第114話ハルの思いは

☆・☆・☆

ハルが眠ったまま森のツリーハウスに戻って来た時

ミラーレ大森林の賢者と呼ばれているフクロウのシルルと、ホワイトワリールのパルルが魔物の種族代表者に魔物同士で意思疎通する特殊な会話でスキルで命令をしていた


『姫の眠りを覚ますには、我々魔物だけでなく一人でも多くの人間の祈りも必要だ、人間たちのいる町からこの森の奥地のツリーハウスまで普通ならまともにたどり着く人間はいない!だからたとえどんな人であっても助けツリーハウスまで無事サポートをする、だから協力してくれ』


『我々玄魔の森の仲間も喜んで協力する』


『この事は他の森林帯や砂漠帯、水中などに住む魔物達にも再度お願いする』


こうしてハルに助けられ影響を受けた多くの魔物達の協力する事にまでなっていった。


☆・☆・☆


創造神エアリアルは、プラムスの世界を見ていた


へぇーこれみんなハルの与えた影響なの凄いわね、特に驚くべきなのは、魔物が人間たちに協力するなんて、考えられないんだけど、ハルの復活を思って集まった人々は数万人プラムスの世界人口のごく一部だが、この人族、魔族、獣人、魔物、この協力関係は、ビックリね


ハルは、黙って見つめている


「ねぇハル、ほんとならこのままこっちの世界に戻すつもりだったのだけど、あなたに任せるわ」


『・・・・・・・・・・・』


ハルは思っていた、ハル自身が関係した人や魔物は数千くらいなのに、ここには数万の人達が集まっている、しかもそれが、道のりが険しいミラーレ大森林、普通なら考えられないような老人や子供まで来てる、しかもそんな人達を、皆が協力して助けあい、魔物まで協力する信じられないような事が起こっている


ハルはその光景を見てるうち自然と涙があふれていた。


『みんなありがとう・・・・』



☆・☆・☆


モーリスト州のプライムは大森林に大勢の従者たちと入りツリーハウスを目指していた


「あの少女の言ってたことは、本当だったのぉ」


プライム達は3000m級の山岳路の危険な崖の道の入り口でアドバイスを送っていた冒険者たち、森林を進んでるときに野営場所を教えてくれる案内板、食料を確保し、野営場所まで毎日運ばれてること、魔物たちがコブリンやオークを襲ってる?人間じゃなく?今までにない事だよ近くに人間がいるのにこれも女神ハル様の効果?皆が大森林の奥で眠っているであろうハルに思いを届けるために



実際にプライム達も森を進んでてオークに襲われそうになるが、ミラータイガが現れ、オークを瞬殺してくいく事を体験し驚いていた


「プライム様、このような光景を私今まで見たことがございません」


「儂も聞いたことがない、ほんとに信じられん」


それと、ほとんどの冒険者たちが一般の人達、商人や農民それに、子供や老人たちのサポートをしてること、彼らは、ギルドから依頼されたわけでなく自ら進んで行ってると言う、プライムが一番驚いたのはいくつかの野営場所での光景だった


野営場所Aでの出来事

「皆様、野営はこの場所で行ってください!決して森の中に入って行かないでください、そこの方、こちらのスペースでテントを張っておやすみください、そちらのご老人はこちらの簡易ハウスにておやすみください」


「ダリアさんこの人足を痛めてるみたいなんです」


元王族のダリヤが負傷者の対応をしていた


「この傷なら、向こうの軽傷者用ハウスに連れって行ってください、こちらの方も疲労による発熱です向こうのオープンテントエリアにお願いします」


野営場所Bでの出来事

「皆様お疲れ様です、テントを張られた方は、こちらにスープを用意していますのでどうぞ、召し上がってください」


「ありがとうございます、アリス様」



「あら、あなた私のこと知ってるの?」


「はい、何度かお城に商品を納品した時にお目にかかっています、しかしアリスお嬢様が料理をなさるなって驚きです」


「アリス姉さん、この方の手当てをお願いします、オークに襲われてたのを助けたのですが、足をかなり痛めてるみたいです」


「ご苦労さま、セリスあなたも休んでいきなさい」


プライムはその光景が一番驚いていた、わがままに育ってしまった娘たちがこのような環境で人のために無償で働くなんて考えられない事だった


「これもハル様の影響か、そういえば嫁も王妃だった頃とは違い得意の土魔法を使い復興作業に率先して当たっていたな」


モーリスト州のほとんどの者がハル様の影響を受けてるわけか


「わしも何かできることをやらねば、っとその前にまずハル様に感謝を伝えなば」



・・・・・・・


ハルが関係した国の多くの人々数万人が森に行き、ハルに思いを伝えそれぞれの場所に帰って行った。


8魔将の魔族達もその日の森でのサポートが終わると必ずハルの元に来て寝顔を撫でてツリーハウスの側で夜営する日々を送っていた。


「ハル様ウランですよ♪早く起きてまた可愛い笑顔見せてくださいね」


「ハル様魔族の皆がハル様の元気な姿みれるの楽しみに待ってるからね」


ルナ達は、人々が思いを伝えにハルのもとを訪れてるその間、夜毎日交代でハルの身体を丁寧にふいていた


「ハル先生、こんなに沢山の人達がハル先生にに感謝してるのよ・・・お願い戻ってきて、そしてもう一度私たちと一緒にお出かけしようよ」


「そうよルナの言う通りよ、ハル先生まだ行ってない国沢山あるよ、戻ってきて」


「ハル先生うち、いろいろ調べた、いろいろな効能のある温泉で有名なユーフォニア国、いろいろな種族の獣人が住むオライリ獣人国、あとハル先生が一番興味のある森人の国フェールストここは多くのエルフが住まう国まだどうやって入国するかはわからないけど、ハル先生なら大丈夫なような気がする、だからハル先生いつまでも寝てないで早く戻ってきて」


「旅行大好きなハル先生、私はね食べ物のこといろいろ調べたのよ、まだハル先生が知らない美味しい食べ物やこの世界独特の珍しい果物、早く戻って来ないと先に行って食べちゃうぞ」


クルルも涙をこらえハルの頬をさわりながら眠るハルに話しかける


「孤独だった我らの命を救ってくれ家族になれたのに、このままお別れは寂しいのじゃ!ハルよ母のお願いじゃ一緒に旅をしようぞ」


ミルルもクルルの横で語り掛ける


「ハルちゃん、あなたは別の世界でも、こちらの世界でも沢山酷い思いしたかもしれない、でも今はこんなにもハルちゃんのこと思ってる人がいるのよ、だからこの人たちの思いに答えてあげて、それにハルちゃん、あなたはもう一人じゃないのよ私達家族がいるわ、だから戻ってきて」



☆・☆・☆


創造神エアリアルはずっと様子をみてハルに話す


「まいったわね、まさかこれほどとは、ねぇハル私はあなたに辛い思いさせる気はないの、だからこのまま神界で私と一緒にって思ってます、でもさっきも言ったようにあなたに任せるから」



ハルは目に涙をため下を向いていたが、ぐっと拳を握りしめエアリアルに向き直ると



「エアリアル母様、ハルはみんなが待ってるプラムスの世界に戻る、向こうでできた家族と楽しく暮らしたい!」




「わかったわ、でも今度ハルが酷いことされたらハルを強制的にこっちに戻すから、私だってもうこれ以上大切な娘を辛い思いさせたくないから」


「うん、エアリアル母様ありがとう」



「じゃ戻すから、向こうで楽しい経験を沢山積んできなさい、じゃ送るわね」



「うん」



エアリアルは微笑みながら


「そうだ、ハルあなたに早く帰ってきてほしいから魔法は・・・・・・・・」




「え?何?えー」

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