第158話ミラーレ連合国会議①

ハルがいなくなって2年ミラーレ連合国は、その後カザーランド大陸にある全ての国を統合し巨大な連合国になっていた


連合国内は、通信魔道具が発達し中央と地方の連絡もスムーズに行われ、各地で起こる様々な問題も迅速に対応処理され巨大国家として、女神ハルを崇拝する国家として国民全体が活気にあふれていた


農業、商業、工業においても各地域に分散発展し農業分野における天候による不作で農民が困窮することもなく、問題が起こる前に対策が取られる地域巡回調査部隊が各地域を定期的に巡回し都度対策が取られていた


こうして強い結束で大陸を統一してできあがったミラーレ連合国の唯一の問題が女神ハルの捜索だった


中央都市モーリスト州セントルイスでは定例会議のため各地の統括責任者が集まってきていた


各州の責任者がそろったところで、ミラーレ連合国統括最高責任者の3名が入って来る



会議を円滑にするため進行秘書がクルル、ミルル、デリスを案内する


「クルル様はこちらに」


「うむ」


「ミルル様はこちら側におかけください」


「はい」


「デリス様はこちらでお願いします」


「わかったのじゃ」


「参謀総長のユリ様はこちらにお願いします」


「はい」


「では、皆さんそろいましたので定例会議を始めたいと思います、進行は私ハル捜索第3班セリス・ラエ・モーリストが進めさせていただきます、ではまず各州の収支報告をお願いします」



こうして会議は順調に進み各州の問題点などが話し合われ対策も終わり1時間で定例議題はおわった


「では、各州の対策も話し合われたので定例議題はこれで終えたいと思います次に女神ハル様の捜索についてです、ユリ様お願いします」


ユリは立ち上がり皆に一礼して報告を始める


「私達ハルちゃん捜索隊は、森族エルフ達の協力を得てやっと見つけました」


「「「「「おお!!」」」」」


クルル達は事前に報告を受けていたため平常に報告を聞いていた


「ハルちゃんは、この大陸の主樹木のドライアド様の転移能力で別の大陸フロントトラスに転移されました、この大陸には現在船で向かうことは出来ません、海流と風が吹き荒れ現在の魔道船では進むことが出来ません」


「はい!」


「ワルプルス州カミルス様どうぞ!」


「我々魔族なら飛行可能だ!飛んでいけるのではないか?」


「はい!」


「デリス様どうぞ」


「ユリの報告を受けて私とクルルは、すぐに試したわ!吹き荒れる風が魔力まで奪うから無理だったわ」


「発言よろしいかしら」


「ミルル様お願いします」


「私も何度か同行し、水中能力がある私が海の中から進もうとしたけど、魔力枯渇になるほどの凄い海流が流れてるから海も水中も空もダメね誰かが大陸に行ければ転移陣を構築できるのだけど」


全員がミルルの報告を聞き唸る


「はい!」


「キスリス州テレス様どうぞ!」


「そのハル様を転移させたドライアド様にもう一度お願いするのはどうなのでしょうか?」


ユリが静かに手を上げ答える


「ドライアド様には森族のエルフ王女でもダメだと、神聖転移陣だから耐えられないと言われた」


「うむーせっかくハルちゃんの場所がわかったのにいけないとは・・・歯がゆいのじゃ!」


会議室にクルルの悔しい叫びが反響する


暫く沈黙があった後突然一人の州責任者が立ち上がる


「あ!」


「デルタ州クアルコム様どうされました?」


「すみません我々海洋に携わって来た先祖からの伝承があったの思い出したんです」


皆が視線がクアルコムに集まる


「ミルル様どうされました」



ミルルが海洋の民に伝わる伝承と聞きブツブツと何かしゃべっていた


「古より海洋の民だけに伝わる伝説があったのを思い出しました、クアルコム殿はそのことをおっしゃりたいのでは?」


「はい!遥か沖合に霧に隠された島があると、その島は年に1度だけ姿を現すとあります」


「そこまでは私も知ってましたから気にもしませんでした」


「クルル様何か発言したそうですが」


「今はハルちゃんのいる大陸がわかってでも行く方法が、手段がないのじゃ!伝承などどうでもよいわ!島が見つかってもどうにもならんではないか!」


「クルル様話を聞いてください伝承には続きがあったんです」


「なんと」


「なんじゃと」


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