第112話みんなの思いと伝え方

「ハルに私達の思いをどうやって伝えるかです」


ハルを救出し、ミラーレに帰る前に集まった全員で話し合った。


聖母テリスは皆の前に立ち自分の考えを話す


「私達の思いを伝える、それはそれぞれの思いと祈りだけでは、ダメだと思います、神界より見ておられる創造神様の心を動かすほどの事でないとダメなのではないかと思います」


聖女ミーティスは、創造神の言葉を皆に思い起こさせ自分の考えを述べた


「創造神様は【かまわぬ! そうじゃのお前達がどれほど真剣にハルのことを思い、返してほしいか見させてもらう!少数の思いだけでは、半端な思いだけでは、ハルは返さぬから】この言葉 半端な思い これは思いと祈りと行動で示す必要があるのではないでしょうか!この事をよく皆さんで考えましょう、ハル様のあの可愛い笑顔がもう一度見たいですから」



では、何かわかりましたら魔道具で連絡取り合いましよう



☆・☆・☆


ミラーレ大森林ツリーハウスのハルが眠る部屋に交代でハルを見守り続けるルナ達が、話し合っていた。


「あれから2ヶ月たつけど、ハルちゃんに何の変化もないね…何だろう思いも祈りも行動も私達ちゃんとしてるのに…」


レナは考える

「たぶんまだ何かがたりないのよ…モーリスト、キスリス、ワルプルス、水族、ほとんどの人がハルちゃんのために祈りを捧げてるわ、なのになんで?何がたりないの…」


そこに可愛い声が聞こえてくる


「ハルちゃん来たのぉー!」


訪ねてきたのは、シトラス領主ミリア侯爵の娘エリアだった。


ルナがエリアの手をとり話す


「エリアちゃん、こんな奥地まで来てくれてありがとう、誰と来たの?」


エリアは、一言だけ言ってハルの部屋に入って行く


「お母さん達!ハルちゃん来たよ♪」


〈タッタッタ…バタン!〉


「ハルちゃん… エリアまたハルちゃんとお話ししたい… いかないで… 戻って来て… グスン」


エリアがそう言ってハルの身体にふれると


ハルの身体が一瞬光りすぐに元に戻った


それを見ていたレナとレンゲは、驚き自分達が今まで泣きながら身体にふれても何も起こらなかったのに、エリアがさわってそれが起こったのだから……



「え!どういう事?今一瞬光ったよね」


「間違いない光ったわ」


「何で?…どうして?」


レナ達がパニックになってる頃ルナ達は下でエリアに付き添って来たミリア達の対応をしていた





エリアを連れて来た、ミリア侯爵と冒険者10名が到着してルナに話す


「ルナさん、お久しぶりです、娘のエリアがハルちゃんにお話しするって、言うこと聞かなくて、それで冒険者さんを護衛にここまで来ました。エリアにあわせて来たから、6週間かかりましたけど」



ルナ達は、すぐにくつろいでもらうための場所を提供しょうとしたが、エリアもミリア達も真っ先にハルが眠る部屋に入って行った。


するとここでもまた同じことが起こっていた


ミリアは、ハルにお願いをしながら身体に触れる


「ハルちゃん、またあなたの笑顔見せてね、みんな楽しみにしてるんだから… 可愛い寝顔ね」


〈ピカー!〉


「え?また光った」


「何で?」


冒険者もハルに助けてもらったお礼とまたお話しがしたいといいながら優しくハルの身体にふれると


〈ピカー!〉


付き添って来た冒険者がハルに思いを伝えハルにふれるたび、ハルの身体が一瞬だけ光っていく


でも、ルナ達がどんな言葉をかけてハルの身体にふれても何も起こらなかった


これって……


レナがミロに魔道具を使って連絡を取り、転移でここに来てもらう



ルナはレナに


「ねえレナ、何かわかったの?」


レナは、自分の考えを話す


「たぶん間違いないと、思うんだけど、ここにいる私達は、エリアちゃんや、冒険者さん達よりもハルちゃんへの思いは強いはず!なのに何も起こらなかった、その違いは何か… 」


ルナ達は考える


「思いは強い私達よりも、エリアちゃん達は、思いが伝わったその違いは何か 何だろ エリアちゃん達はここまで歩いて来た?これ?」



レナは、うなずき


「そう違いは、自分達の力で歩いてここまで来たこと? ミラーレ大森林の大樹のこの場所は、どの町からも遠く道程は険しく、標高3000Mクラスの山をいくつも越え!激流の川を越えA,Sクラスの魔物達の住む森の奥地まで来るのに、高ランク冒険者で4週間一般人なら5週間かかる、しかしこれは魔物に襲われない場合だ!ハルが森の支配者になる前なら、高ランク冒険者でも、この大樹の場所まではたどり着くことはなかったはずだ、魔物の襲撃が無くても、大樹までの道程の難易度、距離、食糧問題など相当の覚悟がないとたどり着くことはできない」



レナは思った、思いと祈りと行動で示すことが、ならハルちゃんは動かすことができない?


レナは、ルナにハルちゃんを持ち上げて部屋を移動するようにお願いしてみた



「レナ!どうして!ハルちゃんベッドから動かせないよ!」


そうしてるうちにミロが転移してくる、


「来たよぉ♪どうしたの?」


レナはミロに自分の考えを伝える


「なるほど… ほんとダメね、転移で来てさわっても何もないね、じゃルナ、カエデ、私と一緒にココストの町から森に入って大樹まで歩いて来たら結果わかるでしょ?さぁ行くよ」


「え?ちょっと、え?」


〈ブーン!〉


レナは、転移して行った場所を見つめながら


「ミロ行動力はや!」


レナが、ぶつぶつ言ってるとミリア達が集まって来て、どうしたのか訪ねて来る


レナは


「 実は……………… 」


ミリアはそれを聞き確信したのか自分の領地に連絡をして、ハルちゃんを引き留める方法を伝えた


「これはまだはっきりとわかった訳じゃないけど、私は確信した。これは強制じゃない!」



と伝えたのに………


危険な魔物が住む森のさらに奥地、ミラーレの森の魔物はゴブリン達極一部の魔物以外は人は襲わない…と、大勢の領民の知ることとなり、多くの領民が準備を整え森に入って行った。」


この事はモーリスト州キスリス州内に伝わっていった………



ミロ達が転移して森に入ってから3週間ちょい、さすがのハルファミリーもう戻って来た。


ミロ達はハルの部屋に行き一人一人感謝と思いを伝え、ハルの身体にふれた


すると同じように


〈ピカー!〉


「光った… 嬉しい」


ルナは喜び


「やったぁ♪ハル様ー」


ミロははしやいでいた


レナの考えが実証され、すぐにデリス、クルル、ミルルにも伝えられると


デリス、クルル、ミルルに加えまだ残ってた、レナやカエデ達も一旦森の外の町に転移して、とんでもないスピードで、走りながらわずか1週間で大樹にたどり着き、ハルファミリー全員がハルに行動で示すことができ喜んでいた。


この事をモーリストのプライム、キスリスの聖母テリス、ワルプルスのカミルスに伝えられた


すると、ミラーレ大森林に入る3つのルートの入り口の町に大勢の人が集まりだし信じられない事が起こっていた


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