第108話ハルと創造神エアリアル

ここは・・周り真っ白な場所、ハルは死んだのかなぁ


頑張ったけど、もういいかなぁ・・人の欲望って怖いなぁ


『ハル・・・ハル・・』


『誰?ハルはここにいるよ・・』


『ハル・・私はあなたをこの世界に転生させた創造神エアリアル』


『神様…じゃハルは死んだんだ…』


『いえ、ハルはまだ死んでないわ、生と死の狭間にいる状態かな』


『ハルは、もうこのまま死んでもいいです、もういいの…エアリアル様は、ハルをどうして気にかけるの?ハルの存在なんてこの世界の何億分の1でしょ?』


『ハルよく聞いて、貴方は、私の子供としてこの世界に転生させたのです、何億分の1じゃないのよ、ただ今回の転生は謝らないといけないの』


『エアリアル様の子供?ハルが?謝る?意味わかんないのです』


『ハル貴方の転生はもう少し先のはずだったのよ、地球で人間としての経験値を積んでから、こっちの世界に転生させる予定だったのよ、それを地球の神が神域を広げる時に歪みが生じて、この世界の転移儀式の波動とリンクしてしまいハルの乗ってるバス事故を引き起こしてしまったのよ、あの時は焦ったわ、死ぬはずのない貴方達がいたのだから、私も時間のないなかで、バスの運転手とガイドをトンネル落盤の外にだして記憶を消したりしてたらハルが死んでて、地球の神が介入する前に急遽この世界に転生させたのです、本来ならハルをあんな場所に転生させるはずじゃなかったのですが、転移波動に巻き込まれて転生体のあなたまで一緒にあの場所に運ばれたの』


『じゃハルは、なんでスキルとか使えなかったの?ステータスもおかしかったし』


『ステータスやスキルについては、ばれるとまずいので、隠しました。スキルもほとんどロックしました。転生前の記憶も一時的に戻ってしまいましたが、すぐに消えるようにしました、ハルの地球での記憶は成人するまでが大変辛いものだから私の方で封印してます。ハルを地球に転生させたことを私は後悔しています、今のハルは、スキルロックが解除され自由に経験を積み習得できますが、あなたは無茶な使い方ばかりするから成長に合わせて制限をかけてました、それはハルの身体を守るためよ、ここまではいいかしら』


『はいなのです、じゃハルはエアリアル様の子供ってこと?』


『そうよ♪そのつもりでハルを創造し文明の発達した地球の普通の家庭に生まれるようにしたのよ、そこでいろいろ経験してもらって、別の世界に転生させてそこの文明発展の助けにと思ってたのですが、それが失敗だった・・ハルにたくさん辛い思いさせてしまったの・・今度はこの世界でも・・・ほんとごめんなさい』


『もういいです、気にしてないです、じゃハルはこれからどうなるの?エアリアル様と一緒にここで暮らすの?』


『そうね、それでもいいし、また別の世界で経験を積むかなんだけど・・』


エアリアルはハルのいた世界の様子を見て考えていた、まさかこの世界の者がハルにここまで思いが強いとは思わなかったわ、ここはハルに判断させてもいいかな・・・


「ハルこの様子を見てまだ残るか、こっちに戻るか判断したらいいわ、どうするかの判断はあなたに任せるわ」


ハルは自分が居た場所を見ていた


☆・☆・☆

スミレがクルル達のもとに戻りわかったことを報告する


「皆聞いて!この国のポルトポ辺境伯邸にはハルちゃんはいません!ここにいる辺境伯は偽者です、ハルちゃんはドレスコート国の辺境伯邸の中にいるはずです」


クルル達は辺境伯領まで来たのに、偽者の報告でイライラはピークに達していた


「ポルトポは現在ドレスコート国のマドレーミラ領のどこかにいるとのことです」


予見のスキルを持つレナが涙をためて前に出てくる


「レナです、私は予見のスキルを持っているのですが、その予見の一つにハルちゃんが惨殺されて、死んでしまう予見が・・・うわーん」



クルル達は考える確かにポルトポと言う男の狡猾さを考えると時間の猶予はないことを・・


デリスは叫ぶ


「我らの大切なハルをどうすれば早く助けることができるのじゃー!」


ミロが前に出てくる


「 一つだけ方法があるわ!直接しかも一瞬でハルちゃんの所に・・・」


デリスが答えを急がせる


「ミロそれはどんな方法じゃ!」


「ただこの方法は全員ではいけない・・しかも一人だけ」


クルルも苛立ちせかせてくる


「ミロよ!もっとわかりやすく説明せよ!」



「・・・この方法は、危険だけど確実・・たぶん でも行ける人が限られるハルファミリーの中では行ける人はいない、戦闘ができて、魔道具破壊ができて身体が小さくて転移魔法が使える人」


デリスは、ミロにもう少し詳しく説明を促す


「母様達がハルちゃんの魔力の跡をたどって乗り込んだ倉庫、あそこにおそらく転送用の何かがあるはずです、それ以外考えられないのです!」


「あそこには、木箱しか無かったぞ!」


「たぶん母様達は、木箱でハルちゃんがいた証拠を見つけてそれ以上捜索しなかったでしょ?」


「そう言えば、奴らハルちゃんの証拠が見つけられたのに、わずかだが硬直してた魔力がやわらいだ気がした、そう言う事か!」


「そう恐らく残りの木箱のどれかに、転送用の転移用魔方陣が書かれてるはず、それを使えば確実にハルちゃんのもとに行けます」


「しかしあんな小さい木箱に入れるとなると、3歳児くらいじゃぞ、それに転送先には、恐らくハルを捕らえた者もおるじゃろ、この中の誰かが行くならそんな奴らに遅れはとらないだろうが…うむどうするか」


ミロは、しっかりと答える


「母様、私に一人だけあてがあります」


そう彼女なら……



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