第167話ティオール国の戦い②

バルサート教国側ケルケト砦


聖教騎士長セドは、ティオール国の砦を睨み教皇様からの指示を待っていた


「セド様先ほど連絡がありクォーク帝国はティオール国へ宣戦布告し侵攻を始めたそうです、教皇様も聖女を要求して断られたら宣戦布告するようにとの指示です!」


セドは、やっとティオール国の巫女が手に入ることへ喜び行動を開始した


「我は、バルサート教国教皇様より命を受けここに参った聖騎士長セドと申す!教皇様より、聖女サリナトーレの引き渡しを求める!応じなければ、力でもって奪い取る!以上だ!」


エアロ王女は砦の監視台に立ち拡声用魔道具を使い


「私はティオール国王女エアロです!あなた方のふざけた要求はお断りさせていただきます!奪えるのものなら奪うといいわ!私たちには女神様が付いているから!」


この時セドは思ったバカな王女だ!自分から身体を敵にさらすとは


「おい!王女めがけて魔法を打ち込め!」


セドの指示でバルサート教国の魔導部隊は氷・雷の槍を王女めがけて放つ


「アイススピア」

「サンダースピア」

「アイススピア」

「サンダースピア」


エアロ王女はいきなりの魔法攻撃に立ちすくんで動けなくなる


ネイルは思わず叫ぶ


「エアロ様伏せて!」


しかし放たれた魔法はエアロ王女に当たる寸前にペンダントの守りが発動し全てはじかれる


〈パーン〉

〈パーン〉

〈パーン〉

〈パーン〉


エアロは守りが発動したことに驚き、これはハルちゃんのペンダントの効果?

「凄い・・・・・・」


その光景を見たセドは


「な・なんだ?魔法障壁だと!くそ!まぁいい、魔法部隊3部隊で交代しながら一斉に砦を攻撃しろ!攻撃魔法順番は打ち合わせ通りにやれ!」


バルサート魔法部隊5000が交代しながら一斉に水・氷結・岩石魔法を放っていく


ネイルは、敵部隊の配置・魔法部隊の魔法攻撃を見て指示を出す


「兵力差は歴然だから、まともに戦っては絶対負けます!ここは戦力の温存します、絶対無駄に魔法攻撃をしない事!いいですね!」


「「「わかりました」」」


エアロは、ペンダントを握りしめながらネイルに尋ねる


「ねぇネイル何か作戦あるの?」


「ここは地理的地形と気候を利用しちゃう♪ウフフ」


エアロはネイルを見つめ


「ネイル、一体何を始めるのよ!」


ネイルはニコニコしながら


「うふふ♪上手くいけば敵の魔法部隊とその後方に待機してる部隊全滅させられるかも」


☆・☆・☆

ケルケト砦南数十キロ山岳国境

聖騎士黒曜部隊キラールは、クオーク帝国から合流した従魔師部隊100人に従える魔物を準備させていた


「お前たちその呼び出したりしてる魔物大丈夫だろうな!」


「問題はありません予定通りあと数時間もすれば5000の魔物が集まるでしょうこれでここから国境守備隊を蹴散らして砦の後方に回れば奴らは壊滅です、後はティオール国に侵攻してお望みの聖女様と巫女を手に入れてください!報酬たんまり期待してます」



「それは大丈夫だ!聖女と巫女が手に入るなら後はお前たちが好きにすればいいと教皇様がおっしゃってた、従えてる魔物のランクは何だ?」


「ブラック・レッド系のベアと、ウルフです全てAランクです、これで攻め込みます」


その状況を陰から見ていた者達が姿を消す


〈ヒュン〉


☆・☆・☆


王都作戦本部

情報部隊テラスカートは、次々入ってくる報告まとめていた。


「ミルバール砦部隊は、クオーク帝国魔道具部隊の激しい攻撃を受け応戦中現在砦防御力70%新たな部隊も現れたと報告です」


「ミルバール砦北側山岳国境守備隊は、敵従魔師部隊の使役魔物の攻撃を受け撤退中魔物ランクはSAクラス数千とのことです」


「同じくミルバール砦南方山岳国境守備隊も敵従魔師の魔物によって国境放棄現在撤退中とのことです」


「なおどちらも足止め作戦を遂行中とのことです」


「ボストークから報告です!現在ボストーク沖合い数十キロにクオーク帝国海軍が出現その数5000我撹乱に向かうと、連絡ありました」


「ケルケト砦のエアロ様より報告です!バルサート教国の魔導部隊から激しい攻撃を受け応戦中、現在砦の防御力80%、これより魔導部隊の殲滅作戦を開始するとの事です」


「諜報部隊からの報告では、砦の魔導部隊後方に、バルサート兵士50万が待機中とのことです!」


「ケルケト砦の南方山岳国境守備隊も敵従魔隊の攻撃を受け守備隊は、壊滅現在撤退中とのことです」


宰相のベルネストも各戦闘地域からの報告を聞き愕然としていた


「予想していた事とはいえここまでの戦力差があるとは……」


グランブル国王も報告を聞き落ち込む


「完全に我が国を壊滅させるようじゃのぉ・・・」


テラスカートは、落ち込むベルネストと国王に


「我が国の兵士達は誰も諦めていません!女神ハル様を信じて、今できる最善の行動をしています!皆ハル様を信じてるのです!」


この場にいる重鎮たちが立ち上がり


「たとえ前線が崩壊しても我々は女神様を信じて戦う!聖女様も救いの地ウイスラーの教会でずっと祈り続けています」


グランブル国王は立ち上がり


「王都の民の非難はどうじゃ!」


「住民の各辺境町村への避難は完了しています」


「よし!では我々は残る全ての兵力をウイスラーに集結させ、聖女と女神の教会を死守する!ウイスラーはあの可愛い女神の大好きな場所じゃ儂らで最後まで守ってやらねばのぉ」


「はい!では王都残存兵力をウイスラーに移動させます」






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