第111話ハルを助けるために②

デリスとミロは、必死に探した。


「母様、ハルちゃんの魔力が、全く感じません!」


ミロは必死にハルの魔力痕跡を探した、ミロはわずかでも魔力痕跡があればわかる特殊なスキルを持っていた。


ミロは、探す間は無防備になるが、それをデリスが守っていた。


「女ぁー死ねー!」


「この女を捕らえろー!」


「ほんと屑どもが鬱陶しい!邪魔をするなぁー!」




〈ドカン!ドコン!〉


「ぐぇーーー!」


「母様見つけました。微かにこっちから漏れています!」


移動するデリス達に襲いかかる男達


「女ぁー死ねー!」


「この女を捕らえろー!」


〈ドカン!ドコン!〉

〈バキッ!ボコ!〉

「ぐぇーーー!」

「ぎゃーーー!」



「この扉の向こうにハルちゃんの魔力がわずかに漏れて来てます」


〈ドカーーン〉


扉を破壊して、部屋に入ってデリス達の目には、裸で拘束されて吊るされ、両手足にミスリルの矢が刺さってるハルの姿が飛び込んできた。


「「!!」」


その姿を見て叫びをあげてうなだれるミロ

「嫌ぁーーーーーーー!」


涙を流し怒りが増幅するデリス


「おのれーーーーーーーー!」


〈ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!〉


デリスの周りには闇の炎の玉がいくつも現れ、デリスの周りも大きな闇のオーラが現れていた。


「よくも!よくも!我の大切なハルにー!死ぬがいい!」


「フン!やかましい!魔族め!お前らが来る対策はできてる!おらぁー!」


男達は、魔力吸引結界が壊されるのを予測して、魔法障壁の魔道具を起動させて、自分達とハルにが障壁に包まれる


さらに男達は、デリス達に絶望を与えるべくハルの胸めがけ剣を突き刺す!


ハルの身体が一瞬びくりと動きハルの唇が、わずかに動いたようにデリスとミロは見えた



「許さん!許さん!許さんぞー!屑どもー!」



デリスは闇のオーラを身体にまとったまま男達に近づいて行く


男達は、あまりの恐怖に後ずさりしながら、魔法を放つ!


デリスは、放たれる魔法を手で払い除けるように男達に近づいいく


「化け物め! 来るなぁ!」


「ひぃーー!来るなぁ」


「俺たちは、指示に従っただけだー!」


デリスは一言放ちながら、男達に近づいて行く


「右足膝下!」


〈グシャ!〉


「ぎゃーーー!」


「い・言う だ・だから 殺さないで 」


さらに近づくデリス


「左手肩から下全部!」


〈グシャ!〉


「ぎゃーーー!や・やめてくれぇーー!」


はぁはぁ…


「この国の………」


「 左足全部!」


〈グシャグシャ!〉


「ぎゃーーー!」


「 こ・この国に頼まれ たんだよぉ」


「右耳!」


〈スパーン!〉


「ぎゃーーー!」


デリスは、男を睨み付け腹部に手をかざす


「や・やめろーーー」


〈ドン!〉


「ぎゃーーー!」


「し・しゃべったから攻撃をやめてくれぇーー」


ミロは、男に近づく


「この国の誰!」


「知らねえ… 国の紋章の依頼書だった!はぁはぁ…」


ミロは、冷たく


「死んで!」


〈グシャグシャグシャ!〉


男達を処分したデリス達は、急ぎミルル達を呼ぶ


矢を抜くことで出血が多くなるから治癒魔法を持っているミルルとユリが来るのを待った


クルルもミルルもルナ達もハルの姿を見て泣き崩れた。


ミルルは自分の治癒は傷の深層部分までは治せないと、ユリも治せないと、しかも鑑定でミスリルの矢には呪詛が施されていると!


「ユリよ!方法はないのか!このままでは、ハルの生命力が無くなるのじゃ!」


ユリは考える


「あ!キスリスの聖母様と聖女様なら助けられると思います! でも聖母様は、はるか…え?…えーー!」


なんとそこには、ミロとデリスが二人を連れて転移してきていた。



聖母テリスは、慎重に呪詛を解呪し聖女ミーティスの指示でクルルとデリスは矢を抜いていく


テリスとミーティスの二人がかりで傷をふさいでいく、深層の治癒は聖母も聖女も持っていなかったが、ハルの影響で治癒魔法のレベルが上がり深層治癒ができるようになっていた。


ただハルの傷は深く、二人は何度も魔力枯渇になりながら数日かけハルの一命はとりとめた。


テリスは皆に話す


「何とか生命力は、維持できました、が後はハル様次第です」


クルルは、どういう事かわからず聞いた


「ハル次第とは、どういう事なのじゃ」



テリスは、神託があった事を伝えた


「恐らくハル様の生命力が低下した時に創造神様が、介入されたのだと思います」


私に告げられた事そのまま伝えます


【ハルは、再び人間の欲望の犠牲になり、私が一時御霊を神界に呼び寄せた、ハルの生命力がなくなればこのままこっちに引き取るが、生命力が残ったとして、ハルの精神は疲弊し再びお前達の世界に戻ると言う気持ちがなくなっておる!だからこのまま神界に引き取る事にする!】


「それは、決定事項何でしょうか?ハル様がこちらに戻ることは、ないんでしょうか?」


【ない! お前達に関係は無いが、ハルは前いた世界でも人間によって耐え難い辛い経験をしておる、その記憶は私が封印するくらい酷いものでした。それに今回もまた同じように辛い思いをしたのです!だからそっちに戻すことはない!】


「そうですか…… 」



【…… ハルが望めば … 】


「どういう事でしょうか?」



【ハルには、神界からお前達の状態を見せる、それでハルがまだ戻りたいと思うなら、考える! 半端な思いだけでは返さぬ! 】



「この事は、皆に伝えてもよろしいでしょうか?」


【かまわぬ! そうじゃのお前達がどれほど真剣にハルのことを思い返してほしいか見させてもらう!少数の思いだけでは、半端な思いだけでは、ハルは返さぬから】



聖母テリスは語り終わり皆に話す


「創造神エアリアル様は、少数の思いでは無理だと、半端な思いでは無理だとおっしゃられました。私は、すぐにキスリスに戻りこの事を皆に伝えます、後は民自ら行動で示しその皆の行動の判断をエアリアル様に委ねます」


ハルファミリー達も納得し行動に移す


ハルは、ミラーレ大森林のツリーハウスに移されルナ、ユリ、レンゲ達が交代でハルを見守った


デリスとクルルとミルルの3人は、今回の一番の黒幕ドレスコート国に向かっていた。


ミロ、カエデ、スミレ、レナが連合国に神託を伝えに散って行った。


ミロ達は、出かける前に祈った、


「「「ハル様戻って来て下さい」」」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る