第166話ティオール国の戦い①

ミルバール砦クオーク帝国側


バンドムンド辺境伯は、砦から出て中立帯に歩み出て宣戦布告を言い渡す


「我は、クオーク帝国皇帝陛下より命令を受けて参ったバンドムンドと申す!陛下より賜れた言葉は、聖女サリナトーレとハルと名乗る小娘の引き渡しを求める!応じなければ、力でもって奪い取る!以上だ!」


ジークジルが砦に立つ


「我は、ジークジルティオール国の国防を担う者だ!非道を行うクオーク帝国の申し出は、こちらも力で持って排除する!我が国の大切な宝を奪えるもんなら奪ってみろ!」


「皇帝陛下の命令は、聞かぬと!バカめ!では、力づくで奪わせてもらう!」


先行部隊司令官ナイルが歩み寄ると


「バンドムンド様では、参謀本部の指示通りに行動を開始します」


「ああ!派手にやれ!できるだけこちらの兵力を見せつけて派手に攻撃をして、相手側の戦力をこっちに向けるんだ!」


ナイルは、部隊に次々指示を出す


「魔道具部隊2000は、中立帯に展開防御盾設置し敵砦の防御力を下げろ!魔法攻撃用意!いいか!盾からでるな!見なくていい!攻撃ポイントは、こちらから指示する!」


魔道具部隊は、次々と攻撃を放って行く


〈ヒュン・ヒュン・ヒュン・ヒュン〉

〈ヒュン・ヒュン・ヒュン・ヒュン〉

〈ドカン・ドカン・ドカン・ドカン〉

〈ドカン・ドカン・ドカン・ドカン〉


「いいぞ!もっと打ち込め!」



「櫓部隊用意できました!」


「よし!櫓部隊は、敵の砦上部の兵力を削れ!砦の左右に展開して近づいて攻撃!敵に圧倒的脅威を与えるのだ!いけえー!」


〈ガラガラガラ〉

〈ガラガラガラ〉

☆・☆・☆


「何だあれは?この砦の高さと同じくらいの櫓が多数移動してくるぞ!」


「隊長!我々の攻撃が盾に阻まれて敵に被害与えれません!」


「このままでは、砦の防御が崩壊します!」


「敵の櫓から弓と魔法による攻撃で、監視及び攻撃隊の被害が出始めました、それにこちらからの攻撃がことごとくあの盾に阻まれています」


砦守備隊カラヤは、部隊全員に激をとばす


「ここが落ちれば王都は、壊滅する!敵もいつまでも魔道具の攻撃はできないはずだ!必ず隙ができる!その時一気に反撃する!とにかく今は耐えるんだ!」


さらにジークジルは攻撃部隊に指示を出す


「魔法部隊は敵魔道具部隊の盾を崩すため盾の上に水魔法で攻撃しろ!敵盾部隊全体にやれ!魔力枯渇しそうになったら控え部隊と交代しながらやるんだ!」


「ジークジル様!水魔法だけでは盾部隊へ与えるダメージは軽微ですが・・・」


「いいからやれ!考えがある、このままだと明日には砦が崩壊する!ここで盾と魔道具部隊を一気に潰す!」


「わかりました!」


ジークジルはさらに指示を出す


「弓隊は、敵の櫓部隊の攻撃だ!できるだけ注意をこっちに向けろ!投擲部隊は、偵察監視台に上がってハル様が置いて行った眠り玉と麻痺玉を敵櫓に投げ込め!」


「了解しました」


「いいか!何が何でもここを死守するんだ!」


「「「おーーーーーー!」」」


回復部隊長レイナは、励ましながら治療していく


「みんなここが落ちればこの国は、壊滅するのよ!頑張って負傷者を治療するわよ!」


「「「はい!」」」


☆・☆・☆

国境砦から北に進んだ山岳部国境の峠では、クオーク帝国第一従魔部隊10万が、5000もの魔改造されたSAクラスの魔物を引き連れティオール国に侵攻していた


コンラートは、部下達に指示をする


「峠を監視してた敵部隊は、撤退したけど、油断するなよ!俺達がミルバール砦の背後にまわって奴らに絶望を与える必要があるから」


「コンラート隊長!第二部隊も砦南の山岳国境の敵部隊を排除して、ティオール国に侵攻しました」


「よし!このまま敵を蹴散らしながら第二部隊と合流するぞ!」


☆・☆・☆

クオーク帝国海軍旗艦艦隊司令官マドリスが、順調に進む艦隊を見つめ


「我々帝国の艦隊は、圧巻よのぉ!見てみろ第一から第七艦隊まで揃って出撃するのは、艦隊演習以来じゃ、ティオールのボストーク田舎海軍を押し潰して、ボストーク海岸から周辺の町を魔道具で破壊するぞ!」


順調に進んでた艦隊だが、風向きが変わり海が荒れだす


「司令官、海が荒れて風が強く艦隊速度があまり出ません!」


マドリスが、対応の指示を出す


「焦る事もない!艦隊を確実にボストークに進めることが大事じゃ!速度を落とし、嵐に対応するように全艦隊に通達!遅くても明日には嵐も過ぎ去るじゃろう」



☆・☆・☆


ティオール国山岳国境守備隊マドンは、突如現れた魔物に驚き、部下達に攻撃命令をくだすもダメージを与えることが出来ず撤退命令を下す


「国境は、放棄!部隊撤退!急げ!」


マドンは、部隊に撤退指示した後、侵攻してきた敵部隊を偵察隊に掌握するように指示し、魔物の異常さをギリギリのところで調べる


レッドキラーゴング LV135

ランクSA


ブラックタイガー LV140

ランクSA


デススパイダーLV126

ランクS


ブラックボア LV160

ランクSA


マドンは、魔物達を見て衝撃を受ける


「何だ!この異常な魔物達は!こいつら1体で騎士団全員で当たっても倒せないぞ!このまま簡単には行かせない!見てろよ」


マドンは隠影部隊を呼び寄せる


「ベナン!」


マドンが呼ぶと突然目の前に現れる一人の男


「お呼びでしょうか?」


「ベナンあの魔物集団の足止めをしてもらいたい、お前のことだ準備はしてるだろ!倒せないなら侵攻を遅らせればいい時間があれば何とかなるような気がする」


「わかりました!倒すのはさすがに無理ですが足止めならお任せください!では!」


〈ヒュン!〉



マドンは、すぐに魔道具で報告をする


「こちらミルバール砦北山岳国境守備隊マドン、帝国の部隊に突破されました国境は、放棄撤退します、敵部隊は、魔物の使役する部隊!魔物は、全てランクS以上その数1万以上!現在隠影部隊で足止め中、我々は指定場所まで撤退します」


☆・☆・☆

港町ボストーク

ティオール国海軍ユニバースは、偵察艦からの報告を待っていた。


「ユニバース司令官、偵察艦が戻って来ました!」


「指令ただいま戻りました」


「ご苦労!マークス、それでクオーク帝国は、どこまで来てたんだ?」


マークスは、状況を報告する


「帝国海軍は、ボストークから海上50km付近で現在嵐に遭遇してます、魔力感知機の敵艦隊数は、超級クラス50 A級クラス200 B級クラス300 C級クラス500明日にも接近するものと思われます」


ユニバースは、報告を聞き愕然とする


「敵艦隊が1000…… それに比べ我々は、C級艦艇が50か・・・どうにかなるレベルではないが、せめて攪乱でもするか、その前に報告だなマークス王都に報告だ!」


ユニバースは考える、圧倒的戦力差こっちが唯一勝ってるのは恐らくスピード、と言っても敵のC級艦艇より少し早いくらいか・・・やるなら敵が嵐から出て来た直後に全鑑艇による魔力潮流での混乱と同士撃ちくらいか、これで1日は稼げるか?少しでも時間が稼げればハル様が何とかしてくれる我々は女神様を信じて行動するのみ!







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