第125話シルクロール温泉郷とポンコツ姫
セリス達は、男達を衛兵に引き渡し、女の子達を連れてクルル達の元に戻って行った。
「クルル様お連れしました。」
クルル達のところに救出された3名の女性が挨拶をする
「この度お仲間のセリス様に助けていただいたファイルです」
「ネーブルです」
「クルミです」
ファイルが代表してクルルに話をする
「この度は危ないところをセリス様に助けていただきありがとうございました」
「大丈夫だったのかしら?怪我とかしてない?」
「ありがとうございます、私達は大丈夫です、セリス様からお聞きしたのですが、皆様は温泉を楽しみに来たと言うことですが、残念ながら温泉郷は今王族の方々がこられ立ち入る事ができません、もしよろしければ、地元の冒険者しか知らない温泉にご案内しますがどうでしょうか?」
「そうなのよ楽しみにしてたのに本当に残念じゃ!その隠れ温泉のようなところがあるなら是非連れて行ってもらえるか?」
「はい!ただ途中魔物が出て来ますが、セリス様達なら問題ないと、思います」
「まぁ魔物なら妾達の大切なハルちゃんがいるから襲って来ることは無いじゃろ、来るとしたらバカなゴブリンやオークぐらいじゃろ、ならハルファミリーのメンバーなら誰でも余裕で対処できるから問題ない」
ミルルがまだ眠るハルを見て話す
「そうね、最近はハルちゃんの幼児化が進み少し動いては、寝ってしまうから起きてる時に少しでも楽しい事をさせてあげたい今まで私達のためにいろいろ動いてくれたのだから…」
デリスもうなずき、ミルルに抱かれ眠るハルの頭を優しく撫でながら
「ここにいるファミリーは、全員このハル姫に救われた者ばかりじゃ、少しでも楽しい思い出を作ってあげたい、今までが大変じゃったのだから」
皆がうなずき、その姿を見てファイルは思うこの人達にとってあの小さな女の子は、大切な方なのだと…
「皆様にとってその寝ている女の子は大切な方なら、是非連れて行って見せてあげたいです!あの温泉の涌き出てる露天風呂は、絶景ですから」
話がまとまり、クルル達ハルファミリーのメンバーは、ファイル達の案内でシルク温泉郷から離れた絶景の露天風呂を目指して歩き出した。
☆・☆・☆
その頃温泉郷では、ユーフォニア国の第一王女ララミールが従者達に、
「誰か接触して来た者は、いないの?」
「いえ姫様、温泉郷の入り口付近では、多少のもめ事はありますが、温泉郷に入りたいと文句の言って来る者は今のところいません」
あれ?おかしいなぁ…だって私の影の情報では、連合国の姫様がこの温泉郷を目指して来てると情報があり、
他の者が邪魔をしないようにわざわざ制限かけたのに…
「姫様あまり温泉郷の制限をかけますと、王家に対する民の信頼問題が発生します」
「私は、連合国の姫様がこの温泉郷にこられると聞いて…なんでぇー? 噂では姫様は、多くの魔物を従わせ、盗賊達に囚われた多くの女性を救われてると聞きます、そのような方と是非お友達になりたいからずっと待ってるのに、全然接触して来ないなんて…」
それを聞いて侍女は、深いため息をはき
「姫様!そのような事のためにこの温泉郷を閉鎖したのですか?いくら相手が連合国の姫様一行でも他国と揉めるような事を避けるはずです!接触して来ないのは、あたりまえです!姫様は、バカなのですか?」
「むぅ!ば・バカじゃないもん!ちゃんと考えてやってるもん!」
「でも姫様!こんなことすれば印象を悪くするだけですよ」
「だってこうすれば絶対接触してくると思ったし、すれ違わないじゃない♪私って凄いでしょ」
どや顔で言って来る姫様にため息混じりに一言
「姫様!それらしい一行が温泉郷が王族によって閉鎖されてるのを見て、温泉郷を出て何処かに向かわれましたよ」
「えーーーー!」
ほんとに姫様は、連合国の女神様の活躍を聞いてからは、その情報を必死に集め今ではすっかり心酔してしまって公務や勉強は、そっちのけなんですもの、まぁわからなくもないのですが…
「はぁー… ララミール様ってポンコツ…」
何でぇ?こうすれば絶対会えると思ったのに…
「ハル姫様ぁーー」
シルク温泉郷にララミール姫の声がむなしく響いていた
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