第159話ミラーレ連合国会議②
みなの注目がさらに集まる中クアルコムは伝承の続きを伝える
「伝承によると隠されてる島は二つでした伝承を読みます」
【白き水の中で私たちは眠るも、朔の日に我姿を現さん風の祠で冠より白き石を取り風の巫女が舞えば白き石が輝き海の祠で冠より青き石を取り海の巫女が舞えば青き石が輝きその輝き満ちた石を祠の我の冠に収めよすれば悠久の時を荒れ狂う海と風は収まり大いなる海の恵みをもたらすであろう】
ユリが目を爛々として伝承を見ている
「つまりこの伝承は、あの障害となっている海流と風を止めることが出来るってこと
?」
「はいそうです!でも海の巫女と風の巫女が誰かわかりません、それに石が白く輝く意味も」
各州の責任者たちは首をひねり考えていた
デリスはユリに聞く
「ユリよどうじゃわかりそうか?おぬしだけが頼りじゃ」
ユリはブツブツ考え始める
「・・・・・・・・・・・・・・・・ダカラ・・・・・・・・・巫女・・・・・・・う・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ!そういうこと♪」
皆の視線がユリに向けられる
ユリはクルルとミルルを見て笑っていた
「なんじゃユリよ早く説明せんか!」
「そうよユリ早く説明してくれないかしら、嫌な予感しかしないけど」
「ミルルお主はわかるのか?」
「ええ何となくだけど、違ってるといいのだけど・・・」
ユリがチラリとクルルを見て説明を始める
「この伝承は、間違いなくあの海流と風を鎮めるもので間違いないと思います、朔の日は霜月の十五日です丁度1月後です、その時に二つの島を覆っている霧が晴れ、干潮で島が現れるのだと思います、次にこの二つの島に祠があって社のようなところに冠があるのではないでしょうか、その中には白と青のそれぞれの大きな魔石があって選ばれし巫女が祠の前で舞う事で恐らく巫女から魔力が吸い出され魔石にたまっていき輝くのだと思います、後はその魔石を冠に収めれば二つの古の魔道具が作動して海流と風を止めることが出来るのだと思います」
皆がうなずきながら聞いている
デリスが当たり前のような質問をする
「それでユリよ奉納の舞を踊る巫女はわかったのか?」
ミルルは目も合わそうとしない
クルルはそんなミルルを不思議そうに見ている
「はい!この巫女はこの方しか無理です!まず膨大な魔力を持ち清らかな身体であること、風と水属性の魔力を持っている方でないとこの奉納の舞は無理です!よろしくお願いします!クルル様!ミルル様!」
「「「「えーーーーーー!」」」」
クルルは口をパクパクさせ驚いている
ミルルは諦めたようにげんなりしている
「ユリよ!なんで我なのじゃ!舞何て「無理じゃ!」
「はぁーーーまさかこんなことになるなんて・・・」
「ダメです!ハルちゃんを助けに行かなくていいんですか!クルル様テレス様に舞を教えてもらってくださいね」
デリスはニヤニヤしながらユリに質問する
「ユリよ当然奉納の舞の時は巫女の衣装を纏うのじゃろ?」
「当然です!舞の日は身体も清めてもらいます」
クルルは顔を真っ赤にして叫ぶ
「巫女の衣装を着れと!必要ないじゃろ!」
「ダメです!」
「清めはいいじゃろ」
「ダメです!ミラーレ大森林の大樹の泉で聖母テレス様聖女ミーティス様に清めの儀式も行ってもらいます、テレス様ミーティス様1か月後の舞までよろしくお願いします」
「「わかりました」」
聖母テレスは拳を握りしめ
「やっとハル様に会えるのにそれがこの儀式にかかってるのであれば私たち教会全身全霊で頑張らせていただきます」
プライムとカミルスはひそひそ話をする
「ユリって容赦ないの、あのクルル様が全く逆らえないのだから」
「ほんとですなあのような容姿で、女は怖いですな」
ユリは二人を睨み
「プライム様!カミルス様!」
「「はい!」」
「お二人は暇そうですからお仕事差し上げます!今から1ヶ月以内にフロントトラスに行く船団の建造と兵の訓練をお願いします」
「ちょっと待て!ユリよそれはどういう事じゃ大陸を攻めろと?」
「違います備えあればです、ハルちゃんのいる大陸はタイセル国のような屑の国が勢力を広げてるようです詳しい状況はわかりませんが、どうしますか?他の州の方々もにもお聞きします!これに失敗すると私たちの女神ハル様を完全に失う事になりますよ!それほどこの儀式は重要なのです!ドライアド様がハルちゃんに助けを求めるくらい酷い状況なのだと思います!グスン・・・ほんとならこの大陸ごと移動したいです!」
ユリの言葉に出席者たちは真剣に耳を傾けそれぞれが話をしだすとさらにユリは話を続ける
「儀式が成功して移動が可能になればデリス様には全力でフロントトラス大陸に飛んで頂き移動用の魔方陣の構築をしてほしいです、ただ儀式が成功して海流と風が収まったとして島から大陸までの距離がわかりません、飛行で消費する魔力がどれほどかわかりません危険なお願いしてごめんなさい!グスンドライアド様のお願いと大陸のわずかな情報から考えると今すぐにでも助けに行きたいくらいです!でも・・・海流が邪魔して・・・悔しい・・・皆さんお願いします後1か月協力お願いします」
ユリは、涙を流しながら深々とお辞儀をすると、出席していた重鎮たちは活発に議論を始め終わると立ち上がり重鎮たちはユリに向かって皆同じ言葉を発し急ぐように部屋を出て行った
「ユリ殿!我々の女神様絶対死なせはせん!全力で取り組ませてもらいます」
デリスはユリにそっと近づき頭を撫でながら
「みんなわかってるのじゃ今まで情報もなく助けに行けなかったんだから、ユリの叫びびは皆に届いたのじゃ、大丈夫絶対ハルちゃんを助けるから一度無くしたこの命ハルちゃんが生き返らせてくれたのだから、ハルちゃんのために使うのじゃ」
「デリス母様・・グスン・・そんなことしたらハルちゃんが怒るよ、絶対死んじゃダメ!」
「そうじゃデリスよ!死んだらハルちゃんが大泣きするぞ!我では止めれん!」
「そうそうデリスハルちゃんを悲しませてどうするの!私たちはハルちゃんの母なのですよ!」
「クルル、ミルルそうじゃった、でもハルちゃんの状況を考えると胸が張り裂けそうじゃ!少しでも早く助けに行きたいと思うと・・・」
「我とミルルは死ぬ寸前で助けられたが、デリスは死んでバラバラの状態からの奇跡の復活だからよけい思い入れは多いのじゃろうが、ハルちゃんのためにもその気持ち抑えろ!」
「そうだわ!ユリちゃんのお友達に魔道具の制作得意な方いないのかしら?」
ユリは少し考えるとボソっとつぶやく
「いる」
「じゃその子に魔力補給用の魔道具か魔力消費が抑えられる魔道具を作ってもらったらどうかしら」
「わかったすぐ大樹の舘に行ってお願いしてみる」
「じゃ私とクルルはテリスの所で舞の練習するわね、恐らく魔方陣を起動させるための舞だから間違えれないわ、クルル行くわよ!」
「わかったのじゃ・・・」
「じゃ妾は、ミロと魔力UPの鍛錬でもするかの1か月しかないのじゃから」
こうしてそれぞれの目標を掲げそれぞれの場所に散って行った
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