第157話ティオール国の話し合い

王都では、謁見の間で、教会襲撃事件から今回のハル襲撃事件まで報告がなされた




ベルバラはグランブル国王に内密に報告したい旨を告げると別室に案内される



別室の応接室には、国王、宰相、国防大臣の3人がいた


「まぁかけたまえ」


ベルバラとライラは別に緊張するわけでなくいつもの感じで行動していた


ベルバラが開口一番


「グランブル叔父様お久しぶりでございます」


「ほんと久しぶりじゃの、ちっとも連絡横さんから儂は心配したぞ!」


国防大臣もライラに向かって


「ライラ此度の任務ご苦労であった」


「はい!叔父様」


「皆様少しお待ちください」


話し合いが始まる前に国防大臣のジークジルが慌てて盗聴防止用の魔道具を起動させる


「ジークジルもう話しても大丈夫か?」


「はい盗聴防止できています」



「それでベルバラよ、聖女を救いこの国の危機を救うかもしれんというハルと言う子供は、どうなったのじゃ!その者は女神様で間違いないのか?」


「はい!聖女様もそう感じたようなので、ご確認ください」


「わかった確認するとしょう、それで今回の襲撃はその女神ハル様を狙ったと言う事か?」


「はい!私達を襲った奴らは、帝国の暗部の者です捕縛20名、逃走数名と見られます、ハル様と私たちは敵の策略により分断されハル様は孤立し、敵のアサシン部隊の攻撃で負傷した後、光源の魔道具を使い敵のアサシン部隊の視力を奪い逃走その後行方不明となっています」


「なんじゃと!女神ハル様は生きておられるのか?」


「たぶん大丈夫かと・・・巧妙に細工され死んだようにされてましたが、かすかに残る魔力痕跡をたどり生きていると確信しました」


「そこまでたどれたのに、なぜ見つけられぬのじゃ?」


「ハル様だけが通れる洞窟に逃げ込まれたとしか言えません、私達では不可能な洞窟です」


「ハル様の無事を信じるしかないのか・・・それでこれからなんじゃが、皆の意見を聞かせてほしい」


宰相が手を上げて発言する



「有事に備え国境の砦の強化と、軍の増強を急ぎ行う必要があります」


ライラは、手を上げて答える


「ハル様の見解によりますとバルサート教皇国は暫く襲って来ないそうです、今回の作戦失敗でいろいろ考えてるから、バカでない限り大丈夫と言ってました」


「ベルネストよ、我が国の智謀の将のお主ならこの先敵の動きどう考える」


宰相のベルネストは少し考え意見を述べる


「クオーク帝国と、宗教国家バルサート教皇国は国内の扇動に恐らく時間がかかると思います、聖女と女神の力を持つハル様どちらかの拉致が成功していたら見せつけることで一気に士気は高まったと思います」



「なるほど、それでどうする他の者の意見でも聞くか?軍事参謀ネイルも呼ぶか?」


「ここは、ネイルとエアロ王女にも来ていただいて是非ハル様の思いを伝えてもらいましょう」


「エアロまで呼ぶのか?娘は確かにハル様を女神として心酔しておるが、呼んで参考になるのか?」


「ハル様に心酔してるなら何らかの影響をいただいてる可能性があります是非お願いしたいです」


「わかった、エアロとネイルをここに呼ぼう」


暫くすると部屋にエアロ王女と軍事参謀のネイルが入って来た


「お父様どうされたのですか?ハルちゃんに何かあったの?」


「むーネイル寝てたのに睡眠を邪魔する大事な話しって何!」


二人が不機嫌そうに入って来る


「二人ともすまぬのちょっと急いで意見を聞きたかったのでな」


「何!聞きたいことって!眠いから早くして!」


「ネイル!グランブル国王陛下だぞ!言葉を慎め!」


「陛下とは普通でいいって話ついている、でないともう意見言わない!」


国防大臣のジークジルは、ネイルに慌てて謝る


「わ・悪かった、しかし一国の王に敬語もつかわぬとは・・・」


陛下もよく許したもんだ、いくら国難を救って来た人物とはいえ、見た目はちびっこ少女せめてもう少し成長してくれていたら・・・


「むー!ジークジル何か変なこと考えてる!」


「な・何も考えてない!それよりも今から話す内容の意見を聞かせてほしい」


エアロはライラたちを見つけ何かを察したように話す


「お父様!ハルちゃんに何かあったのですね」


国王たちは一連の襲撃事件を伝えた


「ライラさんそれでハルちゃんは生きていると?」


「はい!それで、エアロ様にお聞きしたいことが」


「聞きたいこと?」


「はい!エアロ様はハルちゃんのこと心酔してらっしゃるから何か感じることはないか、ひょっとしたら何かいただいてないかと・・・」


「何か?あ!もらってるわ!いつも身に着けておくようにってもらったペンダントがあるわ」


それを聞きひと際、興味を示したのがネイルだった


「なんと」


「凄い女神からのペンダント」


「「見せてください!」」


エアロはペンダントを外してテーブルの上に置いた


〈コト〉


「鑑定してもいいですか?」


「はい!お願いします」


鑑定!


慈愛の守りのペンダント〈神話級〉

多重障壁(物理防御)LV10

多重結界(魔法防御)LV10

状態異常完全無効化

女神の回復

意志疎通

【所持者が女神への思いが一定レベル以上ないと効果が発動しない】


「「「「「!!!」」」」」


「なんじゃこれはー!」


「凄い神話級のアイテム何て初めて見ました」


「確かにエアロ様が手に持たれてるときはペンダントが光ってました」


「しかしなんとも凄いアイテムよのう」


「この女神の回復って意味あるんですかね?」


「どういう事じゃ?」


「だって上3つの効果が発動すればエアロ様は、HPもMPも減りませんよね傷もつかないわけですから何なんでしょうか?この意思疎通もわかりませんし」



「まぁそのうちわかるじゃろエアロもういいぞ、しかし凄い物をもらったな」


ペンダントをつけながらエアロは


「はいお父様、これを身につけているとハルちゃんがそばにいて守られてる気がします」


ネイルはグランブルに質問する


「ねぇ意見って襲撃の後あのバカな国がどう動くかってこと?」


「うむ!ハル様も襲撃前に予想してくれてたようで、大国が襲撃を失敗すれば暫くは、攻めてこないからその間に対策をすることになった、それでネイルの意見を聞きたい」


ネイルは地図を見ながら考える


「うーん確かに国境の砦の補強は大事でも・・・2つの超大国が本気で攻めてきたら防げない進入路は砦だけじゃないから山脈超えてくるそれに海もある帝国は強力な海軍がある、馬鹿な国が国内をまとめたら一気に攻めて来るたぶん半年後かな・・・戦力は

大国2つ合わせて400万に対してティオール国の戦力は最大で40万でも大国は余裕がある、戦力、魔道兵器全てけた違い策を立てて戦力を減らせてもどうにかなる数字じゃない無理!」


ネイルの意見にエアロたちは悲痛な思いになる


「そんな・・対抗手段はないんでしょうか?」


国王は思いを語る


「国王一族が命を差し出し全面降伏しても我が国の民はあ奴らに嬲り殺しにあうじゃろう、あの大国は人族絶対主義で我が国に多くいる亜人は恐らく奴隷として悲惨な目に合うじゃろう何とかならないものか・・・」


エアロはペンダントを握りしめ思いを込める


「ハルちゃん助けて、ハルちゃんが好きだって言ってくれたティオール国が滅ぼされちゃう・・ハルちゃん・・グスン」


〈ピカーーーー!〉


「え?何?ペンダントが光ってる・・・」


ペンダントから光が溢れエアロたちの前にハルの残像が現れる


「大丈夫!ハルを信じて待ってほしいの!絶対この国はハルが守るから!あいつらには好きにさせないのです!ハルは激おこなのです!今は力が弱いけどハルの記憶が・・・」


「消えた・・・意思疎通が発動したの?」


ライラとベルバラに笑顔が戻る


「ハルちゃん怒ってたね」


「ほんと怒ってたねフフフ」


ネイルも驚いていたが次第に笑みがこぼれ


「女神様が私たちのために本気で怒ってくれるんだアハハ」


宰相のベルネストとグランブル国王もうなずき


「我々は出来る限りのことをやるぞジークジル国務大臣その方は砦の強化を急げ!ベルネストは各領主に城壁の強化と兵士の強化の通達ネイルは大国との対抗策の立案、エアロとライラとベルバラは女神ハル様の捜索だ!みなよろしく頼む!」


「「「は!」」」


「「わかりました!」」


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