第150話ウィスラーの町とハルとエアロ王女

ハル達は、呼び止められ振り返った


ハルは、王女とニーナを見てこの前助けた女性だとわかり、その場から離れようとライラを促す


『お姉ちゃん、ハルお腹すいたのです、展望台はもういいのです、早く降りてご飯たべるの』


王女達は、自分達を見た瞬間ハルの雰囲気が変わったのを見逃すはずはなかった


さらに護衛騎士の一人が嗅覚スキルを持ち、この前助けてもらったとき、ハルの送った手紙と王女様達のローブに着いていた僅かな匂いを覚えていて、ハルから漂ってくる匂いをかぎ分け王女に耳打ちする


「エアロ様、匂いが一致しました。間違いありませんあの幼子です」



エアロは、足早にこの場を離れようとするハル達に声をかける


「盗賊から助けていただきありがとうございました、ローブも凄く助かりました。凄く可愛い手紙で凄く癒されました」


するとハルは、可愛い手紙に反応してしまう


ハルは、微笑み恥ずかしそうな仕草をしてしまう


さらに追い討ちをかけるようにニーナが


「あの時、あの盗賊達に私達は、乱暴される寸前で怖くて… そんな時に私達に素敵な可愛い勇者が助けてくれたの、お礼を言いたくて、ずっと探してたのありがとうハル様」


ハルは、耳まで恥ずかしくて真っ赤になり、下を向いたまま動こうとしなかった


エアロ王女とニーナは、ハルの前までゆっくり歩いて行き膝を着き、ハルの目線に合わせ話をする


ライラは、ハルの手を握り静かにその様子を見守る


「私は、ティルオール王国第一王女のエアロ・モナ・ティルオール、ハル様って呼ばせてもらいます、あの時死地にいた私達を救ってくださりありがとうございました」


ライラは、王女だとわかると握ってた手をはなし片膝をつき頭をさげる


ハルは、その行動にとまどってると


護衛に来てる騎士団全員がハルにお礼を言う


「「「「ハル様、助けていただきありがとうございました!」」」」


ハルは、王女に合わせて姿勢をただし綺麗にお辞儀をする騎士達に驚いていた


ハルは下を向いたまま小声で呟く


『……… そんなことしなくてもいいのに… 』


王女は、ハルの手を握り


「ハル様、あの時助けてくれたのハル様で間違いないですよね、心配しないで、私達は、その事で騒ぎにはしません、あの時ハル様は、騒がれるのが嫌で目立たないように助けてくれたのでしょ?なら私達もその気持ちに答えます!だから安心して答えてください」


騎士達も全員片膝を着き、ハルを見つめる


『そう… あの時お姉ちゃん達を助けたのハルなのです、逃げてごめんなさいなの、ハル処罰されるの?』


王女は、首を振り優しくハルに話す


「私達の命を救ってくれた大切な方を処罰なんてしません!ハル様ほんとうにありがとう」


『ハルは、たまたまあそこにいたから… あのエアロ王女様、ハルは、偉くないから様なんていらないのです、様は、嫌なのです!』


「アハハわかったわ、じゃハルちゃんでいい?」


『はいそれでいいのです』


「じゃ私のことは、エアロお姉ちゃんって呼んでね」


「じゃ私は、ニーナお姉ちゃんでお願いね」


護衛騎士にも同じようにお姉ちゃんって呼ぶようにお願いをされハルは、とまどっていた


『えー!みんな偉い人なのにいいですか?』


エアロ王女もニーナも騎士達もうなずいていた


「すみませんエアロ王女様、ライラは、どう言う状況かわからない、ハルちゃん凄い事したってことなの?」


「はい!ハルちゃんは、エアロ王女様と私達護衛騎士団を50人の盗賊団から救ってくださいました。あの時私達は、護衛全員盗賊団の策略にはまり、全員手足の腱を切断され身動きできない状態にされ、私達は全員裸同然にされ縛られ、盗賊どもに乱暴される寸前をハルちゃんに助けられました。」


ニーナは、ハルの手を握り涙を浮かべハルを見つめる


「ハルちゃんが、あの時縛られた私達の前で、次々と盗賊を倒してくれたの、私もエアロ様もビビアン様もここにいる護衛騎士団全員、捕らわれた時から始まる絶望から救われた瞬間でした、許されるなら救い主様のために尽くしたいと思うほどです、ほんとうに感謝しています」


ライラは、ハルの前で膝を折っている王女達を見て、全員がハルを見る目が全然違う、まるで女神様を見てるみたい、ハルちゃん見た目幼女なのに凄く強いって… はぁ~ギャップがぁ


一人悶えだすライラをちらり見て、

エアロ王女がハルに話しを始める


「ハルちゃんは、あの時書類見たんだよね、何か感じたかな?」


『…… ハル何か言った方がいいですか?』


ニーナは、ハルが何か感じた事に興味を示しハルを見つめる


「ええ、何でもいいから、ハルちゃんが感じたこと教えてくれない?」


ハルは、暫く考え話しだす


『渡した書類の隠されてた文字が重要、でも人の名前じゃない、この意味わかる?』


王女もニーナも驚きハルに質問する


「私達は、素直に人名と思い捜索してるけど、違うの?」


「ハルちゃんどう言う事?わかりません」


『ハルいろいろ感じる事できるの、この国の人みんな親切でいい人なのです、それ教会が凄く影響してると思うの、それでそのみんなの象徴の教会が壊されると、今まで好い人だった人の心に、影響出てくると思うのです


その混乱して弱ってる人達に、何かするのって簡単だよ、それに教会ってこの国にとって凄く大切な物じゃないです?それが凄く大切な物だったら国にも影響あると思うの、それにエアロお姉ちゃんが襲われたことも』


「え?どういう事?ただの教会の破壊だけじゃないってことなの?ニーナあなたハルちゃんの言ってることわかる?」


「いえ、教会を破壊すれば確かに民に与える影響は大きいと思うのは、わかるのですが、それ以上は… 」


「ハルちゃんお姉ちゃん達にわかりやすく説明してくれる?」


『ハルは、エアロお姉ちゃんと会ってわかりました。それであの書類の計画の意味わかった、エアロお姉ちゃんってこの国の人みんなに好き好きでしょ?だから教会もお姉ちゃんもなくなれば、みんなどうなりますの?そこにちょっと誰かが意地悪な事すれば、この国無茶苦茶になると思うの、この計画エアロお姉ちゃんの国を嫌いに思ってる人がやったと思う』


王女もニーナ達もハルの分析に納得し、ますますハルを見る目が変わっていく


「「宗教国家バルサート」」


王女は興奮しハルに答えを求める


「ハルちゃん凄い!凄すぎるわ!それで隠されてた文字は、名前でないのよね、じゃ何かしら?わかるハルちゃん」



『教会を壊すの目的なら早くに仕掛けはしないと思うのです、教会を破壊する最高のタイミングで破壊できる魔道具を使うと思うのです、だからあの名前は、教会が見える高い所の場所の名前』


エアロ王女は、ハルの推理に感心しハルに聞く




「ハルちゃんほんと凄いわ!でもあの名前続けて読んでもそんな場所ないの… グラン、ゲルって… 」


ハルは、ニコニコしながら


『大丈夫なのです、ハルはわかってるのです、お姉ちゃん達ハルは、場所の名前知りません、でもこの名前よく見て下さい、これ絶対場所の名前なの!』


王女もニーナ達も考えるが思いつかない


「ハルちゃん、私達にはわからない、教えてくれない?」


『あの5文字並べ替えて見てください!できる場所は2箇所のはずなのね、そこから魔道具を使うと思うのです、でもその場所にいる人たぶん簡単に攻撃できないように対策してるのね、でも大丈夫なの♪』


ハルは微笑みながら肩から下げたバックの中から2つの玉を取り出しエアロ王女に渡す


『はい!これを弓矢の先につけて魔道具使う悪い人に射てば捕まえれるようになると思うのです』


するとニーナと護衛の一人が叫ぶ


「「エアロ王女様場所がわかりました!」」


「ゲラルング監視塔です」


「ルグランゲ展望台です」


「よし!これで対策ができるわハルちゃんありがとう、なんてお礼を言っていいか… 国王である父様には今回の件全て報告するわ、心配しなくてもハルちゃんの事、ちゃんと隠して報告するから大丈夫よ」


『ありがとうなのです、でもニーナお姉ちゃん、この計画してる人まだ何かしてくると思うのね、だから油断しないでください!エアロお姉ちゃんこれハルのバックの中にあったペンダントなのこれ身につけててほしいのです、たぶん役にたつと思うのです』


ニーナは、姿勢をただしハルにお辞儀をし


「ハルちゃん私達これから対策に向かうから、この事が終わればまた会ってくれる?」


「そうよ、ハルちゃん私達言葉だけでなくちゃんとお礼したいからまた会ってくれる」


『はいなのです!ハルも心配だからどこかで見てるからお姉ちゃん達気をつけてください』


こうして王女一行は、教会破壊を阻止するためハルと別れた


ハルは、ライラと展望塔に行き教会を見つめ考えていた


『ハルにできることないかなぁ…』


「ハルちゃん一度商業ギルドに戻る、この事凄く大事なこと、ギルドのみんなもきっと手伝う、だから一緒に戻る」


『うん♪わかったの』


ハル達もライラと商業ギルドに戻って行った

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