈ヒューン!〉



〈カツ!〉


〈パキパキパキドカーーーン!〉


「マドン隊長砦が崩壊します!早く!」


〈ドカン・ドカン〉

〈ガラガラガラ〉

〈ギャオー〉


「うわーー退路が塞がれた!いい!ベナン早く退避しろ!」


「マドン隊長ーーーー!」


〈ガラガラガラドカドカドカ………〉


〈ドカーーーーーーーーーン〉

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る