第129話ハルとポンコツ姫

「姫様落ち着いてください!侍女のシールズが何らかの情報をつかんで来るはずです」


こんなチャンスないのに!皆何をやっているのよ!


女神ハル様♪この思い早くあなたに伝えたい…


女神ハル様を閉じ込めて私と二人だけで、女神様の寵愛を受けたい…


あぁ女神ハル様……


あの小さなお身体をギューット抱きしめたい……


そのためには、周りにいる侍女達を引き離さないと……


それにしても私の護衛は、一体何をしているのかしら…


やっぱり私の私兵にやってもらうしかないわね


「……………………頼んだわよ」


「…………………」



〈コン♪コン♪〉


「姫様シールズです」


「入っていいわよ」


「失礼します」


「で!どうだったのかしら?」


「それがターゲットは、約1名を除き部屋に引きこもって出て来ません」


「ふーん、それでその1名は?」


「どうやら宿に着いてすぐに出掛けた見たいで、まだ戻ってません」


「そう… 仕方ないわね、ここは、私の私兵に動いてもらって、女神様を連れて来てもらうしかないわね」


「は?姫様!何かバカな事考えてません?相手は、ミラーレ連合国の女王ですよ!わかってます?そんな方に手を出せば戦争に発展しますよ!」


「私は、二人でお話しするだけです!私兵に頼んで連れて来てもらうだけです」


「あの姫様?その行為がどれほどの影響あるか考えた事あります?仮に同意して来てくれたとしても非公式に訪問し、しかも相手の所に忍び込む行為、これだけで大問題です!断られた場合どうするおつもりで?」


「周りの侍女に怪我させないよう眠らせて、連れて来るように、言ってあるから大丈夫よ」


「はぁー聞いておいてよかった、姫様!アホですか?とんでもバカヤローですか?このユーホニア国を滅ぼしたいのですか?」



「そんな大袈裟な事にならないわ、誰にも怪我させず来てもらってお話しするだけよ?」


「姫様!相手はこの大陸のいえ!世界の最強国家ですよ!そのトップですよ!わかります?その周りが普通の侍女なわけあるわけないです!情報によれば女神ハル様の周りにいる3人は、一人で国の全戦力を相手にできると言われています!その3人以外も一人一人が騎士1000人相手に出来るとも言われてます」


「嘘よ……… 」


「姫様もう少し考えて行動して下さい!」


「でも遅いわ命令したし… 」


「はぁーーーー!」


ほんとポンコツ暴走姫だわ!


「姫様!すぐに私と一緒に来て下さい!この宿にいるハル様のお仲間に会いに行きますよ!」


「もし違ったら… 」


「その時は、謝罪するだけです!大事なのは、仲間の方に会い姫様の私兵の行動を謝罪する事です!」


「えーー!謝罪なんかしたくないんだけど… 」


「いい加減にしてください!もう一度言います!ユーホニア国を潰す気ですか!」


「いいから!来て下さい!」


「えーー!私、行かないから!行くならシールズ一人で行きなさいよ!」


「…… わかりました。姫様長い間お世話になりました、私の代わりにメルシーをお使いください!では… 」


「ちょっとどう言うことよ…〈バタン!〉」


姫が何か言ってる途中で部屋を出てきたシールズは、魔道具通信機で王国諜報部に連絡し、一人女神ハルの仲間のいる部屋に向かった


「ここね… ふぅー王国の運命がかかってるのよ、誠心誠意謝罪してこの私の命で許してもらえれば… 」


〈コン♪コン♪〉


「はい!どちら様でしょうか?」


「私ユーホニア国第一王女ララミール様に仕える侍女シールズと申します、この部屋に女神ハル様のお連れの方が宿泊してると、お聞きして、至急ハル様の事でお伝えしたいことがございます」


セリスは、すぐにレナの作った通信具を使いユリに連絡をする


『こちらセリスです、ユリ様、今こちらにユーホニア国第一王女ララミール様に仕える侍女シールズと名乗る者が来ています、いかがいたしますか?』


『ここに入る時に使った偽名で問題ない、相手も急ぎ伝えることが重要、主の姫が何かしでかしてる』


『了解』


『少々お待ちください!』


〈……………………〉




〈ガチャ〉


「どうぞお入りください!」


「失礼します」


「改めて私ユーホニア国第一王女ララミール様に仕える侍女シールズと申します、至急お伝えしたいことがあり訪問させて頂きました」



「私ハル姫様の侍女でパリスと言います、至急伝えたい事とは、何でしょうか?」


「お聞き下さり、ありがとうございます、実はララミール様は、女神ハル姫様の大ファンで、その性格がちょっと極端で、本人は、何も問題ないと思い行動取るのですが、それがダメな事に気づいていないのです!」


「なるほど、それで今回問題となる行動を起こされたと言う事ですか?」


「はい!それでララミール様は、ハル姫様と二人だけで話がしたいからと、二人の私兵に、ハル姫様を連れて来るように命令しています、その時に周りの侍女達には、怪我をさせないようにと言われたみたいなのですが、私兵の行動次第でハル姫様の侍女の方々に被害が、至急連絡してください!申し訳ございません!」


土下座して何度も頭を床にすり付ける侍女のシールズだった


「わかりました、すぐに連絡いたします、しかし何で侍女のあなたが謝罪を?本来ならララミール様がすべきでは?あ!そう言うことですか… 」


「申し訳ございません!ララミール様は、事の重要性ごわかっていません!今回の件どうか私の命でもって許して頂けないでしょうか、どうかよろしくお願いします!皆様の部屋を私の汚い血で汚してしまう事をお許しください」


そう言うとシールズは、隠し持っていたナイフを取り出し自分の胸に突き刺した


〈ザク!〉


「「「え!」」」


いきなりの行動に反応が遅れ慌てるセリス達


すぐに念話で伝えると、転移魔法が使えるデリスがハルを連れて転移してきた


目の前の光景を見てデリスがシールズに近寄る


「主の責を己の命でとるとはのぉ… 」


ハルは、ぐったりとしてナイフを刺したままのシールズの顔に優しく触れながら


「本来なら許されないのです!でもシールズは、綺麗な心してるのね、それにご主人様のために自分を犠牲にして行動した、だからハルは許すのです!」


「あ りがと うござ い ます」


「喋らなくていいのです!よく聞くのです、あなたはこのままにしておきます、勘違いしないでほしいの、絶対死なせないから!シールズのご主人様にお仕置きします」


ハルが言いおわる前にシールズは、気を失っていた。



『クルルじゃ!連絡のあった侵入者は、捕らえたが、自ら毒を飲みよったぞ、ハルちゃんに言われてたから死なせておらんぞ、龍魔法で何とか毒の進行止めておるぞ!これでハルちゃんのご褒美もらったのじゃ♪』


ユリは、クルルから通信具から連絡を聞くと通信具で話す


『ハル様ありがとうございます、デリスご苦労様クルル…… 』


『ユリよ酷いのじゃ!我も頑張ったのじゃ!猛毒の進行を止めたのじゃ!誉めてほしいのじゃ』


『ご褒美の一言はいらない、だからダメ!』


『それはないのじゃー』


皆が通信具でユリとクルルのやり取りを聞いて笑っている


『しかしレナ凄いね、道具制作だっけ?スキルに目覚めてすぐにファミリー全員に通話も文字も送れる魔道具作るなんて』


『ほんと、おかげで精神的に負担のかかる念話使わなくてすむから助かったけど』


『ミルルです、無駄話ししてないで、みなさんハルちゃんの所に集合してくださいね』


『『『『了解!』』』』


「みんな集まってくれて、ありがとなのです、大切な主人を守るために命をかけたこの3人のために、我が儘な姫様にお仕置きするのです!」

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